看護師の転職は何年目がおすすめ?経験年数や施設別にメリット・デメリットを紹介
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
「看護師の転職は何年目がいいの?」
「1年目と2年目で転職活動はどう変わる??」
転職が多い看護業界ですが、何年目で転職すべきか迷っている方は多くいます。
看護師の転職は、勤続年数・技術力・知識などがカギとなるため、何年目で転職するのかは非常に重要なポイントです。
今回は、看護師の転職は何年目がおすすめなのかについて、勤続年数と施設の種類を踏まえたメリット・デメリットを解説します。
また、転職にあたってアピールすべきポイントや、転職を成功させる方法も紹介するのでぜひ参考にしてください。
自分にベストなタイミングを掴んで、希望通りの転職を叶えましょう!
看護師は何年目からでも転職可能
市場評価を高めるには経験年数が重要
自分の市場価値を知ろう
看護師はいつから転職を考える?
【看護師の平均勤続年数】
看護師には、早くて1年目から転職を考える方がいます。
日本医療労働組合連合会の調査によると、日本の看護師全体の9.3%が勤続年数1年未満で転職しており、3年未満では15.9%、5年未満で転職した人は12.7%です。
上記の調査から、日本では看護師のおよそ40%が勤続年数5年未満で転職していることがわかります。
看護師は、人の命を扱う精神的にも負担が大きい仕事でありながら、夜勤や業務の多さから体力も使う仕事です。
職場の雰囲気や働く環境はそれぞれ異なりますが、業務に忙しい看護師は、他業種よりも比較的早い段階から転職したいと考える人が多い業種と言えます。
看護師が転職する理由は?
厚生労働省の調査によると、看護師が転職する理由には以下のようなものが多いとされています。
スキルアップ・キャリアアップのため
給与や待遇を改善したいため
人間関係など職場環境の改善のため
プレッシャーがあるため
看護師が転職を決める理由は人によってさまざまですが、多くは「キャリア」「給与」「生活リズム」などが関係しています。
しかし、中には人命を扱うことの責任の重さに精神的に辛くなり、看護師の仕事をやめて他業種に転職する方も少なくありません。
また調査の結果にもあるように、看護師業界は転職が多く、ほとんどの看護師が1度は転職を経験していることから職場での悩みを抱えやすい職種とも言えます。
看護師の仕事は身体的・精神的な負担が大きい一方で、患者のケアを通じて多くの意義ある瞬間を経験することもあります。自分の健康とバランスを保ちながら、職場の状況や自身のニーズをよく考え、適切なサポートを受けながら働くことが大切です。
看護師は何年目から転職するのがおすすめ?
看護師の転職で最も多いのは、勤続年数4年目以降です。
前職の職場・施設形態・業務内容などによって、転職市場の価値は人それぞれ異なりますが、一般的には4年目以降の看護師なら採用条件の交渉がしやすいと言われています。
その理由は、4年目以降の看護師は業務への理解だけでなく、リーダーとしての業務・委員会への参加・教育指導などの経験があることを評価されやすいからです。
また、初めて勤務した職場の勤続年数が長い場合、忍耐力がある人材と評価され、転職でも有利に働きやすくなります。
経験を活かし、自身のキャリアアップや環境の変化を検討する際に、転職のタイミングを見極めることが大切です。
1年目の看護師の転職は?
以下では、看護師の体験談に基づいて、1年目の看護師の転職について紹介します。
転職市場での評価
看護師1年目の転職市場での評価は低いです。
基本的に、多くの医療機関は学校を卒業したばかりの新卒看護師を受け入れているため、中途での新人看護師の採用は少ない現状があります。
しかし、人材不足に悩まされている小規模な病院・介護施設・訪問介護などでは、即戦力で働ける中途採用の看護師が求められているため1年目の看護師でも採用される確率が上がります。
看護師不足解消のために第2新卒枠として看護師を採用する職場もあるので、よくリサーチして求人を探してみましょう。
看護師1年目で転職するメリット
無理せずに働ける
転職活動の中で自分のペースで働くことが可能な職場を見つけられれば、無理のないペースで看護師として勤め続けられます。
看護師になるためにさまざまな勉強をし、資格を取得したにもかかわらず、退職をきっかけに看護師を辞めてしまうのはもったいないことです。
心機一転、転職先で頑張ればスキルアップが可能ですし、看護師としてのキャリア形成にも役立つでしょう。
興味がある分野が分かるかも
ひとことに看護師と言っても看護師の仕事にはさまざまな分野があり、転職によって別の分野へ行くことで興味のある分野が見つかる可能性もあります。
これまでとは異なる分野にチャレンジするには、ベテランより身軽な新人の方が適しており、1年目看護師はさまざまな領域に挑戦するチャンスです。
さまざまな分野へのチャレンジによって、自分に合う職場を見つけられれば、その先のキャリア形成にも繋がっていくでしょう。
先輩に質問しやすい
先輩看護師や上司にも質問しやすい立場の1年目の看護師は、新しい職場で分からないことを聞きやすいです。
1年目は、中途で転職しても新人として扱われることが多く、新たに学び直すにはいいタイミングです。
また、前職の勤務年数が短いため、先入観などなく新たな知識やスキルも身に付けやすいでしょう。
看護師1年目で転職するデメリット
年度途中での転職は難しい
1年目看護師の転職は、年度途中の転職が厳しいと言われます。
その理由は、経験の浅い1年目看護師は、勤務するにあたってまだまだ先輩や上司からの指導が必要であり即戦力になり得ないからです。
しかし、教育体制が整っており、若手の看護師をあえて採用する病院もあるので必ずしも求人がないわけではありません。
受け入れ先が少ない
転職活動において、1年目看護師を受け入れてくれる求人は非常に少ないです。
前述の通り、医療業界は現在どこも人手不足で新人の教育にまで手を回すことができないため、即戦力となる人材が強く求められています。
まだまだ教育・指導が必要な新人看護師は、即戦力と判断される可能性は低いため、希望の条件通りの求人を見つけるのは難しいです。
