良いグループホームとは|施設の見分け方からサービス内容・費用まで解説

この記事は専門家に監修されています

介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

「グループホームに入りたいんだけど、どこに入ればいいのかわからない・・・」

「良いグループホームの特徴が知りたい!」

施設入居を検討する中で、グループホームをお考えの方やご家族の方は多いでしょう。しかし、良いグループホームの選び方がわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では良いグループホームにはどのような特徴があるのか徹底解説します。

グループホームのあり方や役割、認知症の高齢者が過ごしやすいグループホームとは何か、他の施設とグループホームの費用の比較など、良いグループホームについて解説していきます。

グループホームへの入居を検討している方はぜひ参考にしてみてください!

良いグループホームについてざっくり説明すると
  • グループホームの役割は、認知症の高齢者の方などにサービスを提供すること
  • 良いグループホームを選ぶには、介護体制や医療体制のあり方などを確認するのがよい
  • 入居時の費用は0円~100万円ほどと幅広い

そもそもグループホームとは

グループホーム概要

グループホームは 「ユニット」 と呼ばれる単位で生活する施設です。

1ユニットは最大9人であり、グループホームは基本的に3ユニットまでとなっており、少人数での生活を送るようになっています。

なぜユニットが最大9人であり、少人数の生活を送るように設定されているかというと、認知症の方に配慮しているからです。

認知症の方は新しいものを認識することが難しいため、少人数で暮らすことにより、なるべくストレスを感じないようにしているのです。

グループホームの役割

厚生労働省の「e-ヘルスネット」によると、グループホームの役割とは下記の通りです。

知的障害者や精神障害者、認知症高齢者などが専門スタッフの支援のもと集団で暮らす家のこと

e-ヘルスネット[情報提供] 厚生労働省

グループホームは、認知症の方へ少人数(5~9人)を単位(ユニット)した共同住居の形態でケアサービスを提供しています。

認知症の方は、環境の変化に適応しにくいため、常に少人数の同じメンバーで生活できるユニット型は、認知症の方のケアとしては非常に適していると言えます。

ユニット型の生活により、少人数での「なじみの関係」を作ることで、認知症の症状や生活でのつまずきを和らげることが可能です。

そのことにより、認知症の方の心身の状態を穏やかに維持することができるようになります。

グループホームの入所条件を知ろう

グループホームの具体的な入所条件は以下のとおりです。

グループホームの入所条件
  • 医師から認知症の診断書が発行されている方
  • 65歳以上の高齢者で、かつ要支援2および要介護1~5の認定を受けている方
  • 少人数の共同生活を営むことに支障がない方
  • 施設と同じ市区町村に住民票をお持ちの方

大切な要件として、認知症であることの診断書を医師から発行してもらうことが挙げられます。また、要支援・要介護認定も受けている必要があります。

診断を受けていない方は、グループホームの入居の前に病院に行って診断書をもらい、自治体から要支援・要介護認定をもらうことが必要です。

また、生活保護法により指定を受けているグループホームに限りますが、生活保護受給者でもグループホームに入居を検討できます。

生活保護受給者の方でも、上記の入所条件を満たしていれば、グループホームに入居できるのです。

ココファンのグループホームを探してみる!

良いグループホームを見極めるには

グループホームシルエット

グループホームは多数ありますが、適切なサービスを受けられるグループホームを見極めるには、どのようなポイントに気を付ければいいのでしょうか。

グループホーム選びの際に必ず確認しておきたいポイントを解説します。

費用の確認

ご飯を食べる高齢者

まず、最初に考えるべきポイントとして費用面が挙げられます。現在の自分自身の資産や将来の収入を考えた上で、無理のない支出で暮らせるグループホームを選ぶことが大切です。

グループホームの費用は、主に

  • 初期費用(入居一時金)
  • 月額利用料(介護サービス費・日常生活費)

