ケアマネの実務研修はしんどい?資格取得・更新時の研修内容や費用について徹底解説!

この記事は専門家に監修されています

介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

「ケアマネの実務研修はしんどいって本当?」

「ケアマネの実務研修の受講料はいくら?」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

ケアマネは介護支援専門員とも呼ばれていますが、ケアマネの業務に従事するためには介護支援専門員証の交付を受けた上で、5年ごとに研修を受けて更新する必要があります。

資格を維持するためには研修を受ける必要があり、この研修への参加がしんどいと感じる方は多いです。

こちらの記事では、ケアマネの実務研修がしんどいと言われる理由や研修内容、ケアマネの向き不向きなどに関しても解説していきます。

ケアマネを目指している方や「転職に失敗したくない!」という方に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までお読みください!

ケアマネの実務研修についてざっくり説明すると
  • 取得時と資格更新時に長時間の研修が課せられている
  • 有意義な学びではあるものの、負担が大きくしんどいのは紛れもない事実
  • 研修受講料も安くはないので注意
  • 新人のケアマネージャーの声も参考にすると、仕事のイメージがつきやすい
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ケアマネの研修はしんどい?

悩む看護師

介護業界で重要な役割を果たしているケアマネ(ケアマネージャー)ですが、ケアマネの研修は楽ではありません。

ケアマネの研修では事例の検討が中心に行われており、事例の検討は架空の人物を題材に挙げながら進められます。

研修で居合わせた知らない人と一緒に協議することになりますが、知らない人と研修について協議するだけでもストレスであり、研修を受けている間は業務から離れるので、実際に担当している利用者を待たせてしまうことになります。

また、研修によっては事例を提出する必要もあり、自身が提出した回答が他の受講者や講師から問題点を指摘される点も精神的にしんどいでしょう。

さらに、研修時間は合計で約90時間にも及ぶことから、負担が重いと感じる方も少なくありません。

実際に、研修を受ける時間が確保できずに受講を諦めるケアマネもいることから、大きな負担になっていると言えるでしょう。

ハードな研修内容はケアマネに転職しようとしている人にとって心理的ハードルを上げてしまうことにもなり、介護業界の人材不足に拍車を掛けたり介護サービスの利用者やその家族の不満が繋がってしまう悪循環に陥ってしまいます。

ただ、最近ではオンラインで受けることができる研修も増えてきており、場所や時間の制約を緩和し、ケアマネの研修へのアクセスを改善する一方で、一人ひとりの学習スタイルに合わせて進めることができるようになっています。

どうしてケアマネに研修があるの?