定着しないのではと心配される
どんな職種でもそうですが、短い勤続年数で前職を辞めた方は、打たれ弱い人なのでは?と思われる可能性が高いです。
採用側としては、採用後の教育に時間と労力をかけてもすぐに辞められたのでは困りますし、長期で働いてくれる人を採用したいという思いがあります。
そのため面接では、前職を辞めた理由と次の職場では長期で働くという意思をしっかり伝えましょう。
転職先の仕事についていけないことも
1年目での転職は、看護師としての知識やスキルを身に着けていく上で大切な時期を不完全なままで挑むことになり、転職したとしても仕事についていけない可能性もあります。
病院によっては若手看護師の研修制度がある病院もありますが、若手の教育に力を入れていない病院では、1年目で転職した看護師は苦労するでしょう。
1年目のおすすめの転職先
1年目の転職は、看護師として基礎となる経験を積むことが必要となるため、長期雇用が可能で且つ第二新卒の受け入れ環境がある職場を探すことがポイントです。
第2新卒を受け入れている中規模以上の病院
中規模以上の病院は、教育制度が整っていることが多く、看護師として基礎を身につけ成長する環境があると言えます。
規模の大きい病院では夜勤など体力を使う業務も多いですが、夜勤が可能な方は、第2新卒を受け入れている中規模病院がおすすめです。
小規模な病院
規模の小さい病院は、規模の大きい病院ほど教育制度が充実してはいませんが、中には経験の浅い中途採用看護師を受け入れてくれる病院があります。
小規模の病院は、ベテラン看護師が多く在籍しており、その中で働くことで先輩から多くのことを学ぶことが可能です。
しかし、人間関係が複雑な職場の場合は、非常に学び辛い環境となります。
転職の際には人間関係や雰囲気などのリサーチを行っておくと安心でしょう。
精神科病院
医療処置が少ない代わりに患者さんへの対応などが特殊な精神科の看護は、ほとんどの看護師が未経験からのスタートとなるため、経験の浅い看護師にも勤めやすいです。
また、1年目の看護師の方が先入観なく新しい知識を入れられるため、向いているとも言えます。
ただし、一言に精神科と言っても患者の重症度や対象はさまざまなので、転職前のリサーチは必要不可欠です。
療養型病院
比較的、患者の容態が安定している療養病院は、スキルに乏しい1年目の看護師でも働きやすい職場です。
しかし、専門の診療科をケアするわけではないため、幅広い知識が必要であることは認識する必要があるでしょう。
そしてやはり、人間関係や雰囲気の悪い職場があるのは療養型の病院でも変わりませんし、職場によっては新人の受け入れが少ないところもあります。
介護施設
介護施設の看護師は、状況により患者の医療行為や健康管理の判断を求められることがありますが、その判断の範囲は限定的で1年目の看護師にも挑戦できる分野です。
介護施設は、介護職員をはじめとして若いスタッフも多い傾向があるので、年齢層が幅広い病院よりも馴染みやすいというメリットもあります。
ただし、求められる医療処置の幅が狭くスキルアップが難しかったり、病院勤務の経験を活かせなかったりするといったデメリットもあるので、介護施設での業務を十分に理解した上で転職を検討しましょう。
介護施設での看護師の仕事内容について、以下の記事で解説しています。
2年目の看護師の転職は?
2年目の看護師について、市場評価やメリット・デメリットを体験談に基づいて紹介します。
転職市場での評価
新人として扱われていた1年目とは違い、2年目の看護師は、最低限のスキルが身についていると評価されます。
評価が高い分1年目よりも需要があり、転職できる職場の幅が広がるので専門クリニック・病院以外の職場への転職も可能です。
また、現在夜勤が可能な人材が不足している看護師業界では、夜勤経験があること・夜勤業務も正確にこなせることは大きなアピールポイントになり得ます。
とくに中規模~大規模病院で勤務していた経験がある方は、他の職場よりも勤務経験の評価が大きいです。
しかし評価が大きい一方で、2年目で辞めることにした理由については採用において必ず聞かれることとなります。
なぜ1年目を乗り越えたにも関わらず辞めてしまったのかということについては、しっかりと説明できるようにしておいてください。
看護師2年目で転職するメリット
仕事に柔軟に対応できる
まだまだ経験が浅い2年目看護師ですが、その反面、新しい仕事や人間関係に柔軟に対応ができるというメリットがあります。
ある程度の経験を積んだ看護師では、新しいやり方を受け入れるのに先入観が邪魔してしまい、多少時間を要する場合が多いです。
しかし、先入観のない若い看護師は、知識やスキルの吸収が早いため素早く職場に馴染めます。
転職先の選択肢が多い
知識もスキルもまだまだ未熟ですが、2年目は、1年目看護師と比較すると転職先の選択肢が大きく広がります。
2年目看護師は、新人研修・夜勤などある程度の経験を積んでおり、現場でもある程度の業務はこなせるというアピールが可能です。
即戦力と言えるほどの経験値ではありませんが、それでも1年目と比較すると評価は上がるので転職活動もしやすくなります。
転職を考える際には、自分の得意な分野や成長したい分野を明確にし、そのポイントをアピールできるように準備することが重要です。
体力がある
看護師業界では、若さゆえの体力が個人の評価を大きく上げます。
一般的に、看護業界で評価されるのは勤務経験によるところが大きく、通常3年以上の勤務経験が必要です。
2年目の看護師には評価を受けるほどの経験がありませんが、その反面で、若くて体力があり、新しい知識やスキルをこれからどんどん学んでいくという姿勢があることをアピールすれば高評価につながるでしょう。
看護師2年目で転職するデメリット
即戦力としては採用されにくい
まだまだ経験の浅い2年目看護師は、ある程度の基礎は分かっているものの、即戦力として採用されることは難しいです。
そのため小さな病院などよりは、第2新卒を積極的に採用している規模の大きい病院やクリニックへ応募しましょう。
新人育成に積極的な病院なら、経験が浅い看護師でも採用が望めます。
プリセプターの機会が無くなる
2年目の転職では、自身の経験値を上げるプリセプターの機会を失ってしまうことになります。
