施設ケアマネとは?仕事内容や必要な資格・他の役職との役割の違いについて解説!
この記事は専門家に監修されています
介護支援専門員、介護福祉士
坂入郁子(さかいり いくこ)
「施設ケアマネは具体的にどんな仕事をするの?」
「施設ケアマネを目指しているけれど、どんな資格が必要?」
「自分に向いている職業かどうか知りたい!」
このようなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?施設ケアマネは介護施設に勤務するケアマネージャーのことです。
今回は、施設ケアマネの仕事内容や給料、施設ごとの役割などについて徹底的に解説します。施設ケアマネに向いている人の特徴についてもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
この記事を読めば、施設ケアマネについて知り、自分に合った職業かどうか見極めることができるでしょう。
介護施設に勤務するケアマネージャーで、居宅ケアマネよりも平均給与の水準が高い
施設の形態や規模によっては介護やマネジメント業務など、ケアプランの作成に関する業務以外の仕事を任される
入居者との距離が近く、信頼関係を構築しやすい
施設ケアマネって何?
施設ケアマネの仕事内容についてまとめる前に、まずは施設ケアマネがどのような役割を担う職業なのかについて解説します。
施設ケアマネとは
施設ケアマネとは、介護施設に勤務するケアマネージャーのことです。介護施設には、特別養護老人ホームやグループホーム、老人保健施設などがあります。
以前から日本では急激な高齢化が問題視されており、その対応策として2000年に介護保険法が施行されました。それにより、介護サービスは適切なケアプランに基づいて提供されることになりました。
そして、介護施設に入居している方に、適切なケアプランを作成するために配置されているのが施設ケアマネです。施設ケアマネの主な業務内容はケアプランの作成であり、大規模な施設では100人ほどのケアプランを作成することもあります。
一方、小規模な施設の場合はケアプランの作成以外にも、身体介護や夜勤などの業務を兼務することもあります。ケアプラン作成以外の具体的な仕事内容は施設によって異なるため、就職の際には事前にしっかりと確認しておくことが重要です。
また、ケアプランは施設内で提供される様々なサービスを組み合わせることで作成します。そのため、介護職員や看護職員など施設に勤務する他のスタッフとの連携も重要となります。
そして、施設ケアマネージャーは同僚だけでなく入居者やその家族と密接に連携し、彼らのニーズや要望を把握する役割も担っています。入居者の健康状態や生活環境の変化に合わせてケアプランを柔軟に調整し、最適なサービスを提供するために、関係するスタッフや専門家と連携して働くことが重要な役職です。
施設ケアマネに必要な資格
ケアマネージャーとして働くためには、介護支援専門員の資格を取得する必要があります。これは、介護施設以外で活躍するケアマネも同様です。
そして、介護支援専門員の資格を取得するには、各都道府県で行われている介護支援専門員実務研修受講試験に合格しなければなりません。
さらに、介護支援専門員の試験には、試験を受けるための受験資格が設けられています。
受験資格を得るためには、「国家資格」「生活相談員」「支援相談員」「相談支援専門員」「主任相談支援員」のいずれかの資格を持ち、それに基づく業務に5年以上かつ900日以上従事する必要があります。
試験の合格率は10~20%。難易度の高い資格となっています。また、試験に合格した後は、ケアマネージャーとしての登録申請も必要です。
ケアマネ資格の取得に関して、こちらの記事で詳しく解説しています。
施設ケアマネの給料
処遇改善加算を行っている事業所での条件ケアマネの平均月給は36万8,030円です。しかし、施設の形態によって給料は変わる可能性もあります。
以下表は、施設ケアマネの平均月給について施設ごとに分けて比較したものです。
施設形態 | 平均月給 |
---|---|
特別養護老人ホーム | 41万1,830円 |
介護老人保健施設 | 39万5,950円 |
有料老人ホーム | 37万7,170円 |
グループホーム | 34万9,740円 |
::出典:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果|厚生労働省::
表を見ると分かるように、施設ケアマネージャーの中でも、最も平均月給が高い水準にあるのは特別養護老人ホームに従事するケアマネージャーです。最も低い水準にあるグループホームのケアマネと比較すると6万円以上の差があります。
また、前述したように施設の規模によっては施設ケアマネージャーが介護業務を兼任して行うこともあります。そのため、居宅介護支援事業所に勤務する居宅ケアマネージャーと比較して給料が高くなっています。
施設ケアマネの仕事内容は?