の2点があります。この2つの費用から支出できる範囲かどうかを検討していくとよいでしょう。

また、月額利用料はグループホームによってさまざまな内訳がありますので、月額利用料の内訳をしっかり調べることも大切です。

立地条件をどうするか

幸せな高齢者

グループホームの立地条件について考えるときは、

  • 交通の便がよいか
  • 都会なのか田舎なのか
  • 家族が近くに住んでいるか
  • 近くに商業施設があるか

など、自分にとって重要な点を考慮しましょう。グループホームでの生活は長くなりますので、今のことだけではなく、10年後など将来のライフスタイルまで想定して選択することをおすすめします。

条件がいくつか出てきたら、その中で優先順位をつけ、どうしても譲れない条件と妥協できる条件とを分けることもおすすめです。

これにより、入居者が将来も快適に過ごせるような選択ができるでしょう。

施設の設備について

お風呂に入る高齢者

グループホームは、必要最低限の設備だけ揃っているところ、娯楽用の設備もあるところ、医療体制が整っているところなど、さまざまなタイプがあります。

最重要視すべき点は、そのグループホームがご自分の健康状態に合っているかです。

例えば、車椅子ユーザーの方は狭いグループホームでは暮らしにくいですので、居室や廊下などが広いグループホームを選ぶというようなことです。

グループホームは長期の入居になりますので、将来の健康状態も踏まえ、居室・トイレ・風呂などの設備に満足がいくかをチェックするようにしてください。

また、居室には急な体調不良に備えて、非常用通報装置があると安心です。その他にも、収納、洗濯、リビング食堂の有無など、チェックすべきポイントはさまざまあります。

スタッフの人数や様子

グループホームで一定のサービスを提供するには、入居者に合った人数のスタッフが必要です。

グループホームを選ぶときには、HPで調べたり見学の際に質問したりして、スタッフの人数を必ずチェックするようにしましょう。

また、施設長の人柄や人への接し方がスタッフの働きぶりに影響することもあります。そのため、施設長がどのような人なのかもチェックすることをおすすめします。

スタッフの質は、入居者の生活の質に直結する重要なポイントです。見学時には、スタッフの働く様子からグループホームのクオリティの高さをしっかり確認しましょう。

働く様子がよくわかるのは、食事のときや施設見学の人が多い時間帯など、スタッフの仕事が増える場面が多い時間帯です。

あえてそのような時間帯に見学することにより、日常に近い状態の様子を見ることができます。

その様子を一通り見るだけではなく、スタッフにいくつか質問をして受け答えがしっかりできるか、こちらの要望に対し的確に答えられるかなども確認しましょう。

また、研修を普段からしているグループホームは職員の質が高いので、研修について質問してみてもよいでしょう。

入居者の様子

入居者の方々の表情も、そのグループホームがよいところかを判断する基準の一つです。

入居者の方々の表情が明るく生き生きとしているか、こちらが安心感を覚える表情をしているかなどをチェックしましょう。

入居者の方々の表情がそのようなよい表情である場合は、そのグループホームはよいグループホームだと言えます。

また、スタッフと入居者の関係性も確認しておきたいポイントです。例えば、入居者がスタッフに対し気さくに話しかけられるようなよい雰囲気であるか、賑やかな雰囲気であるかなども見ておきましょう。

医療体制のあり方についての確認

医療ケアができる看護師が常勤しているかも確認すべきポイントです。医療ケアは介護福祉士だけではできない部分ですので、看護師が勤務しているかは重要です。

病院や医療施設を運営する法人のグループホームは医療体制が整っている傾向がありますので、グループホームの運営元をチェックするのがよいでしょう。

特に、持病をお持ちの方は、持病への対処が適切になされる環境であるかチェックすることが必要です。

医療体制が自分に合うか合わないかは、事前に必ずチェックすべき項目です。例えば、血圧測定や検温といった日頃の健康管理から、服薬の管理、怪我の処置、看護師が行う専門的な医療ケアなどがあるか確認しましょう。

