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精神科看護師だと一般病棟の経験は使えない?仕事内容や向き不向き、あるあるまで解説

2024年11月28日
その他

この記事は看護師に監修されています

aki_shiroto.png

看護師

城戸あき(しろと あき)

「精神科では一般病棟の経験は使えないって本当?」

「精神科看護師は病むことが多いと聞くけど、なぜ?」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

精神科看護師は精神疾患を抱えている患者の相手をするので、様々な苦労があります。

また、「精神科看護師だと一般病棟の経験は使えない」と言われたり、病んでしまう看護師が多いという口コミがあるので、実態について気になっている方も多いでしょう。

こちらの記事では、精神科看護師の仕事内容や向いている人の特徴、病むことが多いという噂の真偽について解説していきます。

精神科看護師の仕事に興味がある方にとって役立つ内容となっているので、ぜひ最後までお読みください!

精神科看護師の仕事内容や向き不向きについてざっくり説明すると
  • うつ病や統合失調症、パニック障害などの精神疾患を抱え得ている方の治療にあたる

  • 患者とコミュニケーションを取りながら社会復帰をサポートしている

  • 医師の診察介助や薬の処方、セルフケアの援助なども重要な仕事

  • ネガティブな患者と毎日接することになるので、看護師自身も精神を病みやすい

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精神科看護師とは

精神科看護師

精神科で働く看護師を精神科看護師と呼びます。

公認心理士や臨床心理士などの専門的な資格を有している必要は無く、精神科医と連携しつつ医学に基づく専門知識でアプローチを行っています。

精神科看護師の主な仕事は、精神科病棟に入院している患者精神科の看護・治療です。

一般病棟の看護師と違って手術や点滴などの医療処置を行うことは少なく、患者とのコミュニケーションを通して心のケアを行い、医師の医療措置のサポートを行っています。

精神看護専門看護師とは

精神科看護師は看護師資格を保有していれば勤めることが可能で、他に資格は求められていません。

しかし、より専門性の高い資格として「精神看護専門看護師」という資格があり、こちらの資格を取得しておくと有利になります。

なお、精神看護専門看護師になるためには、下記の条件を満たした上で認定審査に合格しなければなりません。

  • 看護師免許を持っている

  • 看護系大学院に通い、必要な単位を修得している

  • 実務経験が通算5年以上あり、うち3年間以上が専門看護分野の実務研修であること

看護系大学院の卒業が求められており、さらに実務経験も必要になることから、かなり専門性が高い資格と言えるでしょう。

勤務先の就業規則によって差はありますが、精神看護専門看護師になると月に1万円程度の資格手当が付くこともあるので、スキルアップと経済的恩恵は受けられます。

どのような患者を受け持つのか

精神科で受け持つ患者は、やはり精神疾患を抱えている方となります。

例えば、うつ病や統合失調症、パニック障害や睡眠障害の患者が挙げられますが、それぞれの症状に合わせた看護をしていく必要があります。

患者の中には、自分が病精神的な病気を患っているという自覚が無いケースもあり、病名を知らされることでショックを受けてしまう方もいます。

看護師は、患者の話をよく聞いた上で患者が安心できるようにコミュニケーションを取り、患者と医療者という立場で関係性を築いていくことが重要です。

精神科看護師になるために必要な資格は

勉強する看護師

精神科看護師になるために必要な資格は、看護師で足ります。

先述した精神看護専門看護師の資格を保有しておくと役立ちますが、仕事をする上で必須というわけではありません。

一般病棟の資格や培ったキャリアは使えない?

