介護職員のボーナス(賞与)はいくら?特養などの施設別・経験年数別に平均額を解説
「介護職員のボーナス(賞与)はいくらが相場?」
「1年目の賞与はいくら?」
介護士のボーナスは、職種・勤続年数・施設の種類・年齢・資格の有無などで大きく左右されます。
介護職におけるボーナスは、基本給によってある程度決まってしまうため、就職後に大幅にボーナスを増やすというのはなかなか難しいようです。
しかし、そんな中でもボーナスアップさせる方法を今回はご紹介します!
現状に満足していない方・高いボーナスが貰いたい方は、今回の記事を参考にしてみましょう。
また今回は、1年目~20年目のベテランまでの勤続年数別にみたボーナスの平均金額や、特養・グループホーム・有料老人ホーム・デイサービスなど施設の種類別でみる平均金額を表にして分かりやすく紹介します。
年齢・性別・職種などによって変わる平均賞与額など介護業界のボーナス事情について徹底解説するので、自身のボーナスが平均値と比べてどうなのか比較してみてください。
介護士の平均賞与額は約54万円程度
ボーナスは年齢・勤続年数・施設・職種などで大きく変わる
資格を持っていれば賞与面でも有利に
介護職のボーナス(賞与)事情
以下では、一般的な介護職のボーナス事情について解説します。
職場を選ぶにあたって、ボーナスがいくらもらえるのかは重要なポイントです。
しかし、介護の場合、そもそも正規社員のボーナス制度がない職場もあるので支給日・支給時期・査定の基準など職場のボーナス事情は把握しておきましょう。
そもそもボーナス(賞与)とは
ボーナス(賞与)とは、定期的な給与以外に会社から支給される賃金です。
ボーナスは一般的に年に数回支給されるため、収入の一時的な増加や将来の計画に活用することができます。
ボーナスの額を決めるのは会社の業績・役職・勤続年数などで、それらの要素を総合的に考慮しスタッフそれぞれの賞与額を査定します。
ボーナスを多く貰うためには、自身の業績ももちろん大事ですが、職場の経営状況が黒字かどうかなども重要となるため転職の際には十分な情報収集をするようにしましょう。
ボーナスの支給日・時期
ボーナスの支給回数・支給日・支給時期などは、企業によって自由に設定できます。
そのためボーナス支給のタイミングは企業によってさまざまなので、転職の際には採用先の施設のボーナス支給時期は確認しておいてください。
一般的には、夏・冬の年2回支給する企業が多いと言われています。
中でも夏は6月~7月、冬は12月に支給する企業が多いようです。
査定基準は基本給がベース
ボーナスの額は査定によって決まりますが、査定の基準になるのは基本給です。
ボーナスは多くの場合、基本給の額をベースに「〇か月分」と記載されます。(例えば、基本給18万円でボーナスは基本給3.5ヶ月分ならボーナス支給額は63万円)
ボーナス支給額は基本給3.5ヶ月が平均ですが、業績によって支給額が変わる場合も多く、業績のいい企業では平均よりも多く支給される場合もあるでしょう。
ただし、求人票では「ボーナスが基本給5ヶ月分!」と記載されていても、基本給が安いため実際はボーナスがそこまで高くないというケースもあり、注意が必要です。
ボーナス制度がある介護施設は多いのか
ボーナス支給がある介護施設は多いですが、それには以下のような理由があります。
ボーナスの支払い義務は定められていない
ボーナスを出す・出さないは、法律で定められておらず、職場によって異なります。
法律上では、ボーナスは「通常の給与とは異なり、勤務成績次第で支給されるもの」とされており、事業所に支払い義務はありません。
しかし、介護労働実態調査によると、ボーナスの支給割合は増加傾向です。
具体的には、約7割の正社員が定期的にボーナスを支給されているという結果が出ており、多くの場合はボーナス支給が受けられます。
ボーナス以外の待遇も確認しよう
求人を探す際に気を付けたいのが、ボーナスがない=待遇が悪いと決めつけてはいけないということです。
職場選びの際は必ず、ボーナス以外のさまざまな条件を確認して判断するようにしましょう。
職場によっては、ボーナスがない分基本給や手当が充実しており、結果として高い年収となるケースもあり得ます。
ボーナスが欲しいと思っていると、採用条件にボーナス支給があるかどうかにばかり気がとらわれがちですが、総合的に判断してよりよい条件の職場を選びましょう。
無期雇用職員は7割以上の施設で賞与制度あり
介護職における無期雇用職員のボーナス支給率は、約7割以上と言われており、その中でも定期的に賞与を支給している事業所は全体の約6割以上です。
