准看護師が就職できないって本当?仕事がブラックな噂や転職についても解説
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
「准看護師は就職できないって、本当?」
「准看護師は給料が安くて後悔するって聞いたけど...」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、准看護師が「就職できない」わけではありません。
実際に医療機関や高齢者施設などで需要はあり、働ける場はあります。
一方で、業務範囲の違いから求人条件が限られやすいのも事実です。
本記事では、准看護師が就職しづらいと言われる理由と、希望条件に合う職場を見つける具体策を整理します。
准看護師に興味がある方に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。
准看護師は看護師より求人数が少ないから
医師や看護師の指示がないと看護業務ができないから
スキルと知識を伸ばしづらいから
准看護師は就職できないって本当?

准看護師資格を有している方の中にはなかなか就職できないという悩みを抱えている方も多いでしょう。
准看護師は医療機関で重要な役割を果たしているとはいえ、看護師よりも行える業務が限られます。
そのため、看護師と比較して就職で苦労することが多い点は否めません。
准看護師の就職先で多いのは?
准看護師の就職先候補は、下記のように幅広いです。
総合病院
一般病院
大学病院
訪問看護ステーション
老人保健施設
特別養護老人ホーム
デイケアサービスセンター
児童福祉・身体障害者福祉施設
民間企業

上記グラフのように、准看護師の就職先の中心となるのは医療機関です。また、日本は少子高齢化が進んでいるため、特別養護老人ホームなどの高齢者施設でも准看護師の需要が増えています。
医療機関や高齢者施設ほど多くはないものの、民間企業へ就職することも可能なので、准看護師の活躍の幅は広いと言えるでしょう。
そのため、「准看護師は就職できない。」ということはないです。
准看護師は看護師より求人数が少ない
しかしながら、准看護師の求人は看護師と比較すると少ないです。
看護師は「自らの判断」で看護業務を行えるのに対し、准看護師は「医師か看護師の指示があったとき」のみ看護業務を行えます。
業務の幅は看護師の方が広いことから、准看護師は看護師よりも応募できる求人が限られてしまうのです。
採用する側としても、臨機応変に対応できる看護師を重宝する傾向にあります。
准看護師は業務範囲に一定の制約があるため、職場の体制(看護師配置・指示系統)によっては役割分担が難しくなる場合があります。
その結果、求人によっては看護師資格を優先することもあります。
准看護師や看護師の需要は高まっていく
看護師よりも高い評価を得にくい准看護師ですが、准看護師や看護師の需要は高まっていくと予測できます。
少子高齢化が進むと医療機関にかかる人口が増えるため、医療機関としても看護に関する専門的な知識を有している人材を欲します。そのため、看護師だけでなく准看護師も、需要は高まっていくでしょう。
とはいえ、准看護師よりも看護師のほうが、就職においてメリットを受けやすいのは事実です。准看護師資格を保有しており、キャリアアップを目指すのであれば、看護師を目指すのがおすすめです。
准看護師と正看護師の違いはあるの?