仕事する看護師

ケアマネ(介護支援専門員)は、2000年に介護保険制度の創設と同時に生まれた介護資格です。

介護を必要とする方やその家族の心身の課題を分析し、適切な介護サービスを受けられるようにサポートする役割を担っています。

ケアマネは、資格を取得した後にまず研修を受ける必要がありますが、5年ごとの資格の更新時にも研修を受ける必要があります。

ケアマネは介護サービスを提供する上で重要な役割を果たしていることから、全てのケアマネージャーが一定水準以上の知識や技術を習得するために研修が行われています。

なお、高齢化の進行や介護保険を利用者の増加などの理由から、より質の高いマネジメントスキルの養成が求められ、2016年にケアマネの研修内容が見直されました。

その結果、確かに専門性の高い研修が行われることにはなりましたが、ケアマネの負担が増えてしまったのも事実なのです。

研修の負担を緩和するために、最近では一部の自治体や専門機関で研修時間の一部をeラーニングで補えるプログラムを導入しているところもあります。

ケアマネの資格取得時の研修内容

講習

ケアマネの研修時間は、2016年の変更により長くなりました。

また、研修を受けるタイミングも決まっているので、ある程度スケジュールが拘束されてしまいます。

実務研修の内容

ケアマネの試験に合格した後は、まず実務研修を受ける必要があります。

実務研修は講義と実習の2項目に分かれており、研修時間は合計で87時間となっています。

2015年以前は44時間でしたが、2016年の変更によって87時間に増えて演習形式を重視した研修内容へと変更されました。

なお、ケアマネの実習の内容に関しては下記の表の通りです。

研修形式 主な内容 時間
講義形式 介護保険制度の理念や現状について
実習オリエンテーション
ケアマネジメントにかかる法令等の理解
地域包括ケアシステム及び社会資源
ケアマネージャーに必要な医療との連携及び他職種協働の意義
人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理
ケアマネジメントのプロセス
16時間
演習形式 ケアマネジメントの基本
相談援助の専門職としての基本姿勢及び相談援助技術の基礎
ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術
実習の振り返り
利用者、多くの種類の専門職等への説明及び合意
介護支援専門員に求められるマネジメント
サービス担当者会議の意義及び進め方(必要な基礎知識及び技術に追加)
ケアマネジメントの展開
71時間
現場実習 基礎技術の実習 3日間

講義形式の研修

講義では、実務で求められることになるケアマネジメントについて勉強します。

ケアマネジメントに関する法令やケアマネジメントを行う手順をはじめとして、介護に関連する他部門との連携の仕方など、実務において重要となる知識を習得します。

ロープレや実演が行われるケースもあり、具体的なシミュレーションを通して高い技術と知識を習得できます。

実習形式の研修

実習では、介護利用者が求めているサービス内容や必要なサービスを把握した上で、実際にケアプランの作成などを行います。

また、チームマネジメントなどを通してリアルな介護現場の仕事の流れを実習を通して学んでいくことになります。

また、高齢者の方に多い脳血管疾患や筋骨格系疾患などの病気への具体的な対処法などの緊急対応の処置方法についても学び、緊急時に求められる技能を習得します。

研修の最後にはテストが行われ、テストに合格することで研修修了です。

いつまでに受ければいいの?

実務研修の日程は、実務研修受講試験の合格発表後に公表されます。(日程は都道府県によって異なります)

なお、受講期限は特に設けられていないものの、試験に合格してから1年以内に受けることが望ましいとされています。

とはえ、学んだ知識が錆付かないようにするためにも、なるべく早く受講するのがおすすめです。

費用はどのくらいかかるの?

実務研修にかかる費用は都道府県によって異なっており、2020年9月のデータによると受講費用の約5万円程度でした。

出典:「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター|令和5年度都道府県別担当課一覧」

なお、実務研修の最後にある試験では別途で費用がかかり、こちらは全国平均で約1万円です。

余計なコストを支払わないようにするためにも、知識が十分に残っている内に試験に合格することが望ましいと言えるでしょう。

経済的な負担を軽減するために、一部の自治体ではケアマネージャー研修費用の補助制度が設けられていることもあるので確認すると良いでしょう。

受講後の流れはどんな感じ?

全87時間の実務研修を修了すると「修了証明書」が交付され、実務研修は無事に終了となります。

その後、都道府県に介護支援専門員登録を行い、都道府県知事に申請することで介護支援専門員証が交付され、晴れてケアマネとなります。

転勤や引っ越しなどの理由で、受講した都道府県とは別の都道府県でケアマネ業務を行う場合は、受講した都道府県の担当課に連絡をして異動の手続きをしましょう。

都合が悪くて受けられない時は?

実務研修の案内は、受講試験合格書と一緒に送られてきます。

つまり、実務研修が行われる約1ヶ月前には開催日程を把握するので、場合によっては都合がつかないケースも考えられます。

何らかの事情で実務研修を受けられない場合は、次年度への振替受講や他の開催地域での受講などを検討しましょう。

都道府県によってはこのような救済措置が用意されている場合があるので、都道府県の担当課に相談してください。

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資格更新時の研修内容は?