このことから、無期雇用介護職員の約7割以上は、ボーナス支給を受けられる可能性が高いと言えるでしょう。
この割合を見ると、ほとんどの場合で定期的に賞与を貰っていると言えますが、約3割の職場ではボーナス支給がない事実も忘れてはいけません。
賞与制度については、支給時期や支給額も含めて、転職活動・就職活動の際に確認しましょう。
デイサービスや有料老人ホームの割合の違い
同じ介護職でも、サービスの類型別に見ると、賞与制度の割合が異なります。
有料老人ホーム・特養など入所型施設では、全体のほとんどに賞与制度がありますが、これらよりもボーナス支給率が低いサービスも多いです。
例えば、訪問介護・通所型介護施設などはやや割合が下がり、支給率は訪問系で70%程度、デイサービスなど通所型施設では75%程度となっています。
このことから、ボーナス支給を受けたい方は、入居型施設での勤務がおすすめですが、そのほかのサービスでも当然賞与制度がある職場はあるので確認してみることをおすすめします。
有期雇用職員は半分近くの施設で制度あり
介護職の無期雇用職員は、多くの場合賞与制度が適用されると前述しましたが、有期雇用職員の場合も約半数近くが賞与を受け取っています。
また、介護職における有期雇用職員の賞与制度がある事業所は全体の40%以上を占めており、そのほとんどが定期的な賞与支給を受けていることが分かりました。
上記のことから介護職は、無期・有期雇用関係なくボーナス支給率が高いと言えるでしょう。
家庭の事情などで有期雇用職員として働きたいと考えている方も、ボーナスを諦めることなく働ける職場は介護業界には多くあります。
介護職員のボーナスの平均・相場
介護職のボーナスについて、さまざまな平均相場を紹介します。
職員の賞与を左右する職業・施設・勤続年数などの要素によってどれほど賞与額が変わるのか、確認してみてください。
介護職員のボーナスは平均55万円程度
介護労働安定センター「令和3年度介護労働実態調査」によると、介護職員の平均賞与額は551,073円です。
しかし、さらに詳細にみていくと男性が約61万円・女性が約58万円と、男性の方が平均がやや高い傾向です。
介護職は、女性が多い現場ですが、力仕事も多く体力的にきつい仕事も多いため男性スタッフは重宝されます。
また、平均値の約55万円という支給額は、一般的な年2回支給で考えると、1回あたり27万円程度になるでしょう。
男女それぞれの平均で考えると、男性の場合は1回あたり約30.5万円、女性の場合は約29万円とが平均となります。
参考:介護労働安定センター「令和3年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書」
年齢別ボーナス額は40代でピークに
介護職員の給与は、年齢によっても異なりますが、ピークを迎えるのは40代です。
年齢階級 | 平均賞与 |
---|---|
20歳未満 | 291,060円 |
20歳以上~25歳未満 | 438,667円 |
25歳以上~30歳未満 | 509,675円 |
30歳以上~35歳未満 | 551,463円 |
35歳以上~40歳未満 | 596,448円 |
40歳以上~45歳未満 | 633,352円 |
45歳以上~50歳未満 | 643,152円 |
50歳以上~55歳未満 | 627,999円 |
55歳以上~60歳未満 | 634,825円 |
60歳以上~65歳未満 | 521,436円 |
65歳以上~70歳未満 | 403,214円 |
70歳以上 | 352,778円 |
出典:介護労働安定センター「令和3年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書」
介護職の平均賞与は、年齢によって29~64万円と大きく幅があり、年齢を重ねるごとに平均給与は上がっていきます。
しかし、ピークは40代で60万円台となっており、その後は徐々に下がる傾向です。
また、介護職員の年齢層は幅広く、若い世代では20代前後から定年を過ぎた65歳以上の職員もいるため給与の幅も広いと考えられます。
勤続年数が長いほど賞与は高くなる
年代別でみた賞与は、40代をピークに次第に下がっていきますが、一方で勤続年数が長いほど介護職員の賞与は上がる傾向にあります。
勤続年数 | 平均賞与 |
---|---|
1年未満 | 340,598円 |
1年以上~2年未満 | 341,977円 |
2年以上~3年未満 | 494,283円 |
3年以上~4年未満 | 526,622円 |
4年以上~5年未満 | 547,730円 |