次は、施設ケアマネの仕事内容について解説します。施設ケアマネの仕事には、施設入居者のケアプランの作成と介護に関する業務があります。
居宅ケアマネージャーと比較して1人でより多くの利用者を担当することが多いというのが特徴です。
ケアプランができるまで
前述したように、施設ケアマネは入居者やその家族の意向を取り入れ、一人ひとりに合わせたケアプランを作成することが主な仕事です。
ケアプラン作成の流れとして、まずは施設内で提供されるサービスを組み合わせ、日常生活に必要なサポートや健康状態を踏まえた介護や看護、リハビリの計画を立てます。
次に、ケアプラン作成後は介護職員や看護職員などの他のスタッフや利用者の家族と一緒にサービス担当者会議を実施することでケアプランの見直し・修正を行います。
入居者やその家族からの相談として、具体的には生活上の悩みや介護に関する問題、サービスの利用に関する相談などが考えられます。
施設ケアマネージャーは、それぞれの相談内容に適切な対応を行い、解決策や必要なサービスを提案します。同意を得た上でサービスの提供が開始します。
サービスの提供が始まってからも、定期的なモニタリングや必要に応じたケアプランの見直しは欠かせません。地域包括支援センターや居宅介護支援事業所などとの連携も大切な業務の一つです。
また、ケアプランの作成以外にも相談対応やリハビリ、介護施設の給付管理など多岐に渡る業務をこなす必要があります。
業務の流れ
では、介護施設ケアマネの1日の流れについて確認していきましょう。
時間 | 仕事内容 |
---|---|
9:00 | 朝礼 |
10:00 | ケアプランの作成 |
11:30 | 入居者やその家族の対応 |
12:00 | 休憩 |
13:00 | 入居者のモニタリング など |
15:00 | サービス担当者会議 |
17:00 | ミーティング |
18:00 | 退勤 |
介護施設に勤務するケアマネージャーは、基本的に上記のように決められたスケジュールに従い仕事を行います。
施設によっては、介護士の仕事と兼任することもあります。食事介助や見守りなどを通し、入居者を観察することで、ケアプラン作成のヒントを見つけることも重要なポイントです。
施設ケアマネに必要なこと
施設ケアマネは、ケアプランの作成だけではなく介護士の仕事など様々な業務を兼任することが多いのが特徴です。そして、施設内のサービスを適切に利用することによって、より効果的なケアプランの作成を行う必要があります。
いくらケアプランが理想的なものでも、介護スタッフの負担が大きすぎるものだと質の良いサービスを継続して提供することができません。
質の良いサービスを提供するためには、施設内に勤務する他のスタッフとの連携が欠かせません。連携が取れていることで患者さんの情報や施設のサービスを正確に把握することができるでしょう。
そのため、施設ケアマネは、入居者のケアプランの品質向上と同時に、スタッフの働きやすさや仕事への満足度を向上させるために、組織内の連携やスタッフの支援にも注力する必要があります。
全体のバランスを考えながら、高品質なケアプランの実施とスタッフの健康な働き方を両立させることが求められます。
入居者やその家族の満足度を満たすサービスの提供を心掛けることはもちろん、ケアプランを実行するスタッフに対する配慮も忘れないことが大切でしょう。
施設によって異なるケアマネの役割
施設ケアマネージャーの役割は、グループホームや特別養護老人ホームなど、勤務する施設によって異なります。ここでは、それぞれの施設ごとに求められるケアマネージャーの役割について紹介していきます。
グループホームでの立ち位置
グループホームとは、認知症高齢者に特化した小規模介護施設です。地域密着型サービスの一つであり、1ユニット最大9名で構成された単位に分かれ、共同生活を行います。
グループホームでは、1ユニットに対してケアマネージャー1名以上の配置が定められています。そのため、一つの事業所に2ユニットある場合、ケアマネージャーは2人配置する必要があります。