研修

資格取得後だけでなく、5年ごとに行われる資格更新時にも長い研修が課せられます。

なお、研修にも受講回数によっていくつか種類があるので、それらについて知っておきましょう。

こちらのトピックでは、ケアマネに受講が課せられている法定研修の一覧を紹介していきます。

資格ごとに異なる研修内容

早速、ケアマネに課せられている法定講習と内容を見ていきましょう。

研修名 時間
実務研修 87時間
実務なし再研修 54時間
専門研修課程Ⅰ 56時間
専門研修課程Ⅱ 32時間
主任介護支援専門員研修 70時間
主任介護支援専門員更新研修 46時間

表の下に行くにつれて、研修内容はベテラン向けになっています。

5年ごとに資格が更新される度に当該研修を受講しなければならないので、これは大きな負担と言えるでしょう。

5年ごとに介護支援専門員更新研修Ⅰ・Ⅱの両方を受ける必要があり、さらにケアマネとしてステップアップするためには主任介護支援専門員研修を受けなければなりません。

膨大な時間がかかる上に、資格の更新も5年毎になっているので、業務以外の負担も重いことが分かります。

実務未経験の人が受ける「実務なし再研修」

上記の表の上から2番目にある「実務なし再研修」は、実務経験が無い方向けの研修です。

ケアマネージャーの資格を取得してから5年が経過し、実務経験が無い場合は「実務経験がない人のための更新研修」を受けなければなりません。

更新研修は5日間の前期・1ヶ月の実習・2日間の後期に分かれており、前期ではケアマネジメントの専門知識を講義形式で学びます。

1ヶ月間の実習では実際にケアプランを作成して実務感覚を覚え、後期ではそのケアプランに従って演習を行う流れとなっています。

6ヶ月以上の実務経験がある人が受ける「専門研修課程Ⅰ」

6ヶ月以上の実務経験がある方の場合は、「専門研修課程Ⅰ」を受けることになります。

専門研修課程Ⅰでは、ケアマネに求められる専門的分野の知識や技術を習得するので、かなり実践的な内容と言えるでしょう。

受講生の所属先(居宅、特養、グループホームなど)によって4つのコースに分かれており、合計で10日間のスケジュールとなっています。

3年以上の実務経験がある人が受ける「専門研修課程Ⅱ」

3年以上の実務経験がある方は、専門研修課程Ⅱを受講します。

専門研修課程Ⅱでは学ぶ内容の難易度が専門的になり、支援困難事例への対応技術などを習得します。

介護サービス事業所や介護施設において、介護サービスを提供するための中心的な役割を担うためのスキルを要請するための研修と言えるでしょう。

なお、スケジュールは全員共通の共通日程2日間と、受講生の所属先(居宅、特養、グループホームなど)によって4コースに分かれて行う別日程4日間の合計6日間です。

更新研修を受けないとどうなる?

本来受けるべき更新研修を受けないままケアマネの業務を続けていると、施設がある都道府県から更新研修を受けるように指摘されます。

指示に従って更新研修を受ける場合は、54時間の再研修を受けることにで資格の再交付を受けることができ、ケアマネとしての業務を継続できます。

一方で、指導に従わず都道府県から「悪質なケアマネージャー」と判断されてしまった場合は、介護支援専門員資格の登録が抹消されてしまう恐れがあります。

登録が抹消されてしまうと、抹消された日から5年間はケアマネの資格が再取得できないという厳しいペナルティが課せられるので注意しましょう。

更新研修を受けられるのはいつから?

更新研修は、現在の資格の有効期限が切れる1年前から受けることができるので、期限が迫ってきたら準備すると良いでしょう。

なお、更新研修は「必ず有効期限が切れる日までに修了」する必要があるので、期限ぎりぎりに受けるのはおすすめしません。

もし更新研修を修了する前に有効期限を迎えてしまうと、ケマアネージャー資格の更新ができなくなってしまいます。

都道府県によっては研修のスケジュールが少なく、参加しようとした研修が定員に達してしまっている恐れもあります。

有効期限切れになってしまうリスクを小さくするためにも、早い段階から情報収集に努めつつ、研修を実施する都道府県へあらかじめ問い合わせておくと良いでしょう。

更新研修の場所はどこ?

