地域包括支援センターとは|役割・業務から高齢者介護の相談事例まで解説!
この記事は専門家に監修されています
介護支援専門員、介護福祉士
坂入郁子(さかいり いくこ)
「地域包括支援センターとは何をする施設なの?」
「どんな相談ができるのか知っておきたい!」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
高齢者の相談先としてよく名前が挙がる地域包括支援センターですが、何を相談できるのかを具体的に知っている方はそこまで多くないでしょう。
そこでこの記事では地域包括支援センターの業務内容や役割、実際の相談事例などを詳しくご紹介します。
これから地域包括支援センターに相談しようと思っていた方だけでなく、今後利用するかもしれない方も、ぜひ参考にしてください。
- 地域包括支援センターとは、高齢者の暮らしを地域でサポートする施設
- 全国に5000カ所以上が設置されている
- 各種専門家が、介護だけでなく普段の生活に関する相談にも柔軟に応じてくれる
- 地域によって呼び名が異なる場合もあるため詳細は地域のHPなどで確認しよう
【イラストで解説】地域包括支援センターとは
参考:いなべ市社会福祉協議会
地域包括支援センターとは、高齢者の暮らしを地域でサポートするために作られた施設(拠点)です。主に自治体が設置していて、令和2年4月時点で全国に5221カ所の施設が存在しています。
地域包括支援センターには、上のイラストのようにケアマネージャーや社会福祉士、保健師など、介護・医療・保健・福祉それぞれの専門知識を持った職員が在籍しており、さまざまな外部機関とも連携しながら機能しています。
相談できる内容は主に介護や介護の予防など「保健福祉サービス」に関するものですが、その他にも日常生活でのお困りごとについて相談したり、介護保険の申請窓口としても利用可能です。
まさに「高齢者のための総合相談窓口」として利用できるのが、地域包括支援センターであると言えるでしょう。
近年は国が「地域包括ケアシステム」を拡大させていることにより、地域包括支援センターの重要性はどんどん高まっています。
地域包括ケアシステムとは?
「地域包括ケアシステム」とは、国が実施している「地域内で高齢者を支えるためのシステム」です。少子高齢化への対策として、2025年をめどに整備が進められています。
高齢者が要介護状態になっても今の住み慣れた地域で過ごすためには、住まいだけでなく介護・医療・介護予防・生活支援などの生活に必要なサービスをしっかり提供できる体勢を整えなくてはなりません。
こうした環境を叶えるためのシステムが「地域包括システム」であり、地域包括システムを支えるための拠点が「地域包括支援センター」なのです。
利用対象者
地域包括支援センターの主な利用対象者は、以下のとおりです。
- 対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者の方
- 高齢者支援の活動に関わっている方
「高齢者支援の活動に関わっている方」とは、例えば高齢者のご家族など、介護や支援を担っている方です。
高齢者本人の判断力が低下している場合は、ご家族などが代理で地域包括支援センターを利用できます。
なお、遠方に暮らしている親御さんの件について地域包括支援センターに相談したい場合は、支援を必要とする方(この場合は親御さん)が住んでいる地域の地域包括支援センター連絡しなくてはなりません。
地域包括支援センターはどこにある?
地域包括支援センターは、原則として1つの市区町村に1カ所以上設置されています。おおむね、2~3万人程度の住民に対して1カ所存在すると考えてください。
2~3万人に対して1か所というのは、公立中学校の学区と同じくらいの割合です。そう考えると、対象者に対してかなり手厚いケアが受けられる体制が整っていることがわかるでしょう。
なお、地域包括支援センターの呼び名は自治体によって多少異なります。
「高齢者相談センター」「シニアサポートセンター」などいろいろな呼び方がありますので、詳しくは各自治体にお問い合わせいただくか、HPを参考にしてください。
居宅介護支援事業所(ケアセンター)との違いとは?
