豊田市の老人ホームの特徴と動向
豊田市の地理的特徴と介護施設の特徴、高齢者人口、要介護認定者数、独自の介護サービスなどについてまとめていきます。
豊田市の地理的特徴と介護施設の特徴
豊田市は名古屋に次ぐ愛知第二の都市です。
愛知県のほぼ中央に位置しており、県全体の約18%を占める広大な面積を持っています。また、自動車産業が有名で、「クルマのまち」として全国有数の製造品出荷額を誇ります。
令和3年11月1日現在での人口は419,883人と発表されており、高齢化率は全国平均と比較すると低いのが特徴です。
ただし、他の地域同様、少子高齢化は着実に進んでおり、増加する要介護認定者数への対応も重要な課題となっています。
県全体の介護施設数は、全国的に見ても充実しています。その中でも豊田市は施設の保有数が多い市で、比較的安く利用できる施設が多いという特徴があります。
市内にはJRが通っていませんが、愛知環状鉄道や愛知環状鉄道線などの鉄道やコミュニティバスが整備されているため、高齢者の方でも移動に不自由することはないでしょう。
豊田市の介護施設価格概観
以下の表は豊田市に展開しているココファンの介護施設の入居金・月額費用それぞれの平均値と中央値をまとめたものです。
<入居金>
地域 |
平均値 |
中央値 |
豊田市 |
0円 |
0円 |
全国平均 |
297,256円 |
194,500円 |
<月額費用>
地域 |
平均値 |
中央値 |
豊田市 |
246,944円 |
246,944円 |
全国平均 |
169,518円 |
158,250円 |
豊田市のココファンの入居金は0円で、全国平均と比較してかなり安い料金設定ですが、一方で月額費用は全国平均よりも高めの水準になっています。
提供されるサービスの質は高く、信頼できるため、安心して利用することができるでしょう。
豊田市の高齢者人口
令和3年11月時点の豊田市の高齢者人口は100,113人、高齢化率は23.8%です。
平成27年の高齢者数87,315人、高齢化率20.7%から約13,000人の増加がみられ、高齢者人口は年々増加傾向にあるということが分かります。
高齢化率は全国平均よりは低水準の数値となっていますが、着実に上昇を続けており、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年には、高齢者人口のさらなる増加が予想されています。さらには生産人口の減少も伴い、今後も高齢化率は増加する見込みです。
出典:豊田市公式ホームページ
豊田市の介護施設の状況
以下の表は、豊田市の介護施設の状況をまとめたものです。なお、この情報は「日本医師会 豊田市」のホームページに記載されている令和2年9月時点の情報となります。
<豊田市中央区の種類別施設数>
種類 |
施設数 |
75歳以上千人あたりの施設数(豊田市) |
75歳以上千人あたりの施設数(全国) |
訪問型介護施設数 |
104 |
2.93 |
3.25 |
通所型介護施設数 |
135 |
3.80 |
3.43 |
入所型介護施設数 |
61 |
1.72 |
2.17 |
特定施設数 |
7 |
0.20 |
0.32 |
居宅介護支援事業所数 |
75 |
2.11 |
2.41 |
福祉用具事業所数 |
25 |
0.70 |
0.80 |
介護施設数(合計) |
409 |
11.51 |
12.40 |
出典:日本医師会 豊田市
表を見ると、豊田市の75歳以上1千人あたりの介護施設数は、全国平均よりも少ないことが分かります。ただし、どの種類の介護施設も全国平均の数値と大きな違いはありません。
豊田市は高齢者率が全国平均よりも少ないため、全国と比較して介護施設の状況は恵まれている状態ではありますが、増加する高齢者や要介護・要支援認定者への対策が重要な課題となっています。
豊田市の要介護認定者数
令和2年時点での豊田市の要介護認定者数は14,442人です。高齢者人口の増加に伴い要介護認定者数も年々増加しており、今後もさらなる増加が見込まれています。
また、要介護・要支援認定者数が増えることにより、介護保険サービスの利用者数も増加の一途をたどっています。
豊田市の要介護・要支援認定者は、要支援1~要介護1までの認定を受けている人が約半数を占めており、市では重度化を防ぐための介護予防活動が推進されています。
豊田市の高齢者がいる世帯の内訳を見ると、ほかの世代と同居している世帯が一番多いのが特徴的です。
しかし、一人暮らし高齢者世帯と高齢者夫婦世帯も年々増加しており、75歳以上の高齢者のみの世帯の増加による老々介護や孤独死などの課題を抱えています。
上記のような現状を受け、市は老々介護の負担軽減のために、さらなる介護保険サービスの普及に努めています。
出典:GDFreak豊田市(令和2年)
豊田市の高齢者相談窓口は?
