訪問入浴の看護師の仕事内容|1日の流れや平均給与・どんな人が向いているかまで解説
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
「訪問入浴の看護師って大変なのかな?」
「訪問入浴の看護師に向いている人ってどんなタイプ?」
看護師の資格を持つ方の中には、訪問入浴の仕事に興味がある方もいるでしょう。
本記事では、訪問入浴における看護師の詳細な仕事内容、1日の業務の流れ、平均給与、そして向いている人の特徴までを徹底解説します。
これから訪問入浴の分野に進みたい方、あるいは転職を検討している看護師の方はぜひ参考にしてみてください。
訪問入浴とは、介護用の浴槽で利用者の入浴を介助する仕事
給料は、病院勤務と比べると低め
訪問入浴に向いている人は、コミュニケーション能力が高い人
そもそも訪問入浴介護とは

訪問入浴とは、利用者の自宅を訪問し、入浴のサポートをする介護サービスです。介護用の浴槽は、訪問するスタッフが持ち運びます。
訪問入浴サービスの利用者はどんな人?
訪問入浴のサービスを受ける方の条件として、要介護認定を受けており、主治医から入浴をしてよいと許可が出ていることが必須条件となっています。
また、訪問入浴は、介護施設に入居している方ではなく、居宅サービスを受けている方にサービスを行います。
さらに、訪問入浴を受けられる条件に当てはまる方の中でも、
自分だけでの入浴が難しい方
家族が入浴の手助けをするのが難しい方
自宅のお風呂が介護には使えない方
看護師に体調を見てもらいながら安心して入浴したい方
などの希望がある方が訪問入浴のサービスを受けます。
入浴介助との違い
入浴の介護サービスには「入浴介助」もあります。「入浴介助」は利用者の自宅の浴槽を使って行う訪問サービスの一つです。
一方、訪問入浴は、自宅の浴槽が介護には使えない方のために、訪問入浴を行うチームが介護用の浴槽を利用者の自宅内に設置し、入浴をサポートします。
このように、「入浴介助」と「訪問入浴」は全く異なるサービスです。
訪問入浴で働く看護師の仕事内容
ここからは、訪問入浴で働いている看護師はどのような仕事内容なのか解説していきます。
介護士・看護師・オペレーターの3人で行う
訪問入浴は、介護士・看護師・オペレーターでチームを組んで行います。オペレーターは介護士が勤めることも多いです。
利用者の自宅に訪問すると、まず介護士が浴槽を設置します。その間に、看護師が利用者の体温や血圧などバイタルチェックをして、入浴しても大丈夫か確認します。
看護師が入浴可能と判断したら、浴槽にお湯をはって、入浴の開始です。洗体後に浴槽に浸かりながら数分間利用者の方とスタッフが雑談し、利用者に入浴を楽しんでもらう時間を設けます。
入浴後は、看護師が利用者の体調に変化がないかチェックします。
看護師の主な役割は3つ
訪問入浴での看護師の役割は3つに分けられます。ここで、利用者はADLが低下し、自力での入浴が困難な高齢者が多く、体調変化のリスクを抱えているのが前提です。
1.入浴前に体温や血圧などを測定し、安全に入浴できる状態かを確認します。
2.次に入浴中は介護士が中心ですが、必要に応じて介助を行います。
3.最後に入浴後のバイタルチェックや軟膏・湿布の処置を行います。
体調変化がないかを確認しつつ行い、異常があればケアマネジャーや管理者に報告します。
訪問入浴看護師の1日のスケジュール例

8:30 事務所へ出勤
8:30に事業所に出勤します。まず初めに、1日のスケジュールを確認します。
チームを組むメンバーと訪問する利用者について、利用者の持病や障害、その程度についてしっかり確認します。
医療ケアが必要な利用者がいる場合、その処置に関する物品の準備は看護師の仕事です。準備が終わったら訪問入浴者に乗り込み出発します。
9:00 利用者宅に到着
9:00頃、一件目の利用者宅に到着します。
到着したら、さっそく介護士とオペレーターは浴槽の設置を行い、その間に看護師は利用者の方の健康状態をチェックする準備に取り掛かります。
