ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは?症状や原因・予防の方法まで徹底解説!

この記事は医師に監修されています

中部脳リハビリテーション病院 脳神経外科部長

矢野 大仁 先生

「ロコモティブシンドロームってどんな意味なの?」

「ロコモティブシンドロームの原因や予防法を知りたい!」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

ロコモティブシンドロームは近年注目されている高齢者の病気で、移動機能の低下を指しています。

早い段階で対策に着手することで、予防効果や症状を遅らせる効果が得られるので、症状について知っておくことが重要です。

こちらの記事では、ロコモティブシンドロームの症状や予防方法などを詳しく解説していきます!

ロコモティブシンドロームについてざっくり説明すると
  • 移動するための機能が低下を起こしてしまっている状態
  • 認知症などを誘発してしまう恐れがあるので、要注意
  • 加齢や筋肉などの疾患がきっかけとなって起こる

ロコモティブシンドローム(ロコモ)の意味は?

ロコモティブシンドロームとは、運動器が障害を起こし移動機能の低下をきたした状態を意味します。

なお、運動器とは人間が「歩く」「作業する」などの、広い意味での運動のために必要な身体の仕組み全体を指します。

全身の運動器

運動器は骨・関節・筋肉・神経などで成り立っており、これらの組織の障害によって立ったり歩いたりする身体能力(移動機能)が低下した状態をロコモと呼んでいます。

要介護の原因になりやすい

運動器の内、どれか一つの障害でも移動機能に支障がでますが、高齢者では

それぞれの障害や症状が関連し合い、より大きな影響が出てしまうのが特徴です。

また、その後ロコモが進行すると「立つ」「歩く」ことが難しくなっていき、将来的に介護が必要になるリスクが高くなってしまうので、介護予防の観点からもロコモ予防は重要です。