更新研修の申し込みや受講は、ケアマネージャーの資格を登録している都道府県で行います。

研修の場所などや過去の日程などは都道府県の保健局などのホームページに情報が載っているので、参考にしてください。

なお、引っ越しや定員に達したなどの理由で登録している都道府県で受講できない場合は、他の都道府県で受講できる可能性があります。

その際には、登録されている都道府県と更新研修を受講する都道府県の両方に相談する必要があるので、必ず事前に問い合わせましょう。

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更新時の費用はどのくらいかかるの?

研修

更新にあたって必要になる費用は、都道府県によって異なります。

本記事では広島県の例を参考にして、ケアマネの更新研修にかかる費用を詳しく紹介していきます。

出典:社会福祉法人 広島県社会福祉協議会 社会福祉研修センター 介護支援専門員(ケアマネージャー)の更新及び研修について

資格取得時の研修にかかる費用

ケアマネ試験に合格したら、まずは資格取得するための費用が発生します。

87時間の実務研修を受講することでケアマネとして登録できますが、この際に実務研修の受講料として58,000円が発生します。

かなり高額な受講料なので、負担と感じているケアマネの方も少なくありません。

実務未経験の場合の更新研修にかかる費用

ケアマネとしての実務経験がない方は、54時間の更新研修を受講する必要があります。

この更新研修の受講料は36,000円となっており、決して軽くは無い負担となります。

初期費用だけでかなりの金額を負担する必要があるので、事前に準部しておく必要があります。

実務経験がある場合の初回の更新研修にかかる費用

実務経験のあるケアマネの方が社会登録する場合や、実務経験が通算で6ヵ月以上ある方が初回更新をする場合は研修課程Ⅰを受講することになります。

さらに、実務経験3年以上の方は研修課程Ⅱを受講することになりますが、それぞれの受講料は下記の通りです。

  • 研修課程Ⅰ:受講料34,000円
  • 研修課程Ⅱ:受講料24,000円

更新の際にも、それなりに重い負担が発生します。

研修課程Ⅰと研修課程Ⅱを受講している時の研修にかかる費用

研修課程Ⅰと研修課程Ⅱを受講した後の更新の際には、5年毎に研修課程Ⅱ(実務従事者で就業後3年以上の者)の受講料として24,000円が発生します。

保有コストがかかってしまう点がケアマネの欠点ではありますが、勤務先によっては受講料を一部助成してくれるところもあるので、相談してみましょう。

また、各都道府県で受講料に差はあるので、必ず各都道府県のホームページをチェックしてください。

ケアマネの研修がオンライン化する?

オンライン研修

現行のケアマネの研修制度は、資格を維持するためだけにケアマネに大きな負担がかかってしまっています。

この問題が続くとケアマネの数は減ってしまい、介護サービスの質に大きく影響してしまいます。

そこで、こちらのトピックでは現行の研修制度が変わる可能性について解説していきます。

今のままでは負担が大きい

ケアマネは、日々の業務負担も非常に大きい現実があります。

介護業務の合間に情報収集や他の分野とのネットワークの強化などを行っており、広範な業務を行ってサービス利用者の生活の向上に努めています。

これらの業務に対応できるように、政府は研修を体系的に実施してケアマネの専門性向上を目指していますが、この動きが逆にケアマネに大きな負担をかけてしまっているのです。

このような状況の中で、ケアマネの受験資格が「医師や看護師などの法定資格を持っている人」「相談援助業務に5年以上従事した人」に限定され、受験者数と合格者数が減ってしまいました。

