准看護師になるには?必要な資格を働きながら・主婦でも取得する方法を徹底解説
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
「准看護師になるにはどうすればいいの?」
「働きながらでも、主婦でも准看護師資格は取れるの?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
准看護師になるには准看護師試験に合格する必要がありますが、合格率は高いので比較的簡単に准看護師になれます。
取得後は看護師へのステップアップも望めるので、医療業界での就労を検討している方は准看護師の取得を目指しましょう。
こちらの記事では、准看護師になるための方法や取得メリットを詳しく解説していきますので、准看護師に興味がある方は参考にしてください!
- 働きながらでも、主婦の方でも目指すことができる
- 医療現場で活躍できるので、就職に困らない
- 准看護師試験に受かれば准看護師になることが可能
- 正看護師にキャリアアップできる魅力もある
准看護師はさまざまな人が取得できる資格

准看護師は医療現場や介護関係などで活かせる資格で、取得難易度も低く多くの人から人気があります。
准看護師の特徴として、
- 中卒資格があれば養成校に入学可能
- 最短2年で免許が取得可能
- 働きながら養成学校に通学可能
- 複数の都道府県で准看護師試験の受験が可能で、合格率も96~97%と高め
上記のように、学歴などに関係なく多くの人が取得を目指せる資格なので、准看護師という職業も多種多様な人々が目指しやすい職業です。
働きながらでも目指せる
「准看護師資格には興味があるけど、仕事があって勉強の時間が無い」という方でも安心です。
准看護師資格を働きながら目指す場合は准看護師養成所に2年間通う必要がありますが、准看護師養成所には全日制と半日制があります。
全日制の場合、授業は基本的に朝~夕方にかけて行われ、週3程度の通学が求められるカリキュラムが多いです。
一方で、半日制の場合は午後や夜間に授業が行われ、週5ペースで通うことになります。
つまり、自分の仕事の都合やライフスタイルを考慮した上で全日制か半日制を選択でき、また時間割などを確認して自分に合った養成所を見つけることが可能となっています。
2年の課程を修了して准看護師試験に合格すれば免許が取得できるので、現在就労中の方でも准看護師資格の取得は十分に目指すことが可能です。
主婦でも目指せる
准看護師養成所に入学して2年の課程を修了し、准看護師試験に合格すれば資格は取得できるので、もちろん主婦の方でも取得を目指すことが可能です。
子育てが一段落した主婦の方の中には「何か再就職に役立つ資格が欲しい」と考える方も多くいますが、そのような方でも准看護師はおすすめできます。
また、現在はパートで就労中という主婦の方でも、養成所に通う時間を工面できれば問題なく資格取得を目指すことができます。
もちろん、勉強と家庭生活・仕事を両立することは大変ですが、准看護師資格があればその後の職業人生に多くのメリットがあるので、検討する価値は大いにあるでしょう。
准看護師の資格を取得するメリット
続いて、准看護師の資格を取得するメリットを解説していきます。
医療機関での就職に役立つのはもちろん、その他にもキャリアに関して多くのメリットがあります。
就職に困らない
准看護師は中小病院やクリニックなどの医療機関はもちろん、介護施設においても欠かせない存在です。
つまり、社会的にも重要な役割を果たせるので、准看護師は「就職に困らない資格」と言えます。
どの町にも医療機関や介護施設は存在しており、自宅の近くにおいても簡単に就職先候補は見つかります。
准看護師資格は一生モノなので、一度取得すればその後の職業人生に大きく役立つと言えるでしょう。
正看護師よりも早く取得可能
准看護師は「正看護師の下位資格」なので、資格の価値にフォーカスすると正看護師よりも劣ってしまいます。
