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介護の知恵袋

2018年9月27日

フレイルの予防が要介護状態を防ぐ

介護予防や健康増進が話題となっていますが、「フレイル」という言葉をご存知でしょうか?

「フレイル」とは英語で虚弱や老衰などの意味を指す「Frailty」をもとにした概念で、日本老年学会が2014年5月に統一名称として提唱しました。

フレイルとは健常な状態と要介護状態の中間の位置づけで、「病気ではないが身体が弱っている、いわゆる虚弱な状態」を言います。

フレイルの状態を早期発見し、適切に対応することで、要介護に至る方を減らし、健康寿命をのばすことができるのではないかと様々な研究が行われ、様々な提案がなされています。

フレイルに似た概念に、年齢とともに筋力が落ちる「サルコペニア(加齢性筋肉減少症)」や運動機能が低下した状態になる「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」がありますが、フレイルは単に身体面の虚弱だけではなく、孤立や生活困窮など心理的、社会的問題も含めた概念です。
サルコペニアや、ロコモティブシンドロームとの関係は下図をご覧ください。

米国老年医学会によるフレイルの基準では、(1)体重減少、(2)疲れやすさの自覚、(3)活動量の低下、(4)歩行速度の低下、(5)筋力低下(握力)、これら5項目のうち、3つが当てはまるとフレイルとなります。

フレイルの予防が要介護状態を防ぐ

◆フレイルの段階から要介護状態に陥りやすい人の傾向

愛知県で実施された調査では、65歳以上で脳卒中などの持病が無い高齢者の11%がフレイルであると判定されました。これを全国の高齢者に当てはめてみると、300万人のフレイルの方がいるという計算になります。

東大高齢社会総合研究機構は2012年から、千葉県柏市の高齢住民を対象に、虚弱予防の大規模研究に取り組んでおり、その取り組みの中でフレイルから要介護に陥りやすい高齢者の傾向がわかってきました。

例えば、約1800人の食事調査では、「同居する人がいても、3度の食事を1人でとる孤食の人」は、「1日1度でも誰かと食事をする人」に比べ、鬱傾向になるリスクが4・1倍、低栄養になるリスクが1・6倍高いという結果が出ました。

興味深いことに、こうした傾向は1人暮らしで孤食の人よりも、同居家族がいるにも関わらず孤食の人の方が高かったそうです。

つまり、食の楽しみや関心がなくなり、体力の減退が進む結果、フレイルや要介護状態に陥りやすくなると言えます。

フレイルの予防が要介護状態を防ぐ

◆フレイルにならないためには

フレイルを防ぎ健康を回復するにはどうすればよいのでしょうか。
地域の何らかのグループ活動に参加するなどして、無理なく運動したり、会食したりする習慣ができるのが理想的ですが、個人でも以下のことに気を付けることは大切です。

①良質なタンパク質やビタミン、ミネラルを含むバランスの良い食事を心がける
特に高齢になるとタンパク質が不足しがちです。筋肉の元でもあるので意識的に摂りましょう。

②自分の身体の状態や活動量をセルフチェックする
自分ではなかなか難しいですが、医療機関や周囲の人に協力してもらいましょう。

③手術後は栄養をつけるとともに、早めにリハビリをして筋力を回復させる
病気などで入院したのをきっかけに体力が落ちることが多いので、リハビリにしっかりとり組むのも大切です。

④ストレッチやウォーキングなど適度な運動を心がける
無理のない範囲での適度な運動が効果的です。ちょっとした筋トレも加えるとより効果的です。

⑤多種類(6種類以上目安)を服用する人は医師と相談する
色んなお医者さんからそれぞれ薬をもらっていると、例えば睡眠作用のある薬が重なっていて活動が低下したりする場合もあります。

⑥予防接種を受けるなど、感染症にかからないようにする
高齢者の体力がガクッと落ちるきっかけとして、肺炎などがあるので、予防のために、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチン接種を受けるのも大切です。

ぜひ心がけてみてください。

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