精神科は他の診療科とは異なる性格があるので、一般病棟の資格や培ったキャリアは使えないという指摘があります。

しかし、実際には「一般病棟の資格や培ったキャリアは使えない」というのは誤りで、精神科でも経験を還元することは可能です。

精神科では精神疾患に関する専門的な知識が必要となりますが、一般病棟での看護師経験を活かせる場面は多いので、精神科に転職を考えている看護師の方でも安心です。

精神科の重要な仕事内容に患者のケアがありますが、患者とコミュニケーションを通して患者の様子を観察し、変わった点の有無などを確認します。

入院病床のある病棟で勤務した経験があれば、患者とのコミュニケーション能力や観察力が培われているので、経験を活かせるでしょう。

また、精神科看護師は比較的夜勤が多いと言われているので、夜勤の経験がある看護師であれば難なく夜勤の勤務もこなせるでしょう。

なお、精神科の病院に通っている患者をサポートするためには、精神の安定を回復させる知識やスキルが役立つので、下記のような資格も保有しておくと有利です。

  • 音楽療法士

  • アロマセラピー学会 認定臨床看護師

  • 認知症ケア指導管理士

  • 認知症ケア専門士

  • 臨床心理士

上記の他にも、一般の看護師よりも高い知見を有している認定看護師や専門看護師として認定を受けた看護師も、学んだ知識を仕事に応用できるでしょう。

精神科に通う患者の多くは、精神的な疾患だけでなく身体疾患を合併している場合が多いので、幅広い看護の知識を持った看護師は重宝される傾向にあります。

精神科看護師の仕事内容

点滴する看護師

精神科看護師の仕事内容は、主に患者とのコミュニケーションによるメンタルケアとなります。

他の診療科では難しいような一人一人の患者に寄り添った看護ができるので、やりがいも大きいです。

こちらのトピックで、精神科看護師の具体的な仕事内容を紹介していきます。

医師の診察介助

精神科看護師は、他の診療科と違い行う処置はそこまで多くありません。

診察室で精神科の医師と同席して患者の状態を観察し、問診が終わった後に医師や患者と相談しながら適切な医療方針を決めていきます。

精神科では心の病気を扱うため、患者の言動を細かく観察して異変に気付く観察力が必要となります。

精神疾患に対して看護師が直接的な処置対応をすることはありませんが、身体疾患と合併して患っている場合が多いので、点滴や採血、血圧・脈拍などのバイタルチェックを行うことは多いです。

つまり、看護師としての基本的なスキルは一通り習得できるので、看護師としてスキルアップする土台は作ることができます。

薬の処方

精神疾患の治療方法として重要なのが、投薬による治療です。

薬剤師や医師と薬の投与量について相談することもあり、適切な治療をするためにも用法用量を守って服薬してもらう必要があります。

なお、患者によっては薬を飲まなかったり過剰摂取してしまう場合もあるので、精神疾患患者に対しては薬を渡しただけでは「与薬した」とはなりません。

患者が正しい量をしっかり服薬したことを確認するまでが仕事なので、一般的な患者よりも慎重に服薬指導をしなければなりません。

また、薬物の副作用や相互作用にも留意しながら、患者の体調や症状の変化をモニタリングすることも重要です。

レクリエーションの実施

レクリエーションを通して、人とのかかわりあうことの重要性や楽しさを実感してもらう効果があります。

人間が生きていく上では他者との関わりが非常に重要である以上、人とのコミュニケーションを能力を磨くことは欠かせません。

生活リズムの改善やコミュニケーションの活性化などの精神的安定をもたらす効果が期待されているので、精神疾患の治療においてレクリエーションは非常に有意義です。

簡単なゲームや季節のイベントを通じて人との交流を深めており、患者の精神を安定させるために看護師は活躍します。

セルフケアの援助

セルフケアとは、患者精神疾患を克服して社会復帰するためのサポートを指します。

買い物に付き添ったり、身だしなみを整えるなどの援助が代表的な例ですが、無事に社会へ復帰して徐々に就労できるように支援を行います。

患者によって抱えている症状や苦手なことは異なるので、看護師は患者に応じて適切なサポートをしなければなりません。

また、過度に介入すると本人の自立を妨げてしまうので、本人の尊厳を守りつつ社会復帰できるように支援する必要があります。

精神科看護師の役割

精神科看護師として働く際は、自身が果たしている役割をきっちりと理解した上で仕事をすると良いでしょう。

こちらのトピックで、精神科看護師が担う役割について解説していきます。

患者の心のケアをする

精神科看護師の担う重要な役割の一つに、「患者とコミュニケーションを取って、信頼関係を築くこと」が挙げられます。

患者が安心できるような関係を築くことで、スムーズに心のケアをすることが挙げられるようになるためです。

精神疾患の治療法としては薬による治療が有効ですが、薬物治療に抵抗がある患者も少なくないので、やはり相手に安心感を与えられるコミュニケーション能力は重要と言えます。