しかし、その分正看護師よりも資格取得期間が短く資格取得にかかる費用も安く抑えられるので、取得までのハードルが低い魅力があります。
また、准看護師から正看護師へのキャリアアップに繋げることも可能なので、看護の仕事に興味がある方は取得を目指すと良いでしょう。
医療機関における就労を考えている方にとって、取得して無駄になることはありませんので、自信を付けるための第一歩として取得を目指すのもおすすめです。
准看護師になる方法について

続いて、准看護師になる方法や流れについて確認しておきましょう。
1.准看護師学校養成所を受験、入学する
准看護師学校養成所の受験資格が「中卒以上」であり、入試レベルも中卒レベルに設定されているので、誰でも簡単に養成所は入所できます。
なお、入試科目は学校により異なるので、気になる養成所を見つけたら募集要項を受験前に確認しておくと良いでしょう。
主に「国語・作文・数学・社会・理科・英語」などの中から2〜3科目選ぶことが多いので、募集要項を確認したら対策を練っておくと安心です。
2.准看護師学校養成所で2年間学習を行う
養成所に入所したら、准看護師試験の受験資格を得るための勉強を2年間行うことになります。
座学と実習を行うので、しっかりと医療現場で生かせるノウハウを吸収しましょう。
先述したように、働きながら通うことのできる学校も多いので、自分の都合に合わせられる学校を探してみてください。
3.都道府県が開催する准看護師試験を受験する
准看護師試験は都道府県主催で年に1回行われますが、試験日が近づいてきたら受験要項等を確認しておきましょう。
複数県でも受験が可能なので、もし不安な場合は異なる都道府県に出願しても構いません。
なお、准看護師試験は全150問で受験科目は下記の通りです。
- 人体の仕組みと働き
- 食生活と栄養
- 薬物と看護
- 疾病の成り立ち
- 感染と予防
- 看護と倫理
- 患者の心理
- 保健医療福祉の仕組み
- 看護と法律
- 基礎看護
- 成人看護
- 老年看護
- 母子看護及び精神看護
4.試験合格後は免許の申請手続きを行う
試験に合格後した後は免許申請を行う必要があるので、速やかに都道府県に対して免許申請手続きを行いましょう。
都道府県にもよりますが、申請から免許証発行まで数ヶ月かかる可能性があるので、既に内定が出ている方などは注意が必要です。
就職前に免許の交付が済むように、できるだけ早く動いておくことをおすすめします。
正看護師になる方法は
続いて、准看護師の上位資格である正看護師になる方法を解説していきます。
准看護師からのキャリアアップを検討している方は、ぜひ知っておきましょう。
中卒の場合
最終学歴が中卒の方の場合は、5年一貫教育課程校に通学すれば正看護師の受験資格を得ることができます。
中学校卒業後速やかに5年一貫教育課程校に入学すれば、最短20歳で受験資格を得られることになります。
なお、5年一貫教育課程校は、3年間で普通教科と並行しながら看護科の基礎科目を学習し、2年で専門性の高い看護知識を学ぶカリキュラムです。
高卒の場合
高卒の方の場合は、下記の2パターンに分けられます。
看護師学校・短期大学に3年間通学する
看護大学や統合カリキュラム校以外にも、看護師学校・短期大学に3年間通学することでも看護師試験の受験資格を得られます。
なお、看護師学校・短期大学ルートで正看護師になると、保健師又は助産師になるための養成課程に進学できるので、キャリアの幅を広げることが可能です。
3年制の看護師学校・短期大学のメインカリキュラムは実技・実習なので、看護師として即戦力になりたいと考えている方におすすめです。
看護大学・統合カリキュラム校に4年間通学する
高卒の方の場合は、看護大学・統合カリキュラム校に4年間通学することで看護師試験の受験資格を得ることができます。
統合カリキュラム校の場合は「高度専門士」として認定され、大学院に進学することが可能です。
看護大学を卒業した場合は「学士」として認定され大学院への進学も可能となり、さらに選択制で保健師と助産師の受験資格も得ることができます。
