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准看護師は管理職になれない?役職につきにくい理由や問題点について解説

2025年01月13日
キャリアアップ

この記事は看護師に監修されています

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看護師

城戸あき(しろと あき)

「准看護師は管理職になれない?」

「管理職になれる方法はあるの?」

このような疑問を感じている准看護師の方は多いのではないでしょうか。

しかしながら、准看護師だからといって管理職になれない、役職に就くことができないわけではありません。

一方で准看護師が管理職になれるか否かは、働く場所での管理職の役割によって異なります。そのため、管理職としての仕事と看護の仕事を理解する必要があります。

この記事では、管理職の担う役割と看護の仕事の役割、准看護師が役職に就いた場合の注意点について解説していきます。

准看護師についてざっくり説明すると
  • 都道府県知事発行の免許である

  • 業務内容は看護師とほぼ同じだが医師・歯科医師又は看護師の指示を受けて業務を行っている

  • 看護師との違いとして、自分で判断して看護業務を行うことはできない

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准看護師は管理職になれない?

准看護師は管理職になれないわけではありませんが、できる業務とできない業務があります。

ここでは、法律も含めて准看護師が管理職になることが可能なのかついて説明していきます。

法律的にはどうなの?

准看護師は働く場所によって管理職になることは、限りなく難しい場合があります。

正看護師と准看護師の役割は、どちらも「保健師助産師看護師法」(保助看法)に定められています。

法律の中で、正看護師は、「療養上の世話または診療の補助を行う」とされています。

一方で准看護師は、「医師・歯科医師又は看護師の指示を受けて、療養上の世話または診療の補助を行う」となっているのです。

よって正看護師は准看護師に対して指示を出すことができますが、准看護師は正看護師へ指示を出すことができません。

管理職は、他の看護師のマネジメントをする役割を担っていますので、指示ができない准看護師ではマネジメントを行うことが難しいのが現状です。

また厳密に禁止されてはいませんが、指示を出した場合は法律に接触してしまう可能性もあります。

業務上のトラブルが起きやすい

准看護師と看護師では法律上責任の範囲が異なります。

准看護師は都道府県知事発行の免許であり、国家資格ではありません。

一方で看護師は厚生労働大臣発行の免許であり、国家資格です。

そのため、看護上のトラブルがあった場合、准看護師は看護師の指示を受けて看護業務にあたっていたのかが問題となります。

また准看護師が管理職を行っていた場合、法律上は、管理職でない看護師が管理職である准看護師へ指示を出す形となり、指示系統が逆転してしまいます。

業務上のトラブルが起きた場合、責任を負うのは管理職である准看護師ではありません。

管理職でない看護師の責任が問われることになるので注意しましょう。

正看護師とのトラブルになることも

トラブル

正看護師の場合、入職期間に関わらず、法律上は管理職である准看護師より権限や立場は上になります。

正看護師によっては、准看護師の上司の指示に従わなかったり、追い出そうとしたりすることも考えられます。

また法律で定められてるので、ミスがあった場合、管理職である准看護師ではなく、管理職でない正看護師が責任を負うことになる可能性があります。

一方で指示を受ける側であっても管理職を任される場合は、准看護師自身の人望やコミュニケーション能力が大切になります。

法律上は正看護師のほうが指示する立場であってもこの人ならついていきたいと思ってもらえる人物にならないとトラブルに発展する恐れがあるでしょう。

そもそも看護業界における管理職とは

看護業界では、管理職はそれぞれの病院で規定されていることが多いです。

ここでは、看護業界の管理職がどのようなものがあるのかについて説明します。

管理職とは師長のこと

師長

管理職とは看護師が所属する部署のトップに立ち、現場を仕切るリーダーです。病院では師長と言われていることが多いでしょう。

看護部門における最上位の役職の一つとされています。

部署全体の業務が円滑に遂行できているか、所属している看護師や職員のマネジメント、多職種との連携など役割は多岐に渡ります。

また職員のマネジメントだけでなく、患者さんが安心して入院生活が送れているか、ご家族の気持ちに寄り添った看護ができているかなど利用者の立場に立って業務を考える場面もあるでしょう。

患者さんの健康状態や精神的なケアを重視し、必要に応じた患者さんやご家族とのコミュニケーションを通じて、信頼関係を築くことが求められます

全体の統括を任されることが多いため、日々の業務の中で「指示」を出すことも多く、管理職としてその責任を負う義務があります。

その指示が病棟全体の運営に直接影響を与えるため、判断の正確さとタイミングが重要です。さらに、医療の質を向上させるための改善提案や、緊急時の対応策の策定も管理職の重要な役割の一部です。

基本的には経験豊富な看護師が管理職に就くことが多いです。

准看護師が師長になれる事もある

病院側が法律や制度を理解した上で認め、その人自身の人望、長年の経験や技術が認められ、准看護師が師長を担っている場合もあります。

病院ではなれなくても、地域に密着した小規模な病院や介護施設では、准看護師が師長としての役割を果たしているケースが見られます。

介護施設では病院のような医療処置が少なく、日常生活上の健康管理や生活の中での変化の観察が中心となります。

日常介護は介護職員が中心となって行っているため、正看護師に指示を出す場面はなく、法律に触れることもありません。

日常介護の場面では、准看護師から介護職員への指示は問題がないので、介護施設を仕切ることがあります。

このような環境では、准看護師が管理職としての役割を果たし、施設の運営に貢献している例も多く見られます。

主任になれるケースは多い?