一方で、政府としては高齢化社会に対応するべく「地域包括ケアシステムの構築」を進めており、その中でケアマネの果たす役割や重要性は高まっています。

つまり、ケアマネの存在感がますます高まっていくことを考えると、研修制度や研修内容そのものを緩和する可能性は低いでしょう。

処遇を改善する形でケアマネの質を上げると考えられるので、(残念ながら研修の負担はこのまま維持される見通しです。

オンライン化に向けた動きもある

研修の負担を軽減するために考えられるのが、研修のオンライン化です。

ケアマネの研修には実習が多く含まれているので、全てをオンライン化することは不可能ですが、講義で行う研修はオンラインで行うことが可能です。

実際、ケアマネの業務負担や遠隔地に住んでいる方の移動負担などを考慮し、オンライン化が進められています。

これまでは都道府県によって異なる内容の研修が行われていましたが、全国共通の内容にして研修の質を担保した上で厚生労働省もオンライン化の手引きを作成しました。

2020年度の研修は、実務研修・専門研修課程Ⅰ・専門研修課程Ⅱ・主任介護支援専門員更新研修がオンライン化され、オンライン化の動きが加速していくと考えられています。

なお、実習はその性質上、従来と同じ形で行うことになるでしょう。

オンライン化に際しての課題

オンライン化が進んでいる点は好意的に受け止められていますが、オンライン化するにあたって課題も多くあります。

オンラインで研修を行うには、当然のことながら通信機器やインターネット環境を用意しなければならないので、機械に疎い方にとっては大きな負担となります。

特に、インターネット環境が無い場合は自分で用意するか職場で用意してもらう必要があるので、やはり何かしらの負担は発生してしまいます。

しかし近年では、ICTの普及とデジタル化の推進を目指す政策が推進されており、近年ではICT研修などを通じて、ケアマネージャーを含む介護職員がデジタル機器の操作方法を学ぶ機会も増えてきています。

そのため、しばらくは従来のやり方と並行してオンライン研修が行われていくと考えられますが、今後徐々にオンライン化は進んでいくでしょう。

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新人のケアマネージャーの声

困る看護師

それでは、ケアマネージャーになって日が浅い、新人のケアマネージャーの声を紹介していきます。

居宅介護住宅で引き継ぎがなくて大変

<引継ぎが十分でないケース>

ケアマネの資格を取って居宅介護住宅のケアマネとして転職したものの、初めての実務経験ということや、辞めた前任者からの引き継ぎがないせいで困っている。いきなり多くの利用者の名前を把握するのも大変で辛い。分からないことは聞いて業務をこなしてはいるが、早くも挫折しそう...

引き継ぎがない場合の解決策

上記のように、引継ぎが杜撰だったり、そもそも引継ぎが行われないことで業務に支障が出ているケースが多いです。

実際、ギリギリの人数で運営している事業所もあり、前任者が急に辞めてしまった後は満足に引き継ぎがない場合もあるので注意しましょう。

前任者がトラブルが原因で辞めてしまっている場合は前任者の尻拭いから仕事が始まることもあるので、多大なストレスがかかってしまいます。

業務に慣れていない新人にとって、いきなりこれらの業務を担当するのは酷な話です。

ケアマネは担当している以外の仕事内容は知らないというケースが多いので、いきなり多大なストレスと業務負担が発生するのを防ぐためにも、転職する際には下記の点を確認しましょう。

  • 引き継ぎの期間をどのくらいとっているか
  • そもそも引き継ぎがあるのかどうか
  • 新人はどのような業務をすれば良いのか
  • ケアマネの教育、研修はどのように行っているのか