地域包括支援センターと似たような施設として、「居宅介護支援事業所(ケアセンター)」があります。
居宅介護支援事業所(ケアセンター)も地域の高齢者を対象者としている点では地域包括支援センターと同じですが、対応内容が異なります。
地域包括支援センターは高齢者の「相談」を引き受ける施設ですが、居宅介護支援事業所(ケアセンター)は、高齢者の介護に関するケアプランを作成する事業所です。
それぞれの違いをもっと詳しく見ていきましょう。
地域包括支援センター
地域包括支援センターでは、高齢者からの相談を幅広く受け付けています。
介護保険や要介護認定に関する相談はもちろんのこと、「隣の高齢親子が夜中に喧嘩をしていてうるさい」といったような、地域住民からの高齢者に関わるトラブル相談にも応じてくれます。
居宅介護支援事業所(ケアセンター)
居宅介護支援事業所(ケアセンター)は、主に「介護のケアプラン」を作成する施設です。
介護認定を受けた方に介護ケアがスムーズに行われるよう、適切な事業所の紹介を行うのが居宅介護支援事業所(ケアセンター)の主な業務です。
ケアマネージャーが常駐しているため介護に関することなら幅広く質問や相談をすることができますが、介護以外の相談には応じてもらえない可能性が高いです。
介護以外も含めた総合的なお悩みがある場合は、居宅介護支援事業所(ケアセンター)ではなく地域包括支援センターに行くと良いでしょう。
近くの居宅介護支援事業所を探してみる!地域包括支援センターの役割・業務
地域包括支援センターには高齢者からのあらゆる相談に応じるため、保健師や看護師、社会福祉士、主任ケアマネージャーなど多くの専門家が配置されています。
また、介護や医療、保健関係などいろいろな領域の関係機関とも連携し、高齢者の生活課題を解決するために力添えをしています。
先ほども触れたように、地域包括支援センターは「地域包括ケアシステム」構築のための中核的な役割が求められる施設です。そのために、主に以下の4つの業務を行っています。
- 総合的な相談の支援業務
- 権利擁護のための業務
- ケアマネジメント支援の業務
- 介護予防ケアマネジメントの業務
この中でも力を入れているのが介護関連で、地域包括支援センターでは介護保険サービスに関わる相談はもちろんのこと、実際に申請するためのサポートも行っています。
施設利用の場合はもちろんですが、在宅介護に直面する方にとって地域包括支援センターのサポートが果たす役割は大きいです。
幅広く相談対応を対応を行っているため、介護でお困りの方はぜひ地域包括支援センターに相談してみましょう。
地元の高齢者の相談窓口
地域包括支援センターは、いろいろな制度を総合的にフル活用しながら、高齢者に向けて適切なサービスの紹介や支援を行う役割を担っています。
高齢者に関わる問題の総合相談窓口としての存在意義が非常に大きく、特に「初めて介護に直面した家族」の相談役として最適と言えます。
介護問題は、多くの方にとって人生で初めて直面する問題でしょう。介護の初心者や在宅介護を希望する方など、どのような方でも地域包括支援センターを頼ることで、在籍するスタッフが丁寧に相談に乗ってくれます。
個人での解決が困難な事例に対しても、各種専門家がいろいろな解決策を考案してくれます。相談費用は無料ですので、介護に関する問題が発生した時にはぜひ頼ってみてください。
権利擁護の実現
地域包括支援センターは介護に直接関わる内容以外に、高齢者の「権利擁護」の実現にも大きな役割を果たしています。
地域包括支援センターの職員が行っている活動には、例えば以下のようなものがあります。
- 高齢者に対する詐欺や悪徳商法などの消費者被害への対応
- 高齢者虐待の早期発見と防止
- 成年後見制度の手続き支援や促進
なお成年後見制度とは、高齢者の財産を不当な契約や犯罪から守るために見守る人(成年後見人)をつける制度のことです。
ご本人・もしくはその家族が権利侵害の被害者になる可能性がある場合にも、ぜひ地域包括支援センターに相談してみましょう。
ケアマネジメントの支援
高齢者の生活を守るには、ケアマネージャーの働きが欠かせません。そのため、地域のケアマネージャーをサポートすることも地域包括支援センターの重要な役割と言えます。
