ケアハウス(軽費老人ホーム)と有料老人ホームの違いは?入居条件・費用まで比較

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介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

「ケアハウスってどんな施設なの?」

「ケアハウスと有料老人ホームってどう違うの?」

介護施設にはいくつか種類がありますが、ケアハウス(軽費老人ホーム)とはどのような施設かご存知でしょうか。

この記事では、ケアハウスとはどのような施設なのかご紹介した上で、有料老人ホームとの違いについて、入居目的の違いや条件、入居する際にかかる費用、受けられるサービス、メリット・デメリットなど徹底比較しました

自分に合った介護施設をお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。

ケアハウスと有料老人ホームの違いについてざっくり説明すると
  • ケアハウスは軽費老人ホームの一つ
  • ケアハウスは60歳以上の方に生活支援を行う施設
  • ケアハウスと有料老人ホームは、費用や入居条件などさまざまな違いがある

ケアハウスと有料老人ホームの違い

ケアハウスと有料老人ホームの違いには、どのようなものがあるのでしょうか。違いをまとめると、以下のようになります。

比較項目 ケアハウス 有料老人ホーム
施設の目的 自立した生活を送るのに不安を感じている人に対し、生活支援を行う 在宅での生活が困難な高齢者に対して、生活全般の介護を提供
入居条件 60歳以上か65歳以上
要介護非認定~要介護5
要介護非認定~要介護5
費用 入居一時金 0~30万円
月額費用 9~13万円
入居一時金 0~数億円
月額費用 15~40万円
介護サービス 食事提供・生活支援・介護サービス 生活支援のほかレクやイベントが充実
デメリット 入居待ちが多い 費用が高い
運営団体 地方公共団体 民間企業

このように、ケアハウスと有料老人ホームは全く違う施設であり、さまざまな違いがあります。

ここからは、ケアハウス、有料老人ホームそれぞれの特徴を解説していきます。

ケアハウスとは

ケアハウス概要

ケアハウスとは、60歳以上の高齢者で、収入が低いこと、家族からの支援を受けられないこと、身体機能が低下してきたことなどにより自立生活に不安を感じ、支援を受けながら生活したい方が入居できる施設です。