転職後に安心して仕事ができるかどうかは、職業人生を充実させるためには欠かせないポイントです。

そのため、面接や職場見学などの機会に遠慮なく聞いておきましょう。

前任者が退職してしまっている場合は、事業所にいる他のケアマネや上司に状況を確認し、必要に応じてサポートを求めることが重要です。

十分なサポートが得られそうにないと判断したら、その事業所で働くのは検討するべきです。いきなり新人に難しい仕事を与えるような職場では不安が大きいからです。

不明点や疑問点があれば遠慮することなく聞く姿勢を持ち、心地よく働けるかどうか判断しましょう。

心地よく働くことができれば早く仕事を覚えられるようになり、自分が満足できるのはもちろん、利用者やその家族に迷惑をかけることも無くなります。

ケアマネの仕事が想像以上に大変

<仕事が想像以上に大変だった>

休日の勉強を続けてやっとの思いでケアマネの資格を取得。訪問介護のスタッフから特別養護老人ホームのケアマネに転職したが、ケアマネの仕事が思っていたより大変で、介護職の時より多くの知識が必要になるし、利用者への目配りもする必要がある。やっていける自信がない...

向き不向きに関わらず働き初めが大切

ケアマネは専門的な介護の知識が必要になるだけでなく、利用者ごとに問題点などの情報を集めて、ケアプランを作成する必要があります。

関係各所との調整なども必要になるので、人間関係が複雑に絡み合っているのが現実と言えるでしょう。

実際に、ケアマネが対応するのは利用者や家族だけではなく、事業所内部や医療機関など広範に渡るので、精神的に疲れてしまうケースも多いです。

また、担当する利用者も複数に渡ることから、サービスの種類や保険制度などに精通していなければならず、常に学ぶべきことは多いです。

「自分には不向きかも...」と考えてしまうのは仕方のない話ですが、向き不向きは実際にやってみないと分からないので、気を楽にして働いて見ることも重要です。

幸い、ケアマネは現場の介護職と比べると身体的な負担は軽いので、仕事に慣れれば一生モノの資格です。

向き不向きに悩んだら、周りの先輩や地域包括センターの主任ケアマネなどに相談し、有意義なアドバイスをもらいながら経験を積んでいきましょう。

練馬区ではケアマネ新人養成の工夫が

東京都練馬区では、ケアマネジャーを育成する目的から事業所の垣根を越えた研修制度を設けています。

現場経験を豊富に持つベテランの「主任ケアマネ」が、経験年数3年以下のケアマネに対して、実務上のコツなどを助言するシステムです。

新人や軽々の浅いケアマネは、業務に慣れない内は「仕事がしんどい」「自分には不向きなのでは?」という不安を抱えがちです。

しかし、ベテランの主任ケアマネがいることで、もし失敗してもすぐにリカバリーできる安心感も得ることができます。

このようにケアマネの育成を通して介護人材の資質向上に繋げる取り組みが行われており、別の事業所のベテランケアマネが若手ケアマネを指導する点が特徴です。

事業所の垣根を越えて介護人材を確保するための有意義な施策ですが、各自治体も介護人材の確保は急務なので、自治体の動きには注目すると良いでしょう。

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ケアマネの実務研修まとめ

ケアマネの実務研修まとめ
  • 本来の業務負担に加えて研修を受けるのは大きな負担になっている
  • 5年ごとの更新時にも研修の負担が強いられる
  • 徐々に研修のオンライン化が進められている
  • 新人ケアマネは向き不向きや仕事の失敗に悩みがちだが、深刻に考えずに経験することが重要

ケアマネ資格を取得すると、取得時と資格更新時に研修を受ける必要があり、大きな負担になっています。

しかし、オンライン化が進められていたり新人ケアマネが職場に定着できるような支援も進められているので、徐々に待遇は改善されていくでしょう。

研修の負担が重くしんどいのは確かですが、有意義な学びを得られるのも事実です。

研修の受講をあまりマイナスに捉えることなく、ケアマネの仕事に誇りを持って取り組んでみてください。

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介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

株式会社学研ココファン品質管理本部マネジャー。介護支援専門員、介護福祉士。2011年学研ココファンに入社。ケアマネジャー、事業所長を経て東京、神奈川等複数のエリアでブロック長としてマネジメントに従事。2021年より現職。

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