ケアマネージャー(介護支援専門員)とは?選び方や仕事内容・ケアマネになる方法まで解説
この記事は専門家に監修されています
介護支援専門員、介護福祉士
坂入郁子(さかいり いくこ)
「ケアマネージャーを利用したいんだけど、どうやって探せばいい?」
「ケアマネージャーになるにはどうすればいいの?」
このような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
そこで、今回はケアマネージャーの仕事内容、役割、業務の範囲など、ケアマネージャーとはどのような職業なのか徹底解説します。
また、介護サービスを利用するにあたりケアマネージャーをお探しの方に、ケアマネージャーの探し方、選び方もご紹介します。
ケアマネージャーについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
利用者が介護を受けられるよう、ケアプランの作成などを行う
業務範囲には、介護サービス業者との調整、利用者や家族への相談業務なども含まれる
ケアマネージャーの業務は、利用者の生活保護申請の補助や、配食サービスの紹介などもあり、幅広い範囲の仕事を行う
ケアマネージャー(介護支援専門員)とは
ケアマネージャーという言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。
しかし、具体的にどのような仕事をする人なのかはわからない方もいるのではないでしょうか。
そこで、まずケアマネージャーとは、どういった職種であるのかご紹介を致します。
ケアマネージャーは介護保険のスペシャリスト
ケアマネージャーは別名を「介護支援専門員」と言います。
ケアマネージャーとは、介護が必要な人が介護を受けられるように、ケアプランの作成などを行う職業です。
介護保険のスペシャリストであり、介護サービス事業者との調整をする役割も担っています。
ケアマネージャーは、被介護者の状態や要求に基づいて、介護サービスの選定や調整を行い、必要なケアの提供を確保するために尽力します。
ケアマネージャーの職場は?
ケアマネージャーの職場は、特別養護老人ホームや、高齢者の相談窓口として自治体から委託を受け運営されている地域包括支援センターなどです。
介護サービスを行っている居宅介護支援事業者や、介護用具レンタル事業を行っている民間企業に勤める場合もあります。
ケアマネージャーの働き方
居宅介護支援事業所のケアマネージャーは、自分で要介護者にアポイントを取り自分で好きなときに訪問できるので、自由度が高い職業だと言えます。
ただ、上限まで顧客を抱えているケアマネージャーもいる場合があるので、担当者を選ぶ際には注意も必要です。
電話の応対などに追われるほど忙しい場合もあるので、現在どの程度受け入れに余裕があるのかは確認しておくようにしましょう。
ケアマネージャーの基本的な役割・仕事内容
ここからは、ケアマネージャーの仕事内容について具体的に解説していきます。
仕事のメインはケアプランの作成
ケアマネージャーの主な仕事は、ケアプランの作成です。
初めて関わる利用者にケアプランを作成したあとは、介護関係者、医療関係者、当事者とその家族で、介護サービスに関する会議を開きます。
会議ではケアプランの修正・変更を行い、また会議を開いてケアプランがこれでよいのか確認作業を繰り返します。
ケアプランが交付されたあとは、ケアプラン通りに介護サービスが進んでいるか確認を行うのもケアマネージャーの重要な仕事です。
給付管理の仕事も
介護支援専門員(ケアマネジャー)が主に行う仕事として、介護給付費の管理(給付管理)があります。事業所への介護給付が適切に行われるためには、必要書類を国民健康保険団体連合会に提出することが必須です。ただし、一部の事業所では、このタスクを事務員が担当する場合もあります。