5年以上~10年未満 | 581,355円 |
10年以上~15年未満 | 659,290円 |
15年以上〜20年未満 | 754,102円 |
20年以上 | 962,452円 |
出典:介護労働安定センター「令和3年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書」
勤続年数による平均賞与は、1年目と年以上の方で30~100万円と差が大きく、年齢別でみるよりも金額に幅があります。
勤続年数と平均賞与は綺麗に比例しており、20年以上の賞与は平均でなんと100万円近くにもなり、長年頑張って勤め続ければ多額のボーナスを受け取ることが可能です。
職種別の平均ボーナス額
介護職といってもさまざまな職種があり、職種によっても、ボーナス額は異なります。
職種 | 平均賞与 |
---|---|
訪問介護員 | 464,549円 |
介護職員 | 551,073円 |
サービス提供責任者 | 628,731円 |
生活相談員 | 668,617円 |
705,773円 | |
介護支援専門員 | 662,668円 |
PT・OT・STなど | 686,505円 |
管理栄養士・栄養士 | 697,421円 |
介護職は、職種によっては30万円程度の差があります。
生活相談員・看護職員・管理栄養士など、保有する資格を活かせる職では、賞与額の平均も高めです。
自分の職種のボーナス額をよく確認しておきましょう。
ボーナスアップを目指す方は、上記の職種を目指してキャリアアップしていくのもおすすめです。
特養・グループホームなど施設別の平均賞与
特養・グループホーム・有料老人ホーム・デイサービスなど、介護サービスによっても賞与額の平均は異なります。
介護サービスの種類 | 平均賞与 |
---|---|
480,476円 | |
通所介護(デイサービス) | 515,091円 |
通所リハビリテーション | 630,374円 |
短期入所生活介護 | 383,868円 |
小規模多機能型居宅介護 | 490,735円 |
看護小規模多機能型居宅介護 | 615,123円 |
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 438,924円 |
介護老人福祉施設(特養) | 794,986円 |
介護老人保健施設 | 716,654円 |
介護サービスの種類によっても、賞与に大きな差がありますが、最も平均値が高いのは特養の職員です。
デイサービスなどの訪問型・通所型の施設系のサービスよりも、特養・グループホーム・有料老人ホームなどの入所型の施設で勤務するほうが賞与は高い傾向にあります。
デイサービスは夜勤がないなど働き方には余裕がありますが、その分賞与面では安くなるため、仕事量と給与・賞与を天秤にかけて選ぶことが必要です。
高い賞与を望む場合は、入居型施設の中でもとくに特養を選ぶといいでしょう。
介護福祉士などの有資格者は賞与も高い
介護福祉士など有利な資格を保有していると、その分賞与の額が高くなります。
保有資格 | 平均賞与 |
---|---|
594,571円 | |
介護職員初任者研修 | 453,117円 |
実務者研修 | 460,898円 |
社会福祉士 | 653,405円 |
その他 | 625,872円 |
無資格 | 398,766円 |
上記項目のような介護に有利な資格があると、賞与の額は大幅に上がります。
例えば、比較的取得が簡単な初任者研修でも賞与は5万円以上上がり、介護福祉士の有資格者では20万円近くのプラスです。
資格取得には、労力も時間もかかりますが、今後介護職を続ける上でリターンは非常に大きいので検討してみましょう。
職場によっては、資格取得のための補助制度などを設けている場合もあります。
介護士の給与の平均・相場
ボーナスの額は、給与の額をベースに「〇か月分」と表されます。
以下では、介護職員の基本給与について、平均値や相場を解説します。
介護職員の平均年収や1年目の月給
以下では、介護職員全体での平均給与について解説します。
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇等調査結果」によると、介護職員の月収(月給・常勤)は318,230円が平均です。
また、年収に関しては、平成27年賃金構造基本統計調査で約378万円が平均だとしています。
一般的に1年目の初任給は平均で約19万円、非常勤の場合は平均時給950円~1300円前後です。
介護福祉士の収入はどのくらい?