投薬を拒否されてしまった際に重要となるのが日頃のコミュニケーションなので、相手の辛さや感情を読み取った上で相手に寄り添ったサポートする必要があります。

患者の中には、意思疎通が思うようにできなかったりコミュニケーションを嫌がる患者もいるので、それぞれの患者に合わせて少しずつ信頼関係を築くことが重要です。

特に非言語的なコミュニケーションや聴く力を駆使し、患者が自分自身を表現しやすい環境を提供することも大切です。

患者の容体を把握する

精神疾患の患者は、自身の抱えている症状を自覚することが難しかったり、症状を言葉でうまく説明できなかったりする場合が多いです。

患者がうまく言語化できないようなときでも、看護師は患者の状態をよく観察した上で容体を把握する必要があります。

中には、自身が精神疾患を抱えていることを認めたくないがために嘘の申告をするケースもあるので、日頃から患者の様子を観察して状態を把握することが非常に重要です。

もし患者に異変があれば速やかに医師に報告をすることも重要な役割です。

与薬やセルフケアの援助

先述したように、患者が用法用量を守って服薬することは非常に重要で、看護師は実際に服薬をするまで見守る必要があります。

精神疾患患者は服薬を拒否したり、逆に過剰摂取をしてしまう人が多いので、看護師による薬の管理は非常に重要です。

また、点滴で与薬する場合も看護師の見守りが不可欠です。

患者の中には、針やチューブを使って自傷行為をしてしまったり他の患者に危害を及ぼしてしまう可能性がある患者もいるので、点滴投与の際の見守りも重要な役割です。

与薬の他にも、セルフケアの援助も重要な仕事の一つです。

入浴介助やトイレ誘導だけでなく、お金の管理などのサポートも行っており、これらのセルフケア援助を通して患者が社会復帰をサポートします。

必要以上に介入すると自立を妨げてしまうので、適度に介入して患者の生活をフォローする意識を持つことが大切です。

精神科看護師の給料は

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均月給は35万1,600円・賞与が86万2,100円という結果でした。

平均年収は508万1,300円となり、500~550万円が精神科看護師の年収のボリュームゾーンと言えるでしょう。

なお、調査では「精神科看護師」の個別の給料に関しては記載がありませんが、口コミを見てみると「精神科看護師の年収は他の診療科の看護師とほとんど同じ」という情報もあることから看護師全体の平均年収とほとんど変わらないと考えて問題ないでしょう。

日本人の平均年収は約445万円なので、精神科看護師の年収は平均年収をやや上回る水準となっています。

精神科看護師は残業が比較的少ない傾向にありますが、患者の見守りなどの夜勤は多く、夜勤手当が多く発生する特徴があります。

また、精神疾患の患者の支援という特殊な職務を行うので、施設によっては特殊手当という手当が支給される場合もあり、結果的に他の診療科と給料が変わらないと予想されています。

看護師全体の平均年収に関しては、以下の記事で紹介しています。是非ご覧ください。

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【2025年最新】看護師の平均年収はいくら?手取りや初任給・年収アップの方法まで解説

【体験談】精神科看護師は病む?