夫婦で入居したい場合は、どちらか一人が60歳以上であれば入居できます。

ケアハウスは、安い費用で食事提供、生活支援、介護サービスが受けられることが特徴です。

ケアハウスとは|サービス内容や費用・入居条件まで全て解説

軽費老人ホームのうちの1種類である

経費老人ホーム説明

ケアハウスは、軽費老人ホームの一種です。

軽費老人ホームとは、その名の通り、他の介護施設よりも費用が安い老人ホームであることが特徴です。

軽費老人ホームは、A型、B型、C型、都市型の4種類あり、介護レベルや食事の有無によってタイプが分かれています。

A型は、身体機能が低下しており、生活に不安を感じる方が入居し、食事提供などのサービスを受けることができます。

B型は、A型と同じく身体機能への不安があり、生活支援を受けたい方が入居する施設ですが、食事提供はありません。そのため、A型よりも安い費用で入居できます。

ケアハウスはC型であり、軽費老人ホームの中で多いタイプの施設です。生活に不安を抱えた60歳以上の人が食事と生活サービスの両方を受けることができます。

都市型は、関東や関西の都市にある軽費老人ホームで、軽費老人ホームの居住面積、定員などの基準が緩く設定されています。

居室面積を小さくするなどの対策をすることにより月額費用が安く抑えられ、東京の生活保護受給額内で入居可能です。

都市型は、都市で生活する低所得者の高齢者を入居者として想定して作られているのです。

なお、平成20年以降はケアハウス(C型)の基準に統一される方針になったため、A型やB型は現在減少しており、将来的にはケアハウスに統一されます。

自立型ケアハウス

ケアハウスは、自立型ケアハウス介護型ケアハウスの2種類があります。

自立型ケアハウスでは、自立した生活が困難な60歳以上の高齢者を対象としており、食事、掃除、洗濯などの生活を支援するサービスを受けることが可能です。

なお、自立型ケアハウスは一般型ケアハウスと言われることもあります。

介護型ケアハウス

介護型ケアハウスは介護保険の「特定施設入居者生活介護」が受けられる施設で、65歳以上でかつ要介護度が1以上の高齢者が対象です。

食事や掃除などの生活支援サービスに加えて、入浴、排泄の介助サービスを受けることができます。

また、介護型ケアハウスは、要介護度が上がっても住み続けられる施設もあります。

要介護度3くらいになると介助がなければ日常生活が難しくなるため、自立型のケアハウスでは、要介護度3程度になったら退去する必要があるでしょう。

なお、介護型のケアハウスは介護保険では「居宅」とされるため、介護保険を使うことが可能です。

しかし、自立型のケアハウスは介護保険が適用されませんので、介護を受けたい場合には、外部業者に委託する必要があります。

有料老人ホームとは

ケアハウス2種類

有料老人ホームとは、高齢者が暮らしやすいように施設そのものやサービスが工夫されている施設です。

食事をはじめ、入浴・排泄・食事などの介護サービス、洗濯・掃除などの家事援助、健康管理など、希望するサービスが受けられます。

入居対象者はホームによって異なります。65歳以上で、自立されている方から要支援・要介護の高齢者まで、さまざまな方が入居できます。また、有料老人ホームは、空室があればすぐに入居できるのも魅力です。

有料老人ホームは、スタイルに合わせて以下の3種類に分かれます。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホーム説明

介護付き有料法人ホームの入居対象は、介護が必要な65歳以上の方です。また、要介護度については、要介護度5の方まで入居可能です。

そのため、要介護度が高い方でも安心して入居できます。要介護度が上がったからといって退去の心配をする必要もありません。

介護付き有料老人ホームで受けられるサービスは、他の介護施設よりも手厚い介護サービスや生活支援サービスなどです。

また、介護付き有料老人ホームでは、リハビリ、機能訓練、レクリエーション、イベントを実施する施設もたくさんあります。

このように、有料老人ホームの中でもさまざまな入居者に対応でき、幅広いサービスを行っているのが介護付き有料老人ホームです。

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住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームの説明

住宅型有料老人ホームは、要介護者、要支援者、自立して生活できる方と、さまざまな方が入居できる施設です。

主に食事サービスや生活支援サービスを受けることができますが、健康管理サービスが受けられる施設もあります。

住宅型有料老人ホームの魅力は、レクリエーションやイベント、サークル活動が充実している施設が多いことです。

また、施設内のバリアフリー化がなされており、万が一のことのために緊急通報装置も設置されています。そのため、安心して過ごすことができる環境になっています。

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健康型有料老人ホーム

健康型有料老人ホームの説明

健康型有料老人ホームとは、健康で介護の必要がない高齢者を対象としています。

健康ではあっても、高齢であるため 「家事をするのが面倒に感じる」「一人で生活するのは不安」 といった悩みを抱える方が利用できる施設です。

健康で介護の必要がない方が対象なので、介護が必要な状態になったり、病気を発症したりした場合には住み続けることが難しいと言えます。

健康型有料老人ホームは、老後を楽しくアクティブに過ごしたい高齢者の方のため、娯楽施設が充実していることも特徴です。

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入居条件の違い

ケアハウスは、入居するためにどのような手続きが必要なのでしょうか。ここからは、ケアハウスの入居条件について解説していきます。

ケアハウスは型によって異なる

ケアハウスは一般型か介護型かによって入居条件が異なります。

また、入居申請は、各施設に直接必要書類を提出します。申請すると施設の職員が申請者の自宅を訪問し、面談した結果入居可能か判定されます。

一般型は60歳以上の高齢者

一般型のケアハウスは、健康面で問題がなくとも自立した生活を送るのには不安を感じる方を対象としています。

対象者は、60歳以上で、要介護度非該当~軽度の要介護度の人を対象としています。夫婦の場合は、どちらかが60歳を超えていれば夫婦での入居が可能です。

介護型は要介護1以上

介護型ケアハウスの入居条件は、原則的に65歳以上でかつ要介護度1以上であることです。

一般型は60歳以上なら要介護認定されていなくとも入居できるので、それと比較すると入居条件がやや厳しいと言えます。

有料老人ホームは介護施設で異なる

有料老人ホームの入居条件は、介護付き・住居型・健康型のそれぞれのタイプによっても異なり、さらに施設によっても異なります。 そのため、入居条件についてはしっかりチェックしておくことが必要です。