グループホームは小規模施設で入居者が少ないというのが特徴です。それに伴い、勤務するスタッフの数も少なくなっています。その分、ケアマネージャーには多岐にわたる責任と役割が求められます。
そのため、グループホームに勤務するケアマネージャーは他の施設と比較して介護職としての仕事を多くこなさなければなりません。
また、管理職やホーム長など他の役割を兼任して施設の運営や介護スタッフの管理などを行う場合もあります。この際、施設の運営や介護スタッフの管理、予算管理など、より広範な業務を担当することが求められます。
特別養護老人ホーム・介護老人保健施設での立ち位置
特別養護老人ホームは、中~重度の要介護高齢者が介護や生活援助を受けて長く居住する施設です。また、介護老人保健施設は、要介護高齢者に介護やリハビリ等を提供することで自宅復帰を目指す施設のことを言います。
どちらの施設で働く場合でも、マネジメント以外の業務を担うことがあります。具体的には、生活相談員や介護職員としての仕事が挙げられます。それぞれの役割で求められる仕事内容は以下の通りです。
生活相談員:利用者やその家族から悩みや困りごとなどの相談を受ける
介護職員:排泄介助や食事介助、入浴介助などの身体介護や生活支援を行う
介護付き有料老人ホームでの立ち位置
介護付き有料老人ホームは主に民間企業が運営する介護施設で、24時間介護スタッフが常駐することで身の回りの世話や介護サービスなどの提供を行います。
運営する企業によって提供されるサービスや費用、運営方針などが異なるのが特徴です。
そのため、ケアプランの作成以外にも施設独自の仕事を求められることがあります。例えば、「高級感あふれるホテルのような施設であればホスピタリティを意識する」「アクティビティに力を入れているならその発案を行う」などの仕事が挙げられます。
また、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護施設同様、介護職員としての仕事を求められる場合もあります。
施設ケアマネと居宅ケアマネはどう違うの?
ケアマネージャーは活躍の場に応じて「施設ケアマネージャー」「居宅ケアマネージャー」の名称に分類されます。
ここまでは施設ケアマネの仕事内容などについてまとめてきましたが、そもそも施設ケアマネと居宅ケアマネにはどのような違いがあるのでしょうか。
以下の表は、両者の違いについてまとめたものです。
施設ケアマネ | 居宅ケアマネ | |
---|---|---|
職場 | 特別養護老人ホーム | 居宅介護支援 |
給料 | 月給22万円~32万円 | 月給21万円~30万円 |
貸与 | 職場による | 職場による |
仕事内容 | 利用者やその家族の意向、及び施設の方針に従いケアプランを作成・更新 | 自宅訪問し利用者の生活環境や身体状況に合わせたケアプランを作成・更新 |
兼務 | あり | ほとんどなし |
担当件数 | 100人以内 | 35人以内 |
研修頻度 | 少ない | 多い |
居宅ケアマネと施設ケアマネの最大の違いはケアプランの受け持ち担当件数です。また、施設ケアマネの場合、他の業務を兼任することが一般的ですが、居宅ケアマネで兼務することはほとんどありません。
具体的な違いについては以下の見出しで解説していきます。
そもそも居宅ケアマネとは?
居宅ケアマネとは、居宅介護支援事業所に勤務するケアマネージャーのことです。自宅で暮らす要介護高齢者の方が、自宅で介護サービスを受けられるように様々な支援を行います。
具体的な仕事内容は以下の通りです。
利用者やその家族との面談・相談対応
要介護認定申請の代行
生活状況や心身状況を踏まえたケアプランの作成
介護・医療分野の関係者、そして利用者やその家族とのサービス担当者会議
ケアプランに沿った介護サービスの提供
給付管理業務
施設ケアマネの場合、介護や事務作業など、ケアプランの作成以外の業務を兼務することがあります。一方、居宅ケアマネの場合、ケアプランに関わる業務が中心となっており、介護など他の業務を兼務することはほとんどありません。
それぞれに求められることは?