そのため、キャリアの選択肢を増やしたい場合は看護大学を卒業するルートがおすすめです。
すでに准看護師資格を取得している場合
すでに准看護師資格を取得している場合は、下記の3パターンに分けられます。
最終学歴が中学校卒業の方の場合
准看護師資格を有しており中卒の方の場合は、准看護師としての実務経験が3年以上あれば看護系専門学校への受験資格を取得できます。
看護系専門学校のカリキュラムを終えて看護師試験に合格すれば看護師資格を取得できますが、大学への入学はできません。
最終学歴が高校卒業の方の場合
既に准看護師資格を有している高卒の方は、卒業後すぐに2年間の看護師課程に進学できます。
2年生の看護系専門学校や看護系短期大学が挙げられますが、卒業すると「専門士」「准学士」となります。
修了後に看護師試験を受験し、合格できれば晴れて看護師となります。
上記以外の方の場合
上記以外の方の場合は、7年間の准看護師の実務経験を積んだ後に2年間の通信制看護学校を修了することで、看護師試験の受験資格を取得できます。
准看護師として働きながら単位を取得することになり、学校では実地実習が少ない点が特徴です。
看護師国家試験・准看護師試験について
次に、看護師国家試験・准看護師試験について確認していきましょう。
試験の流れや難易度について知っておくことで、適切な準備ができるようになります。
看護師国家試験について
看護師国家試験は毎年2月頃に実施されており、試験地は下記の12都道府県で行われています。
- 北海道
- 青森県
- 宮城県
- 東京都
- 新潟県
- 石川県
- 愛知県
- 大阪府
- 広島県
- 香川県
- 福岡県
- 沖縄県
試験内容は、
- 必修問題が1問1点で50問出題
- 出題基準で定められた11科目の一般問題が1問1点で130問
- 判断力や問題解決能力に関する状況設定問題が1問2点で60問出題
上記のような内訳となっており、合格基準の目安は「必修問題が50点中40点以上、一般問題と状況問題が合計250点満点中159点以上」とされています。
また、厚生労働省が公表している直近の看護師国家試験のデータによると、受験者数や合格者数、合格率は90%前後となっています。
| 実施回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第111回(2022年) | 65,025人 | 59,344人 | 91.3% |
| 第110回(2021年) | 66,124人 | 59,769人 | 90.4% |
| 第109回(2020年) | 66,250人 | 55,568人 | 89.2% |
| 第108回(2019年) | 63,603人 | 56,767人 | 89.3% |
| 第107回(2018年) | 64,488人 | 58,682人 | 91.0% |
※出典:厚生労働省
上記のように、しっかりと勉強しておけば「ほぼ受かる」難易度です。
看護師国家試験を受験するためにはいくつか書類を用意する必要があるので、下記の書類は事前に用意しておくと良いでしょう。
- 受験手数料:5,400円
- 証明写真(高さ6センチ×幅4センチ、出願6ヶ月以内のもの)
- 受験願書
- 返信用封筒(縦23.5センチ×横12センチのもの、529円分の郵便切手の貼付が必要)
上記の他にも、一定の要件に該当する方は下記の書類も必要となります。
- 高校卒業者、または実務経験3年以上の准看護師:指定学校の修業証明書もしくは2年課程修了の証明書、卒業見込み証明書のいずれか+准看護師免許証のコピー
- 看護系学校卒業(見込み)の方:卒業判定証明書や卒業見込証明書などの修業や卒業を証明できる書類
基本的に、出願受付期間内に提出が求められるので、早めに用意して看護師国家試験運営本部事務所へ郵送するか、又は各試験地に設置されている看護師国家試験運営臨時事務所へ直接持参しましょう。
准看護師試験について
准看護師試験は、各都道府県で2月上旬~中旬にかけて年に1回実施されています。