准看護師と看護師は「看護業務を行う」という本質は共通していますが、仕事内容には違いがあります。
以下で、准看護師と正看護師の資格の違いや年収の違いなどを解説します。
資格の違い
准看護師は単独で看護業務を行うことができず、医師や看護師から指示を受けて業務を行うことが義務付けられています。
一方で、正看護師は国家資格の1つで、自らの判断で看護業務を行えます。また、准看護師に対して指示を出すこともできるため、准看護師の上位資格と言えるでしょう。
また、准看護師資格は都道府県知事が発行しますが、正看護師資格は厚生労働大臣が発行しています。できる仕事の幅も広いため、これから資格取得を目指す方には正看護資格の取得をおすすめします。
年収は100万円も違う!?
准看護師と正看護師の収入を比較すると、下記のとおりです。
准看護師 | 看護師 | |
|---|---|---|
月収 | 29.4万円 | 36.4万円 |
賞与 | 64.0万円 | 83.5万円 |
年収 | 417.2万円 | 519.7万円 |
准看護師の年収は約417万円である一方で、看護師の年収は約520万円です。100万円もの差がついていることから、生涯年収においても大きな差がつくと考えられます。
責任の重さや業務範囲の広さを考えると、准看護師よりも正看護師のほうが高い年収を得られるのは当然です。そのため、「もっと待遇を上げたい」と考えている准看護師の方は、正看護師へのキャリアアップを検討しましょう。
正看護師と准看護師の給料の違いの詳細な情報は、以下の記事で紹介しています。
できることにも違いがある
准看護師と正看護師を比較すると「できること」にも違いがあります。
准看護師は正看護師よりも行える仕事が狭いため、就職活動や転職活動で不利になりやすい点は知っておきましょう。
看護師と准看護師では求められる業務が違う
保健師助産師看護師法によると、看護師とは「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」を指します。
一方で、准看護師は「医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」と定義されています。
准看護師は、資格取得の過程において判断力を身に着ける教育を受けてないため、看護業務を行うにあたって「医師や看護師から指示を受けることが前提」です。
一方で、看護師は資格取得の過程において看護計画を学び、それを実行する力を養成しています。そのため、看護師は自分の判断で看護を行うことができるのです。
看護業務を自己判断でできない
准看護師は、看護業務を自己判断で行うことはできません。
准看護師は「医師や看護師の指示を受けてから」しか業務を行えないため、看護師よりも業務効率が落ちてしまいます。
そのため、医療機関や高齢者施設においては、准看護師よりも看護師のほうが重宝されやすいのが現実です。
看護計画をたてられない
准看護師は、患者の看護計画を立てることができません。そもそも、資格取得の過程において計画立案の教育を受けていないためです。
十分な看護経験があり「看護計画を立てるスキルがある」という状況だったとしても、准看護師には看護計画の立案が認められていません。
看護師に指示できない
准看護師は、看護師に対して指示を出すことはできません。そもそも「看護師が指示を出す側」の立場だからです。
年齢や実務経験の長さに関係なく、准看護師は看護師に対して指示を出すことはできません。
緊急対応の場合を除き、基本的に看護師の指示通り動くことが求められている点は押さえておきましょう。
管理職にキャリアアップできないことが多い
一般的に、准看護師は管理職へのキャリアアップができません。准看護師は医療現場における看護が主な仕事となるため、管理職へのキャリアアップは期待できないのです。
また、実務の手技は現場で近い内容を担うこともありますが、准看護師は「自己判断での看護」や「看護計画・指示系統」に制約があるため、職場によっては経験の幅が広がりにくい場合があります。
管理職になれば収入アップが期待できますが、准看護師の場合は管理職へのキャリアアップは期待薄です。
そのため、先述したように准看護師と看護師では年収の差が付きやすいと言えるでしょう。
仕事の内容は看護師と同じ
「看護師にはできて准看護師にはできない」ことがありますが、その他の仕事内容には、ほとんど違いがありません。
例えば、以下の業務は准看護師でも行うことが可能です。
血圧、脈拍、体温の測定
点滴の作成、投与
採血、点滴路の確保
生活介助
配薬、セット
手術、処置の補助
体位変換
夜勤巡回、夜間患者対応
カルテ入力業務
実態として、看護師と准看護師の業務内容はほとんど変わりません。
資格の格差があるのは確かですが、看護に関するスキルに関しては「ほとんど差がない」と言えるでしょう。
准看護師の資格を取得する人が多い理由