前述したように、施設に勤務するケアマネは施設内でのサービスを利用して入居者のケアプランを作成します。それに加え、介護業務を兼務することも多いため、施設内の他のスタッフとの連携が欠かせません。
また、作成したプランが継続して行えるよう、スタッフへの配慮も必要となります。利用者やその家族が満足するという前提条件のもと、サービスを実施するスタッフの負担が大きすぎないケアプランの作成が求められるでしょう。
一方、居宅ケアマネは利用者の自宅に伺いケアプランを作成します。その際、利用者の生活状況や身体状況をしっかりと把握し、利用者やその家族の意向に沿ったケアプランを作成する必要があります。
また、利用者によって利用する事業所がことなるため、それぞれの事業所のスタッフとの連携・担当者会議も欠かせません。利用者との信頼関係の構築はもちろん、各事業所のスタッフとのコミュニケーションが求められるでしょう。
ケアプランの受け持ち担当数が違う
施設ケアマネと居宅ケアマネの大きな違いの一つとして、ケアプランの受け持ち件数の違いが挙げられます。
居宅ケアマネの場合は最大35件程度と規定されているのに対し、施設ケアマネの場合は最大100人程度。居宅ケアマネと施設ケアマネでは、受け持ち担当件数に3倍近くの差があることが分かります。
居宅ケアマネの場合は利用者宅一軒一軒へ訪問してケアプランの作成などを行わなければなりません。そのため、ケアプランの作成に大幅の手間と時間を要します。
一方、施設ケアマネの場合は施設内を巡回することでケアプランの作成が可能です。これがケアプランの受け持ち担当件数に大きな差が生じる理由となっています。施設内を巡回しながら情報を収集し、効率的にケアプランを作成することができるため、一人当たりの受け持ち件数が多くなることがあります。
このように、ケアプランの受け持ち件数には施設ケアマネと居宅ケアマネの間で大きな差があります。それぞれの職種において、担当件数に応じた適切なサービスの提供とケアプランの作成を行うために、効率的な時間管理や優先順位の設定が重要となります。
ケアプランの内容が違う
施設ケアマネと居宅ケアマネでは、以下のように対象者が異なります。
施設ケアマネ:施設内の利用者
居宅ケアマネ:在宅で介護サービスを受けている方
これに伴い、作成するケアプランの内容も異なってきます。
ここでは、前提・ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容の項目に分けて、それぞれのケアプランの例を紹介していきます。
施設ケアマネのケアプラン
施設ケアマネージャーが作成するケアプランでは、介護老人福祉施設や介護老人保健施設などの介護施設に入所した利用者の生活に対して、どのようなサービスを提供するかが計画されています。
施設サービス計画書では、利用者のニーズを把握し、施設で利用者がその人らしい生活を送ることで生活意識を向上させるためのプランを作成することが大切です。
<施設ケアマネのケアプラン例>
例 | |
---|---|
前提 | 自治会の活動に積極的だった |
ニーズ | 居室で一人で過ごすことが多いため、楽しみを増やしたい |
長期目標 | 他社と交流して楽しく過ごす |
短期目標 | 転倒することなく、安全に生活を送ることができる |
サービス内容 | 歩行訓練 |
居宅ケアマネのケアプラン
居宅ケアマネが作成するケアプランは、利用者の自宅での生活に対して、どのようなサービスを利用するかが計画されています。
居宅サービス計画書では、利用者のニーズを把握し、自宅で利用者がその人らしい生活を送ることを維持したり、元の生活に戻ったりするためのプランを作成することが大切です。
例 | |
---|---|
前提 | 自治会の活動に積極的だった |
ニーズ | 以前の様に自治会の活動や友人との交流を行いたい |
長期目標 | 花壇づくりや手入れに参加することができる |
短期目標 | 転倒することなく、安全に生活を送ることができる |
サービス内容 | 在宅改修 |
施設ケアマネと生活相談員はどう違うの?
生活相談員は施設ケアマネと同様、介護施設などの場で活躍するスタッフの一人です。施設や事業所の利用者及びその家族を対象とする相談業務や地域社会との連携などの業務を行います。
相談・指導業務が主な業務となりますが、その他の仕事内容は明確に定められておらず、勤務する施設によって異なります。
一方、施設ケアマネはケアプランの作成、市町村や介護施設・事業所など関連機関との連絡調整、介護サービスに関する各種マネジメントが主な仕事です。
施設ケアマネは条件次第で他の役職と兼務できる
場合によっては施設ケアマネが管理職やホーム長など他の役職を兼務することも可能です。ただし、兼務によって本来のケアマネの仕事に支障をきたす可能性がある場合は認められません。
このことを前提条件とし、各施設ごとに設けられている兼務の条件を満たした場合のみ他の職務に従事することができます。では、それぞれの施設での条件につてい確認していきましょう。
グループホームでの兼務の条件は?
グループホームに勤務するケアマネージャーは、施設内の他の仕事なら兼務可能となっています。
ただし、同一法人の複数施設で勤務する場合、勤務時間数の合計がケアマネージャーの勤務時間内になるように調整しなければなりません。
グループホームは地域密着型サービスを提供する小規模施設です。スタッフの数がかぎられているため、グループホームに勤務する施設ケアマネは、介護職など他の仕事を兼務することが多いでしょう。
介護老人保健施設での兼務の条件は?