都道府県によって試験日が異なっており、先述したように複数県での受験が可能なので、不安な場合は併願しましょう。
なお、試験は下記のようなスケジュールで進むので、イメージしておくと良いでしょう。
- 10月~12月:願書等提出
- 2月上旬~中旬:試験日
- 3月上旬~中旬:合格発表
なお、出題科目は下記中から1問1点で全150問が出題され、准看護師の出題内容は各都道府県で異なりますが都道府県ごとで難易度に大きなブレはありません。
- 人体の仕組みと働き
- 食生活と栄養
- 薬物と看護
- 疾病の成り立ち
- 感染と予防
- 看護と倫理
- 患者の心理
- 保健医療福祉の仕組み
- 看護と法律
- 基礎看護
- 成人看護
- 老年看護
- 母子看護及び精神看護
出題範囲は広いものの、問題そのものの難易度はそこまで高くないので、満遍なく勉強することを意識しましょう。
准看護師の合格率

准看護師試験の過去5年間の合格率は96%~99%と非常に高く、受験者のほとんどが合格できるレベルとなっています。
とはいえ、全く勉強していないと不合格になってしまう可能性があるので、しっかりと準備しておきましょう。
看護師国家試験と比較すると、受験資格を得るまでの期間も短く試験そのものの難易度も低いので、手始めに看護系の資格取得を目指している方におすすめです。
看護師資格取得までの学費事情
看護師資格の取得を目指すにあたって気になるのは、取得するまでのお金事情です。
こちらのトピックで、看護師資格取得までの学費について解説していきます。
看護学校の場合
看護学校に通う場合は私立か国公立かによっても大きく変わって来ますが、概ね下記のようになります。あくまで参考程度にご覧ください。
3年制(専門学校)の場合
- 入学金:182,000円
- 授業料:729,000円
- 設備費:134,000円
- 実習費:66,000円
- その他:45,000円
出典:公益社団法人東京都専修学校各種学校協会「令和4年度 学生・生徒納付金調査」
これに加えて、通学費や教材費などが上乗せされることを考えると、専門学校の1年の通学に必要な額は100万円近くになり、3年間で考えると300万円以上となるでしょう。
4年制(大学)の場合
| 国立 | 公立 | 私立 | |
|---|---|---|---|
| 入学金 | 282,000円 | 地域内での入学:230,347円 地域外からの入学:393,618円 | 245,951円 |
| 授業料 | 535,800円 | 538,633円 | 930,943円 |
出典1:文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
出典2:文部科学省「平成30年度学生納付金調査結果」
出典3:文部科学省「令和3年度 私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
大学の費用も、国公立か私立かで大きく異なってきます。
やはり4年制の国公立大学の方がコストを抑えることが可能なので、コストを抑えたい場合は国立の学校を目指すのがおすすめです。
ただし、国公立でも4年間の授業料で200万円以上が必要になります。私立では授業料に加え、施設設備費なども加算されることが多いため、4年間での総費用は400万円を超えると考えておくのがよいでしょう。
なお、公立大学については、大学の地域内での入学か、地域外からの入学化によって入学金が異なってきます。
看護系学校の費用が高くなってしまう理由としては、
- 病院や学内で実習がある
- 学内で使用する病態を模した高性能シミュレーターが非常に高額
- そのほかにも設備等の費用がかさむ
上記のようなものが挙げられます。
准看護学校の場合
准看護学校の場合は、通学年数が2年と短いこともあり、看護学校に通う場合よりも学費を低く抑えることができます。
日本准看護師連絡協議会によると、学校形態や受講形式によって異なりますが、授業料は月に25,000〜40,000円となり、年間では30〜48万円程度となります。
