新潟市の老人ホームの特徴
新潟市の老人ホームについて、新潟市の特徴と高齢者人口の観点からまとめていきます。
新潟市の地理的特徴と介護施設の特徴
新潟市は新潟県の県庁所在地で、日本一の米どころとして有名です。
また、新潟県の中部から北部にかけて広がる越後平野は、米だけではなく、野菜や果物、畜産物など、農畜産物の一大産地となっています。
また、新潟市は日本海側初の政令指定都市であり、令和3年10月末時点での人口は780,359人です。
市の中心部では近代化が進み、商業ビルが立ち並んでいますが、校外ではのどかな田園風景が広がります。
市は「田園型政令市」を掲げており、発達した都市機能と農業機能を融合した都市を構想しています。
立地的に、冬場の寒さが厳しいという特徴がありますが、のどかな都市は高齢者の方が穏やかに暮らしていくためには丁度良い環境と言えるでしょう。
一方、介護施設の数はそれほど多くありません。特に民間施設は整備が進んでおらず、入居施設の選択肢の幅が狭いのが現状です。
民間施設の数が少ない分、必然的に特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの公的施設に入居希望者が集中してしまいますが、待機者が多く需要に対して供給が間に合っているとは言えません。
新潟市は、このような状況を改善するために、特別養護老人ホームの新設・着床を計画しています。
新潟市の介護施設価格概観
以下の表は、新潟市に展開しているココファンの介護施設、及び全国の介護施設の入居金・月額費用それぞれの平均値・中央値をまとめたものです。
<入居金>
地域 |
平均値 |
中央値 |
新潟市 |
203,000円 |
204,000円 |
全国 |
297,256円 |
194,500円 |
<月額費用>
地域 |
平均値 |
中央値 |
新潟市 |
158,339円 |
156,506円 |
全国 |
169,518円 |
158,250円 |
新潟市にあるココファンの施設と全国の施設の費用を比較すると、入居金はやや高く、月額費用はあまり差がなくほぼ同じであることが分かります。
新潟市の高齢者人口
新潟市の高齢者人口は、令和2年10月時点で65歳以上が233,162人、そのうち75歳以上の後期高齢者数は119,180人、高齢化率は29.0%です。
これは平成30年の高齢者数225,975人、高齢化率28.0%、そして令和1年の高齢者数229,562人、高齢化率28.5%よりも高い数字であり、着実に高齢化が進んでいることが分かります。
高齢者人口は今後も増え続け、令和22年には65歳以上の高齢者人口は257,077人、高齢化率は35.7%にまで達すると言われています。
また、この新潟市の高齢化率は、全国平均よりも高めの水準となっています。
出典:新潟市地域包括ケア計画 令和2年12月
新潟医療圏の介護保険事業者・施設の状況
医療圏とは、人口や面積など、地域ごとの医療需要に応じ、都道府県が制定する病床整備のための単位のことで、医療法によって定められています。
以下の表は日本医師会の発表による、2020年9月現在の地域内介護施設情報の集計値です。
<新潟医療圏の種類別施設数>
種類 |
施設数 |
75歳以上千人あたりの施設数(新潟医療圏) |
75歳以上千人あたりの施設数(全国) |
訪問型介護施設数 |
236 |
1.85 |
3.25 |
通所型介護施設 |
360 |
2.82 |
3.43 |
入所型介護施設数 |
329 |
2.57 |
2.17 |
特定施設数 |
18 |
0.14 |
0.32 |
居宅介護支援事業所数 |
282 |
2.21 |
2.41 |
福祉用具事業所数 |
62 |
0.49 |
0.80 |
介護施設数(合計) |
1,289 |
10.09 |
12.40 |
出典:日本医師会 新潟医療圏
全体的に新潟医療圏は全国平均を下回っており、高齢者数に対して施設数が少ないというのが分かります。
特に訪問型介護施設数は全国平均を大きく下回っています。
その中で、入所型介護施設数だけは、75歳以上1千人当たりの施設数が全国平均よりも多くなっています。
新潟市の要介護認定者数
新潟市の要介護認定者数は年々増加傾向にあります。
平成27年の認定者数40,562人、認定率18.6%が、令和2年10月1日現在の調査では認定者数45,318人、認定率19.4%へと増加しています。
また、要介護・要支援認定者数の増加に伴い、介護サービス利用者数も増加しています。
新潟市が抱える高齢化は、少子化や団塊の世代の高齢化などが主な原因です。
そして、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、高齢化率のさらなる増加が見込まれています。
- 高齢化率の増加
- 要介護・要支援認定者の増加
- 医療と介護の両方を必要とする高齢者の増加
新潟市では、上記に挙げた課題を解決するために、在宅医療・介護連携の推進や、介護予防事業等を推進していくことが重要となっています。
出典:新潟市地域包括ケア計画 令和2年12月
新潟市の高齢者相談窓口は?