介護老人保健施設のケアマネの配置基準は100名に対し1名以上となっています。この配置基準を満たした上で、ケアマネージャーの業務に支障をきたさない場合に限り他の職務に従事することが可能です。
兼務する場合、兼務を行う他の職務の常勤換算上も勤務時間に合わせて算入しなければなりません。
なお、居宅ケアマネとの兼務はできません。
特定施設入居者生活介護での兼務の条件は?
介護付き有料老人ホームなど、特定施設入居者生活介護では、入居者へ提供するサービス内容に支障がない場合に限り、同一敷地内で他の職務に従事することが可能です。
ただし、兼務する業務が施設ケアマネージャーの業務と同時並行で行えない場合は兼務できません。
介護付き有料老人ホームの場合、運営する企業によって提供するサービスや費用、方針などが異なります。
施設ケアマネに向いている人・向いていない人の特徴は?
ここまで、施設ケアマネの以後と内容や他の役職などとの違いについて解説してきました。この見出しでは、上記の内容を踏まえ、施設ケアマネに向いている人・向いていない人の特徴についてまとめていきます。
向いている人の特徴
まずは施設ケアマネに向いている人の特徴についてまとめていきます。
給料が高い職場で働きたい人
施設ケアマネは、ケアプランの作成などのケアマネージャーが行う通常業務の他に、介護職員との兼務や夜勤などの業務を求められる場合があります。そのため、居宅ケアマネと比較して給料の水準は高い傾向にあります。
また、施設ケアマネの給料には資格手当や残業手当、夜勤手当などの各種手当がつくため、給料が高い職場を希望している人には向いている職業だと言えるでしょう。
ケアマネとしての経験を積みたい人
施設ケアマネは、マネジメント能力やコミュニケーション能力、プランニング能力など、様々なスキルが求められます。そのため、ケアマネージャーとしての経験を積みたい方やキャリアアップを目指している方におすすめの職業だと言えるでしょう。
経験を積むためには、特に中規模・大規模施設での仕事がおすすめです。圧程度の規模がある施設では、大人数の利用者に対しケアプランを作成する必要があるため、ケアマネとしての経験を積むのに適しています。
具体的には、特定事業所加算を取得している居宅介護支援事業所や地域包括支援センターなどの施設が挙げられます。これらの施設では、研修や指導の体制が整っているため、より効果的に経験を積むことができるでしょう。
現場の介護にも携わっていきたい人
施設ケアマネは、居宅ケアマネと異なり介護業務を兼務する場合が多いです。そのため、ケアマネージャーとしてだけではなく、介護業務を通して利用者に寄り添いたいと考えている人に向いています。
介護業務の兼務を希望する場合、スタッフが少ない中規模・小規模施設で働くことをおすすめします。
コミュニケーション能力や協調性が高い人
施設ケアマネは、利用者やその家族、施設の他のスタッフなど、多くの人と関わる仕事です。周りのスタッフや施設との連携が欠かせない職業のため、コミュニケーション能力や協調性が高い人におすすめです。
スタッフへの配慮をしつつ、チームで円滑に利用者が満足するサービスを提供する必要があるため、相手の立場に立って話を親身に聞くことも求められます。
向いていない人の特徴
次は、施設ケアマネに向いていない人の特徴についてまとめていきます。
前述したように、施設ケアマネはケアプランの作成以外にも、介護職や生活相談員の仕事など様々な業務を兼任することが多いです。そのため、一つの仕事に集中して取り組みたいという人にはあまり向いていないでしょう。
兼務については、ケアマネの仕事に支障をきたさない範囲に限られるという条件がありますが、施設の規模や形態によっては、様々な仕事内容に対して柔軟な対応が求められます。
また、施設ケアマネは入居者やその家族から理不尽な要求を受ける場合もあります。そのため、すぐに感情的になってしまう人や混乱しやすい人などもあまりおすすめできません。
施設ケアマネは大変だけどやりがいがある!