授業料・入学金・施設利用費・実習費などをすべて含めて、2年間で100万円~200万程度が目安となります。
一定の貯金があれば工面できる金額となっているので、准看護師資格を取得したい方にとっても安心です。
奨学金制度も使える
看護師や准看護師の学校へ通う場合、資金の捻出が難しいケースもあります。
こちらのトピックで、准看護師学校へ通う際に利用できる奨学金制度について紹介していきます。
日本学生支援機構の奨学金
まずは、日本学生支援機構の奨学金について紹介していきます。
准看護師学校は「専業学校区分」になるため、返済免除は無く卒業後に働きながら返済する必要があります。
月額3万円から返済が可能で、少額の融資なども取り扱っているので、幅広いニーズに対応できます。
他にも、医師会所属病院における学費減免や生活扶助、複数の奨学金制度を同時に利用できる場合もあるため、相談してみると良いでしょう。
病院付属学校の奨学金
次に、病院付属学校の奨学金について紹介していきます。
病院付属学校の奨学金の制度や仕組みは、病院によって様々です。
必ずしも奨学金を受けた病院で働く必要はありませんが、付属病院で働いた際に返済免除などのインセンティブが受けられる可能性があるので、確認しておきましょう。
自治体や都道府県の奨学金
次に、自治体や都道府県の奨学金について紹介していきます。
自治体や都道府県の奨学金は返還免除の規定が設けられているものが多く、卒業までもらえるので准看護師を目指す多くの方から利用されています。
毎月の授業料程度の金額が支給されますが、金額は各自治体によって異なるので事前に確認しておきましょう。
卒業後も、自治体内の指定の病院において一定期間働くことで返済が免除されるケースが多いです。
通信制(2年)進学者対象の奨学金
次に、通信制(2年)進学者対象の奨学金について紹介していきます。
日本看護協会の会員であれば、通信制(2年)進学者対象の奨学金を利用できます。
准看護師から正看護師へ目指す際に、看護師学校養成所に通信課程で入所する人を対象としているので、看護師を目指す方は知っておくと良いでしょう。
他の奨学金との併用が可能で、年額36万円または48万円が支給されます。
返済方法としては、養成所の卒業後に一括や月賦・半年賦などの方法で返済可能です。
准看護師って何?
そもそも、看護師系の資格には厚生労働大臣発行の国家資格である看護師と都道府県知事発行の免許である准看護師の2種類があります。
准看護師は看護師の下位資格にあたり、看護師と違うポイントとして「准看護師は医師・歯科医または看護師の指示のもと、業務を行う」いう点が挙げられます。
つまり、准看護師が看護業務を行う際には医師・歯科医または看護師の指示を受けた上で行わなければなりません。
しかし、看護業務そのものは看護師と大差ないので、いざ働いてみるとそこまで大きな違いを感じる場面は少ないでしょう。
なお、厚生労働省の令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者の概況)によると、准看護師の就業人数は令和2年時点で約26万人で、約35%が病院、約62%が診療所・訪問ステーション・社会福祉施設・介護保険施設等に勤務しています。

2010年~2020年にかけて准看護師数は男女共に減少傾向ですが、男女比で見ると男性の割合が増加傾向にあります。
准看護師になる勇気を持って
准看護師になるためには、受験資格を得るための専門教育を受けて都道府県知事主催の准看護師試験に合格する必要があります。
准看護師資格を取得するまでに長い時間がかかってしまう可能性はありますが、准看護師資格の取得をきっかけに正看護師へのステップアップが可能となります。
また、医療機関において准看護師や看護師は人手不足の状況にあり、常にニーズがあることを考えると、資格を取得するメリットは大きいです。
職業人生が豊かになるメリットも期待できるので、もし取得を躊躇っている方がいたら、ぜひ准看護師資格の取得を目指しましょう。
准看護師は看護師とどう違うの?