地域包括支援センターでは、ケアマネージャーを対象とした研修会や、ケアマネージャーどうしのネットワークの確立支援、ケアマネージャーが何らかの困難な事例に直面した場合のアドバイスなども行っています。
こうした支援を行うために、各地の地域包括支援センターにはさまざまな分野の専門家がサポーターとして在籍しています。
介護予防ケアプランの作成支援
地域包括支援センターでは、要支援1・2の高齢者向けに「介護予防ケアプラン」の作成支援も行っています。
「介護予防ケアプラン」はまだ介護レベルの低い方のためのプログラムで、介護予防のための方法を高齢者自身と話し合いながら決めていくというものです。介護予防のために利用できるサービスの紹介も受けることができます。
また、要支援や要介護になるおそれの高い65歳以上の方、いわゆる「二次予防事業対象者」に対しては、希望者に向けて介護予防教室を実施しています。
ぜひ、こうしたサービスも上手に活用していってください。


地域包括支援センターに在籍する職種
地域包括支援センターには、以下のような職種の職員が在籍しています。
・社会福祉士:介護・生活支援、消費者被害、虐待防止、成年後見制度の利用援助など
・保健師:利用者の健康、介護予防、地域支援事業、虐待問題など
このように、全国の地域包括支援センターには「主任ケアマネージャー」「社会福祉士」「保健師」という3つの職種の専門家が配置されています。各職員が自身の専門性を発揮しながら、高齢者をサポートするために日々働いています。
ここからは、それぞれの職種の人がどのような業務を行っているのかを詳しく見ていきましょう。
主任ケアマネージャー
主任ケアマネージャーは、介護に関する相談全般に対応している専門家です。
また介護サービス事業者と連携しながら地域のケアマネージャーへの支援を行うのも、主任ケアマネージャーの業務です。
例えば地域ケア会議の開催を企画したり、地域ケアマネージャーからの相談に応じながら助言や指導を行うなど、介護支援の活動には主任ケアマネージャーの力が欠かせません。
主任ケアマネージャーは、日々その地域に発生している介護関連の問題に向き合い、課題の発見や解決法を探り、さまざまな事例に柔軟に対応していきます。
地域の介護環境の改善や発展にも取り組んでおり、業務は多岐にわたります。
社会福祉士
地域包括支援センターの相談窓口として、住民の権利擁護や総合相談に関わる相談に応じるための職種が「社会福祉士」です。
具体的には、高齢者への虐待の防止や早期発見、成年後見人など権利擁護に関わる相談は、社会福祉士の担当です。
他には、自宅や施設などを訪問して高齢者の状況を確認したり、一人暮らしの高齢者世帯や高齢者夫婦世帯の安否確認なども、社会福祉士の重要な業務です。
社会福祉士は公的な制度はもちろんのこと、その地域に存在するさまざまな団体やサービスへの造詣も深いです。豊富な知識を活かして、いろいろなアドバイスをしてくれます。
保健師
保健師は、医療機関と連携しながら高齢者向けの医療や介護関連の相談に対応してくれる専門家です。
介護予防プランの作成や予防対策の教室、セミナーの開催指示など、予防介護事業のマネジメントは主に保健師が担っています。
地域住民への健康診断の呼びかけや疾患予防の注意喚起など、地域全体の健康状態を向上させるのも保健師の活動があってこそと言えるでしょう。
医療の面から介護問題を解決したい方は、ぜひ地域包括支援センターの保健師に相談してみてください。
地域包括支援センターを利用するメリット
地域包括支援センターではいろいろなサービスを受けることができますが、具体的にどのような利点があるのでしょうか。
ここでは地域包括支援センターを利用するメリットについて解説していきます。
介護の相談を無料でできる
地域包括支援センターは、全国どの地域でも利用料は無料です。
ケアマネージャーや保健師、社会福祉士など、相談する専門家の種類に関わらず、介護に関する相談なら全て無料で引き受けてもらえます。費用の心配をすることなく安心して利用できるでしょう。
国が運営する施設ですので、在籍する専門家の資質にも確実な裏付けがあります。各種専門家による支援を無料で受けられるのは地域包括支援センターならではの大きなメリットですので、遠慮せずに最大限に活用してください。
地域の高齢者虐待の早期発見