施設ケアマネは、「受け持ち担当件数が多い」「様々な仕事を任される」など、大変なことが多い仕事ですが、その分やりがいもあります。施設ケアマネ特有の主なやりがいは以下の2つです。
入居者に寄り添って仕事ができる
施設ケアマネは、ケアプランの作成以外にも介護業務を兼任することがあります。そのため、居宅ケアマネよりも利用者の近くで日ごろの様子を観察することが可能です。それにより、入居者に寄り添って最適なケアプランを作成することができます。
状態や環境の変化にも気が付きやすく、ケアプランの見直しが迅速に行えるというメリットもあります。
また、入居者との距離が近い分、信頼関係を構築しやすいという点も魅力の一つです。改善状況を自分の目でリアルタイムに確認できるというのもやりがいとして挙げられます。
多くの人と協力して仕事ができる
施設ケアマネは、介護施設に勤務する他のスタッフとの連携が欠かせません。介護・医療・リハビリなどの専門職種と協力して仕事に励むことができるというのは施設ケアマネならではのやりがいと言えるでしょう。
また、様々なスタッフと関わることで、自分の専門外の知識を身に付けることができるというメリットもあります。
施設ケアマネに転職するのにおすすめの転職サイト3選!
最後に、施設ケアマネに転職する際におすすめの転職サイトを2つ紹介します。この記事を読んで施設ケアマネに興味を持った方や、転職を検討している方はぜひ参考にしてください。
マイナビ介護職
画像出典:マイナビ介護職公式サイト
認知度の高い介護職エージェント
20万件を超える求人
都市部の求人に強い
マイナビ介護職は、認知度の非常に高い介護職むけの転職エージェントです。
特に都市部での求人に強く、都心にお住まいで介護系の転職を考えている方に特におすすめです。
ケアマネ資格をどう活かすかの相談など、自分のキャリアについても相談してみるといいでしょう。
介護ワーカー
※画像出典:介護ワーカー公式サイト
年間転職成功実績1万件以上
面接対策や条件交渉などサポートも充実
求人数も10万件以上と豊富
一つ目の転職サイトは評判、実績ともに優れている介護系の転職サイト「介護ワーカー」です。
圧倒的な求人掲載数が魅力で、正社員への転職や半年以内に働ける職場への転職を考えている人など、それぞれの希望に合わせた求人を見つけるサポートも行ってくれます。
年間転職成功実績は何と1万件。それに加え、「面接の日程調整や条件交渉などの手続きの代行から、履歴書の書き方、面接対策までサポートしてくれる。」など、利用者の口コミからも信頼性が高い会社であることが分かります。
幅広く求人を探しつつ、確実に転職を成功させたいという方におすすめの転職サイトと言えるでしょう。
カイゴジョブ
※画像出典:カイゴジョブ公式サイト
専任キャリアパートナーが転職をサポート
職場環境・福利厚生も考慮可能
全国の求人を掲載
二つ目の転職サイトは「カイゴジョブ」です。カイゴジョブエージェントは、介護職や介護福祉士専門の求人を扱っている転職サービスとなっています。
なお、カイゴジョブが提供しているサービスには、サイト型のカイゴジョブとエージェント型のカイゴジョブエージェントが存在しますが、今回はカイゴジョブエージェントについて紹介していきます。
カイゴジョブエージェントでは、一人ひとりに担当者がつきます。これにより、利用者と職場の相性を考慮した上での転職サポートをうけることが可能です。また、求人情報を見るだけでは分からないような情報を得ることもできます。
介護職には人間関係の悩みが多いと言われることが多いですが、カイゴジョブエージェントは転職後の人間関係に悩むことなくキャリアアップしたいという方におすすめの転職サイトと言えるでしょう。
施設ケアマネについてまとめ
施設内のサービスを利用してケアプランを作成するため、施設内の他のスタッフとの連携が必須
ケアマネとしての経験はもちろん、介護業務など様々なスキルを向上させることができる
ケアマネージャーとしての仕事に支障をきたさなければ、他の役職との兼務が可能
今回は、施設ケアマネの特徴や仕事内容、他のスタッフとの違いなどについて徹底的に解説しました。
施設ケアマネは、介護施設に勤務し、様々な役割を担う介護支援専門員です。勤務する施設の形態や規模によって、具体的な仕事内容は異なりますが、居宅ケアマネと違って他の役職と兼務する場合が多いでしょう。
入居者と関わる時間も多く、非常にやりがいのある仕事です。受け持ちの担当件数も居宅ケアマネと比較して多いため、ケアマネージャーとしての経験を積むには最適でしょう。
ケアプランの作成以外に、マネジメント業務や介護業務に携わることができるため、多様な仕事をしたいと考えている人にもおすすめです。
施設ケアマネの仕事に興味のある方や今の職場に不満を抱えている方は、自分にぴったりの仕事探しの際にぜひこの記事を参考にしてください。
この記事は専門家に監修されています
介護支援専門員、介護福祉士
坂入郁子(さかいり いくこ)