ただ、年齢については共通して定められており、住宅型・健康型の入居年齢は60歳以上で、介護付きの場合は65歳以上です。

身体状態は問わずに要介護認定非該当の方が入居できる施設もあれば、入居できる要介護度が定められている施設もあります。

また、介護付きの場合には、要介護認定をされている方だけが入居できる「介護専用型」と、自立している方も入居できる「混合型」があります。

ケアハウスと有料老人ホームの費用を比較

ここからは、ケアハウスと有料老人ホームの費用を比較し、それぞれの施設の費用を表で見てみましょう。

種類 費用(初期費用) 費用(月額費用)
ケアハウス 0~30万円 9〜13万円
介護付き有料老人ホーム 0〜数百万円 15〜30万円
住宅型有料老人ホーム 0〜数百万円 15〜30万円
健康型有料老人ホーム 0〜数億円 10〜40万円

以下のそれぞれの見出しで、費用について詳しく解説していきます。

ケアハウスは低価格

ケアハウスの入居でかかる費用は、初期費用と月額利用料の2種類です。初期費用には、保証金や入居一時金が含まれています。

ケアハウスは比較的安い費用で利用できる施設で、初期費用は0円のところもありますが、数十万円の施設もあります。

自立型ケアハウスの初期費用は数十万円ですが、介護型ケアハウスの場合は数十万円~数百万円の場合もあるため、全てのケアハウスが安価ではない点には注意しましょう。

なお、ケアハウスの初期費用の金額は全国平均で37.4万円で、平均金額でみると、有料老人ホームよりも安く済みます。

また、ケアハウスの月額利用料は9万円~13万円と、他の施設よりも安い額です。

ケアハウスは、低所得者の高齢者も入居できるよう配慮された施設なので、安い費用で入居できます。

ケアハウスの注意点は、入居一時金があることです。また、ケアハウスの入居一時金は、償却される期間と償却率が施設ごとに定められています。

つまり、入居期間が長くなればなるほど、退去時に返ってくる入居一時金は少なくなっていきます。

償却期間と償却率は施設によって違いますので、入居前に確認することが必要です。

有料老人ホームは比較的高い

費用比較

有料老人ホームの入居にかかる費用は施設によって異なりますが、ケアハウスと比較すると高いことが特徴です。

有料老人ホームの初期費用は、前払い金もしくは入居一時金が含まれています。

入居一時金の額は、入居者がどのくらいの期間入居するのかという「想定居住期間」によって変わり、0円~数億円とかなりの幅があります。

また、月額費用は15万円~40万円ほどで、施設設備、居室面積、サービス内容などによって異なります。

介護付きの場合は、毎月の費用の中に 「介護サービス費」 も含まれています。介護サービス費とは、要介護認定度ごとに額が定められているものです。

住宅型・健康型では、介護サービス費は訪問介護や通所介護などを利用した分だけ支払うことになるので、定額にはなりません。

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介護サービスの違い

ケアハウスと有料老人ホームでは、介護サービスの内容にも違いがあります。

ケアハウスは食事や生活支援が受けられる

ケアハウスは、一般型か介護型かによって介護サービスの内容は少し異なります。

一般型では、食事の提供や生活支援のサービスを受けることができます。ただし、介護サービスは行っていないので、介護サービスを希望する場合は、外部に委託することが必要です。

一方、介護型ではその名の通り介護を受けることができるので、食事、入浴、排泄の介助などのサービスを受けることができます。

介護を希望する方は、介護型に住めば充実した介護サービスを受けることが可能です。

なお、一般型、介護型どちらも24時間スタッフが常駐しているので、安心して過ごすことができます。

有料老人ホームは介護施設で異なる

有料老人ホームでは、種類によってサービスの種類が異なりますので、表に違いをまとめました。

※表内の記号については以下の通りです。
○:多くの施設で受け入れ可能・サービス提供
△:一部の施設で受け入れ可能・サービス提供
×:受け入れ不可、サービス提供なし