利用者との橋渡し役も果たす
ケアプランの作成以外にも、利用者との面談をしたり、介護サービス事業者との連絡・調整をする業務も行ったりします。また、利用者の代わりに、介護施設にクレームを入れる仕事もあります。
ケアマネージャーは高齢者からヒアリングを行うため、話の内容を把握するアセスメント能力が必要です。
勤務時間は、利用者とのアポイントが取りやすい日中であることが一般的です。
ケアマネジメント以外にも業務は幅広い
ケアマネージャーは、介護保険サービスを提供する以外にも、さまざまな業務があります。
利用者の収入が低く、生活に困っている場合には生活保護申請の補助、食事に困っている利用者には配食サービスの紹介といった仕事も行います。また、利用者と家族の仲を取り持つ役割をすることもあります。
高齢者の生活を改善するために、幅広い範囲の業務を行うのがケアマネージャーなのです。
ケアマネの仕事・役割は職場ごとに異なる
ケアマネージャーは、勤める職場によって仕事内容や役割が変わります。
職場のタイプによってどのような仕事内容になるのか解説します。
施設ケアマネの仕事内容
施設ケアマネとは、老人ホームで働き、入居する高齢者にヒアリングを行ってケアプランを作成するなど、老人ホームの入居者を支援する仕事です。
仕事内容は居宅ケアマネと似ていますが、自分の勤務先で利用者が生活しているので、担当の利用者を間近で見ていられるのが利点です。
利用者や利用者への介護サービスについて常に情報収集ができ、施設のスタッフらと連携もしやすいと言えます。
施設ケアマネは、施設の入居者が少ない場合、ケアマネ以外の仕事も兼務することが多くなります。
居宅ケアマネの仕事内容
居宅ケアマネとは、居宅介護支援事業所に勤めるケアマネのことです。
居宅ケアマネは、自宅で暮らしている介護が必要な高齢者に対して支援を行います。
彼らは高齢者の日常生活や健康状態を把握し、必要なサービスの提案や手続きのサポートを行いながら、地域のリソースやネットワークを活用して、高齢者が自宅で快適に生活できるよう支援します。
居宅ケアマネは事業所を拠点としており、ケアプランを作成して高齢者を訪問し、ヒアリングや相談を行うことが仕事です。
ケアマネージャーで最も多いのがこの居宅ケアマネです。居宅ケアマネは、経験を積むと独立しやすい傾向があります。
地域包括支援センターのケアマネの仕事内容
地域包括支援センターで働くケアマネは、介護予防ケアマネジメントが主な役割です。
地域包括支援センターでは、主任ケアマネージャー(主任介護支援専門員)の有資格者が多く働いています。
主任ケアマネージャーは、ケアマネージャーの資格を持つ人が指定の研修を受けることで認定される資格です。
主任ケアマネージャーはケアマネージャーを統括するリーダー的存在であり、ケアマネージャーよりも知識と経験が豊富であることが求められます。
地域包括支援センターとは
地域包括支援センターとは、地域住民のために必要な支援を行う機関です。
市町村、または市町村から痛くされた社会福祉法人、社会福祉協議会、医療法人などが地域包括支援センターとして機能しています。
地域包括支援センターで働いているのは、保健師、社会福祉士、主任ケアマネージャー(主任介護専門員)です。
地域包括支援センターは、地域の高齢者問題の解決のため、介護の必要がない高齢者からも相談を受け付けています。
また、ケアマネージャーの支援も行っており、ケアマネージャーからの相談に対し、アドバイスやサポートをしています。
ケアマネージャーの1日の仕事内容