プリセプターとは、新人看護師の教育をする役割のことで、主に3~4年目の一通りの仕事ができると認められた看護師が担当するものです。
プリセプターを務めることは、教育する経験を身につける機会にもなり、自身の業務への理解を深める機会でもあります。
しかし2年目に転職してしまうことで、また新人として振出しに戻ってしまうため、経験値を積む観点からデメリットとなります。
また辞めると思われる
一般論として「1人前の仕事ができるようになる前に辞めた人」と思われがちな2年目看護師の転職は、新しい職場もまたすぐ辞めるのではないかと周りから懸念される場合があります。
面接では、必ず前職を辞めた理由を聞かれるので、しっかり対策しておきましょう。
また、事情を知らない周りの人には、マイナスイメージを持たれがちなことも認識しておかなければいけません。
収入が増えないことも
苦労して転職活動をしても、収入が増えないことも考えられます。
看護師の給与は、病院ごとにシステムが異なるため、転職前に必ずチェックしておきたいポイントです。
とくに日本は、勤務年数が長いほど給与が高い年功序列型の病院が多いので、若い2年目看護師は給与が上がりにくい傾向にあります。
2年目のおすすめの転職先
2年目看護師は、1年目よりもより幅広い転職先の選択肢があり、今後のキャリアプランのために新しい分野にチャレンジするのにはベストな時期です。
急性期病院
2年目の転職は、病院全般に転職が可能となり、急性期病院のような難易度の高い医療が経験できる職場へもチャレンジ可能です。
しかし、同じ急性期病院から転職する場合は、やや退職理由が難しくなるので注意しましょう。
上記の場合、転職の必要性をしっかりと考え、採用者を納得させられるような理由を説明できるようにしておかなければなりません。
また、前の職場よりも規模が大きい病院への転職も、難易度が上がります。
面接では、自分のキャリアビジョンや目標をしっかりと伝え、長く勤務することを希望していることを伝えることが大切です。
療養型病院
患者の急変が少ない療養型病院は、医療処置はそこまで多くないので、2年目の看護師でも転職しやすいでしょう。
療養型病院の医療は、処置よりもケアが多く、2年目の看護師でも対応できる範囲となっています。
しかし療養型病院の看護師は、介護スタッフと一緒に働くため仕事内容・人間関係・職場の雰囲気などが急性期病院とは大きく異なり、前職とのギャップに戸惑う方も少なくありません。
今までと全く違った環境に戸惑うことがないよう、仕事の内容や職場環境を十分理解してから転職することをおすすめします。
精神科病院
精神科も、医療処置よりもケアが多く、技術や経験が少ない2年目看護師に人気の転職先です。
精神科領域に進んで、より専門的な医療に触れたいと考えている方も、2年目のタイミングで転職するといいでしょう。
ただし、精神科は一般の領域と異なり、院内の雰囲気や患者への対応などが独特なので、人によっては不向きな場合もあります。
病院によって、対象となる患者・病状・医療方針も大きく異なるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
診療所
一般的なクリニックや診療所も、2年目以降の若い看護師が多く、人気の転職先です。
診療所では、土日や祝日が休業日であることも多く、急性期の患者も少ないため余裕をもって働けるでしょう。
しかし、内科系のクリニックに関しては、看護師の経験が非常に重視される傾向です。
対象の診療科目によっては、採血・点滴などの医療行為が多い職場もあり、技術面で不安がある方の場合は苦労する場合があります。
また、いずれは再び急性期に戻りたいと考えている方の場合、クリニックや診療所よりも病院の外来勤務のほうがおすすめです。
急性期病院では、診療所やクリニックでの経験が勤務年数にカウントされないため、再就職で不利になる可能性があります。
専門クリニック
専門性の高い分野では、それまでの経験よりも新しい知識を学ぶ意欲や体力を重視した法人が多いため、未経験からの採用も多くあります。
専門クリニックに転職することで、看護師としての専門性を高められ、勤務経験の少ない看護師でも給与水準を高めることも可能でしょう。
とくに、若い看護師が多く働く美容クリニックや不妊クリニックは、医療の経験よりもその分野に興味があり意欲的に新しい知識を学べる方の方が向いています。
その他、給与水準の高い透析クリニックは、専門性の高い知識や穿刺の技術を習得する必要があるため、新しい知識を学ぶことに意欲的な2年目看護師の転職が実現しやすいでしょう。
介護施設
介護施設の看護師も、経験の浅い2年目での転職におすすめの職場です。
施設勤務の看護師は、何かあったときにその場で判断・指示をする立場ですが、医療よりも日常のケアや体調管理がメインです。病院と比較すると高度な技術が不要なため、2年目の看護師でも十分に勤務可能です。
また、ベテラン看護師が多い傾向にある職場なので、先輩たちから丁寧な指導を受けられるでしょう。
一緒に働く介護スタッフは20~30代の若い方が多く、若い看護師は年齢が近いことで打ち解けやすく働きやすい環境であることが多いです。
訪問看護
2年目以降、在宅で看護・介護を必要とする方のお宅へ訪問し、医療ケア・処置を行う訪問看護の分野へ進む方もいます。
基本的に訪問看護は、看護師1人で判断して医療行為を行うため、経験の浅い2年目看護師の採用は少ないです。
しかし、訪問看護業界の深刻な人手不足解消のため、近年では新人看護師のサポート体制を整えた職場も増えてきました。
教育に関しては、訪問看護の職場でも病院勤務の看護師同等の研修や教育を受けられる職場も多いです。
訪問看護の仕事内容については、以下で詳しく解説しています。
保育園
医療行為は少ないということで、保育園勤務の看護師もおすすめです。
ただし、保育園勤務の看護師は、医療行為は少なく、夜勤もないため病院勤務と比較すると給与水準は低くなります。
また、子供と接する保育士業務も求められるため、体力と意欲がないと難しい職業です。
看護師の業務にこだわらない方・子供好きの方には、やりがいのある職業となります。
3年目の看護師の転職は?