実際、以下のように要支援・要介護状態にってしまう原因のトップは転倒、骨折や関節の病気など運動器の故障となっています。

要介護・要支援になった原因

認知症や骨粗鬆症と負の連鎖を引き起こす

ロコモ・骨粗鬆症・認知症の関係

ロコモによって運動機能が低下してしまうと、骨が弱り骨粗鬆症を発症しやすくなります。

骨粗鬆症が進行すると、骨がもろくなり体を支える背骨や大腿骨などの重要な骨が折れやすくなってしまいます。

骨折すると、治療のために臥床で過ごす時間がありますが、このようにベッドを離れられない時間が長期化してしまうと認知症を発症するリスクも高まります。

実際、認知症を発症すると更に転倒のリスクが高まるデータもあることから、深刻な悪循環に陥ってしまうことが分かるでしょう。

ロコモ・骨粗鬆症・認知症のどれか一つでも発症すると、要介護状態や寝たきり状態になるリスクを高めてしまうので注意しましょう。

自覚症状がなくても非常に危険

日常生活に支障は無いと思っていても、気付かない内にロコモになっていたり、すでに進行したりしているケースが多くあります。

また、近年では高血圧などの生活習慣病を抱えている人は、運動不足が背景にあることも多く、ロコモになりやすいことも分かっています。

なお、自分がロコモかどうかは「ロコモ度テスト」をすることで簡単に判定することが可能です。

その結果、残念ながら既にロコモであるとわかった場合も、できるだけロコモを進行させないように普段の生活を改めることが重要です。

いつまでも自分の足で歩き続けるためにも、運動器を長持ちさせて健康寿命をのばしていく強い意識を持ちましょう。

ロコモティブシンドロームの症状の流れ

それでは、ロコモティブシンドロームの症状の流れについて見てみましょう。

症状のメカニズムについて知っておくことで、予防法も見えてきます。

筋力の低下

やはり、筋力が低下してしまうとロコモになりやすくなります。

不健康な生活が習慣になってしまうと、筋力を使う機会が減るので、さらに筋力が低下するという悪循環に陥ってしまいます。

また、骨や関節の疾患を患うと、自ら行動する機会が減り、その結果筋力が低下してしまう事例もあります。

このように、筋力低下や節々の痛みは負のスパイラルでロコモを進行させていきます。

バランスが取れなくなり関節が痛む

筋力が低下すると、平衡感覚はあってもバランスが崩れやすくなります。

それは転倒するリスクを高めてしまうだけでなく、関節を痛めることもあり、その結果さらに動く機会を減らしてしまうのです。

また、運動不足が進行すると関節を動かす可動域が狭まり、以前よりもスムーズな動作ができなくなってしまうこともあるので、注意しましょう。

歩行が難しくなり歩行機会の減少

筋力が低下したり関節の痛みが強くなってくると、痛みへの恐怖やバランス能力低下による不安感から、より自ら動く機会が減ります。

また、関節の可動域が狭まることで歩幅の縮小してしまうため、歩くスピードも落ちて歩く時間が減ってしまうのです。

活力が失われてしまうと外出を避けて引きこもるようになってしまい、体力的にも精神的にも大きな悪影響が出てしまいます。

ロコモになる過程で生活や社会活動の範囲が狭まる傾向があるため、身体が動く内から対策を進めていきましょう。

さらなる歩行困難・寝たきりになる

外での活動量が減ると、やがて屋内での移動も徐々に困難になってしまいます。

筋力を使う機会が大きく減ると、家の中でも転倒するリスクが高くなるため、非常に危険です。

その結果、立ち上がりや歩行を1人で行うことができず、やがて寝たきりの状態になってしまうのです。

ロコモが進むことで多くの問題が発生するため、本人と家族が協力して、できるだけ活動するようにエスコートしてあげましょう。

ロコモティブシンドロームの原因

続いて、ロコモティブシンドロームを起こしてしまう原因について紹介していきます。

加齢による筋力低下など

加齢に伴って全身の筋肉量は自然と低下します。握力(筋肉の力)や歩行速度(筋肉の機能)が筋肉量とともに低下している現象をサルコペニアと呼びます。

特に、ふくらはぎや大腿部などの下半身を中心とした大きな筋肉の筋力が低下してしまうと、移動機能が著しく低下してしまいます。

このように、筋力の低下が運動不足とモチベーションの低下を引き起こし、さらに筋力が低下していくという悪循環に陥ってしまう高齢者は多くいます。

筋力とバランス能力の両方が低下してしまうと、ロコモになる可能性はより高くなってしまうので、気を付けましょう。

骨・関節・筋肉の疾患

筋力の低下だけでなく、疾患もロコモの原因となることがあります。

骨粗しょう症(骨粗鬆症)

骨粗鬆症は、骨密度が低下して骨がもろくなってしまう病気です。

骨がもろくなってしまうリスクは想像以上に大きく、軽く転んだだけで骨折してしまうこともあります。

また、骨粗しょう症では骨折からの回復にも時間がかかってしまい、特に大腿骨骨折や椎体骨折ではそのまま寝たきりになってしまうケースも少なくありません。

特に、女性はもともと骨が弱く、さらに閉経後は骨を守る女性ホルモンが減ってしまうため、骨密度が急速に低下することを知っておきましょう。

変形性脊椎症

変形性脊椎症は、加齢に伴って背骨が変形したり、椎間板ヘルニアなどによって神経が圧迫されて症状を起こします。

慢性的な疼痛を生じるようになる点が特徴で、背中を使う多くの動作で足腰に痛みや痺れを感じるようになります。また、背中が大きく曲がることで内臓が圧迫され、呼吸の制限や逆流性食道炎、誤嚥性肺炎のリスクになります。

加齢によって誰にでも生じる可能性があるので、予防するのは難しいですが日常から正しい姿勢を心掛けることで脊椎への負担を軽減できます。

変形性関節症

膝関節や股関節に代表される変形性脊椎症は、クッションの役割を担う関節の軟骨がすり減ってしまうことで起こります。

歩く際に重要な役割を果たしている関節に痛みが生じるので、自ら動くことに対する意欲を失ってしまうことに繋がりやすい症状と言えるでしょう。

実際に、変形性関節症を患ってしまった結果、活動性が低下してしまう高齢者は非常に多いです。

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ロコモティブシンドロームかチェックしてみよう!