ここまでケアマネージャの仕事について説明してきましたが、具体例があった方が分かりやすいと思います。ここでは、そんな施設勤務のケアマネージャの1日の仕事について目を向けてみましょう。
9:00 出社・ミーティング
まずは勤務先の施設に出社します。出社したら夜勤のスタッフから情報共有や引継ぎを受けます。そこでの情報を元に1日のスケジュールを確認したり、施設長や看護師と共に入居者の方の体調やケアプランの変更点などを行います。
10:00 施設の受付や対応
ケアマネージャは実際のケアだけでなく、ケアプランの作成や施設への入居希望者との面会などケア全般に関する仕事をする必要があります。毎日とは限りませんが、施設への入居希望者への説明などをする日もあります。
11:00 ケアの確認・ヘルプ
居者の方のケアプランが適切に行われているかを確認します。状況によっては介護士のヘルプに入ることもあります。
12:00 休憩・昼食
ケアのヘルプなど仕事の状況によっては決まった時間に休憩が取れないことがあります。
13:00 入居者とのやり取り
入居者の方やその家族とコミュニケーションも欠かせません。やりとりを元にケアプランを変更することもあります。よいケアプランを作成するためには、入居者の方をより深く理解することが何よりも大切です。
14:00 ケアプラン作成・変更
入居者のケアプラン作成や変更、来月のサービス計画表を作成します。そのためには入居者やその家族とのやりとりで常に情報を集めることが大切です。
16:00 事務作業・情報共有
ケアマネージャは役所提出する書類の手続きなども行う必要があります。時には役所のケースワーカーとの連携も行います。また夜勤のスタッフへの情報共有も欠かせません。
18:00 退勤
施設内のケアマネの仕事は、入居者や家族との面談や、施設で働く人とのミーティングが多いので、日勤で働くことが多いです。そのため18:00前後で退勤することが多いようです。
ケアマネージャーの仕事の魅力は
ケアマネジャー(介護支援専門員)の役割として、自分が策定したケアプランが利用者やその家族の暮らしを向上させる可能性があることは、特に喜びを感じる点です。
要介護度がケアプランの取り組みによって低下した際には、その成果を実感できます。
介護業界は「人手不足」や「仕事の厳しさ」というイメージを持たれがちですが、困難を乗り越えて感謝される経験は、その中での大きな報酬となります。
さらに、介護を単なる流れ作業としてでなく、高齢者の経験に基づく言葉や思いに深く共感し、心を通わせケアを提供できるのはこの仕事の醍醐味であり、魅力といえます。
この職種は、年齢や性別に関係なく長く続けることができるのも、魅力の一つです。
ケアマネージャーに向いている人の特徴とは
ケアマネージャーの業務に向いている人の特徴とはなんでしょうか。ここでは、ケアマネージャーの業務で求められる能力や向いてる人について説明します。
書類作成や整理が苦でない
ケアマネジャーの職務は、利用者との対話だけでなく、書類関連のタスクも含まれています。特に人手が足りない環境では、多岐にわたる事務作業も担当することが考えられます。このため、事務的なスキルが豊富な人がケアマネジャーに向いているといえます。また、多様な業務を同時に効率的に進行できるマルチタスク能力があると、作業を円滑に進めることができるでしょう。
協調して業務にあたれる
ケアマネジャーの業務にあたるには、異なる役職や立場の人々とのコミュニケーションが欠かせません。
利用者や家族との間で介護の認識が異なることもしばしばで、そのためには各々の感情に敏感に応えることが大切です。また、ヘルパーや医師といった他職種の人々との連携も、作業を進める上で絶対に必要とされる要素です。
ケアマネージャーはどこで探せる?