3年目看護師の転職では、以下のような点を頭に入れておくと良いでしょう。
転職市場での評価
2年目までは新人として扱われていましたが、3年目に入ると、看護師としての基本的な技術・知識は身に付いているものとされ、即戦力になれる人材を期待されます。
急性期の医療機関で3年の勤務経験を条件としている求人が多いことからもわかるように、年齢が若く体力があることから転職市場においての3年目看護師の評価は高く、基本的な職場ならばどこにでも転職が可能といえるでしょう。
また、20代後半~30代前半という年代は、結婚・出産・育児などの理由から退職者が多く人手が不足していることから、3年目の看護師には新人教育担当としての活躍を期待されることも多いです。
ただし、専門性の高い職場では、即戦力として働くことが難しいと判断される場合もあります。
この評価は、前職の病院規模・以前の勤務内容によって異なりますが、大規模な急性期病院での経験がある方は、市場で高い評価を受けるでしょう。
看護師3年目で転職するメリット
転職の選択肢が多い
即戦力扱いの3年目は、市場では高い評価を受けられ、転職先の選択肢も幅広いです。
個々の評価に関しては、病棟での経験年数・これまでの業務内容によって異なりますが、どこでも3年目には即戦力となることが求められます。
分野によっては高い専門性が求められて採用が難しい場合がありますが、大抵は転職可能です。
体力・柔軟性が評価される
3年目の看護師の武器になるのが、若さゆえの体力と新しい環境を受け入れる柔軟性です。
長年同じやり方で仕事をしてきたベテランの看護師は、病院の医療方針が変わったり新しい職場になかなか馴染むことができなかったりすることがあります。
しかし、3年目では新しいやり方にも対応できる柔軟性があり、新しい職場の環境にもすぐに馴染むことが可能です。
キャリアプランを考えるのに良い
基本的な看護師の業務がある程度こなせるようになる3年目は、新しい分野やさらに専門性を高めるために次のステップへと移るにはちょうどいい時期です。
自分のキャリアプランがすでに固まっている方は、市場価値が高まる3年目のタイミングを狙ってキャリアアップ転職をしましょう。
また、明確なキャリアプランがない方も、3年目の時期に今後の働き方について考えることで看護師として充実したキャリアを選択できるため今一度考えてみることをおすすめします。
ライフプラン重視に良い
ちょうど結婚や出産といったライフプランを考え始める3年目の時期は、計画に沿って働き方を変えるベストタイミングです。
結婚や出産により、今まで通り夜勤や土日の出勤が難しくなる方も多く、家族のために働き方を変えたいという方は多くいます。
看護師としての基礎も身に付いている3年目は、幅広い働き方の選択が可能なので、このタイミングで自分に合った働き方が可能な職場を探しましょう。
また、今だけでなく少し先のライフプランを考えた上で、転職の計画を練るのにも最適な時期と言えます。
看護師3年目で転職するデメリット
やや経験が浅い
看護師3年目の転職では、プリセプターなどを務める機会がまだなく、転職するにはやや経験が浅いとも言えます。
病棟看護師として業務の幅が増える看護師3~4年目は、プリセプター経験・実務経験・リーダー経験など看護師として大きく成長できる機会が豊富です。
しかし、3年目で転職してしまうことで、それらの成長の機会を逃してしまうことになります。
とくに、後輩に教えることで改めて知識やスキルを学び直すことが出来るプリセプター経験は、コミュニケーション力・マネジメント能力なども鍛えることができるため、大きな成長機会です。
採用時には「プリセプター経験」「実務経験」を重視する職場もあり、経験の有無も聞かれるでしょう。
同じ3~4年目の看護師でも、これらを経験しているかどうかで市場価値が大きく変わるのは間違いありません。
「お礼奉公」が終わっていない場合は返金が必要
3年目では、まだ「お礼奉公」が終わっていない場合もあり、退職時に全額返済や一括返済を求められることがあります。
お礼奉公とは、看護学校に行くための奨学金が看護師として3年間勤務することで返済免除となるものです。
お礼奉公の期間満了前に退職してしまうと、残りの返済額または全額を請求される場合がありますが、どれほどの額を支払うかは奨学金の額や病院によって異なります。
お礼奉公中の場合は、奨学金の残額を支払ってでも辞めるべきなのかがポイントになるでしょう。
退職金がないことも
3年目の転職では、勤続年数が退職金の支給条件に満たない場合があり、退職時期には注意が必要です。
一般的に、退職金がでるのは勤続年数3年以降としている企業が多いのですが、具体的にどのくらいの期間勤めれば退職金がもらえるのかは職業規定で定められています。
退職を決める前に、あとどのくらいで退職金の受給対象になるのかを必ず確認しておきましょう。
3年目のおすすめの転職先
3年目の転職は、今後のキャリア形成にも影響する大切な時期です。
将来のライフプラン・キャリアプランをよく考えて、転職先を選びましょう。
急性期病院外来
今後のライフプランを考えて、夜勤の無い働き方がしたい方には、日勤のみの働き方が可能な急性期病院の外来がおすすめです。
急性期外来は、救急搬送の対応があるなどスキルアップできる環境でありながら、夜勤を避けられます。
結婚・出産後の余裕を持った働き方として、夜勤のないクリニックに転職する方は多いですが、その前に大きな病院の外来を経験することで看護師として大きな成長機会を得ることが可能です。
夜勤がない分、体力的にも余裕をもって働くことが可能なため、3年目のタイミングで外来に転職する看護師は多くいます。
クリニック
夜勤がなく、且つ急性期病院の外来を望まない場合には、クリニックがおすすめです。
3年目の看護師になると、高い専門性が求められる一部のクリニック以外には、応募が可能となります。
クリニックに転職する場合、これまで経験したことのない領域に挑戦するか、今までの経験を活かせる領域に行くかの選択が必要です。
例えば、透析クリニック・不妊クリニック・美容クリニックなどは、専門性を磨くことができ、他のクリニックより高収入の職場が多いので収入アップを狙いたい方にも人気があります。
2次救急病院
一言に「急性期病院」と言っても、施設の規模や医療レベルはそれぞれ異なります。
急性期よりも余裕を持って働きたいが、看護師としての技術を磨ける環境で働きたい場合は、中規模の病院や2次救急病院がおすすめです。
一般的に急性期病院は、新卒の看護師が多く、年齢の近い3年目看護師は職場にも馴染みやすいでしょう。
3次救急病院
3次救急病院は、高いレベルの医療を経験でき、看護師としてのスキルを大いに磨けます。
体力的にもまだまだ余裕があり、幅広い選択ができる3年目は、看護師としての腕を磨くためにより高度な医療技術に挑戦するベストタイミングです。