ロコモは高齢者がなる病気だと思われがちですが、40歳くらいから始まることもあります。

そのため、日頃から不摂生や活動量が少ない人は要注意と言えるでしょう。

なお、東京大学が行った調査によると、ロコモの原因となる変形性関節症や骨粗鬆症を抱えている人は全国で約4,700万人いると推計されています。

つまり、気付かない内に症状が進行していることを念頭に置き「自分はロコモかもしれない」という意識を持つことが重要です。

3つの「ロコモ度テスト」が有効

自分自身がロコモかどうかは3つの「ロコモ度テスト」で判定することができます。

これらのテストの結果により、

  • ロコモでない状態
  • ロコモが始まっているロコモ度1
  • ロコモが進行したロコモ度2
  • ロコモがさらに進行して社会参加に支障をきたしているロコモ度3

以上のどれに該当するかを判定できます。

なお、ロコモ度3は「運動器が原因の身体的フレイル」に相当するため、危険な状態と言えるでしょう。

立ち上がりテスト

立ち上がりテスト:基本姿勢

立ち上がりテスト:両側の場合

立ち上がりテスト:片側の場合

立ち上がりテストでは、下肢筋力を測定します。

片脚又は両脚で座った姿勢から、40cm・30cm・20cm・10cmの4種類の高さの台から立ち上がれるかどうかで判定します。

なお、判定は以下のようになります。

  • ロコモ度1(移動機能の低下が始まっている状態)

どちらか一方の脚で40cmの台から立ち上がれないが、両脚で20cmの台から立ち上がれる

  • ロコモ度2(移動機能の低下が進行している状態)

両脚で20cmの台から 立ち上がれないが、30cmの台から立ち上がれる

  • ロコモ度3(移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態)

両脚で30cmの台から立ち上がれない

2ステップテスト

2ステップテスト

2ステップテストでは、以下の手順で歩幅からロコモ度を測定します。

  1. スタートラインを決め、両足のつま先を合わせる
  2. できる限り大股で2歩歩き、両足を揃える(バランスを崩した場合はやり直し)
  3. 2歩分の歩幅(最初に立ったラインから、着地点のつま先まで)を測定する
  4. 2回行い、良かったほうの記録をチェック
  5. 以下の計算式に当てはめて2ステップ値を算出する

〈計算式〉

2歩幅 (cm) ÷ 身長 (cm) = 2ステップ値

なお、ロコモ度は以下の通りです。

  • ロコモ度1(移動機能の低下が始まっている状態)

2ステップ値が1.1以上1.3未満

  • ロコモ度2(移動機能の低下が進行している状態)

2ステップ値が0.9以上1.1未満

  • ロコモ度3(移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態)

2ステップ値が0.9未満

ロコモ25

身体の状態や生活状況からロコモ度を測定するのがロコモ25です。

Q1からQ4ではこの1ヶ月のからだの痛みなどについて、Q5からQ25 ではこの1ヶ月のふだんの生活についての質問です。以下の質問に答えて得点を記録してみましょう。