また、リハビリ体制についても、理学療法士や作業療法士が常勤しているかなどを確認しましょう。

もし必要な医療サポートが整っていないグループホームに入居してしまって、その後医療ケアが必要になった場合は、他のグループホームへ転居しなければなりません。

しかし、他のグループホームへの転居は簡単には行えないので、良いグループホームを見極めることが重要なのです。

介護体制のあり方ついての確認

グループホームにおいて、食事・排泄・入浴などの介護サービスの質は入居者の生活の質に直結します。 介護体制の質についても必ずチェックしましょう。

例えば、介護スタッフが常駐しているか、介護の資格を持った職員がどのくらいいるか、訪問介護をしているか、入居者に対し介護の人員が足りているかなど、詳しく確認してください。

経営状況もチェック

グループホームには長期的に入居しますので、安心して暮らせるかどうかを知ることが大切です。そのためにも、グループホームの経営状況についてもしっかり確認しましょう。

民間企業が運営しているグループホームは倒産する可能性がありますので、要注意です。

経営状況を知るためには入居率を調べてみてください。入居開始後1年以上経過しても、入居率が半分以下だと経営は厳しいと言えます。

財務諸表も読み取れればベストです。財務諸表は、グループホームを経営する企業のIR情報から確認することができます。

居室・定員基準を事前に確認

グループホームを設立するには、以下のような基準を満たしている必要があります。

入居を希望するグループホームが以下の基準を満たしているか確認しましょう。

項目 基準
立地 住宅地など利用者の家族・地域住民との交流の機会が確保できる地域
病院や入所型施設の敷地外にあること
定員 入居定員は5人以上9人以下
1の事業所に複数の共同生活住居を設ける場合には2つまでに限られる。
居室 1居室の定員は原則1人
面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上
共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること
台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置

実際に足を運ぶことも大切

グループホームを選択するときには、グループホームの雰囲気がよいことも重要なポイントです。

実際にグループホームに足を運び、入居者がどのように過ごしているのか見学することをおすすめします。

実際に足を運んで得た情報はHPなどで得た情報以上に重要であり、このグループホームにするかどうかの判断を大きく左右します。

見学時には、感じた印象や気付いた点などをメモに記録しておくとよいでしょう。

人の多い時間帯に足を運ぶのがおすすめ

グループホームの普段の雰囲気を知るためには、人の多い時間帯に見学することがおすすめです。

例えば、昼ごはんやレクリエーションなど、入居者が多く集まる時間帯に見学すると、普段の様子がわかりやすくなります。

また、食事の際に見学すると、スタッフがどのように介助を行っているのかがわかりますし、レクリエーションを見学すれば、入居者が楽しめるレクリエーションを行っているかを知ることができます。