都市部で働いたのち、いずれは地元に戻りたいと考えている人は、都市部の大きな病院での勤務歴は高く評価されるため、地元での就職活動の際も有利になります。
精神科病院
医療処置が少ない精神科は、経験の少ない看護師でも挑戦しやすい転職先です。
精神科は、患者さんへの対応やケアが独特なのですが、ある程度経験値を積んでおり且つ新しい知識への柔軟性も持っている3年目看護師は活躍が期待できるでしょう。
産業看護師
求人自体が少ないため狭き門ではありますが、3年目からは産業看護師の求人にも応募できます。
産業看護師は、企業の中にある医務室などで勤務する看護師で、主に社員の健康管理などの業務を行う仕事です。
企業によってさまざまですが、朝9時~夕方17時までを就業時間とするところが多く、夜勤など体力のいる仕事がないので余裕を持った働き方ができます。
ただし、給与に関しては、一般的な病院勤務の看護師よりも年収が低くなりがちです。
クリニカルスペシャリスト
3年目からの転職で、病院以外の就職先を希望する方には、クリニカルスペシャリストもおすすめです。
あまり聞きなれない職種ですが、クリニカルスペシャリストの仕事とは、医療機器メーカーなどで開発した医療機器・医療用具の営業販売などを主とします。
産業看護師と同じく求人が少なく、薬剤師やMR経験者も多いことから看護師の資格がそれほど有利という業界ではありません。
1度不採用となっても諦めずに挑戦することで、このやりがいのある仕事に就くことが可能です。
訪問看護
訪問看護は、通常5年以上の看護経験が必要になりますが、近年は勤務経験5年未満の新人看護師を受け入れている事業所が増えてきました。
訪問看護師は、業界の慢性的な人手不足と2025年問題に先駆け、新人看護師の採用や新人育成のための研修を取り入れている事業所も多いです。
一般的なクリニックや病院勤務ではなく、在宅看護業界で学びたい方は、新人教育制度のある事業所を探してみましょう。
ただし、訪問看護業界は人手不足によるスタッフの業務過多が問題になっており、3年目看護師には負担が大きすぎる職場もあります。
転職前には、職場の雰囲気やオンコールの回数など、職場全体の雰囲気を把握しておきましょう。
治験
看護師としてのスキルを活かしつつ、医療現場以外の場所で働きたい方には治験企業がおすすめです。
治験とは、新薬の安全性や効能などを調べる臨床試験を民間から委託されて行っている企業のことで、医療の進歩に貢献できるため非常にやりがいがあります。
治験では、基本的に週休2日・夜勤なしで働けるため、既婚者や子供のいる看護師も多いです。
4~5年目の看護師の転職は?
一般的に20代後半~30代に差し掛かり、職場の中でも新人に教える立場になりつつある4~5年目の看護師の転職について解説します。
転職市場での評価
4~5年目は、看護師として最も評価される年代で、看護師として仕事の基礎が身についているだけでなく人間性も評価されるようになる時期です。
4年目以降であれば、リーダー業務・委員会への参加・プリセプター・病棟看護師など豊富な経験があるため、即戦力として活躍することが求められるでしょう。
転職後に感じるギャップも少ないため、条件交渉もしやすいです。
看護師4~5年目で転職するメリット
即戦力として期待される
5年看護師を続けていれば、ほとんどの現場で一人前の看護師として認められ、さまざまな業務を任せてもらえることでしょう。
例えば、新人看護師の教育・若い看護師とベテラン看護師の間に入ってまとめる役割なども期待されます。
また、前職の勤続年数が極端に長すぎないことから新しい職場のやり方にも柔軟に対応できる扱いやすさが評価されやすいです。
キャリアアップ転職ができる
看護師としての基礎・教育や研修の経験・リーダーとしての経験などを経た4~5年目の看護師は、キャリアアップが十分狙える時期です。
これまでの5年で看護師として総合的なスキルや知識を身に付けてきたことをアピールしながらも、自分の専門性を高めるために転職を考えたとすれば、転職の理由説明として説得力のあるものになるでしょう。
実績を評価してもらえる
4~5年の勤務経験があれば、看護師としての実績を認めてもらいやすいです。
転職者が多い看護業界の中で、看護師として5年の勤務経験があれば一般的には「前職で長く働いた」と言われます。
このような評価を受ければ、次の職場でも長く働いてくれるのではないかと期待され、採用へと繋がりやすいでしょう。
看護師4~5年目で転職するデメリット
転職先とのギャップが大きい
勤続年数1~2年の新人看護師ではあまり感じにくいですが、5年ほどの勤続年数があると、転職先とのギャップが大きく感じることもあります。
例えば、新卒が多い病院と中途採用が多い病院では、雰囲気や考え方が異なることもあるでしょう。
転職によって今まで当たり前だと思っていたことのギャップを感じ、混乱するということは看護業界でもよくあります。
また、スタッフと一から信頼関係を構築することも大変労力がかかりますし、新しい職場でコミュニケーションに苦戦する方も多いです。
経験と採用要件が合わない場合も
5年目看護師にありがちな失敗として、それまで積み上げた経験値が転職先から求められたものと違ったということもあります。
5年目看護師は市場評価が高いため採用率は非常に高いのですが、場合によっては求められている経験値や採用要件が自分に合っていないこともあるので注意しましょう。
求人探しの際には、どんな人材を求めているのかをよく理解し、自分が活躍できる職場かどうか見極めてください。
また、採用側から求められた要件が自分にマッチしなくても、ありのままの経験・経歴を話した方が、転職後のミスマッチを防ぐためには有効な場合があります。
業務の負担が増えることも
これまでの経験が評価される分、これまで通りの仕事を期待されることもあり、仕事の負担が前職と比較して減らなかったということがあります。
5年目看護師の転職理由として業務負担を軽くするためというのがありますが、前職と同じような活躍を期待され転職後も同じような業務を任されてしまうことも考えられるでしょう。
また、採用側の期待値が高く、実力以上のものを求められるケースもあります。
転職先のおすすめの選び方
4~5年目看護師の転職先選びのポイントとして、今後どのような働き方をしていきたいかが重要になります。
自分のライフプラン・キャリアプランを明確にして、転職活動を行いましょう。
夜勤や業務を減らしたい人
5年目看護師は市場評価が高く、基本的にどの職場にも転職が可能ですが、結婚・出産といった予定で日勤のみの職場を志望する方にとっては、転職によって働き方の選択肢が広がるでしょう。
例えば業務量を減らしながら専門性も高めたい場合は、透析クリニック・美容クリニック・不妊クリニック・精神科・訪問看護などがおすすめです。