新潟市では、高齢者や障がい者の方のサポートを行う福祉総合センター事業が展開されています。
福祉総合センター事業の中には「新潟市高齢者安心相談センター」という施設があり、高齢者に関するあらゆる相談を受け付けています。
新潟市高齢者安心相談センターの目的は、高齢者の方が住み慣れた土地で生き生きした生活を継続できるような支援を行うことです。
介護が必要になっても自宅で自分らしい生活を送れるように、高齢者の方に向けた福祉サービスの情報収集及び情報提供を行っています。
新潟市高齢者安心相談センターが受け付ける相談内容には以下のものがあります。
- 在宅介護に関する問題
- 生きがいや健康づくりに関する内容
- 認知症に関する内容
- 買い物支援に関する内容 など
高齢者の方が日常生活を送るにあたって直面する、様々な問題や不安について、気軽に相談することができます。
相談内容は以下の2通りです。
- 高齢者安心相談センターに直接来館する
- 高齢者安心相談センターに電話する
いずれの方法でも無料で相談することが可能です。
相談にあたり、事前予約を行う必要もありません。
新潟市独自の介護サービスについて
新潟市では、2017年4月から「介護予防・日常生活支援総合事業」を開始しました。
介護予防・日常生活支援総合事業は、2015年の介護保険改正により創設され、高齢者が要介護状態にならないよう、総合的な支援を行うという目的に基づき、2017年から全国すべての市区町村にて様々なサービスがスタートされています。
総合事業は全国一律の介護保険サービスとは異なり、サービスの運営基準や利用料などについて、市区町村が独自に設定することが可能です。
新潟市では、このサービスの利用にあたり、高齢者の方に「基本チェックリスト」を実施します。
そして該当者には各種介護予防サービスの利用が認められます。
その他、新潟市が独自に行っている介護サービスには以下のようなものが存在します。
- 幸齢ますます元気教室:運動器の機能向上、口腔機能向上、栄養改善、認知機能維持・向上の複合プログラムを行う教室
- 楽らく脳力アップ塾:認知症や閉じこもり予防に向けた取り組み など
いずれの事業も、要介護状態等の予防と、自分らしさや生きがいを見つけて自立した生活を営めるようにするための支援を目的としています。
新潟市の地域包括ケアシステム
地域が一体となり、高齢者の方を支えるサービスを提供するシステムの事を地域包括ケアシステムと言います。
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を目途に、要介護状態になっても住み慣れた土地で最期まで自分らしく暮らし続けられるように、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が国を挙げて取り組まれています。
高齢者の方をサポートするためのケアシステムは、それぞれの市区町村や都道府県が地域の自主性に基づき、特性を生かして構築していくことが重要です。
新潟市の地域包括ケアシステムは、以下の3つの柱と5つの基本目標を基礎として構成されています。
<3つの柱>
- 健康でいきいきと生活する
- 地域で安全な暮らしを続ける
- 安心して暮らせる環境を確保する
<5つの基本目標>
- 医療:在宅医療、介護分野との連携、認知症施策の推進
- 介護:介護保険サービスの充実
- 予防:介護予防、健康づくり、社会参加づくりの推進
- 住まい:住み替え先となる住まい・施設の基盤整備
- 生活支援:各種市による生活支援サービスの充実
地域包括ケアシステムの構築は2015年の介護保険制度改正時に具体的に盛り込まれました。
その後、地域包括ケアシステムの構築のための地域船事業の充実化がすすめられています。
さらに、全国一律の予防給付を自治体が取り組む地域支援事業に移行するとの規定を受けたことにより、新潟市でも介護や医療、生活支援、そして介護予防に力を注いでいます。