スタッフの対応で知りたい点がある方は、人が多く、かつ知りたいポイントが確認できる時間帯を選ぶことをおすすめします。

より具体的な情報を得ることにつながり、入居先の選択に役立つでしょう。

運営推進会議への参加がおすすめ

グループホームをよく知るためには、そのグループホームが開いている運営推進会議へ参加することもおすすめです。

運営推進会議は入居者の家族や地域住民など、グループホームの入居者ではない人でも参加することができます。

運営推進会議では、入居者の生活の様子や、グループホームの管理者・職員がどのような点に力を入れているかを知ることができます。

会議の雰囲気で日頃のグループホームの様子が感じられる側面もありますので、運営推進会議には参加することをおすすめします。

ショートステイで実際の暮らしを体感しよう

グループホームでは、短期間の入所をするショートステイを体験することができます。

ショートステイは、通常介護者が何らかの事情で介護できない期間ができたときや、介護者が休息したいときに利用します。

そのため、体験入居の場合には介護保険は利用できません。 しかし、入居先を見極めるにはおすすめできる方法です。

体験入居をすることは、家族が見学をするだけではわからないことまで知ることができます。

何より、入居するご本人が過ごしやすいかどうかを確認するのが最重要ですので、体験入居はおすすめです。

ただ、体験入居は空室がある場合にのみ利用できますので、グループホームに今体験入居することが可能かを確認してみてください。

ココファンのグループホームもチェック

ココファンの魅力を紹介

ココファンでは、グループホームも含め全ての施設を入居一時金0円で利用することができます。初期費用を抑えながら、充実のサービスを受けることが可能です。

また、学研ココファンではグループホームだけでなく、介護・認知症タイプのサ高住を始めとした、認知症対応に適した施設も多数取り扱っております。

自立から要介護度が高い方まで、幅広く対応できる安心安全のサポートを、他社よりも安価な費用で利用することができます。

全国各地に施設を設置しておりますので、お近くのココファンの住宅を ぜひ探してみてください。

認知症対応可能な介護施設はこちら!

その他良いグループホームを探すコツ

よいグループホームを探すには、ここまで解説した方法以外にも、以下のような細かいチェックポイントがあります。

忙しい時間帯を狙って見学

ご飯を食べる高齢者

忙しい時間帯でこそ、職員の入居者に対する真の対応力が確かめられます。そのため、見学の時間帯は、昼ごはんを食べる時間帯である11時半がおすすめです。

この時間帯は、介助が必要な方に対し、適切な介助ができているかを確認することができます。

例えば、自分で食器が持てない方にどのように食事の介助をしているのか、入居者の横にしっかり付いて食事をとらせているかなどがわかります。

見学時間については、よいグループホームの場合はこちらの希望に合わせてくれますので、遠慮なく希望の時間帯を伝えましょう。

施設内は清潔か

グループホーム内の清潔さを見れば、施設側が利用者に対して丁寧に対応しているかがわかります。

車椅子に汚れがないか、入居者の服に食べ物のシミ・食べカスがないか、施設内に埃がないかなどを確認しましょう。

例えば、グループホームによっては美しい陶磁器を食器として使っているところもあります。そのような施設は、利用者のことを考えたよいグループホームだと言えます。

また、観葉植物の葉を触ってみて、埃が付いていなければ掃除が行き届いている証拠です。居室や食堂なども清潔に保たれているかしっかり確認しましょう。

食事の内容

グループホームの食事はスタッフと入居者が協力して調理から行います。 また、グループホームによっては、献立を一から考えるところもあります。

食事に関してチェックをする際には、入居者をサポートする仕組みが整っているか確認しましょう。

ご飯が美味しい温度で提供されているかは確認した方がよいでしょう。試食できればベストです。

また、ミキサー食などの介護職や療養食に対応しているかも確認しましょう。

イベントの内容

イベントやレクリエーションは入居者にとって楽しみの一つです。例えば、祭りなど地域の方々との交流をする機会や、外での食事会、映画鑑賞会などがあります。

施設ごとにイベントやレクリエーションは異なりますので、ご本人の好みに合うイベント・レクリエーションを行っている施設を選ぶことが重要です。

また、イベント・レクリエーションの内容だけではなく、どのくらいの頻度で行われているかも確認したいポイントです。

理念と実際のギャップ

グループホームはHPがあることが多いですが、HPに記載されている理念がその通りに実現されているケースは多くはないと言えます。

グループホームに入居すると、グループホームが掲げている理念と実際の様子のギャップがあり困ることがあるかもしれません。

ですから、実際にはどのような設備があり、どのようなサービスが提供されているのか、グループホームに足を運んで見学することが大切なのです。

入居者の方に質問したり、入居者の家族・知り合いなどに聞いてみたりするのもよいでしょう。

私物は持ち込めるか

グループホームでは、常識の範囲内での私物の持ち込みは許可されています。しかし、多額の現金や貴金属は、盗難や紛失の恐れがあるため持ち込みは禁止している施設が多いです。