しんどい看護師

実施の精神科看護師の口コミや体験談を見てみると、精神科看護師の中には病んでしまう人も一定数いることが分かります。

他の診療科の場合は、職場内の人間関係や「人の命を預かる」という業務のプレッシャーから病んでしまうケースが多いですが、精神科の場合は様々な事情があります。

精神科は患者の話をよく聞いてコミュニケーションを取ることが重要な役割ですが、患者の過去の体験や抱えているトラウマなどのネガティブな話を聞き続けた結果、看護するべき自分自身も病んでしまうというケースが多いのです。

感情移入しやすい方は特に注意が必要ですが、踏み込みすぎず適切な距離をとって患者と接することが重要と言えるでしょう。

また、精神疾患を抱えている患者は、正常な判断能力を喪失してしまっているケースもあり、暴言や暴力を受けてしまう機会もあります。

このような出来事が立て続けに起きてしまうと自信を無くしてしまい、仕事へ行くのが嫌になってしまうのは仕方の無いことです。

そのため、自身の心の健康を保つためにも、休日はしっかりと気分転換をしてリフレッシュすることが重要と言えるでしょう。

精神科看護師は定期的なカウンセリングの受け入れも推奨されているので、職業上のストレスや心の負担を適切に解消するためのサポートを受けることも重要です。

精神科看護師がきついと感じる理由

精神疾患患者がネガティブ思考であることが多く、話していたり様子を観察していると自分自身もつられてネガティブになってしまうことが多いです。

また、病棟の雰囲気も暗く、明るい雰囲気で仕事ができないことから、どんよりとした気分になりがちです。

そのため、明るい雰囲気の職場で働きたいと考えている方にとっては、雰囲気的にきついのは否めません。

看護師がかける言葉によって患者の回復具合が変わることもあり、自分の信念や長所・短所が患者に大きな影響を与えることから、責任感も大きいと言えるでしょう。

さらに、患者から暴力や暴言を受けることもあるので、身の危険を感じるストレスも大きいことから、きついと感じられる場面です。

精神科看護師になるメリット・デメリット

精神科看護師は、他の診療科とは業務内容などが少し異なることを説明してきました。

続いて、精神科看護師になるメリット・デメリットについて見ていきましょう。

精神科看護師になるメリット

まずは、精神科看護師になるメリットを紹介していきます。

それぞれの患者に寄り添った看護ができる

精神疾患は完治が難しく、症状が安定するまでに長い時間がかかるケースが多いです。

そのため、長期間通院や入院する患者が多く、長期的に患者に寄り添いながら関わることになります。

コミュニケーションを取って患者の心のケアを行うことが精神科看護師の重要な役割なので、それぞれの患者に寄り添った看護ができる点は大きなメリットと言えるでしょう。

また、精神科看護師は患者との関係を築く中で、その人の成長や回復の過程を見守ることができるため、非常にやりがいを感じることができます。

他の診療科よりも患者との距離が近い点が特徴なので、患者に寄り添った看護を行いたいと考えている方に向いています。

コミュニケーション能力や観察力が身につく

精神科看護師は患者とコミュニケーションを取ることが主な役割なので、自然とコミュニケーション能力が身に着きます。

精神疾患は症状の変化に気付きにくい分野なので、日頃から寄り添っている看護師が患者を観察し、些細な変化にも気付くように注意しなければなりません。

その結果、他の診療科と比べて観察力が身に着くので、看護師としてのスキルが向上するメリットがあります。

残業が少ない

精神科は症状の急変が少ないので、残業が発生しにくい特徴があります。

患者の症状次第では対応が長引いてしまうので、毎日定時で終わるというわけではありませんが、頻繁には起こらないのでワークライフバランスは実現しやすいです。

実際に、育児休業明けで短時間で復帰している方や定年後の再雇用で働く方も多いため、働きやすさは大きな魅力です。