<入居条件>

要介護度 介護付き 住宅型 健康型
自立
要支援
要介護 ×

<費用>

介護付き 住宅型 健康型
入居金 0~1億円以上 0~1億円以上 0~1億円以上
月額費用 15~30万円 15~30万円 10~40万円

※以上の数値はあくまで目安です。

<提供サービス>

サービスの種類 介護付き 住宅型 健康型
安否確認
緊急時の対応
生活相談
食事
掃除・洗濯
介護サービス ×
(外部サービスを利用)
×
レクリエーションやイベントなど
健康管理
機能訓練
リハビリ

どのタイプの有料老人ホームでも、食事の提供、安否確認といったサービスは行ってもらえます。

ただし、介護付き、住宅型、健康型のそれぞれでサービス内容は異なります。

介護型は、手厚い介護サービスや生活支援サービスを受けることができるため、要介護度が高い方でも安心して過ごすことができます。

住宅型で介護を受けたい場合は外部の業者を利用しますので、ホームに介護サービスが提供できるスタッフが常駐しているわけではない点に注意が必要です。

また、健康型も自立した生活ができる方が対象なので、介護サービスはありません。

このように、有料老人ホームは種類によって受けられるサービスは違います。介護を想定していない施設もありますが、食事の提供、入浴・排泄の介助、洗濯・掃除などの家事支援、健康管理まで行う施設もあります。

また、入居者が快適に過ごせるように、一般的な施設より充実したサービスを提供する施設もあります。

有料老人ホームの方がケアハウスと比較すると施設の種類が豊富で、サービスの種類も多く、自分に合った施設が選びやすいのでおすすめできます。

それぞれのデメリット・注意点

ここからは、ケアハウスと有料老人ホームそれぞれのデメリットと注意点を解説します。

ケアハウスは入居待ちが多い

ケアハウスは有料老人ホームに比べて低価格でサービスを受けられるため、特別養護老人ホームほどではないものの、人気があります。その結果、入居待ちの人が多く、待ち期間が一か月から1年間にも及ぶことがあるのです。この傾向は今後も続くと見られます。

そのため、入居を検討している方は、早めに対策を立てることが推奨されます。入居希望者が多い状況を避け、入居できないままにならないように、複数の施設への申し込みや、有料老人ホームへの入居も検討候補に入れておくとよいでしょう。

有料老人ホームは費用が高い

有料老人ホームはすぐに入居できる施設が多いことがメリットですが、費用が高いのがデメリットです。

そのため、有料老人ホームは、一定の収入があり経済的に余裕がある方におすすめします。

ただ、有料老人ホームは民間企業が運営しているため、すぐ入居できるほかにもたくさんのメリットがあります。

有料老人ホームはケアハウスよりもサービスの幅が広く、施設の充実度が高いホームが多いです。

さらに、ココファンの提供する有料老人ホームであれば、安心安全のサービスはそのままに費用をかなり抑えて利用することができます。

入居一時金0円、厚生年金額を参考とした月額費用など、ご利用になる方々にとってメリットの多い施設となっていますので、ぜひチェックしてみて下さい。

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ケアハウスと有料老人ホームの違いについてまとめ

ケアハウスと有料老人ホームの違いについてまとめ
  • 有料老人ホームは、介護施設の種類によって入居条件が異なる
  • ケアハウスは、有料老人ホームよりも安い費用で入居できる
  • ケアハウスは入居待ちが多いので、有料老人ホームなど他の介護施設も同時に入居申し込みをするのがおすすめ

ケアハウスは、自立した生活には不安を感じる方が入居する施設で、食事提供、生活支援、介護サービスを受けることができます。

自立型ケアハウスと介護型ケアハウスの2種類があり、介護型ケアハウスであれば、要介護度が高くなっても引き続き入居可能です。

また、ケアハウスは有料老人ホームよりも安い費用で入居できる点がメリットですが、人気の施設なので入居待ちが多いのが現状です。

有料老人ホームはケアハウスより費用が高くなりますが、すぐに入居できる施設が多いことや、ケアハウスよりも受けられるサービスが多いなどのメリットがあります。

介護施設をお探しの方は、有料老人ホームへの入居も検討してみてはかがでしょうか。

この記事は専門家に監修されています

介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

株式会社学研ココファン品質管理本部マネジャー。介護支援専門員、介護福祉士。2011年学研ココファンに入社。ケアマネジャー、事業所長を経て東京、神奈川等複数のエリアでブロック長としてマネジメントに従事。2021年より現職。

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