高齢者の介護をめぐっては、時に虐待やそれに近い事例が発生することがあります。
地域包括支援センターでは、こうした高齢者への虐待や権利侵害に関する相談も受け付けています。
虐待や権利擁護などへの対処は非常に難しく、素人では太刀打ちできないことも多いでしょう。しかし地域包括支援センターの職員は高齢者問題のプロですから、早期発見できれば適切な対処につながります。
例えご自身に関わる問題ではなくても、通報するだけで家族や地域の取るべき対策が明確になり、高齢者の救済につながることも多いです。
高齢者に関する問題を目にした時は、ぜひ早めに地域包括支援センターに情報提供を行ってください。


地域包括支援センターでの相談事例
地域包括支援センターでは、具体的にどのような相談を受けているのでしょうか。
ここでは地域包括支援センターに実際に寄せられた相談事例の中から、一部をご紹介します。
事例① 徘徊の捜索と防止
認知症で物忘れ症状が進行したBさんは、たびたび道に迷うようになり、自宅へ帰ろうとしてとんでもない方向に歩いて行ってしまう事が増えました。
この日はご家族が目を離した隙に行方不明になってしまいました。ご家族より地域包括支援センターへご連絡を頂き、地域包括支援センターではご家族や市内の関係各所と協力して捜索活動にあたり、その日のうちに無事Bさんを発見することができました。
地域包括支援センターでは、徘徊が心配される方に対してGPS機能の探索器の貸与、紹介、手続きを行ったり、対応に苦慮するご家族に対して同じ悩みを持つ方々の交流会を開催しております。また、認知症の理解を広めるための「認知症サポーター養成講座」も開催しています。
出典:東京都日野市地域包括支援センター
高齢者の徘徊は、介護事例の中でも最もご家族の負担になるものです。
地域包括支援センターに相談すれば、GPSによるサポートやその他の対策の提案も柔軟に受けることができます。認知症のご家族がいる方は、ぜひ早めに地域包括支援センターに協力を要請し、対策を行いましょう。
事例② 介護保険申請
これまでお元気で暮らしていたAさんが、外出先で転倒されて骨折してしまいました。救急車搬送された病院で手術を受けリハビリを経て退院されるにあたり、ご自分で全ての家事等を行うことが困難となってしまいました。
そのため、地域包括支援センターにお電話にて「何か良い方法はないか」とご相談されました。地域包括支援センター相談員より、ヘルパーによる家事の支援やリハビリを兼ねてデイサービス等を利用することをご提案させて頂き、介護保険サービスを利用するために必要な介護保険申請をすることになりました。
出典:東京都日野市地域包括支援センター
介護保険の利用方法は、一般の方にはあまり詳しく知られていません。
どのような時に保険が利用できるかわからない場合は、ぜひ地域包括支援センターのスタッフに相談しましょう。
地域包括支援センターでは、介護保険の説明だけでなく申請のサポートも受けられます。電話でも相談できますので、気軽に問い合わせてみてください。
事例③ 相談から病気の早期発見へ
要介護の夫を介護していた奥様(Dさん)から、「実は、私のことなのですが、最近、左手で握ったものをよく落とすのです・・・」という何気ない相談を頂きました。
日常は、健康そのもの、自転車でどこまででも行くようなDさん。地域包括支援センターの相談員から、脳外科専門病院受診をご案内致しました。
受診された結果、「異常はない」と診断を受けて帰宅されましたが、その後も左半身の違和感は継続したため地域包括支援センターの看護師から、再度、生活上の気になる事や症状の詳細をメモした上で別の総合医療センターへ受診を提案致しました。
そこで、「初期の多系統萎縮症」と診断を受け、病気の早期発見に繋げる事ができました。現在は、内服治療と通所予防介護サービスの利用、看護師の訪問支援により、在宅生活を継続されております。
出典:東京都日野市地域包括支援センター
健康状態に不安がある高齢者からの相談に応じるのも、地域包括支援センターの重要な役割です。
介護は、受けずに済むならそれに越したことはありません。体に何か気になる点がある時はぜひ地域包括支援センターの専門スタッフに相談して、適切なアドバイスを受けてください。
地域包括支援センターの対応はひどい?