看護師の方がキャリア的にも経済的にも有利である中で、准看護師を取得する方が多いのはなぜでしょうか?
以下で、准看護師の資格を取得する人が多い理由について解説します。
試験の合格率が高い
准看護師試験の合格率は、97~98%と非常に高い特徴があります。都道府県ごとに開催されており、受験地域を変えれば年に2回受験することも可能です。
資格取得しやすく、心理的なハードルも低いことから「まずは准看護師資格を目指そう」と考える方が多いと考えられます。
費用が安く、2年で資格を取得できる
准看護師は、看護師よりも資格取得にかかるコストを抑えられます。学校によって差はありますが、看護師資格の取得までに300万円以上かかるケースが多い一方で、准看護師は200万円程度で済みます。
また、看護師は取得までに3年以上かかる一方で、准看護師は2年で資格を取得できます。看護師よりもスムーズに資格取得できることから、なるべく早く看護職に就きたい方にとって、准看護師のほうが好相性なのです。
働きながらでも資格を取れる
准看護師は、働きながらでも資格を取得できます。養成所には2年通う必要がありますが、授業を行う時間帯を選択できるため、ライフスタイルに合わせて柔軟に勉強できます。
朝から夕方にかけて授業を行う全日制や、平日の午後や夜間に授業を行う半日制の学校があるため、勉強しやすい方法を選択できる点がメリットです。
看護学校は、平日の日中に授業を行うため、看護師資格を働きながら取得するのは現実的ではありません。
このように、就労と勉強の両立がしやすい点も、准看護師資格を取得する人が多い理由と言えるでしょう。
准看護師資格のメリットについては日本准看護師連絡協議会のサイトに詳しく載っているので詳しく知りたい人は参照してください。
准看護師が退職を考える理由5選

准看護師は医療機関で重要な役割を果たしていますが、仕事の中で悩みを抱えることも少なくありません。
以下で、准看護師が抱えやすい仕事の悩みを解説します。
キャリアアップが期待できない
准看護師は、キャリアアップが期待できないデメリットがあります。看護師長や専門看護師、認定看護師は看護師資格を持っていることが前提です。
そのため「仕事のやりがいを感じたい」「キャリアアップして収入を上げたい」と考えていても、希望を叶えることはほとんどできません。
看護の世界でキャリアアップするためには、看護師資格が必須となる点には留意しましょう。
看護師と業務範囲が同じで不満を感じやすい
実態として、看護師と准看護師は業務内容ほとんど同じです。しかし、年収は看護師のほうが約100万円も高く、不公平感を感じやすい点は否めません。
准看護師は「看護師や医師の指示のもと」に動くため、仕事を行うえで様々な制約があります。
「ほとんど仕事内容は同じなのに給料が安い」点に不満を感じ、「准看護師で就職したことを後悔している」と捉える方も少なくありません。
就職先が看護師より狭まる
准看護師は、就職先の選択肢が看護師より狭まってしまう点は否めません。
准看護師の就職先は幅広い一方で、医療機関の種類によっては「准看護師募集が少ない/看護師資格を前提にしている」など、応募できる求人が限られる場合があります。
看護師の求人がある一方で、准看護師の求人を出していない病院も多くあることから、准看護師は「就職しづらい」と感じることもあるでしょう。
准看護師は看護師の指示待ち
准看護師が看護業務を行う際には、「医師か看護師の指示」を受ける必要があります。
自分の判断で業務を行えないことから、社会的な立場の低さを痛感する方も少なくありません。患者の要望に対してスムーズに動けないことから、肩身が狭い思いをすることもあるでしょう。
法律上のルールなので仕方ないとはいえ、様々な制約があることで劣等感を感じることも少なくありません。
准看護師はスキルアップの機会が限られる
准看護師は、スキルアップの機会も限られています。看護師を対象としたセミナーは准看護師が出席できないため、せっかくの学びの機会を逸してしまいます。
実際に、准看護師は看護師よりも研修への参加をはじめ学ぶ機会が少ないため、看護師との差が開いてしまうことも少なくありません。
「自分の知識やスキルを向上させたい」と考えている方は、看護師へのキャリアアップを検討する必要があるでしょう。
准看護師からのキャリアアップは?
准看護師は、看護師と比較してキャリアアップの機会が限られています。
しかし、准看護師でも努力をすることで、医療業界でキャリアアップすることが可能です。
看護師になる
管理職へのキャリアアップを目指している方、専門看護師・認定看護師になりたい方は看護師資格の取得を目指しましょう。
看護師になることで看護計画を立てられるようになり、自分の判断で看護業務を行えることから、職場における信頼もつかみやすいです。
また、就職先の選択肢が多くなることで、理想のキャリアを実現できる確率も高まります。看護師になれば、地位が向上するだけでなく行える業務の幅も広がるので、看護師資格を取得するメリットは大きいでしょう。
准看護師から看護師になるための詳細な情報は、以下の記事で紹介しています。
准看護師として管理職を目指す
准看護師でも、看護師長などの管理職になるのは可能です。法令上「准看護師は管理職になれない」と定められているわけではないため、准看護師が管理職になる可能性はゼロではありません。
准看護師が管理職を目指せるかは職場によって異なります。
医療機関では看護師資格を前提とする場合が多く、管理職ルートに乗りにくい傾向があります。
一方で、施設によっては勤務年数や経験を評価し、准看護師が役職に就いているケースもあります。
医療機関の中には、資格の格ではなく勤務年数や経験を考慮して評価するところがあります。
また、介護施設は医療処置が少なく、日常生活上の健康管理や生活介助業務が中心です。
そのため、介護施設の中には、准看護師でも管理職を務めている事例が実際に多く見られます。
准看護師におすすめの転職サイト
准看護師が管理職を目指すためには、転職も一つの手段です。転職することで、より自分を高く評価してくれる環境へ身を移すことができます。
以下で、准看護師におすすめの転職サイトを紹介します。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)