人間関係で悩むことが少ない

精神科では元々優しい人が多いということもあり、人間関係での悩みが少ない特徴があります。

また、他の診療科に比較すると男性看護師が多い特徴があるので、女性社会ならではの面倒くささも薄いと言えるでしょう。

人間関係で悩む看護師は多くいますが、そこまで人間関係で苦労するリスクが低い点は大きなメリットです。

夜勤が比較的楽

精神科にも夜勤はありますが、服薬対応と患者が就寝中の観察などは主で医療機器を管理する機会はほとんどありません。

また、休憩をしっかりと取れる医療機関も多いため、他の診療科と比較すると夜勤の負担は少ないでしょう。

「現在夜勤がきつい科にいる」という方であれば、精神科への移動を検討する余地は大いにあります。

精神科看護師になるデメリット

続いて、精神科看護師になるデメリットを紹介していきます。

一般的な看護師のスキルが身につきづらい

精神科は他の診療科よりも医療処置の機会が少ないため、一般的な看護スキルが習得できるスピードは遅いです。

「精神科看護師だと一般病棟の経験は使えない」と言われることがありますが、これは医療処置をする機会が少ない点が理由です。

身体疾患を合併している患者を対応する場合は看護スキルが身に着きますが、手術前後の看護や精密機器を用いた看護のスキルを得るのはほとんどできません。

そのため、多くの診療科で応用できる看護スキルを習得したい方には向かない可能性があります。

精神的負担がきつい

精神科には精神的に不安定な患者がいますが、精神的に不安定な患者と接するのは精神的に疲れます。

自分自身も精神的に不安定になり自身も病む看護師もいるので、うまく距離感を取りながら自分の心身も守ることが重要です。

患者によっては自殺を図るケースもあるので、精神的に疲弊してしまう点は知っておきましょう。

精神科看護師は、職場や個人のストレス管理を徹底し、定期的な休息や心のケアを行うことで、自身の心身の健康を維持する必要があります。

病むような場面に多く遭遇する点も精神科看護師の特徴なので、自身の適性については熟考しましょう。

暴言や暴力を受ける可能性がある

精神疾患を抱えている人はコミュニケーションを取るのも一苦労ですが、そればかりか暴言を浴びせてくる患者もいます。

また、判断能力が低いと暴力を振るわれることもあるので、大きなストレスが伴うのは間違いないでしょう。

このような大きなストレスが原因で病む看護師も少なくないので、精神的なタフさが求められることが分かります。

暴言や暴力を浴びるのは病む原因となるので、ストレス耐性に自信が無い方やストレスを引きずってしまいがちな方は要注意と言えるでしょう。

精神科看護師の向き不向きは?

丸ばつ看護師

実際に看護師業務に従事して、日々の仕事がつらくて「自分には向いていない」と感じてしまう場面は多くあります。

こちらのトピックで、精神科看護師の向き不向きについて解説していくので、自分が向いているか・向いていないかの判断材料にしてください。

精神科看護師に向いている人

精神科看護師に向いている人の特徴としては、下記のようなものが挙げられます。

  • 穏やかな正確穏やかである

  • 根気強い

  • 人と話すことが好き

  • 体力がある

  • 気持ちの切り替えが上手

  • 責任感がある

精神科看護師は心の病気を抱えている患者と日々向き合うので、穏やかな性格の人が向いています。

また、患者とコミュニケーションを取りながらじっくりと信頼関係を築く必要があるので、根気強い性格の人や人と話すことが好きな人でなければ勤まらないでしょう。

さらに、精神科の病棟では幻覚や幻聴の症状から、暴れたりパニックになってしまう患者もいるので、患者や自分の身を守るための体力も必要です。

自身が精神的に落ち着いて仕事をするためにも、嫌なことがあっても気持ちの切り替えが上手だったり、患者の回復に寄与するために責任感をもって仕事に取り組める方は、精神科看護師に向いています。