9:15 健康状態のチェック
看護師が、入浴の前に利用者の方やご家族の健康チェックをします。具体的には、体温、血圧、脈拍、酸素飽和度などを測定します。
この時点で、体調が悪かった場合、バイタルチェックの結果今日は入浴をしない方がよいと判断できる場合は、入浴はしません。その場合には、清拭や更衣を行います。
チームの中で医療従事者は看護師のみなので、入浴するかどうかは看護師が判断します。
9:30 お湯はり・脱衣介助
利用者の方が入浴できると判断したら、介護士やオペレーターが浴槽にお湯をはり、入浴の準備を進めます。
お湯をはったら、介護士が利用者さんの脱衣介助を行い、利用者の方を浴槽の中に移動介助します。
脱衣介助や移動介助は介護士の仕事ですが、事業所によっては、看護師も、脱衣介助や移動介助のサポートを行うことがあります。
10:00 入浴介助
入浴中は、利用者の洗体や洗髪を行いながら全身の皮膚を観察し、スキントラブルがないか確認します。
入浴介助は介護士の仕事ではありますが、看護師も入浴介助のサポートを行う場合があります。
また、介護士のサポートを行いながら、利用者の方の体に変わったとことがないかや、入浴中に体調を崩していないかをチェックすることは看護師の大切な仕事です。
10:30 入浴後の処置・着衣介助
入浴が終わったら、看護師は利用者の体調を確認します。 また、必要に応じて水分補給を促しましょう。
必要時には、看護師がクリームや軟膏の塗布や、湿布の貼付を行います。
膀胱留置カテーテルなどが挿入されている方や、酸素吸入を行っている方の場合には、カテーテルやチューブを元の位置に戻して問題ないことを確認することも重要です。
しかし、原則として訪問入浴の看護師は入浴に関わらない医療行為は行わないので、上記のようなケアのみを行います。
12:00 昼食
次の利用者の自宅に訪問する合間に、昼食と休憩を1時間とります。
昼ご飯を訪問入浴車の中で摂ることが多い方は、暑い車内に放置することは危険なため、お弁当やおにぎりなどを持参することは少なく、菓子パンなどを持参する方が多いようです。
また、スケジュール的に事務所に戻れない場合は、コンビニなどのトイレを借りることもあります。
13:00 午後の訪問入浴へ出発
午後の訪問入浴利用者のご自宅に出発します。
訪問入浴の件数は、午前中は1~2件、午後は通常2~3件で、1日では4~5件程度行うことが一般的です。
訪問入浴にかかる時間は1件につき1時間弱なため、多い時には6~7件まわることもあります。
なお、1件ごとの時間がかかりすぎないためのスケジュール管理は主に介護士が行うことが多いです。
16:30 事務所に帰り業務報告書等の作成
1日の訪問入浴のスケジュールを全て終えたら、事業所に帰って作業記録や業務報告書などを作成します。
また、今日の振り返りや、明日のスケジュールの確認などをするためチームでミーティングを行います。
ミーティング後は、明日必要となる備品の用意や、備品がきちんと使えるかの確認など、備品の管理を行い、明日の準備をします。
17:15 終業
明日の準備まで全て終わったら終業となります。訪問入浴の仕事は、時間通りにスケジュールが進まなかった場合を除き、定時での終業がほとんどです。
浴槽やボイラーなどの機器管理はオペレーターが行うので、オペレーターは残業する場合もあります。
しかし、看護師の場合は仕事内容が決められているので、残業はほぼありません。
訪問入浴看護師の平均給料と時給
訪問入浴看護師の平均給与は、常勤の場合で月収25万~35万円ほどが相場です。病院勤務のように夜勤がない分、給与水準はやや低めになります。
一方でパートやアルバイトとして働く場合は時給1,500~2,000円程度が一般的です。
短時間勤務や単発での仕事も可能なため、副業や休日の空き時間を活用した働き方がしやすい点が大きな特徴です。
なお、こちらのサイトから訪問入浴の求人をチェックできます。
訪問入浴には特別なスキルや資格は必要?