ケアマネージャーが必要になったとき、ケアマネージャーはどうやって探せばよいのでしょうか。
要支援者のケアマネージャーの探し方
要介護認定を受け「要支援」と判定された人は、地域包括支援センターが担当します。
要支援者がケアマネージャーを探す場合、利用者が住んでいる市区町村の介護保険課もしくは地域包括支援センターに行きます。
すると、居宅介護支援事業所のリストや介護情報雑誌『ハートページ』がもらえます。『ハートページ』にも居宅介護支援者のリストが掲載されています。
居宅介護支援事業所のリストか『ハートページ』からケアマネージャーを探すのが方法の一つです。
要介護者のケアマネージャーの探し方
要介護者の場合は、要支援者のように地域包括支援センターなどを利用したり、居宅介護支援事業者に相談をしたり、と言った探し方が多いです。
特に、一人で施設を訪れるのが難しい場合などに、居宅介護支援事業者が利用されることが多いです。
自分でケアマネージャーを探すのが大変であれば、居宅介護支援事業者に連絡し、相談してみてください。
かかりつけ医からの紹介
かかりつけの病院がある場合は、主治医に相談することで、敏腕なケアマネージャーを紹介してもらえることもあります。
かかりつけ医からの紹介であるため、信頼性が高いだけでなく、医療と連携がしやすくなるといったメリットがあります。
介護は医療と連携することが重要ですが、ケアマネージャーは、医療との連携が苦手な人も多いのです。
かかりつけ医からの紹介であれば、医療との連携がしっかりできる優秀なケアマネージャーだと言えるでしょう。
その他のケアマネージャーの探し方
同じ地域に住んでいる人たちの口コミを参考にしたり、友人・知人に聞いてみたりするのもよいでしょう。
先に述べたように、ケアマネージャーになるためには、福祉や看護などの国家資格を持ち、5年以上の実務経験が必要であり、ケアマネージャーは福祉や看護に関して豊富な経験・知識を持っています。
ケアマネージャーを探す際には、どのような人を希望するのかあらかじめ考えておくことが重要です。
例えば、支援を受けるにあたって医療に重点を置きたい方は看護経験がある方を探し、家事支援に重点を置きたい方はヘルパー経験がある方を探すと、希望に合ったケアマネージャーが見つけやすくなります。
併設型と独立型の居宅看護支援事業所
居宅介護支援事業所には2つのタイプがあります。
訪問介護事業所やデイサービスと連携している事業所である「併設型」
訪問介護事業所やデイサービスからは独立している事業所である「独立型」
居宅介護支援事業所は、併設型が9割を占めています。
事業所に併設しているサービスによって、その事業所がどのような強みを持っており、どのようなのかケアマネージャーが多いのかが推測できます。
居宅型を希望する場合、併設しているサービスをしっかりチェックしましょう。
学研ココファンの施設の場合は、施設併設のケアマネージャーに相談が可能ですので、「併設型」にあたります。
【失敗しない】ケアマネージャーを選ぶポイント
ケアマネージャーが決まっても、実際にやり取りしていると「上手くコミュニケーションが取れない」「性格が合わない」などの問題が起きることもあります。
ケアマネージャー選びに失敗しないためには、どうすればよいでしょうか。
ケアマネージャーの人柄と能力を見よう
ケアマネージャーを選ぶにあたり最も重要なことは、そのケアマネージャーが信頼関係を築けそうな相手かどうかです。
信頼関係は、ケアマネージャーとの円滑なコミュニケーションや効果的なケアプランの実現に不可欠です。
相手の聴き取り能力や共感性、専門的な知識の提供方法などを注視し、自分や家族が安心して意見を述べられる環境を確保することが重要です。
ケアマネージャーから説明を受けているときや相談しているときに、話しながらケアマネージャーの人柄を判断しましょう。
また、ケアプランの作成を依頼すると最初の面談が行われますが、ここでケアマネージャーとしての能力を判断してみてください。
また、わからないことはすぐに質問するようにしましょう。なんでも優しく教えてくれるか、親身になってくれるかなど、質問の答え方でも人柄を見ることができます。
ケアマネージャーを選ぶ際のチェックポイント
ここでは、ケアマネージャーの能力や人柄を判断できるチェックポイントをご紹介します。
利用者に寄り添って親身に話を聴いてくれる
利用者はもちろん、その家族にも公平で親身になってくれる
専門的な知識をしっかり持っている
利用者や家族が納得のようなケアプランを立案できる
誰にでも理解しやすいように説明してくれる
介護サービス以外のことにも知識があり、説明・紹介をしてくれる
電話がつながりやすく、連絡が取りやすい
守秘義務をしっかり守ってくれる
追加の質問にも丁寧に答えてくれる
以上のポイントに数多く当てはまるほど素晴らしいケアマネージャーと判断することができるでしょう。
こちらを実際にチェックリストとしてご利用いただくことをおすすめします。
ケアマネージャーとの上手い付き合い方