介護士は、資格があると給料も高くなる傾向があり、中でもおすすめなのが介護福祉士です。
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇等調査結果」によると、介護福祉士の月収(月給・常勤)は、平均で331,690円でした。
上記の介護職員全体の平均月収(318,230円)と比較すると、介護福祉士は月収が1万円以上高いです。
介護福祉士は、介護関係の国家資格で、資格を保有している人を指す言葉でもあります。
介護福祉士の資格を取るには、介護施設での実務経験や福祉系の学校の卒業資格などが必要ですが、返ってくるメリットは大きいので取得はおすすめです。
介護職でボーナスアップさせる方法
介護職は、1年目の新人では非常に給料も安く、賞与もあまり出ません。
しかし、以下で紹介する方法によって賞与の額を上げていくことが可能なので、賞与アップを目指す方はぜひ実践してみてください。
介護福祉士などの資格を取得する
資格のある職員は給与・賞与の面でも有利になるため、ボーナスアップを目指すなら、まずは資格取得にチャレンジしてみましょう。
介護における資格取得は、一般的には「初任者研修」→「実務者研修」→「介護福祉士」の順番となっています。
資格取得をすれば、ボーナスの額が上がるだけでなく、他にもメリットは多いです。
資格取得で得られるメリットとは、給与面でいえば資格手当が貰える・処遇がよくなるなどが挙げられます。
とくに介護福祉士の資格は、実務経験や専門知識が必要で簡単には取得できない国家資格ですが、取得すると職場での好待遇が期待できるでしょう。
資格取得は将来のキャリアパスや転職の際にも有利となり、自分の市場価値を高めることにつながると言えます。
主任やユニットリーダーなど役職に就任
ボーナスアップのためには、役職を経験しておくこともおすすめです。
介護職には「主任」「ユニットリーダー」「サービス責任者」などの役職があります。
フロアリーダーなど小さなグループ内での責任者は役職としてはあまり重要視されませんが、上記のような役職につくと役職手当の支給に加えて、昇進への影響も大きいです。
また、役職経験は、リーダーシップやチームマネジメントのスキルを磨く機会でもあります。
役職に就くと、責任ある立場になりプレッシャーがかかるなど大変な面もありますが、結果としてボーナスの金額が高くなりやすくなります。
また、役職の経験は転職でも大きな強みになるので、今後よりよい職場へ転職したいと考えている方も条件交渉がしやすいなどメリットが大きいです。
経営者や上司に相談してみる
よりよい条件で働きたいなら、経営者や上司に相談を持ち掛けてみるのもひとつの方法です。
自分の働いている職場の経営者や上司にこのような相談を持ち掛けるのはなかなか勇気のいることですが、ボーナスを上げてほしい・賞与制度を導入して欲しいといったスタッフの声を伝えることで、職場の処遇改善につながっていきます。
また、相談をする際に近隣の求人情報を提示してみることで、離職防止のための取り組みとしてボーナスが導入される可能性も考えられるでしょう。
ただし、この方法は短期間ですぐに効果を得ることは難しい方法です。
今の職場で今後も末永く働いていくとして、長い目でみた処遇改善の方法として試してみてください。
給料がより高い職場に転職
今の職場の処遇に不満があり、すぐに賞与アップする方法を試したいという場合には、転職をおすすめします。
ボーナスが基本給によって決まる介護業界では、現在の職場で働きながらボーナスを上げるのは難しい場合も多いです。
前項目のように職場の処遇改善のために上司や経営者に掛け合っても、長い期間が必要なのですぐに改善は望めないということがあります。