動物の持ち込みも基本的には禁止なので、ペットを連れて来られるグループホームはほぼないでしょう。

私物をどの程度持ち込みできるのか、あらかじめ確認しておくことは必須だと言えます。

職員定着率・入居率

グループホームの環境についても知っておくことは重要ですので、職員の定着率や利用者の入居率はチェックしておくべきポイントです。

職員の定着率や利用者の入居率は、グループホームが作成する 「重要事項説明書」 に記載してあります。

現場責任者であるケアマネージャーの勤続年数がどのくらいかは最も重要です。

職場環境や待遇がよいグループホームは職員の勤続年数が長くなりますので、職員や現場責任者の定着率については必ずチェックしましょう。

退去条件について

退去する際、思わぬトラブルが発生することがないとは限りません。そのため、退去時のルールは入居契約前に契約書をしっかり読んだり、施設のスタッフに確認したりして、入念にチェックしましょう。

退去時のトラブルは、入居者の容体が悪化したり、認知症が進行したりしたときに起こりやすい傾向があります。

退去条件についてグループホームに質問すると、曖昧な返答をされる場合もあります。そのようなグループホームは避けるのが無難です。

退去条件は細かいところまでしっかり確認し、納得してから契約を結びましょう。

高齢者がグループホームで受けられるサービス

ここからは、グループホームで入居者が受けられるサービスについて、詳しく解説していきます。

サービスは4種類に分類

グループホームで受けられるサービスは、大きく分けると以下の4種類です。

介護関連

看護関連のサービスとは、食事・入浴・排泄・歩行などの介助のことです。他には、着替えの介助や機能訓練などもあります。

これらのサービス料金は、グループホームの利用料金に含まれていますので、別途払う必要はありません。

生活支援

生活支援とは、日常生活に必要な支援で、通常の介護以外の支援を指します。例えば、通院介助、居室清掃、洗濯、買い物、役所などへの同行などです。

ただし、生活支援は無料で行ってくれる回数が決まっていますので注意が必要です。

健康管理

入居者の健康管理のため、定期的な健康診断と健康相談が受けられます。グループホームの場合、これらの健康管理に関するサービスは利用料金に含まれているので、別途料金が発生することはありません。

なお、訪問医療などが行われている施設の場合は、別途で料金がかかるところもあります。

入退院時

グループホームで生活していると、体調不良や持病の悪化により入院が必要になることもあります。

その際、スタッフが病院に同行したり、お見舞いやお使いをしたりするグループホームもあります。このような、入退院時の対応も確認しておきましょう。

認知症のケアが得意

交流する認知症患者

グループホームで行われる認知症のケアとしては、レクリエーションやリハビリがあります。

その他にも、地域での交流をケアの一環として取り入れている施設が増えています。

グループホームの入居者と地域住民の交流は、地域住民の方々が認知症の理解を深めることや、認知症の方を在宅介護している家庭の相談支援に繋げられることも可能です。

また、地域交流の効果は他にも

  • 入居者の暮らしを豊かにできる
  • 施設の社会的価値が向上する

などが挙げられます。

高齢者の看取り対応もできる

現在、高齢化社会が進んでいることからグループホームの入居者の年齢も高齢化しており、グループホームでの看取りサービスの需要が年々高まっています。

看取りとは、2009年の介護保険法改正により、看取り介護加算が出来たため、看取りサービスを行うグループホームは加算額が得られます。

そのため、需要に対応でき看取りサービスができるグループホームが増えているのです。

しかし、まだ看取りサービスが十分にできないグループホームもあります。そのような施設は、入居者の容体が悪化した場合に医療機関へ入居者を搬送するなどの方法が取られています。