ケアマネージャーと上手く付き合うには、利用者側がケアマネージャーに寄り添うことも重要です。
ケアマネージャーはもちろん利用者に寄り添ってくれます。それに対して利用者がしっかり応えることによって関係性が生まれます。
例えば、自分の意見をしっかりケアマネージャーに伝えることは非常に重要です。
「こうしてほしい」という希望があっても「言わなくても伝わっているだろう」と何も言わないままでは伝わりません。希望は具体的に伝えるようにしましょう。
ケアマネージャーは守秘義務がありますので、何を話したとしても話した内容が他の人に知られることはありません。
生い立ちや性格など自分のことをいろいろ話すと、より自分のことをわかってもらえるでしょう。そのことで、よりよいサービスが利用できるようになるはずです。
また、家族が遠方に住んでいる場合、家族もケアマネージャーとこまめに連絡を取り合うことも大切です。
ケアマネージャーと相性が合わなかったら
ここまでケアマネージャーとの付き合い方について解説しました。しかし、しっかり選んでもケアマネージャーと相性が合わないことがあります。
連絡が遅かったり、サービスの質が悪かったりなど、さまざまな場面でケアマネージャーに対する不満を感じてしまうことがあります。場合によってはトラブルになってしまうことも考えられるでしょう。
もしケアマネージャーと相性が合わないと感じたら、どう対応すればよいのでしょうか。
しっかり話し合うことが大切
居宅介護事業所にケアマネージャーが何人もいれば、担当のケアマネージャーが合わないと感じたら変更することができます。また、居宅介護事業所を変えることも可能です。
ケアマネージャーの変更は、利用者や家族のニーズや要望に合わせた適切なサポートを受けるために重要な選択肢です。
具体的な問題や不満点を明確に伝えることで、より適切なケアマネージャーの配属や居宅介護事業所の変更が実現し、利用者の満足度とケアの質を向上させることができます。
そのため、ケアマネージャーを変えたいと思ったら、遠慮することなく居宅介護事業所にケアマネージャーを変えたいことを伝えることが大切です。
その際には「何となく嫌だから変えてほしい」といったような曖昧な伝え方ではなく、ケアマネージャーのどこがどのように合わないのか具体的に伝えましょう。
ケアマネージャーの年収・平均給与
項目 | 給料 |
---|---|
平均年収 | 461.8万円 |
平均月収 | 32.3万円 |
年間賞与(ボーナス) | 74.2万円 |
※平均月収には「きまって支給する現金給与額」を用いています。
※平均年収は「平均月収」×12+「年間賞与」で計算しています。
2023年のデータでは、ケアマネージャーの月収の平均は32.3万円となっています。手取りにすると約25万円程になります。
ケアマネの年収について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ケアマネージャーのやりがい・仕事の魅力
ケアマネージャーの仕事には、どのようなやりがいや魅力があるのでしょうか。
利用者や家族の幸せに貢献できる
ケアマネージャーは、介護保険制度に基づく介護サービスを利用者に紹介する仕事です。
自分が紹介した介護サービスにより利用者や家族によい変化があったときには、大きなやりがいを感じることができます。
例えば、自分の作成したケアプランを実行することで利用者の要介護度が低くなったり、元気になったりすることもあります。
利用者を普段から身近で見ているからこそ、利用者のそのような変化に気付きやすく、自分の仕事の意義を感じやすいのです。
困難なケースを任されることもあるため、メンタル面での疲労が激しくなってしまうこともありますが、問題が解決したときの喜びは格別です。
働きやすく継続しやすい
ケアマネージャーは、介護業界の仕事の中では働きやすい仕事だと言えます。
ケアマネージャーは、自分で利用者にアポイントを取って訪問し、空いている時間に事務作業などをします。
仕事の流れや時間配分を自分で決めることが可能な点は、他の職種よりも自由な働き方だと言えるでしょう。
また、日中の仕事が中心で、業務は事務作業が中心であるため、体力を使う仕事はほぼなく、長く働ける仕事だと言えます。
ケアマネージャーの平均年齢は一般的な職業より少し高めですが、これは年を重ねても働ける職業だからでしょう。
年齢が仕事に生きやすい
ケアマネージャーの仕事であるケアプランを作るには、介護に関する知識はもちろん必要ですが、ケアマネージャー自身の人間性も重要です。
利用者に寄り添い、利用者のためになるようケアプランを作らなければなりませんが、それには人生経験や視野の広さが活かせます。
そのため、ケアマネージャーは年齢が高く人生経験が豊富な方ほど有利になりやすい職業だとも言えます。
介護業界では体力がある若い人が求められることが多い中、ケアマネージャーのように年齢がプラスに働くのは珍しいことです。
ケアマネージャーになるためにはどうしたらいいの?