准看護師と看護師の大きな違いとして、免許の発行主体と業務の進め方が挙げられます。
看護師は、国家試験に合格した後に厚生労働大臣から免許を受けるのに対して、准看護師は都道府県試験を合格した後に都道府県知事から免許を受けることになります。
つまり、「国が発行する資格」「都道府県が発行する資格」という点で、資格の格に違いがあることが分かるでしょう。
さらに、准看護師と看護師は求められる能力の水準が異なります。
日本看護協会の「看護業務基準」によると、看護師は「科学的根拠に基づき、看護を計画的に実践する基礎的能力」が求められているのに対して、准看護師は「医師、歯科医師、又は看護師の指示のもとに、療養上の世話や診療の補助を、対象者の安楽を配慮し安全に実施することができる能力」が求められています。
また、保健師助産師看護師法においても、「准看護師は自らの判断で業務を行うことはできず、必ず医師・歯科医師、看護師の指示を受けた上で」看護業務を行わなければならないと規定されています。
年齢や経験に関係なく、法令上「准看護師から看護師へ指示をすることは不可能」なので、やはり看護師資格の方が格上という事実は絶対です。
なお、准看護師と正看護師の違いを表にまとめると下記のようになります。
| 准看護師 | 看護師 | |
|---|---|---|
| 取得要件(最終学歴) | 中学校卒業 | 高校卒業 |
| 取得までの最低年数 | 2年以上 | 3年以上 |
| 取得までの必要履修 | 総時間数:1,890時間 基礎分野70、専門基礎分野350・専門分野1,470(うち臨地実習735) | 総単位数:102単位 基礎分野14、専門基礎分野22・専門分野66(うち臨地実習23) |
| 資格の発行元 | 都道府県知事 | 厚生労働大臣 |
| 業務について | 医師・看護師などの指示を必要とする 自分の判断による看護業務は不可 | 自分の判断で看護業務が可能 |
| キャリアアップの選択肢 | 看護師 | 保健師・助産師・特定看護師など様々 |
准看護師の仕事内容
准看護師と看護師で業務範囲に差はありませんが、「自分の判断で看護業務ができるか」という点が大きな違いです。
具体的な仕事内容は勤務先や配属先によって異なりますが、基本的に医師・歯科医師・看護師の指示を受けてバイタルチェックや手術、診療の補助、カルテの記入など行っています。
そして准看護師にできない主な業務としては、自分の判断で上にあげたような業務を行うことや、看護師へ指示を出すことなどがあります。また看護計画を立案することも准看護師にはできません。
准看護師ができないことをしっかりと把握しておき、法令違反を起こさないように気を付けましょう。
准看護師はどういう働き方?
続いて、准看護師の具体的な働き方について解説していきます。
1日の流れや休日などを紹介するので、参考にしてください。
准看護師の1日の流れ
病院勤務の場合、患者の療養生活を24時間体制で見守る必要があるため、必然的に夜勤が発生します。
シフトは職場によって2交替制と3交替制に分かれていますが、2交替制の准看護師のスケジュールについて見てみましょう。


参考:ジョブメドレー
上記のように、日勤の場合と夜勤の場合で仕事内容は異なります。
夜勤の場合は定期的にラウンド業務が必要となるため、交代で仮眠しながら勤務する形となります。
准看護師の休日について
看護の仕事は24時間365日対応が必要となる性質上、准看護師の勤務形態はシフト制で休日は不定期となります。
ただし、クリニックや訪問看護ステーション、デイサービスの場合は定休日が決まっていているケースが多く、決まった曜日に休むことができるケースが多いです。
週の所定休日は職場によって異なりますが、多くの場合は週休2日となっています。
准看護師の主な勤務先
准看護師の勤務先の7割が病院・クリニック(診療所)で、次いで介護保険施設等となっています。
一方で、看護師の8割が病院やクリニックなどの医療機関に勤務しており、介護保険施設等に勤務している看護師は6.5%とかなり少ないです。
病院
病院とは複数の診療科と20以上の病棟を持つ医療機関を指しており、中規模以上の医療機関は「病院」という括りになる、というイメージで問題ありません。
病院には様々な診療科があるため、仕事内容は配属される診療科によって異なります。
准看護師として勤務する場合も、基本的な看護技術に加えて診療科の専門知識を習得できます。
クリニック