客観的に自分を評価した上で回答しましょう。

<質問表>

問題番号 質問 0点 1点 2点 3点 4点
Q1 頚・肩・腕・手のどこかに痛み(しびれも含む)がありますか。 痛くない 少し痛い 中程度痛い かなり痛い ひどく痛い
Q2 背中・腰・お尻のどこかに痛みがありますか。 痛くない 少し痛い 中程度痛い かなり痛い ひどく痛い
Q3 下肢(脚のつけね、太もも、膝、ふくらはぎ、すね、足首、足)のどこかに痛み(しびれも含む)がありますか。 痛くない 少し痛い 中程度痛い かなり痛い ひどく痛い
Q4 ふだんの生活でからだを動かすのはどの程度つらいと感じますか。 つらくない 少しつらい 中程度つらい かなりつらい ひどくつらい
Q5 ベッドや寝床から起きたり、横になったりするのはどの程度困難ですか。 困難でない 少し困離 中程度困難 かなり困難 ひどく困離
Q6 腰掛けから立ち上がるのはどの程度困難ですか。 困離でない 少し困離 中程度困難 かなり困難 ひどく困離
Q7 家の中を歩くのはどの程度困離ですか。 困離でない 少し困離 中程度困離 かなり困難 ひどく困離
Q8 シャツを着たり脱いだりするのはどの程度困難ですか。 困離でない 少し困離 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q9 ズボンやパンツを着たり脱いだりするのはどの程度困離ですか。 困離でない 少し困離 中程度困離 かなり困難 ひどく困離
Q10 トイレで用足しをするのはどの程度困離ですか。 困難でない 少し困離 中程度困離 かなり困離 ひどく困離
Q11 お風呂で身体を洗うのはどの程度困難ですか。 困離でない 少し困離 中程度困離 かなり困離 ひどく困離
Q12 階段の昇り降りはどの程度困離ですか。 困離でない 少し困離 中程度困難 かなり困難 ひどく困離
Q13 急ぎ足で歩くのはどの程度困離ですか。 困離でない 少し困離 中程度困難 かなり困離 ひどく困離
Q14 外に出かけるとき、身だしなみを整えるのはどの程度困難ですか。 困離でない 少し困離 中程度困難 かなり困離 ひどく困離
Q15 休まずにどれくらい歩き続けることができますか(もっとも近いものを選んでください)。 2~3km以上 1km程度 300m程度 100m程度 10m程度
Q16 隣・近所に外出するのはどの程度困難ですか。 困離でない 少し困離 中程度困難 かなり困離 ひどく困離
Q17 2kg程度の買い物(1リットルの牛乳バック2個程度)をして持ち帰ることはどの程度困離ですか。 困離でない 少し困離 中程度困難 かなり困離 ひどく困離
Q18 電車やパスを利用して外出するのはどの程度困離ですか。 困離でない 少し困離 中程度困難 かなり困離 ひどく困離
Q19 家の軽い仕事(食事の準備や後始末、簡単なかたづけなど)は、どの程度困難ですか。 困離でない 少し困離 中程度困難 かなり困離 ひどく困離
Q20 家のやや重い仕事(掃除機の使用、ふとんの上げ下ろしなど)は、どの程度困難ですか。 困離でない 少し困離 中程度困難 かなり困離 ひどく困離
Q21 スポーツや踊り(ジョギング、水泳、ゲートボール、ダンスなど)は、どの程度困難ですか。 困離でない 少し困離 中程度困難 かなり困離 ひどく困離
Q22 親しい人や友人とのおつき合いを控えていますか。 控えていない 少し控えている 中程度控えている かなり控えている ひどく控えている
Q23 地域での活動やイベント、行事への参加を控えていますか。 控えていない 少し控えている 中程度控えている かなり控えている ひどく控えている
Q24 家の中で転ぶのではないかと不安ですか。 不安はない 少し不安 中程度不安 かなり不安 ひどく不安
Q25 先行き歩けなくなるのではないかと不安ですか。 不安はない 少し不安 中程度不安 かなり不安 ひどく不安

合計得点によってロコモ度が3つのタイプに分類されます。

  • ロコモ度1(移動機能の低下が始まっている状態)

7点以上16点未満

  • ロコモ度2(移動機能の低下が進行している状態)

16点以上24点未満

  • ロコモ度3(移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態)

24点以上

結果はいかがでしたか? 点数だけではなく、年代別の点数分布図の中でのご自分の位置を確認してみましょう。

年代別ロコモ25点数の割合

7つの「ロコチェック」も有効

日本整形外科学会では、誰でも簡単にロコモ診断ができる7つの「ロコチェック」を挙げています。

バランス能力・筋力・歩行能力・持久力をチェックし、1つでも該当する場合はロコモの恐れがあります。

なお、質問は以下の通りなので、ぜひ一度チェックしてみましょう。

  • 片脚立ちで靴下がはけない
  • 家の中でつまずいたりすべったりする
  • 階段を上がるのに手すりが必要である
  • 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)
  • 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1Lの牛乳パック2個程度)
  • 15分くらい続けて歩くことができない
  • 横断歩道を青信号で渡りきれない