非常にやりがいがあるケアマネージャーですが、ケアマネージャーになって働くにはどうすればよいのでしょうか。
介護支援専門員の資格が必須
介護支援専門員(ケアマネージャー)になるには、介護支援専門員実務研修受講試験を受験し、合格する必要があります。
介護支援専門員実務研修受講試験を受けるためには、以下の実務経験が必要です。
介護福祉士、社会福祉士、看護師などの保険、医療、福祉の国家資格の業務
生活相談員、支援相談員など相談援助業務
これらの業務に通算5年間、かつ900日以上従事しなければなりません。
介護支援専門員実務研修受講試験合格後は、介護支援専門員実務研修を受講します。
その後、都道府県に登録し、受理されると介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格が取得できます。なお、介護支援専門員は5年ごとに更新の手続きが必要です。
主任介護支援専門員という資格もある
主任介護支援専門員とは、2006年に誕生した新たな資格です。
介護支援専門員として5年以上専任での実務経験があるなどの条件を満たした人が「主任介護支援専門員研修」を受けることで取得できます。
地域包括支援センターでは主任介護支援専門員の設置が義務付けられているため、主任介護支援専門員は需要が高い資格です。
介護支援専門員実務研修受講試験は難しい?
介護支援専門員(ケアマネージャー)になるための試験である介護支援専門員実務研修受講試験は、介護福祉系の試験の中で最難関試験の一つです。
介護支援専門員(ケアマネージャー)は国家資格ではありませんが、都道府県管轄の公的資格であり、難易度は高いと言えます。
試験は年に1回実施されており、2020年の試験では、合格率は7.7%と低くなりました。
介護支援専門員実務研修受講試験は、年々難易度が難化している傾向にあります。
【FAQ】ケアマネージャーに関するよくある質問
このトピックでは、ケアマネージャーに関してよくある質問にお答えします。
ケアマネージャーの正式名称って何?
A.正式名称は介護支援専門員です。
介護支援専門員は「ケアマネ」「ケアマネジャー」「ケアマネージャー」とも呼ばれます。
正式名称は「マネ」の次に長音符を入れず「マネジャー」とする「ケアマネジャー」ですが、「マネ」の次に長音符を入れ「マネージャー」とする「ケアマネージャー」という呼び方の方が広く普及しています。
介護支援専門員の資格は学歴が影響する?
A.全く関係ありません。
介護支援専門員の受験資格には学歴は全く関係ありません。
ただし、介護支援専門員実務研修受講試験を受けるために必要な国家資格の中には、学歴が必要なものもあります。
例えば、社会福祉士は専門学校、短大、3年制・4年制の大学を卒業していることが必要です。
しかし、介護支援専門員実務研修受講試験を受験する際に学歴がある方が有利になるといったことはありません。
ケアマネージャーになるには年齢が関係する?