また、日勤のみの働き方として介護施設・療養病棟・一般クリニック・急性期以外の職場・コールセンター・産業看護師など、病院以外の職場も選択肢としてあります。
急性期病院で働きたい人
急性病院で働きたい場合は、体力のある20代のうちに挑戦するのがベストです。
規模の大きい急性病院・3次救急・救急センターは、急性期の患者が多いため高い医療技術に触れられ、自分の能力を高められます。
しかし、こういった職場は体力があり柔軟性の高い若い看護師を好む傾向にあるため、チャレンジできる時期はそう長くはありません。
また、これまでと規模の違う病院・運営が違う病院へ移ることで、さまざまな経験ができるため自分の可能性を広めることが可能です。
急性期病院から離れたい人
急性期から離れたい場合には、なぜ急性期を離れたいのか理由を明確にしておきましょう。
急性期病院を離れた看護師の中には、新しい職場の給与面や業務内容に物足りなさを感じる方が少なくありません。
そのため転職前には、どうして辞めたいのか・求人選びで一番重要なポイントは何かをしっかり把握しておくことが大切です。
大学病院から転職したい人
大学病院からの転職は、転職先とのギャップが大きいので注意しましょう。
一般的な大学病院は、看護師の人数も多く、業務も分業しているので看護師ひとりひとりの負担が軽いという特徴があります。
しかし、一般的な病院では分業化が進んでいないことも多く、大学病院からの転職者は転職先の業務負担が大きいと後悔することが多いです。
一旦大学病院を離れると元の職場に戻ることは難しいので、後悔のないよう慎重に転職活動を行いましょう。
看護師4年目・5年目の転職については、以下の記事で転職に関するより詳細な情報を掲載しています。是非ご参照ください。
6~7年目の看護師の転職は?
体験談に基づき、6~7年目看護師の転職について解説します。
転職市場での評価
6~7年間の看護師経験があれば、基本的に転職先には不自由しません。
看護師の仕事の基礎に加えて、さまざまな経験と知識があると評価され、病院以外の職場や企業への転職にもチャレンジしやすいです。
看護師としての十分な経験があるため、経験したことのない分野への転職も選択可能です。
また、前職でのリーダー経験・プリセプター経験は高く評価され、採用条件の交渉も有利になるでしょう。
しかし、前職で長く働いた分、なぜ転職を選ぶのかというのがポイントとなるため理由をしっかり説明できることが大切です。
看護師6~7年目で転職するメリット
職場の選択肢が多い
6~7年の経験があれば、看護業務だけでなく幅広い業務に携わることができ、経験の幅を広げることが可能です。
例えば、病棟運営・業務改善などにも関わる機会が持てるでしょう。
また、看護師としての経験は十分であり、看護職の資格を活かしてどんな所でも転職可能です。
急性期病院への転職はもちろん、介護施設・訪問看護・企業なども転職先の選択肢に入れられます。
キャリアチェンジやキャリアアップのために、未経験の分野に行くこともおすすめです。
好条件で転職できる
6〜7年目看護師の市場価値は高く、必要なスキルが十分身につき即戦力になれる人材と評価されるため、多くの職場が良い条件を提示してくれるでしょう。
このタイミングでの転職は、自身がやりたいことを叶えることも、ライフプランに合わせた働き方をするのも可能です。
自分の希望に順位を付け、条件に見合った職場をさがしましょう。
看護師6~7年目で転職するデメリット
柔軟性がないと思われる
6~7年目からは、看護師としてのスキルや知識は十分な一方で、柔軟性がないと思われることもあります。
そのため、前職とのギャップが大きいと、新たな職場に上手く順応できるかが懸念されることもあるでしょう。
とくに大学病院・国公立病院は、民間病院と体制が異なるため、勤務歴が長い看護師は不利です。
病院の雰囲気になじめなかったり、他スタッフとうまく連携できずに孤立してしまったりして退職するのではないかと敬遠される場合があります。
ライフイベントの影響を受ける
7年目のタイミングは、結婚や出産といったライフイベントの影響を受けやすい年代に突入し、希望する働き方によっては転職先が絞られてしまいます。
長く働ける20代前半もしくは40代以上を採用したい職場では、出産や結婚によって長く働けない可能性がある7年目看護師は敬遠されがちです。
一方、それらのライフイベントに対して理解がある職場もあるため、仕事を続けられる環境が整っていれば問題がないと判断されるでしょう。
転職先を選ぶ際のポイント
転職でさまざまなメリットを得やすい7年目ですが、転職して何を実現したいか、本当に転職するべきかを考える機会でもあります。
看護師としての経験を十分に積んでいる分、転職先に前職とのギャップを感じやすく、転職したことで今までの経験を活かしきれないで後悔する人も少なくありません。
転職活動で失敗しないためには、先輩看護師やキャリアアドバイザーなどにキャリア相談をして、じっくり考えてから転職しましょう。
看護師の転職には、転職サイトがよく利用されます。
転職サイトでは、キャリアアドバイザーが転職先の求める人物像や職場環境を把握しているため、転職者と採用側のミスマッチが起こりにくいのが特徴です。
今すぐにでも転職すべき看護師
転職活動は、何かと準備や下調べが必要で時間がかかりますが、以下の項目に当てはまる場合は、すぐに転職を検討する必要があります。
仕事が辛く精神的に参っている
看護師の仕事は、業務の幅も広く体力的・精神的にも大変な仕事なため、仕事が辛いと感じている人も多いです。
最近急に泣きやすくなった・職場に行くことを体が拒否しているという方は、うつ病になってしまう危険があります。職場に相談して、休暇をもらうなどが必要です。
しかし、職場が相談に応じてくれなかったり、休みを取らせてくれなかったりする場合には、体調を優先して転職を考えた方が賢明です。
また、仕事に行けないほどのストレスを抱えている場合は、精神科や心療内科に相談してみることをおすすめします。
健康な体あってこその仕事なので、無理をしないように自分の体調を優先しましょう。
職場先が労働基準法に違反している
人手不足の看護業界では、労働基準法を守っていない職場もあります。
労基を守らない職場では、患者さんの安全のために必要最低限のスタッフがおらず、医療過誤を起こしてしまうリスクがあります。
また、労基を守らないことは違法であり、残業代が未払い・有給休暇を却下される・就業規定や労働条件に反する仕事があるなどと言った理不尽な労働環境になっています。
そのような職場環境の場合には速やかに転職活動を開始することをおすすめします。尚、労働基準法の違反については労働基準監督署に相談することが可能です。
将来の明確な目標がある
看護師として明確なキャリアプランがあり、キャリアのために職場を変えたいという場合は、時期を待たずに転職するのがおすすめです。