インターネット上では、「地域包括支援センターの対応がひどい」「使えない」といった声も見られるようです。
これは本当なのでしょうか。
苦情の原因は業務量の差にある
地域包括支援センターに対してマイナスの評価が散見される原因のひとつは、「施設ごとの業務量や職員の質に差があること」だと考えられています。
実際に、厚生労働省による「地域支援事業の包括支援事業及び任意事業における効果的な運営に関する調査研究事業」で地域包括支援センターが抱える課題について複数回答で尋ねた際、以下のような回答が寄せられました。
- 「業務量が過大」81.6%
- 「業務量に対する職員数の不足」70.2%
- 「職員の力量不足」53.7%
このように、地域包括支援センターの多くは職員の目から見ても業務量が多く、職員が不足していることがわかります。
もちろん、優秀な職員が豊富に在籍し優良なサービスを提供している地域包括支援センターも多く存在しています。
しかし地域包括支援センターは非常に数が多く、令和2年4月末時点で全国に5221カ所が開設されています。地域や施設によって職員の質や対応がある程度異なることは容易に推測できるでしょう。
現状として、地域包括支援センターの特徴や体勢に地域ごとの差が出ているのは仕方ないと言えます。
インターネット上のマイナス意見を鵜呑みにすることなく、お住まいの地域の地域包括支援センターの評判をしっかり確認した上で、適切に利用していきましょう。
地域包括支援センター誕生の歴史
最後に、地域包括支援センターが誕生するに至った歴史をご紹介します。
地域包括ケアシステムの一環として設立
地域包括支援センターは、地域住民の医療と保健の向上、そして福祉の増進に向けた支援を包括的に行うことを目的として、2005年の介護保険制度改定をきっかけに誕生しました。
2025年には、団塊の世代全員が後期高齢者である75歳以上になります。医療や介護のニーズは今後さらに高まると予想されており、厚生労働省はそれに向けて高齢者の自立支援を目的とした「地域包括ケアシステム」の構築を開始しました。
システム構築のためには中核機関となる施設が必要です。そこで「地域包括支援センター」が設置されるようになったというわけです。
今後の課題
地域包括支援センターは現在も地域住民に全力でサービス展開を行っていますが、今後に向けての課題も存在します。
介護や見守りを地域全体で行うために
現在、日本では核家族化が進んでいることによって家庭内での介護が困難になりつつあります。家族に要介護者がいることによる若年層への負担が、社会問題として取り上げられることも増えてきました。
これらの課題を解決するには、地域の高齢者の介護や見守りを各家庭に任せるのではなく、地位全体で行うという方向への転換が必要です。
地域包括支援センターの認知度向上に向けて
地域全体で高齢者を見守る動きを促進したくても、地域包括支援センターの存在はまだあまり知られておらず、今も「介護は各家庭で行うべき」と考えている方も多く存在します。
こうした考え方が原因で介護問題に苦しんでいる方はたくさんいることでしょう。
地域住民を介護による大きな負担から救うためにも、「地域包括支援センターに困りごとを相談すれば地域の繋がりを駆使して解決してもらえる」という考え方をより広めなくてはなりません。
このような共通認識を誰もが当たり前に持てるように働きかけることも、地域包括支援センターの重要な役割です。
今後、より多くの人我地域包括支援センターに支援を求められる環境を作ることが、国や自治体にとっての大きな課題と言えるでしょう。


地域包括支援センターについてまとめ
- 地域包括支援センターは高齢者の介護や暮らしに関する相談に応じてもらえる施設
- ケアマネージャーや保健師などの専門家がそれぞれの知識を活かして問題への対処法をアドバイスしてくれる
- 高齢者本人だけでなく家族からの相談にも応じてもらえるため、介護に悩む前にまずは相談を
- 相談料は無料なので、安心して利用できる
地域包括支援センターの役割や業務、相談事例などをご紹介してきました。
介護問題は、多くの方にとって初めて直面する問題であるとともに、個人での解決が非常に困難なものでもあります。
ぜひご家族内で抱え込むことなく、早めに地域包括支援センターの協力をあおいでください。地域包括支援センターを上手に利用して、介護の負担を少しでも軽くしていきましょう。
この記事は専門家に監修されています
介護支援専門員、介護福祉士
坂入郁子(さかいり いくこ)