ロコモになりやすい人

女性や肥満の人はロコモになりやすいと言われています。

女性は男性と比べて靭帯や膝軟骨が弱く膝関節を損傷しやすい点や、閉経前後から骨密度が大きく低下することが理由です。

また、女性は男性の約3倍の骨粗鬆症患者数がいることから、早い段階からロコモ対策に取り組むことが重要と言えるでしょう。

肥満の人は膝関節をはじめとした下半身に大きな負担がかかるので、膝や腰を痛めやすいです。

また、痛みのせいで体を動かせない状態が続くと体重が増加してしまい、さらに痛みが悪化する悪循環に陥るケースも見られることから、肥満気味の人は要注意と言えるでしょう。

50代からはさらなる注意が必要

筋肉量低下と骨密度の低下

人間の筋肉や骨密度は、30歳前後でピークを迎えた後は徐々に低下すると言われています。

特に、50代以降は加齢による衰えが早くなることに加えて、怪我や病気などのリスクが高まります。

その結果、ロコモに陥ってしまう可能性が一気に高まるので、できるだけ早い段階からロコモ対策を講じておく必要があるでしょう。

40歳前後から運動習慣を取り入れるなどのロコモ対策に着手し、筋肉量を維持すると同時に転倒や骨折などの事故を防ぎましょう。

ロコモティブシンドロームの予防法・対策法は?

ロコモ状態になってしまっても、回復することは可能です。

しっかりと対処すれば不安や不自由なく歩けるようになるので、早い段階から予防・対策することが重要です。

運動習慣が大事

運動器の機能は、日頃の生活で身体を動かして負荷をかけることで維持できます。

つまり、若い頃から適度に運動する習慣を作り、運動器を意識的に使い続けることがロコモ対策上非常に重要です。

スポーツの実施状況と体力テストの結果

スポーツ庁の調査によると、年齢層に関係なく運動・スポーツの実施頻度が高い人ほど体力テストの点数が高いことが分かりました。

ほぼ毎日運動する50歳の人は、運動習慣の無い30歳の人より体力が高いという結果も出ているため、運動習慣は体力に大きな影響を及ぼしていることは明らかです。

食事での予防も有効

筋力を維持する上で運動習慣は重要なのは先に述べた通りですが、食事もロコモ予防の観点から非常に重要な役割を果たしています。

運動を行うことと、たんぱく質とカルシウムを十分に含んだ食事を摂取することで、健康寿命を伸ばすことができます。

足腰の筋力を保つことで、骨粗鬆症の予防・膝や腰の痛みの予防と改善に繋がるので、メリットは非常に大きいです。

おすすめの食品を以下に列挙するので、参考にしてください。

  • 鶏むね肉(たんぱく質)
  • 鯖(たんぱく質)
  • 豆腐(たんぱく質)
  • 牛乳(カルシウム)
  • イワシ(カルシウム)
  • 小松菜(カルシウム)
  • 鮭(ビタミンD)
  • キノコ(ビタミンD)
  • ほうれん草(ビタミンK)
  • 抹茶(ビタミンK)

ロコモの進行を食い止めるには

ロコモになる要因は、運動器の病気や運動器の衰え・痛みが代表的です。

ロコモ状態になってしまうと、社会活動・生活活動が制限され、やがて要介護の状態に至ってしまうケースが非常に多いです。

そのため、症状の進行を止めるためには、原因を見極めた上で適切に対処することが重要です。

なお、対処法としては運動器の衰えに対する筋力やバランス感覚のトレーニング、疾患に対する薬物・手術による治療や痛みや痺れを緩和する治療などが挙げられます。

しっかりと対処すれば回復させることが可能なので、医師の判断を仰ぎつつ適切に対処していきましょう。

ロコモに似た状態は?