准看護師向けの求人が4.5万件以上
職場の内部情報まで教えてくれる
LINEでの相談も可能
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)は、利用者からの評価も高く、看護師や准看護師向けの求人が非常に多いです。
レバウェル看護では、年間4000回以上職場訪問を実施しており、元職員の退職位理由など職場の雰囲気まで知ることができます。
仕事が忙しい中で、なかなか転職活動ができない中でもLINEで相談することができるので安心です。
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)

引用元:ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)公式サイト
正社員からパートまで幅広い求人
利用者満足度が非常に高い
地域専任のキャリアパートナーのサポート
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)は、非常に多くの看護師や准看護師に利用されている、看護系の転職サイトです。
顧客満足度も3年連続No.1を誇っており(※)、競争率の高い職場の就職支援なども行ってくれる点も大きな魅力です。
転職サポートを行ってくれるキャリアパートナーが、専門知識を持って的確なサポートをしてくれるので、キャリアアップのための職場選びや、准看護師でも輝ける職場などを探してくれるでしょう。
※2026年 オリコン顧客満足度®調査 看護師転職ランキング
マイナビ看護師

引用元:マイナビ看護師公式サイト
認知度No.1の転職サイト(※)
求人数は8万件以上(2025年12月時点)
病院から美容クリニックまで幅広い求人
マイナビ看護師は、大手人材紹介会社のマイナビの看護系転職エージェントで、2025年12月時点で独占求人・非公開求人を含めて80,000件以上の求人数を誇ります。
また、病院だけでなく、トラベルナースや一般企業、美容クリニックなど、多種多様な求人が掲載されていることも魅力です。
マイナビ看護師は、職場を直接訪問して情報収集を行なっているため、職場の雰囲気など求人情報だけではわからない部分についても知ることができます。
※看護師を対象とした人材紹介サービス14ブランドにおける調査結果(GMOリサーチ株式会社)(2021年7月)
准看護師が就職できない理由まとめ
求人数が少ないのは事実だが、就職できないわけではない
看護師資格の取得を目指すと選択肢が増える
准看護師からキャリアアップすることは可能
「准看護師は給料が安く割に合わない職場」「准看護師になると後悔する」という声があるのは事実です。
しかし、准看護師は将来性が高い資格で、実際に医療機関で重要な役割を担っています。
准看護師は看護師よりも就職で不利である点は確かですが、看護師資格を取得を目指すなど、努力と工夫をすることで待遇を改善できます。
また、現在の職場環境を変えたい場合は、転職エージェントに頼ることも効果的です。転職エージェントは、転職市場の状況や求められる人材を把握していることから、相談者にとって最適なキャリアプランを考えてくれるでしょう。
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。