クリニックとは、特定の診療科目の診療を行っており、入院設備が無いか19以下の病床を持つ小規模な医療機関を指しています。
クリニックで働く准看護師の仕事内容も、病院で勤務する准看護師と大差ありません。
- 診療前の問診や検査の説明
- 採血
- 注射
- 点滴
上記のような一般的な診療補助に加えて、会計や受付、清掃などの雑務を行う必要があります。
基本的に、クリニックで勤務する場合は診療時間・診療曜日が決まっているので、夜勤が無く休める曜日も固定です。
高齢者用施設
高齢になればなるほど心身が衰えて医療を受ける機会が増えるので、高齢者用施設においても准看護師は活躍しています。
老人ホームなどをはじめとした高齢者用施設では、バイタルチェックや看護記録の作成、服薬管理などの健康管理を中心に行っており、必要に応じて生活介助なども行います。
施設の種類によって利用者の要介護や抱えている疾病は異なるので、准看護師に求められる役割や夜勤の有無も異なります。
少子高齢化が進んでいる日本においては常にニーズのある職場ですが、もし高齢者用施設への就職を検討している場合は施設の特徴などを確認しておきましょう。
准看護師としてキャリアを築くためには
准看護師は取得までのハードルが低く、多くの人が目指せるメリットがある一方で、下記のようなデメリットも存在します。
- 看護師と教育内容が違うため、知識・技術面を補うための教育や自己啓発が必要になる
- 法律上、准看護師は自分の判断で看護業務を行うことができない
- 准看護師が管理職になることが難しい
上記のように、看護師よりも習得できる知識の専門性が低い上に、昇進に関しても障害があることが分かります。
スキル面に関しては、日々の業務をこなすことで看護師レベルに到達できますが、昇進や出世を望む場合は看護師資格が必要です。
近年は、准看護師のモチベーションを高める目的で、准看護師に業務リーダーや准看護師をまとめる副主任などのポジションを用意するなど、病院独自の工夫を行っているところもあります。
そのため、准看護師としてキャリアを築くためには、正看護師を目指すなどの自己啓発を行うことに加えて、職場内のルールなどをしっかり確認することが重要です。
准看護師から看護師になるには

准看護師から看護師へのステップアップを実現するためには、2年制の看護師養成所の課程を修了した上で看護師国家試験に合格する必要があります。
2年制の看護師養成所には、
- 全日制
- 定時制
- 通信制
上記の3種類がありますが、全日制と定時制の看護師養成所は准看護師資格があれば受験可能です。
ただし、受験にあたって中学卒業後に准看護師になった人の場合は3年以上の実務経験が必要となるので、養成所へ入所する要件なども確認しておきましょう。
また、通信制の看護師養成所を受験する場合は、准看護師資格に加えて7年の実務経験が必要となるので注意しましょう。
准看護師の給料
続いて、准看護師の給料について見ていきましょう。
給料事情は働くモチベーションに大きく影響するので、しっかり確認しておくことが重要です。
准看護師の平均の月給
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、准看護師の平均月給は29万6200円という結果でした。
また、平均賞与は62万7300円なので、平均年収は418万7000円となります。
令和4年度における日本人の平均年収は約433万円なので、准看護師の平均年収は日本人の全体平均をやや下回っていると言えます。
准看護師と看護師を比較
続いて、准看護師と看護師の給料を比較してみましょう。
| 准看護師 | 看護師 | |
|---|---|---|
| 月収 | 29万6200円 | 35万1600円 |
| 賞与 | 62万7300円 | 86万2100円 |
| 年収 | 418万1700円 | 508万1300円 |
上記のように、准看護師と看護師では月給で約5万円、年収で約90万円の差があることが分かります。
やはり、看護師は准看護師の上位資格・上位職種で、仕事の責任感も異なることで給料にも差が生じています。
また、准看護師は看護師と比較して夜勤の多い病院に勤務する割合が少なく、管理職やリーダー職への昇進が難しいことも影響していると考えられます。
夜勤手当が少なく、役職手当などの諸手当が支給されないことを考えると、年間で約90万円もの差が生まれてしまうのは致し方ないと言えるでしょう。