看護師の転職市場では、基本的に基礎を身に着けてからの転職の方がメリットがあり、経験や知識が豊富な看護師の方が市場価値が高い傾向にあります。
しかし中には、柔軟で体力のある若い看護師を好む職場も多く、前職で我慢して働き続けていることで時期を逃してしまう可能性も考えられるでしょう。
将来やりたい明確な目標がある場合には、その仕事についた時に求められるスキルや人物像を把握し、このタイミングがベストだと思えば転職してください。
看護師の平均年収
看護師は年収が高いというイメージがありますが、実際には現状の給与に満足していない人も多いです。
看護師の年収は、全国平均で492万円となっており、実際には激務の割にそこまで高い年収ではありません。
しかし実際には、看護師の給与は個々の「評価」によって左右されるため、より年収を上げるために評価を上げることが必要です。
看護師の平均年収に関しては、以下の記事でより詳しく解説しています。
経験年数は評価される
看護師は、経験年数で大きく評価が異なります。
日本看護協会の調査によると、「看護師の経験年数をすべて評価する」と回答した施設は46.0%でした。
また、「一部評価する」と回答した施設は48.6%であり、全体としては94.6%とほとんどの施設が経験年数を評価の軸に入れているとしています。
上記のことから、看護師業界において経験年数は個人の評価に非常に重要に関わってくるものであり、経験年数が看護師の給与を左右すると言えるでしょう。
スキルは評価されにくい
看護師は、それまでの経験年数が高く評価される一方で、スキル自体は評価されにくい傾向です。
看護師は、採用後の再評価をする施設がほとんどなく、職場でどんなに高いスキルを発揮しても評価が上がることはあまりありません。
どんなにスキルが高くても、経験年数が短いと給料は低くなりやすいので、給与を上げるためにはまず経験を積んでいくことが最重要となります。
施設別の求人倍率
転職を希望する施設によって倍率は異なります。
とくに、求人倍率で大きな差を生むのが企業勤務・病院勤務の違いです。
企業によってもさまざまですが、看護師以外にもさまざまな職業経験者が集まる企業の求人は倍率がどこも高くなります。
また病院勤務の場合も、施設の種類や診療科によって求められることは大きく変わってくるため、どんな働き方がしたいのか・どんなキャリアを築きたいのかをしっかりと考えて置くことが大切です。
施設で倍率が大きく異なる
看護師の求人倍率は、施設の形態によっても大きく差があります。
日本看護協会「2019(令和元)年度 ナースセンター登録データに基づく 看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書」のデータによると、施設全体の求人倍率は2.34倍でした。
しかし、施設別でみてみると「病院(20〜199床)」1.99倍 、「病院(200〜499床)」1.64倍などに対して、「訪問看護ステーション」は3.10倍と大きな差があります。病院と比較して、訪問看護ステーションの方が就職しやすいと言えるでしょう。
有効求人倍率と経験年数も検討する
転職の際には、有効求人倍率と経験年数も検討しましょう。
転職先を探すときに、まず目が行きがちなのが転職先の条件です。
しかし、本当に自分にぴったりの職場を探すためには、経験年数・施設別の求人倍率も考慮して探す必要があります。
例えば自身の経験年数が短すぎたり、求人倍率が低い職場を希望すると転職できない可能性も大きいです。
看護師の転職を成功における注意点
看護師の転職を成功させるためには、以下の注意点を押さえておきましょう。
まず自分の優先順位を決める
転職活動を始める際にはまず、自分の優先順位を決めなくてはなりません。
給与や待遇はもちろん、働き方・そこで積める経験・キャリアなど自分の最も重要視するポイントを順位付けして決めておくと、それが転職活動の主軸になります。
転職において必ず実現したいことを決め、それらの優先度をはっきりとさせることで、職場選びの失敗が減るのでぜひやってみましょう。
自己分析をしっかり行う
転職活動の中では、自己分析も重要です。
転職の条件として自身の優先順位が定まったら、性格やキャリアなど、自分がどんな看護師なのかを分析しましょう。
求人先に自分を売り込むためには、自分がどんな看護師で採用側にどのようなメリットをもたらすかをしっかり伝えることが必要です。
自己分析をしっかりして、看護師としての自身の強みは何か、どんな仕事が向いているかを明らかにしましょう。
志望動機・自己PRを練る
志望動機・自己PRは、応募先によって異なりますが、ベースとなる内容はあらかじめ決めておくといいでしょう。
書類に書く内容をある程度決めておくことで、履歴書の作成や面接における負担が軽減します。
例えば自己PRでは、これまでの経験済みの診療科・夜勤勤務が可能か・総合病院での実務経験などを伝え、自身のスキルをアピールするのがおすすめです。
退職理由はポジティブに
転職活動の注意点として、前職の退職理由にネガティブな内容をなるべく書かない・言わないことがあります。
多くの場合、前職を退職する理由にはネガティブな側面が多いものですが、採用側にしてみれば職場に対してネガティブな発言をするスタッフはあまり好まれません。
そのため、退職理由はポジティブなものに変換して伝えましょう。
例えば、看護師としてのキャリアアップ・家庭との両立など、ポジティブな理由を記載するようにすると好印象です。
経験を活かせる職場を選ぶ
職場選びのポイントは、自身の培ってきた経験を活かせる職場を選ぶことです。
看護師業界では経験が大きく評価され、仕事の経験が多ければ多いほど、より転職先の選択肢が広がります。
そのため、自分の経験のある職場だと、より内定が取りやすいです。
一方で、未経験の領域に挑戦したい場合には、転職活動期間が長くなる可能性もあります。
転職先が決まってから病院を辞める
病院を辞めるのは転職先が決まってからにしましょう。
転職を決めた後は、早く職場を退職したいという気持ちになりがちですが、転職先が決まらない内に辞めるのはおすすめできません。
次の職場が決まらないうちに辞めてしまうと、転職活動が思いのほか長引いて収入がなくなってしまう可能性もあります。
求人の多い看護業界でも、転職先がすぐに決まるとは限らないですし、職探しに焦るとよりよい条件の職場を見つけられないこともあるので注意しましょう。
また、転職先が決まらない内に辞めると、転職活動中のストレスも多くなるので精神的にも負担です。
転職サイトの利用がおすすめ
近年、再就職の求人探しに転職サイトを利用する方が増えています。
転職サイトを使った転職は、以下のようなメリットがあり、転職成功に一役買うためおすすめです。
転職サイトでは何ができる?