そのほかの代行サービスも充実

3つの代行サービス

グループホームでは、上記のサービス以外にも

  • 食事提供・介助
  • 生活相談
  • 排泄介助
  • 入浴介助
  • 買い物代行
  • レクリエーション

などがあります。

グループホームの入居者は、認知症の方の中でも身体状態の問題が比較的ない方が対象です。

そのため、上記のようなサポートの中でも、食事、入浴、買い物などは、スタッフの力を借りれば自分たちで行える方々です。

そのため、入居者の方々自身で行えることはなるべく自分たちで行ってもらっているのです。

また、レクリエーションでは、認知症予防に効果があるとされている園芸療法や、手先を動かす作業が行われています。

医療ケアは基本行われない

グループホームは、看護師などの医療職員を配置する決まりはないため、医療的ケアには原則として対応していません。

グループホームでの医療に関する支援は、服薬管理、バイタルチェック、通院介助などがメインです。

ただ、サービス加算をすることにより、医療ケアに対応してもらえるグループホームもあります。

医療ケアを希望する場合は、入居前に医療ケアの有無や、どの程度の医療ケアがあるのか確認しておきましょう。

認知症対応可能な介護施設はこちら!

グループホームの費用について

グループホームの費用を大きく分けると、

  • 入居時にかかる費用
  • 毎月継続的にかかる費用

の2つです。以下で、それぞれの費用について解説していきます。

入居にかかる費用

入居の際にかかる費用は0~100万円と施設によって大きく異なります。ただ、相場は10~20万円程度です。

この入居の際にかかる費用とは入居一時金と呼ばれており、アパートを借りる際の「敷金」の考えに近いものです。

入居一時金は、退去時には敷金と同じく返金されます。しかし、修繕・清掃・費用や滞納分があれば、その分が差し引かれることになるため、必ずしも満額返済がされるわけではありません。その点には注意が必要です。

毎月継続的にかかる費用

グループホームで毎月かかる費用には「介護サービス費」「日常生活費」の2つがあります。

介護サービス費は要介護度などによって上限額が異なり、要介護度が高くなるほど費用は高く設定されます。

認定度 1ユニットの施設(1日) 1か月(30日) 1ユニット以上の施設(1日) 1か月(30日)
要支援2 760円 22,800円 748円 22,440円
要介護1 764円 22,920円 752円 22,560円
要介護2 800円 24,000円 787円 23,610円
要介護3 823円 24,690円 811円 24,330円
要介護4 840円 25,200円 827円 24,810円
要介護5 858円 25,740円 844円 25,320円

出典:介護報酬の算定構造(令和3年4月施行版) 厚生労働省

グループホームは介護保険の地域密着型サービスに属しており、介護サービスにおける費用には介護保険が適用されます。

また、サービス加算は、専門サービスや、より充実した介護サービス体制を整える際に加算されるものです。

なお、日常生活費は、

  • 居住費
  • 食費
  • 光熱費
  • 管理費共益費
  • 雑費(おむつ・医療費・日用品・おむつなど)

などの費用が挙げられます。この中でも、特に 「居住費」「雑費」 はかかる金額が施設ごとに異なるため、必ず確認しておきましょう。

グループホームのメリット・デメリット

グループホームを利用するには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

グループホームのメリットは色々ある

高齢者が仲良くしている画像

グループホームのメリットは、認知症の症状の軽減が期待できることです。認知症を発症したと言っても何もできなくなるわけではなく、日常生活を送ることにはあまり問題がない場合もあります。

また、グループホームでは、日常生活で出来ることは職員のサポートの元、自分自身で行います。 そのことにより、認知症の進行を遅らせる効果が期待できるのです。

また、住んでいる地域のグループホームに入れば暮らし慣れた土地で引き続き生活ができる点や、少人数で生活するためコミュニケーションが取りやすいなどのメリットもあります。