豊田市にある高岡コミュニティセンターは地域再発見の場として、地域の方々が自由に触れ合うことのできる施設です。そして、高岡コミュニティセンターには、健康や福祉の問題を抱える高齢者の方を支援するための「健康と福祉の相談窓口」が設置されています。
「健康と福祉の相談窓口」では、健康に関する悩みや福祉サービスについての悩みなどを相談することができ、どこに相談すればいいかわからない場合でも気軽に利用できる窓口となっています。相談は無料で行うことができる上、電話での相談にも対応しています。
また、必要に応じて地域包括センター等の支援機関につなげてくれたり、近所同士のネットワークを作ってくれたり、豊田市の支えあいの地域づくりには欠かせない施設となっています。福祉部の福祉総合相談課が窓口となっているため、高齢者の方やその家族、児童、保護者の方など幅広い層が利用できるという点も魅力の一つです。
高齢者の方が抱える様々な問題に対応するため、上記の他にも豊田市には様々な相談窓口が設けられています。
「身近な総合窓口」を目指す意見交換会である「竜神地区地域ケア会議」では、市や地域に関する悩みや意見などを直接相談することが可能です。また、「心配ごと相談・法律相談」では、無料で弁護士などの専門の相談員が対応してくれるため、法律に関係する悩みについて気軽に相談することができます。
豊田市独自の介護サービスについて
豊田市に住む高齢者の方の寿命は緩やかに伸びています。また、前期高齢者の中で要介護・要支援認定を受けている人の割合は少なく、比較的元気な高齢者の方が多い都市です。
そんな中、豊田市では病気の予防・早期発見・早期治療を重視した介護予防活動を推進しており、各圏域には歯科や内科などの診療所が設置されています。
他にも、体力づくりや認知症予防をリードするための「健康づくりリーダー」の育成や、閉じこもりを防止するための外出支援、居場所づくりなどに力を入れています。
上記以外にも介護予防及び、高齢者の活躍の場、学びの場は多数存在しており、楽しく交流しながら運動ができる環境が整えられているというのが豊田市の魅力です。介護予防の活動には以下のものが挙げられます。
- 地域ふれあいサロン:レクリエーションや介護予防活動、教養講座などを実施
- 老人福祉センター:健康増進活動や教養講座などを実施
- 元気アップ教室:血圧測定やストレッチ、筋力・脳力アップトレーニング、レクリエーション、座談会などの実施
豊田市の地域包括ケアシステム
地域包括ケアシステムとは、要介護状態となっても住み慣れた地域で最後まで自分らしい生活を続けられるように、地域が一体となって高齢者の方を支えるサービスを提供するシステムのことを指します。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を目途に、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が国全体の目標となっています。
地域包括ケアシステムは、介護保険制度と医療保険制度の両分野から地域が一体となって高齢者を支えていくものであり、地域ごとの自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて構築していくことが重要です。
豊田市でも地域包括ケアシステムを構築するために様々な取り組みが行われています。さらに、圏域別の需要に応じた高齢化対策や福祉サービスが存在します。
特に後期高齢者人口が多い挙母圏域では、介護サービス事業者も多いです。さらに、今後の高齢者人口の増加に備え、挙母を中心に高齢者向けの住まいが増設されています。
また、豊田市では「地域共生社会」の実現を市の目標に設定し、介護スタッフの確保や介護予防・生活支援サービスの充実、医療・介護連携の推進、そして認知症の早期対応など様々な施策を実施しています。
介護付き有料老人ホームとは?
介護サービスの手厚さ・充実度が魅力の施設
介護付き有料老人ホームは、生活支援・食事サービスや介護サービス、看護サービスなど、非常に充実したケアを受けることができる施設です。
要介護4・5の方など、日常的に手厚い介護・医療サービスが必要な方の入居に特に適しています。
また、有料老人ホームの約6割を占めており、全国に設置されている施設数も非常に多いです。
そのため、施設によって特徴に差が大きく、自分にあった施設を選ぶことが特に重要となります。