転職サイトを使うメリットは、一般的な求人だけでなく非公開求人情報を得られることです。
転職サイトを利用する際は、出来れば複数個のサイトに登録して使うのがおすすめですが、多すぎると大変なので2~3サイトに絞って登録しましょう。
複数の転職サイトを併用すると、求人を網羅しやすくなります。さらに、自分にあった転職アドバイザーに出会いやすくなります。
また、一言に転職サイトと言っても、サイトごとにセールスポイントが違うのでいくつかのサイトを利用した方が利便性が上がりやすいです。
相談だけでも可能
転職サイトを利用すると、必ず転職しなければいけないと思いがちですが、実際は相談するだけでも大丈夫です。
気軽に利用することが可能なので、自身のキャリアに疑問を抱えている人や、ちょっとした相談がしたい人はいくつかのサイトに登録してみてください。
看護師の転職におすすめのサイト
看護師の転職におすすめのサイトを紹介します。
転職を成功させるためには、アドバイザーのサポートの充実度が高いサイトやエージェントを利用することが重要です。
以下では、経験豊富なアドバイザーがサポートしてくれ、さらに豊富な求人情報の提供も望めるおすすめ転職サイトを3つ挙げました。
転職何年目で転職しようか迷っている方は、まずは以下のサイトに登録し、どんな求人があるか・自分に応募可能な求人を探してみましょう。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
相談のしやすさNo.1を獲得
求人数は15万件以上(2024年10月時点)で日本有数の充実度
スキマ時間を使って転職相談ができる
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)は、累計利用者数40万人を突破した、看護師転職エージェントの中では日本最大級の規模のサイトです。
看護師転職サイトを対象とした株式会社エクスクリエのインターネット調査でも、相談のしやすさNo.1に選ばれており信頼度の高いサービスです。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)の魅力は、常時業界トップクラスの数の求人情報を提供していることです。
そのために、紹介する企業に直接足を運んで情報収集をしており、業界を熟知したスタッフが収集した求人情報は、非常に質が高く信頼できます。
相談は、電話やメールのみならず、LINEでも受け付けているので、スキマ時間を使って気軽に転職活動ができるサイトです。
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)
※画像出典:ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)公式サイト
求人数20万件以上で業界最大級
累計100万人以上の看護師が利用
キャリアパートナーは看護師専門、地域専任
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)は、オリコン満足度3年連続No.1を誇る人気サイトです。
出典:2025年 オリコン顧客満足度®調査 看護師転職
2005年のサービス開始以降、利用者数は増加し続けており、現在では累計100万人以上の看護師が利用している転職支援サービスとなっています。
このサイトの注目すべきポイントは、97%という利用者満足度の高さです。
看護師専門・地域専任サポートが魅力のナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)は、業界やその地域を熟知した質の高いキャリアパートナーのサポートを受けられ、それがこの満足度につながっています。
また、キャリアパートナーが条件交渉まで行ってくれるので、できるだけの好条件で転職したい方にもおすすめです。
マイナビ看護
※画像出典:マイナビ看護師公式サイト
大手人材紹介会社のマイナビが運営
5年連続看護師の転職サイト認知度No.1
求人数は80,000件以上
マイナビ看護師は看護師の転職サイト認知度No.1に輝いた、実績ある転職サイトです。
出典:看護師を対象とした人材紹介サービス14ブランドにおける調査結果(GMOリサーチ株式会社)(2021年7月)
約80,000件の求人数があり(独占求人を含む)、様々な求人情報から自分に合っている職場を探せるでしょう。
内科などの代表的な診療科はもちろん、スポーツ整形外科や血液内科などの専門的な診療科目の求人もあり、パートやアルバイトなどの雇用形態からも絞れる点が魅力です。
看護師の転職は何年目がおすすめ?についてまとめ
一般的には4年目の転職がおすすめ
スキルよりも経験年数が評価されやすい
まずは転職サイトを利用してみよう
看護師の転職は、何年目からでも可能ですが、経験とスキルが備わった4年目頃が市場では最も評価されやすいと言われます。
看護業界は、実際の技術面よりも、勤続年数や研修・プリセプターなどの経験の有無で個々を評価する傾向があります。
そのため、勤続年数が短いと市場では評価されにくく、応募可能な求人はあまり多くはありません。
しかし、若い看護師は新しい知識に関して柔軟性があり、体力もあることをアピールできるという強みもあります。
一方、4年目以降の看護師では、スキル・経験ともに十分と評価され、応募可能な求人の幅が大きく広がります。
スキルアップ・キャリアアップが可能な求人や、ライフプランに合わせた働き方が可能な求人など、自分の希望に沿った職場を選択できるので、転職のタイミングとしてはおすすめです。
転職活動を始める際には、自分の市場価値を知るためにも、まずは転職サイトやエージェントに相談してみましょう。
転職サイトでは、プロの目から自分に合った求人を紹介してもらえるため、転職活動の成功確率を大きく高めることができます。
まずはLINEなどから気軽に相談ができるため、ぜひ利用してみてください。
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。