これらの要素により、入居者にとって快適で支えられた生活が提供されるでしょう。

デメリットについて

グループホームのデメリットには、以下のようなものがあります。

  • 特別養護老人ホーム(特養)と比べると、入居一時金がかかるなど初期費用が高くなる
  • グループホームがある地域に住民票がないと入居不可
  • 入居者と相性が悪くても他のグループホームに移ることは簡単ではない
  • グループホームは少人数制なので、すぐに入居できるとは限らない
  • 医療ケアが整っていないグループホームもある

グループホームのデメリットとしては、まず特養など他の施設と比べると費用が高いことが挙げられます。

また、医療ケア体制が整っている施設だけではないので、体調が悪化した場合には、退去しなければならないケースもあります。 体調面で不安を抱えている方には、注意が必要です。

認知症対応可能な介護施設を探す!

家族の生の声を聞いてみよう

グループホームのメリット・デメリットについて、入居者の家族の声を聞いてみました。

グループホームのよかった点

  • 家にいたときは一人でご飯を食べられなかったり、歩くことが難しかったりしましたが、グループホームに入ってからは自分で出来ることがいろいろ増えました。
  • 入居者の方々が同じような年齢で気が合うようで、グループホームでは楽しそうに話しているのをよく見ます。
  • 認知症の親が一人暮らしで心配でしたが、グループホームでは入居者の方々と話せたり、職員の方々から支援を受けられたりするので安心です。
  • グループホームではさまざまなレクリエーションやイベントがあり、楽しそうに過ごしているのでありがたいです。

グループホームのよい点については、このような点を挙げられるご家族の方々がいらっしゃいました。

グループホームの問題点

  • 他の入居者の方と言い合いになるなど、トラブルがありました。
  • 相性が合わない入居者の方がいるようで心配です。
  • 医療ケアはないので、本人が体調を崩したときどうすればよいか悩んでいます。
  • 部屋に鍵が付いていないので、プライバシーが完全には守られていないと思います。

グループホームのこのような点を不安に思うご家族の方がいらっしゃいました。

良いグループホームについてまとめ

良いグループホームについてまとめ
  • グループホームは長期的に暮らす施設なので、実際に見学して気になる箇所をよくチェックするのがおすすめ
  • 良いグループホームかを見極めるためには、昼ごはんの時間帯である11時半頃に見学をするのがおすすめ
  • グループホームはメリットがたくさんある施設だが、入居者の家族の方の中には、問題点を感じる方もいる

グループホームは少人数で共同生活を行います。 また、認知症の進行を遅らせるためにも、スタッフの介助のもと、自分で出来ることはなるべく自分で行うようになっており、自立した生活もできる施設でもあります。

そのような環境が合っている方にとっては、グループホームは非常に過ごしやすい施設です。

今回ご紹介した良いグループホームの特徴について、実際見学する中でチェックし、ご本人が過ごしやすいグループホームを選びましょう。

ただ、医療ケア体制が整っていないところもありますので、持病がある方は自分の状態に合ったところを慎重に選ぶ必要があります。

今回の記事を参考に、良いグループホームを選ぶことができれば幸いです。

この記事は専門家に監修されています

介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

株式会社学研ココファン品質管理本部マネジャー。介護支援専門員、介護福祉士。2011年学研ココファンに入社。ケアマネジャー、事業所長を経て東京、神奈川等複数のエリアでブロック長としてマネジメントに従事。2021年より現職。

監修した専門家の所属はこちら

この記事に関連する記事

グループホームの食事は?食事作りの目的・献立例や認知症についても解説

介護老人保健施設(老健)とは|施設の役割や入所条件・期間・費用まで全て紹介

認知症の入院費用は?検査・治療の負担割合から医療費を抑えられる制度まで全て紹介

生活保護でも老人ホームに入居できる?費用や認知症の方の入所条件まで徹底解説

全国の老人ホーム・介護施設・高齢者住宅を探す

介護施設の種類
介護施設の比較
介護施設の費用

上に戻る 上に戻る