しかし、今の職場よりも条件のいい職場を見つけて転職すれば、資格取得のための長時間の勉強や役職の経験などを経なくても、賞与アップが可能です。
介護業界は、人材不足な状況であるので、転職は決して困難ではありません。
ただし、転職の際はボーナスだけでなく、基本給・手当・福利厚生などさまざまな情報を確認すべきであり、現在の職場で働きながらこれらすべての情報を把握するのは大変です。
そこで、近年多くの介護職の転職活動者が利用している「転職サイト」を利用しましょう。
転職サイトであれば、求人の選択肢が多い上に、専門アドバイザーによるサポートが受けられるため条件のよい職場探しにも利用がおすすめです。
転職するならレバウェル介護(旧きらケア)
画像出典:レバウェル介護公式サイト
口コミ評価No.1(※)
面接対策や条件交渉などサポートも充実
求人数も162,000件以上(2025年2月19日時点)と豊富
※介護転職サービスGoogleマイビジネスの口コミ評価(2022年9月)より
レバウェル介護は、Google口コミの評価でNo.1を獲得した実績もある、信頼度の高い介護職向けの転職サイトです。
福利厚生や企業のことを知る上でまさに最適なサービスといえます。
年間の利用者数が80万人以上と非常に多くの方が登録している大規模転職サービスであり、面接対策や条件交渉などサポート体制も充実しています。
介護職員のボーナス事情の今後
介護士は、現状では勤続年数の長さや資格取得者に有利で、1年目からボーナスがたくさん出るような職ではありません。
しかし、高齢化の波を受けて介護士は需要が高まりつつあり、介護士のボーナス事情も今後変化があると予測されます。
人手不足・賃金の安さなどまだまだ課題の多い介護士の仕事ですが、以下のような制度によって少しずつ働きやすい業界へと変わっていくことでしょう。
黒字の事業所はボーナスカットが禁止に
介護職員処遇改善加算により、月収が上がる代わりに賞与制度をなくすという事例が無いよう、厚生労働省は「黒字の事業所はボーナスカットが禁止」という通達を出しました。
これにより、経営が安定している黒字の事業所ではボーナスカットがなく、黒字である限り職員は必ずボーナスを受け取れます。
なお労働者は、ボーナスの支払いや支払いについての情報を正確に把握し、自分の権利を守ることが重要です。
経営状況などが気になる場合は、上司や経営者に確認してみましょう。
介護職員処遇改善加算による変化
介護業界の変化として、とくに注目すべきは介護職員処遇改善加算です。
介護職員処遇改善加算とは、要件を満たした事業所に対して介護職員一人あたり月額37,000円を支給する制度で、介護職員の収入アップを目的としています。
また、国から支給された分をボーナスとして職員に支給する場合もあり、賞与の額に関しても場合によっては関係してくるものです。
しかし、介護職員処遇改善加算によってすべての介護士の給与が改善したわけではなく、収入アップにつながっていない介護士も少なくありません。
この制度に関しての詳細は以下の記事で解説しています。
国からコロナ対応従事者へ慰労金
以下はボーナスではありませんが、新型コロナウィルスの影響により、国からの慰労金が介護士に給付されました。
新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金(介護分)は、2020年には介護サービス事業所で働く職員に対して給付されたものです。
なお、慰労金の申請は、2021年2月28日で締め切られており、現在は申請できません。
しかし、感染状況によっては再給付も検討されうるとされており、状況次第では今後再び申請が可能となることもあり得ます。
ボーナス支給額を上げたい人が選ぶべき職場は?