准看護師の給料について、こちらの記事でも詳しく解説しています。
看護師に向いている人の特徴
看護師に限った話ではありませんが、業種や職種によって向き不向きがあるので、自分が看護師に向いているかどうかを自己分析することは重要です。
なお、下記のような方は看護師に向いていると言えるでしょう。
- 責任感がある人
- 体力的もあって精神的にも強い人
- 向上心や学習意欲の高い人
- コミュニケーション能力が高い人
- 素早い行動ができる人
- 人と接することや人と関わることが好きな人
看護の仕事は患者の命に向き合うという特性上、常に責任感を持って業務に当たらなければなりません。
医療の技術は日々進歩しているので、向上心や学習意欲が高く自己研鑽を積むことに抵抗感がない人も向いていると言えるでしょう。
また、診療科によっては患者の様態急変の場に遭遇することもあるため、冷静に素早く行動することができ、職場内で適切にコミュニケーションを取れる人は現場で重宝される可能性が高いです。
准看護師の今後は
准看護師資格が創設されたのは戦後間もない頃なので、高校に進学する人はかなり少ない状況でした。
しかし、現在は高校進学が当たり前になっているので、いきなり看護師資格の取得を目指す人が多く、准看護師の就業者数は年々減っています。
実際に、年収面から見ても准看護師は看護師よりも格下であるのは否めませんが、准看護師には「看護師よりも資格取得にかかる費用も期間も少ない」という有利点もあります。
また、准看護師は資格取得のハードルが低いので、様々なライフスタイルの人が目指しやすい資格なので、「まずは手始めに准看護師から取得したい」という人も少なくありません。
さらに、近年は少子高齢化の影響もあり、医療機関だけで無く高齢者施設をはじめとした高齢者向けサービスを提供している事業所においてもニーズが高まっています。
准看護師資格の取得をきっかけに看護師を目指すことも可能で、その後もキャリアアップをすることができるので、看護系の仕事に興味がある方は准看護師を目指すと良いでしょう。
准看護師資格取得は割に合う自己投資
准看護師は正看護師よりも格下である上に合格率がほぼ100%なので、「取得する価値が無い」と感じてしまう方も少なくありません。
実際、受験資格を満たしており、「看護師で働く」という強い意志を持っている方であれば、准看護師を飛ばして看護師試験を受験するのがおすすめです。
しかし、「看護業界での就労を検討している段階」「自分が看護業務に向いているのか不安なので、まずは試しに働いてみたい」という方にとって、准看護師資格の取得は割の良い自己投資となります。
期待できる経済的メリットをざっと挙げるだけでも、
- 准看護師よりも看護師の方が資格手当が高い
- その他の職種へのキャリアアップがある
- 夜勤がある大病院への転職のチャンスが生まれて、夜勤手当などが支給されるようになる
- 管理職への出世の可能性が高まる
上記のようなものが挙げられます。
実際に准看護師として働き、実務経験を積む中で「自分は看護業務に向いている」と感じた場合は、看護師へのキャリアアップを目指したり大病院への転職を目指すと良いでしょう。
逆に、もし実務を通じて「自分は看護業務には向いていない」と感じた場合は、異なるキャリアを検討すれば良いだけの話です。
この場合、もちろん学費などは無駄になってしまうことになりますが、100万円程度であれば人生が破滅してしまうほどの致命傷にはならないでしょう。
取得を通じて先述したような様々な経済的メリットやキャリアアップのメリットが期待できる、ぜひ積極的に自己投資を行ってみてください。
准看護師の資格についてまとめ
- 准看護師の試験は非常に簡単
- 給料は正看護師よりも低いが、准看護師の取得は正看護師へのキャリアアップの足掛かりとなる
- 少子高齢化に伴って、准看護師の需要は高まっていく
- 准看護師の取得は質の高い自己投資である
准看護師になるには准看護師試験に合格する必要がありますが、合格率は非常に高いので働きながらでも主婦の方でも取得できます。
取得することで正看護師へのキャリアアップの道が拓けたり、就職に困らなくなるメリットがあるので、興味がある方は積極的に取得を目指しましょう。
また、就職先や転職を探す際には、本記事で紹介した転職サイトを利用すると、効率よく求人情報を集めることができるでしょう。
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。