ロコモに似た病気はいくつかあります。

紛らわしいものが多いので、ロコモのような状態になったら以下の病気も疑いましょう。

廃用症候群

廃用症候群とは、過度に安静にしすぎたり、安静状態が長期に渡り続く事によって起こってしまう様々な心身の機能低下を指します。

生活不活発病とも呼ばれていますが、ロコモとは異なり運動器以外の不調も含みます。

筋萎縮やうつ病、認知症などを発症してしまうリスクを高めてしまうので、要注意と言えるでしょう。

サルコペニア

サルコペニアとは、加齢や疾患により筋肉量の減少とともに筋力、筋肉の機能低下を伴う状態を指します。

下肢筋や体幹筋など全身の「筋力低下」にもたらされる状態のことで、運動器全体の機能低下を示すロコモに含まれます。

フレイル

フレイルとは、高齢期に心身が老い衰えた状態を指します。

  • 身体的フレイルとして、低栄養、口腔機能低下、運動器障害(ロコモ)など
  • 精神的・心理的フレイルとして、うつ、軽度認知障害など
  • 社会的フレイルとして、閉じこもり、孤食、老老介護など

ストレスへの耐性低下や健康障害が生じやすくなり、健康的な状態と要介護の間の段階として位置付けられています。

簡単に言うと「虚弱」や「老衰」という意味になりますが、早い段階でケアできれば回復させることが可能です。

ロコモとフレイルの関係は?

ロコモとフレイルの関係

フレイルが現れる要因には、身体的要因、精神・心理的要因、社会的要因の3つがありますが、身体的フレイルはロコモと深い関係があります。

ロコモの症状は一般的にフレイルよりも早い時期から現れますが、ロコモが進行して自覚症状が顕著になった状態が身体的フレイルです。

なお、先に紹介したテストで「ロコモ度3」に該当すると、身体的フレイルに相当しています。

ロコモとフレイルは深い関係があり、ロコモ予防がフレイル予防に繫がることが分かるでしょう。

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運動する心がけと栄養バランスのいい食事が効果的な対策

加齢に伴って筋肉量は減少してしまう以上、早い段階から筋力維持に注意を払うことが重要です。

50代はまだまだ現役世代なので、継続的な運動習慣に身に着けるのは難しいのが現実でしょう。

しかし、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を使ったり、一つ手前の駅で降りて歩行距離を伸ばすなどの工夫をすることで、筋力を維持できるようになるでしょう。

また、毎日階段を上り下りしていれば、筋力を維持できるだけでなく心肺機能を高めることもできます。

40代・50代から意識的にロコモ対策をすることで健康寿命を延ばすことができるので、駅やオフィスの階段を有効活用しましょう。

ロコモティブシンドロームまとめ

ロコモティブシンドロームまとめ
  • バランスの取れた食事と、運動習慣を作ることが重要
  • 簡単にチェックする方法があるので、実践してみよう
  • 50代以降はロコモになりやすくなるので、特に注意が必要

ロコモになると、移動するのに支障が出るだけでなく骨粗しょう症などの様々な病気を誘発してしまいます。

筋力が弱ることで移動する機会が減り、更なる筋力低下を引き起こしてしまうので未然に防ぐことが非常に重要です。

こちらの記事を参考にして、積極的にロコモ予防に取り組みましょう!

この記事は医師に監修されています

中部脳リハビリテーション病院 脳神経外科部長
中部療護センター副センター長
岐阜大学連携大学院脳病態解析学分野 准教授(客員)

矢野 大仁(やの ひろひと) 先生

1990年岐阜大学医学部卒業、医学博士。大雄会病院などの勤務を経て、学位取得後、2000年から岐阜大学医学部附属病院脳神経外科助手。2010年 准教授、2013年 臨床教授・准教授、2020年4月から現職。日本脳神経外科学会専門医・指導医、日本脳卒中学会専門医。脳卒中の他、脳腫瘍、機能的脳神経外科など幅広い診療を行っている。患者さんが理解し納得できるようにわかりやすい説明を心がけている。

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