精神科看護師に不向きな人

逆に、看護師に不向きな人は下記のような人です。

  • 医療処置にやりがいを感じる

  • コミュニケーションが苦手

  • ストレスに弱い

  • いつまでも引きずる

精神科では最先端医療が行われることはほとんど無いため、医療処置にやりがいを感じている方には向かない可能性があります。

医療技術の向上を目指している方、人命救助などで活躍したいと考えている方にとってはミスマッチな職場と言えるでしょう。

また、コミュニケーションが苦手だったり、ストレス耐性に自信が無い方やいつまでも引きずってしまいがちな方も、向かない可能性が高いです。

精神科看護師あるある

続いて、精神科看護師として働く人たちの体験談を通して、現場のあるあるを紹介していきます。

良くある事例を知っておくことで精神科看護師として働くイメージが湧くので、参考にしてください。

やりがいがある

精神科看護師は他の診療科よりも主体的に治療に関わることができるので、仕事のやりがいを感じられる場面が多いです。

看護師の存在が患者の治療効果に直結するので、患者に深く寄り添いたいと考えている方にとっては相性が良い診療科と言えるでしょう。

苦労する場面も多いですが、長期的な看護ケアによって症状が徐々に回復する様子を感じられるため、仕事に対してやりがいを感じられる点は精神科看護師あるあるです。

男性看護師が多い

大阪府看護協会の資料によると、新卒で精神科に勤める看護師のほぼ半数は男性です。

精神疾患を抱えている患者は感情のコントロールができず、急に暴れ出してしまうこともあるので、力の強い男性看護師が活躍するためです。

また、男性が他の診療科に比べて多いことから、女性だけの職場特有の難しい人間関係に悩まされることもありません。

患者の中には看護師に対して恋愛妄想してしまうケースもあるので、女性看護師の身を守るためにも男性看護師は欠かせない存在なのです。

常に鍵の開閉をしてしまう

精神科の閉鎖病棟では、患者が外部に出て迷惑をかけないようにするためにも、病棟の出入口や隔離室などに鍵が設けられています。

外出して迷惑を掛けないようにするという目的もありますが、患者の安全を確保するという目的もあります。

鍵をかけ忘れると重大な事故を引き起こしてしまう可能性もあることから、鍵の開閉に関して非常に敏感になってしまう点は精神科看護師あるあると言えるでしょう。

コード類・刃物に対して敏感になる

精神疾患を抱えている患者は自傷他害のリスクが高いため、患者本人や周囲の人間の安全を守るためにも危険物は持たせません。

カッターなどの刃物はもちろん、紐がついた衣類やコード類も預かる必要があるので、仕事柄自殺を招いてしまう物品に敏感になる点も職業病の一つと言えるでしょう。

医師との距離が近い

精神科看護師は患者との距離が近く、回復に至るまでの重要な役割を果たしているので、他の診療科と比べると医師との距離が近い特徴があります。

また、ベテラン看護師も頼れる存在で、職場内の人間関係が良好である点も特徴的です。

他の診療科では医師と看護師の距離感があるケースも多いですが、看護師が治療に携わる場面が多い精神科では医師との距離が近いのです。

精神科看護師の今後

様々な研究結果から、生涯の内に5人に1人が何らかの精神疾患にかかることが分かっており、決して人ごとでは無く身近な病気と言えます。

しかし、精神疾患の症状は本人にも分かりにくい場合が多く、また本人も積極的に受診しないケースも多いので放置されがちです。

こちらのトピックで、精神科看護師の今後について解説していきます。

精神病は回復可能

全ての病気において言えることですが、早期発見できれば早期回復に繋がります。

精神科への受診に対して抵抗感を示したり、なかなか外来で足を運ぶまでには至らないという人は多いですが、これは大きな問題です。

「精神疾患は回復しない」と誤解している人が多く、このような誤解が広がっている点も受診を控えてしまっている理由にもなっています。

しかし、精神疾患は適切な治療を行えば回復が可能な病気で、回復にあたって看護師が重要な役割を果たしているのは先述した通りです。

うつ病などの精神疾患は継続して診察や投薬を続けていく必要があり、闘病期間が長くなってしまう可能性は否めません。

重症化してしまった状態から治療を始めると回復までに時間がかかってしまいますが、そのような時でも看護師が適切にサポートし、本人や家族の理解を得ることが重要となります。