准看護師が病院、介護施設に関わらず、主任を任されることがあります。これは多くの職場で主任は管理職に当たらないことが多いからです。

主任は病院や介護施設において、現場の業務をサポートし、スタッフとの橋渡し役を務めることが主な役割です。

多くの職場では主任は正式な管理職とは見なされないため、准看護師が主任を任されることがあります。

一方で、法律の制限上、准看護師は多くの病院では、主任が昇進の限界であることも事実です。

人望があり、長年の経験や技術がある准看護師であっても看護の責任の範囲をすべて背負うことはできません。

これは、看護業務における責任範囲が広がると、法律的に正看護師がその責任を負う必要があるためです。

准看護師はその役割を果たし、正看護師との業務の役割分担を明確にすることで誰もが不安を持つことなく、主任の役割を担うことができるでしょう。

准看護師にできないこと

准看護師は法律によってできることとできないことが決まっています。看護師と同じような業務をしていてもできない業務があります。

トラブルを避けるために何ができないのかを具体的に説明します。

看護師にできて准看護師にできないこと

点滴むり?

看護師と准看護師は同じ業務を行っているように見えますが、「保健師助産師看護師法」によってそれぞれが定義されており、違いが明確になっています。

看護師は厚生労働大臣から免許を受けていますが、准看護師は都道府県知事の免許を受けています。

また療養上の世話や診療の補助に関しても准看護師は、行為を行う際は、医師や歯科医師、看護師の指示を受ける必要があります。

したがって准看護師は、自身で判断して看護業務を行うこと、他の看護師に治療などの指示を出すこと、看護計画を立案することはできません。

准看護師は自らの判断は認められていないので、指示を受けて業務を行う必要があります。

准看護師にできないことの詳細な情報は、以下の記事で紹介しています。

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准看護師が可能な業務内容

准看護師は、基本的に看護師と業務範囲は変わりません。看護師と准看護師が行っている毎日の業務について説明します。

・血圧等バイタル測定

・採血や点滴作成・投与

・排泄、入浴、食事など日常の看護

・シーツ交換や環境整備

・手術や処置の補助

・夜勤の巡回や患者対応

・カンファレンス参加

・カルテ入力業務

患者さんの身の回りの介助から処置の補助など多岐にわたります。

准看護師であっても指示をすることができないだけで看護師と同じように、知識や技術を身につけることが求められているのです。

准看護師からのキャリアアップ

准看護師から正看護師になることは、あらゆる場面でキャリアアップにつながります。

ここでは、准看護師からのキャリアアップはどのようなものがあるのかについて説明していきます。

看護師になって管理職を目指す

准看護師から正看護師へなる場合、養成学校で学び、看護師試験に合格することで看護師になることが可能です。

養成学校は、通学、通信、夜間通学などいろいろあるため、条件を確認して正看護師へなることは、キャリアアップにつながるでしょう。

また正看護師資格を取得するということは、キャリアアップへの道が広がります。管理職への障害もなく、逆に准看護師としての経験や技術で活躍が期待できます。

同じような業務を行っているにも関わらず、認められないことも多いのが准看護師です。

業務上のズレや劣等感を抱いているのであれば、正看護師となって管理職を目指すのもよいでしょう。

看護師になるには

看護師になる方法

**准看護師から正看護師への学校は、昼間通学、夜間通学、通信教育などさまざまです。また資格取得の方法によっては、3年以上の実務経験が必要な場合があります。**

准看護師から正看護師へなるためには必ず養成学校で学びなおし、看護師試験に合格することでなることができます。

働きながらでも可能なため、将来を見据えて正看護師へなりたいと考える人は多いです。

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准看護師として主任などを目指す

記事の中でも述べたとおり、准看護師でも主任などを目指すことは十分可能です。

確かに看護師に指示を出すことはできませんが、日々の業務の中で、全体の統括を行う存在になることは可能なのです。

特に介護施設では、准看護師から介護職員への指示は全く問題がなく、介護施設を仕切ることはあります。

准看護師におすすめの転職サイト

准看護師が管理職を目指す上で、転職も一つの手段です。ここでは准看護師におすすめの転職サイトを紹介していきます。

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そのため、准看護師として活躍できそうな職場や、正看護師へのキャリアアップを支援してくれるような職場も見つかるはずです。

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准看護師が管理職になるために注意すべき点

准看護師と正看護師は法律上、指示系統が法律で決まっています。したがって業務内容だけで見ると、准看護師が正看護師へ指示を出すことができないので、管理職として看護師のマネジメントすることは困難です。

一方で、日常の看護業務と管理職として職員のマネジメントを分けて考えると、経験豊富な准看護師のほうが、職員が働きやすい職場環境を考える技術を持っている場合があります。

職員が働きやすい職場環境を整えることは管理職として重要な役割です。また管理職として職員の行動の責任を取るという役割もあります。

准看護師が管理職の場合、働きやすい職場環境を整えることはできます。しかし、職員の行動の責任を取ることができない場合が生じます。

准看護師に管理職を担ってもらう場合は、他の職員の不安を解消する必要があります。業務の役割分担を最初から明確にしておくことで責任問題が回避できるでしょう。

准看護師が管理職につきにくい理由まとめ

准看護師が管理職につきにくい理由のまとめ
  • 准看護師が管理職になれないわけではない

  • 看護師との違いは自分で判断して看護業務を行うことはできない

  • 准看護師が役職についた場合、指示系統が逆転する

  • 管理職の業務と看護の責任の範囲を分けることで役職になることは可能

准看護師は管理職につきにくいと言われていますが、職場によっては、管理職になることもできます。

また、准看護師のキャリアアップとして管理職につきたい方は、正看護師をぜひ目指してください!

職場によってはキャリアアップを支援してくれる職場もあるので、転職も視野に入れてみましょう。


この記事は看護師に監修されています

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看護師

城戸あき(しろと あき)

国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。