A.年齢は関係ありません。
ただ、介護支援専門員実務研修受講試験を受けるためには国家資格の取得や、その資格での実務経験が必要です。
そのため、未成年は事実上ケアマネージャーを取得できません。
年齢の上限はないため、年齢を重ねていてもケアマネージャーになることはできます。
また、ケアマネージャーは経験が重視される仕事ですので、他業種よりは年齢が不利になることは少ないと考えられます。
ケアマネージャーは国家資格?
A.国家資格ではありません。
介護支援専門員実務研修受講試験を実施しているのは国ではなく各都道府県であり、ケアマネージャーは公的資格です。
ただし、現在「ケアマネジメントの質の向上」「ケアマネージャーは国家資格にふさわしい職業」といった理由で、ケアマネージャーを国家資格化しようという動きがあります。
そのため、将来ケアマネージャーが国家資格になる可能性はあるでしょう。
受験のための条件が変更されたのは本当?
A.2018年に変更されました。
2015年に実務経験の内容に変更があり、2017年試験まで経過措置が取られ、2018年試験からは変更された条件での試験が開始されました。
2017年までは、
介護の資格を持ち介護等業務に5年従事
資格の有無は問わず、介護等業務を10年従事
これら2つの要件も受験資格に含まれていましたが、2018年からは、介護等業務が実務経験として認められなくなりました。
また、相談援助業務も、2018年以降は以下の4つの職種に限定されるという変更点がありました。
生活相談員
支援相談員
相談支援専門員
主任相談支援員
ケアマネージャーの試験で科目免除になることある?
A.ありません。
2014年までは、医師、歯科医師といった資格がある人には一部の科目が免除されていましたが、その制度は現在廃止されています。
ケアマネージャーの将来性はある?
A.マネジメントの質が向上するように取り組んでいるため、ケアマネージャーの仕事がなくなることはないでしょう。
厚生労働省でケアマネージャーについて議論されたことがきっかけで、ケアマネージャーは不要だという意見が盛り上がってきました。
現在は、ケアマネージャーを廃止するのではなく、方向性を変えるという考え方がメインとなっており、試験制度の見直しなどが行われています。
介護職のキャリアアップのための転職サイト
ケアマネを含めてキャリアアップのために転職するというのも介護職の方は重要です。
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マイナビ介護職
画像出典:マイナビ介護職公式サイト
認知度No.1の介護職エージェント
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マイナビ介護職はケアマネを含む介護職員の方向けの転職サイトです。
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※画像出典:介護ワーカー公式サイト
年間転職成功実績1万件以上
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求人数も105,060件以上(2024年10月20日時点)と豊富
介護ワーカーは、年間転職成功実績10,000件と非常に信頼度が介護職向けの転職サイトです。
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ケアマネの経験がないから転職しても大丈夫か不安に感じている方でも安心して相談できる転職サイトです!
カイゴジョブ
※画像出典:カイゴジョブ公式サイト
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カイゴジョブは介護業界に特化している転職サイトで、電話サポートはもちろんスカウト機能など転職者をサポートする体制が整っています。
ケアマネや他の介護職としてこれからのキャリアを悩んでいる方も一度相談してみるのはいかがでしょうか。
ケアマネージャーについてまとめ
ケアマネージャーになるには「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格しなければならない
勤める職場が居宅介護事業所か老人ホームか地域包括支援センターかで、仕事内容や役割は異なる
ケアマネージャーの探し方は、地域包括支援センターなどで居宅介護事業所のリストをもらうか、かかりつけ医などから紹介してもらうのがよい
ケアマネージャーは業務範囲が広く大変な仕事ではありますが、高齢化社会が進む中、非常に重要な仕事です。
ケアマネージャーになりたい方は、ぜひ試験に合格して社会貢献できる人材を目指しましょう!
また、ケアマネージャーを探している利用者さんやご家族の方は、今回ご紹介したチェックリストを参考に、上手く付き合えるケアマネージャーを探してみてください。
この記事は専門家に監修されています
介護支援専門員、介護福祉士
坂入郁子(さかいり いくこ)