介護業界は、職種・資格・勤続年数などでボーナスの額が大きく異なり、職場選びはとても重要です。
「ボーナスがたくさん出る職場で働きたい!」という方は以下のような職場を選んでみてください。
特養などの入居型施設
介護施設には、特養・グループホーム・有料老人ホーム・デイサービスなどさまざまなタイプのものがありますが、中でも賞与額が高いのは利用者を昼夜ケアする入居型施設です。
入居型施設には、特養・老人ホーム・認知症対応型のグループホームなどがありますが、中でも特養は平均賞与が70万を超えており高い賞与が期待できます。
ただし、こうした入所型施設では、夜勤などの体力的にきつい仕事もあるため夜勤をこなすことが出来るかどうか考えてから就職を決めるといいでしょう。
入居型介護施設での仕事はやりがいもありますが、同時に責任も大きいので、高い意欲や情熱を持って働くことが求められます。
また、一言に入居型介護施設と言ってもさまざまなタイプがあるので、自分の生活スタイルや性格に合った施設を転職サイトなどで探すのもおすすめです。
管理栄養士・介護支援専門員などの専門職
介護士の中にもさまざまな職種がありますが、管理栄養士・介護支援専門員など資格を有する専門職はボーナスが高い傾向にあります。
資格が必要なので誰にでも簡単になれる職種ではありませんが、その分給与・賞与の面では有利です。
とくに賞与がいい職種として挙げられるのが管理栄養士・栄養士です。
平均賞与で比べると、一般的な介護職員は平均約50万なのに対して、管理栄養士および栄養士は平均約70万以上となっており20万円近くもの差があります。
他にも生活相談員・看護職員・介護支援専門員などは、平均賞与が60万円を超えており、一般的な介護職員よりも多くの賞与を受け取ることが可能です。
これらの職業には資格取得が必要ですが、リターンは大きいので、賞与アップを狙う人はぜひ目指してみてください。
資格取得支援制度がある職場
資格取得をこれから目指すという方は、資格取得支援制度がある職場に勤めるのがおすすめです。
介護施設の中には、職員のスキルアップのため、職員の資格取得を支援する制度がある職場があります。
このような職場では、職員の資格取得を応援する雰囲気があり、勉強や受講のためのシフト調整にも協力的です。
また、講座の受講費を補助してもらえるなど資格取得を目指す人にとってはメリットの大きい職場となります。
制度を設けていない職場では受講費は自己負担となり、金銭的にもきついことがあり資格取得を諦めるケースも。
資格取得して現状よりよい条件で働きたいという方は、職員の資格取得に協力的な職場を選びましょう。
長く働けそうな雰囲気のよい職場
職員の経験値が重要視される介護の現場では、勤続年数の長い職員の方が賞与が高い傾向にあり、末永く働ける職場を見つけるのが賞与アップのポイントとなります。
職場の雰囲気や方針などの内部事情は、実際に職場に行ってみるのが一番わかりやすいため、就職を決める前に見学を申し込むなどしてみましょう。
また、電話先の対応や実際に働いている人の話を聞いてみるのも、職場の雰囲気を知る方法としておすすめです。
さらに介護職に特化したエージェントや転職サイトのアドバイザーに、気になる施設の内部事情について尋ねてみるのもいいでしょう。
転職サイトのアドバイザーやエージェントは、数々の介護現場を実際に見ているので、内部事情についても教えてくれる可能性は高いです。
介護職員のボーナス(賞与)についてまとめ
勤続年数が長いほど賞与はアップ
年齢別では40代でピークに達する
資格取得・役職就任などでボーナスアップが可能
転職してより条件のいい職場に移るのもアリ
介護職におけるボーナスは、勤続年数が長いほど賞与が高くなる傾向で、ボーナスは年齢によっての平均値では40代でピークとなります。
介護職のボーナスは、就職後数年はあまり多い額とはならないことがほとんどですが、同じ職場で長年勤めていれば次第に額は上がっていくので頑張りましょう。
現状にプラスしてボーナスを上げる方法としては、資格を取得したり、役職を経験したりするのがおすすめです。
また、通所型介護施設(デイサービスなど)よりも入居型(特養・有料老人ホームなど)の方が平均値が高かったり、栄養士などの専門職の方が平均値が高かったりと、職場・職種によっても給与の平均値は異なるので、より良い条件の職場への転職もいいでしょう。
転職によって処遇改善を図る場合は、ぜひ紹介した転職サイトを利用してみてください。
業界の転職事情を知り尽くしたアドバイザーが、親身になって相談に乗ってくれ、希望の条件の職場をみつけてくれるのでおすすめです。