訪問入浴では医療行為はできず、看護師が担うのはバイタルチェックや軟膏・湿布の処置といった健康管理です。
そのため看護師資格があれば経験が浅くても働けますが、短時間で利用者の体調を判断し、ご本人や家族と円滑にやり取りするコミュニケーション力が不可欠です。
また介助はチームで行うため協調性も重要です。
さらに階段移動や移乗介助など体力を要する場面も多く、特に夏場は負担を感じやすい仕事です。
訪問入浴で働くメリット・デメリット
ここからは、看護師が訪問入浴で働くメリットとデメリットをご紹介します。
看護師が訪問入浴に勤務するメリット
訪問入浴で勤務するメリットは、働き方の自由度が高い点です。
パートやアルバイトだけでなく派遣として単発勤務もでき、家庭や子育てと両立しやすい環境があります。
また、看護師の業務は利用者の健康管理が中心で医療行為は行わないため、病院や介護施設よりスキルや経験が重視されにくく、ブランクがある方や経験の浅い方でも挑戦しやすいのが特徴です。
看護師が訪問入浴に勤務するデメリット
訪問入浴で働く看護師のデメリットは、医療行為ができないためスキルアップの機会が少なく、専門知識を深めにくい点です。
看護師として成長を望む人には物足りなさを感じるかもしれません。
また事業所によっては入浴や移動の介助を求められる場合があり、看護師業務に専念したい人にとっては負担となることもあります。
勤務先を選ぶ際は介助業務の有無を事前に確認することが重要です。
訪問入浴に向いている人・向いていない人
訪問入浴の仕事に向いている人と向いていない人のタイプを解説します。
看護師として訪問入浴が向いている人
訪問入浴では、さまざまな利用者や家族と接します。また、介護士とチームを組んで仕事を行うので、コミュニケーション能力が高い方が向いているでしょう。
「高齢者の方に気持ちよく入浴してもらい、快適な生活を送ってもらう」という仕事内容にやりがいを感じる方も、向いている人だと言えます。
看護師は入浴のサポートをしますが、事業所によっては入浴介助や移動介助までが仕事内容に含まれることがありますので、体力がある方も向いているでしょう。
また、訪問入浴は限られた時間で作業を行うので、手際のよい方も向いている人だと言えます。
看護師として訪問入浴が向いていない人
訪問入浴はさまざまな人と接しながらする仕事なので、初めて会った方と上手くコミュニケーションできないなど、コミュニケーションが苦手な方は訪問入浴に向いていません。
また、チームを組んで仕事をすることが苦手な方、自分のやり方で仕事がしたい方も、訪問入浴の仕事は向いていないでしょう。
訪問入浴は決められた流れに沿ってチームを組んだメンバーと協力しながら仕事を進めていくので、それに合わせられない方は訪問入浴の仕事ができません。
事業所によっては介護士のサポートも仕事内容なので、看護師の仕事だけをしたい方も向いていないでしょう。
看護師が訪問入浴の職場を選ぶポイント
訪問入浴の職場を選ぶ際は、看護師に任される業務範囲を確認することが重要です。
健康管理だけに専念できる事業所もあれば、入浴介助や移動介助まで求められる場合もあり、体力的負担が大きく続けにくいこともあります。
自分で探すだけでは内情を把握しにくいため、転職エージェントや求人サイトを利用し、アドバイザーに相談して事前に情報を得ることがおすすめです。
訪問入浴の看護師は実際きつい?

訪問入浴での看護師の仕事は、比較的働きやすいという意見もありますが、実際はきついのでしょうか。
人によっては大変でしんどいことも
訪問入浴の仕事は、給与が高くはないので、その点でしんどいと感じる方もいます。
また、訪問入浴は利用者と家族、チームを組む介護士などさまざまな人と接しなければならないので、コミュニケーションが苦手な方はきついと感じるでしょう。
入浴介助や移動介助までが仕事である場合、体力的に負担があるのできつく感じることもあります。
実際の看護師の口コミ3選
訪問入浴は、利用者さんが喜ぶ姿にやりがいを感じる看護師の方が多いです。また、施設内を忙しく移動しなくてよい点も訪問入浴の魅力です。
しかし、訪問入浴では看護師は一人だけです。看護師しかしてはいけない業務もあり、その点が負担になる方もいます。
その他にも、訪問入浴の仕事は看護師として大変だと感じてしまう方もいます。
ここでは、訪問入浴に対する様々な意見3つの口コミを紹介します。
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訪問入浴の看護師についてまとめ
訪問入浴は、介護施設ではなく事業所から利用者の自宅に訪問する仕事
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ぜひ訪問入浴の仕事を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。