コロナの影響で精神科看護師の重要性は増している

新型コロナウイルスの流行の影響で「コロナにかかってしまったら差別される」という恐怖感が植え付けられてしまい、精神的に不安定になってしまう人が増えてしまいました。

外出に対する恐怖感や人前で咳をした人に対する忌避感や偏見など、問題が複合的に起きてしまった結果、うつ病や不安症を発症したり悪化してしまうケースが増えたのです。

また、在宅時間が増えたことで社会的な関係が希薄になってしまい、ストレスを溜め込んで精神的に病んでしまう事例も増えてしまいました。

精神科外来件数は増加傾向

厚生労働省の調査によると、「我が国の精神疾患を有する総患者数は、約419.3 万人(入院患者数:約30.2 万人、外来患者数:約389.1 万人)(平成29 年患者調査)と急激な増加が続いており、400 万人を超える水準」です。

近年はストレス社会とも言われていますが、データ上でも精神疾患を抱えてしまっている人が増えてしまっていることが分かります。

当然のことながら、精神科患者数が増えれば精神科看護師も忙しくなるので、今後の社会において果たしていく役割は大きくなっていくでしょう。

AIの活用とオンライン診療の広がり

コロナウイルスの影響で、オンライン診療も広がっています。

国立精神・神経医療研究センターや慶応義塾大学、杏林大学などが自治体と協力して立ち上げた「KOKOROBO(ココロボ)」というオンラインサービスでは、人工知能(AI)を使ったチャットを用いて患者の症状を軽症から重症まで自動判定しています。

このように、精神疾患治療の場においてもAIが導入されたことで、看護師や医師は相談などの業務に専念できるメリットがあります。

また、感染防止を防ぐためにビデオ通話を用いた診療を導入する医療機関が増えたことで、「恥ずかしくて外来で行けなかった」という人の精神科の受診も増えています。

まずはオンラインで関係性を構築してから必要に応じて外来で来てもらう、というアプローチもできるので、精神科看護師の方はオンラインでのコミュニケーション方法についても知見を深める必要があるでしょう。

欧米ではオンライン診療が推奨

精神疾患の診療や治療ではコミュニケーションが重要な役割を果たしていますが、オンライン診療を活用しやすい領域と言われています。

実際に、アメリカの精神医学会ではアクセス・コスト・有効性の観点からも電子処方箋と組み合わせた使用を推奨しており、世界各国で導入が進められています。

特に、「うつ病やPTSD、ADHDの治療に効果的である」という調査結果も報告されており、得られたデータを基にして新たな診断支援アプリなどの開発も進められています。

今後ますますオンライン診療の導入と調査が進み、有効性が確認されれば日本でも主流となっていくと考えられるでしょう。

精神科看護師になりたい人におすすめ転職サイト

最後に、精神科看護師になりたい人におすすめ転職サイトを紹介していきます。

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レバウェル看護(旧:看護のお仕事)

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マイナビ看護師

※画像出典:マイナビ看護師公式サイト

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精神科看護師の仕事内容や向き不向きまとめ

精神科看護師の仕事内容や向き不向きまとめ
  • 精神科では「一般病棟関連の資格や経験は使えない」と言われがちだが、そんなことはない

  • コミュニケーション能力や精神的なタフさが求められる点は知っておこう

  • 精神科看護師は病むという体験談もあるので、向き不向きはしっかりとチェックしよう

  • 精神疾患を抱えている患者は増えており(※)、精神科看護師の需要は増えていくと考えられる

※出典:三菱リサーチアンドコンサルティング『メンタルヘルスtech最前線』

精神科看護師になるメリット・デメリットや実際の現場におけるあるあるなどを紹介してきました。

他の診療科とは性格が異なるので、精神科の特徴や体験談を参考にして、自分に向いているか向いていないかを判断してください。

また、もし精神科への転職を検討している場合は、本記事で紹介した転職サイトや転職エージェントを利用するのがおすすめです。

転職を一人で進めると手間暇がかかってしまいますが、転職サイトやエージェントを利用すると効率よく情報収集ができる上に、条件交渉なども行ってくれます。

自身のキャリアについてしっかりと考え、ぜひ豊かな職業人生を築いていきましょう。


この記事は看護師に監修されています

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看護師

城戸あき(しろと あき)

国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。