サービス付き高齢者向け住宅の費用は?入居金・月額の目安や介護保険サービスの料金も紹介
更新日時 2023/06/12
この記事は専門家に監修されています
介護支援専門員、介護福祉士
坂入郁子(さかいり いくこ)
「サ高住って何?」
「サ高住に住むためにかかる費用ってどれくらい?」
「プランや住宅の選び方のポイントについて知りたい!」
このようなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢者が安心して暮らせるような施設及び介護サービスが備わった住宅のことです。
今回は、サービス付き高齢者向け住宅の入居にかかる初期費用や月額費用、介護保険サービス利用時の料金などについて徹底解説を致します。
この記事を読めば、サービス付き高齢者向け住宅の費用に関する正しい理解を得ることができるでしょう。
- 比較的費用を抑えて利用できる民間施設である
- サ高住の居住費の支払い方法には「月払い方式」と「前払い方式」があり、入居期間によってどちらが得になるか異なる
- 前払い方式では初期費用として入居一時金の支払いがある
- 自立・支援タイプは月額費用に介護サービス費が含まれておらず、利用する場合は外部の事業所と契約する必要がある
- 介護・認知症タイプは手厚い介護サービスを受けられる分、費用が高い
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、専門家による様々な生活支援サービスを受けることができる高齢者専門のバリアフリー賃貸住宅のことです。
一般的なサ高住は介護付き施設ではないため、提供される主なサービスは「安否確認」と「生活相談」のサービスであり、介護サービスに関しての提供はありません。
ですが、外部の介護サービス事業所と契約することで、入居しながら様々なサービスを利用することができます。
そのため、自分で必要なサービスのみを選択して利用することができ、非常に自由度が高いです。
ただし、一部の施設では特定施設入居者生活介護として介護サービスの提供を行っている場合もあります。こういった施設では、介護付き有料老人ホームなど他の介護施設と同様に一定のルールが設けられています。
また、安否確認・生活相談の他にも外出の付き添いなどのサービスをオプションで受けられるところもあります。
介護施設とは異なるため、自分1人である程度の生活が送れる介護度の低い高齢者の利用が多くなっています。
自立・支援タイプと介護・認知症タイプが存在
サービス付き高齢者向け住宅には、「自立・支援タイプ(一般型)」と「介護・認知症タイプ(介護型)」の2種類が存在します。
2つの大きな違いとしては介護サービスの有無が挙げられます。以下の表はそれぞれの特徴についてまとめたものです。
比較項目 | 自立・支援タイプ | 介護・認知症タイプ |
---|---|---|
サービス内容 | 安否確認 生活相談 |
食事 健康管理 医療体制 介護 リハビリ レクリエーション |
介護サービスの併設 | なし | あり |
表を見ると分かるように、自立・支援タイプの場合は介護サービスの提供を行っていません。そのため、介護サービスが必要なときは訪問介護や居宅介護支援などの事業所と個別で契約して利用することが必要になります。
一方、介護・認知症タイプとは在宅介護サービスを併設している介護対応可能なサ高住です。
介護・認知症タイプの中には「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設も存在し、こちらは介護付き有料老人ホームと同等の介護体制が敷かれています。
このように、どちらの施設を選ぶかによって介護サービスの有無やサービス内容が大きく異なるため、自分に必要なサービス内容をよく考えて施設を選択する必要があるでしょう。
近くのサ高住を探してみる!サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の費用
サービス付き高齢者向け住宅の費用は初期費用と月額費用に分かれます。
そして、それぞれの費用が「自立・支援タイプ」と「介護・認知症タイプ」によって異なります。以下の表は、それぞれのタイプを利用した場合の費用の目安です。
タイプ | 自立・支援タイプ | 介護・認知症タイプ |
---|---|---|
初期費用 | 15〜50万円 | 15〜50万円 ※賃料の数ヶ月分を前払いする場合もある |
月額費用 | 10〜30万円 | 15万円〜40万円 |
※上記は一般的な費用例です。月額費用には介護保険の自己負担額や喫食代金も含まれています。
表を見てもらうとわかるように、民間施設の中では比較的安価に利用できる施設だと言えるでしょう。
初期費用は敷金として最初に施設に支払う費用で、施設によって金額に差があります。
月額費用には家賃、共益費、基本サービス費など、毎月必要な費用を合計した金額になります。ここからさらに食費、光熱費などが発生します。
自立・支援タイプは料金が安め
先ほどの表を見ると分かるように、自立・支援タイプは比較的安い料金で利用可能な場合があります。
契約形態としては賃貸借契約などがあり、初期費用は敷金として15~30万円程度必要です。
中には入居時の費用が掛からない場合もありますが、その場合は退去時にクリーニング代や未払い家賃等の費用が徴収されます。
賃貸借契約
賃貸借契約とは、貸主が所有する部屋を借主に使用収益させ、借主がそれに対して貸主に賃料を支払う、という契約形態のことです。
建物に住むために必要な契約で、更新費用はかかりませんが契約期間が存在します。サ高住でも通常の賃貸マンションの契約形態と同じく建物賃貸借契約のものも多く見られます。
また、一部のサ高住は終身建物賃貸借契約を導入しており、契約期間の定めなく住み続けることができるようになっています。
介護・認知症タイプはやや高額になる
介護・認知症タイプは自立・支援タイプと比べて費用が高額な施設が多く、入居一時金として最初に15~50万円程度を支払うのが一般的です。
毎月かかる費用は家賃、管理費、食費として15~40万円程度になっています。
また、契約形態としては建物賃貸借契約、終身建物賃貸借契約の他に利用権契約という方式が導入されています。
要介護度が2の高齢者の方が施設を利用する場合の費用の目安は上の図の通りです。
利用権契約
利用権契約とは、建物に住むために居室及び居住部分を利用するための契約と各種サービスを利用するための契約を合わせた契約方式です。
介護・認知症タイプの施設では介護サービスの提供が行われるため、居住の権利とサービスの権利の両方を得る契約も多く見られます。
サ高住の初期費用の仕組み
サ高住は賃貸住宅なので有料老人ホームでありがちな入居一時金がありません。
入居一時金がかからない分、有料老人ホームと比較して入居時の費用を大幅に抑えられるでしょう。
内訳は敷金(保証金)
サ高住を利用する場合、入居一時金がかからず、初期費用として敷金(保証金)しか必要ない場合が多いです。
敷金は賃料の2~3ヶ月分が設定されていることが多いですが、敷金が0円で利用できる施設もあります。
敷金が0円で利用できる施設では、入居時の負担が軽減され、経済的な負担を抑えながらサ高住の利用が可能です。
また、保証金は万が一月額利用料が支払われない場合に充てられます。
いざというときの預かり金のため、月額費用の滞納がなければ退去時に返還される仕組みになっています。
入居前に前払い金を支払うケースもある
サ高住の多くは入居一時金を支払う必要はありませんが、介護型のサ高住では前払い金を支払う契約方式となっている施設もあります。
入居時にまとまった金額を支払い、その中から月額の家賃やサービス使用料に充当していく仕組みとなっています。
また、前払い金には返還金制度が設けられており、償却期間が終了する前に退去した場合は未償却分が返還されます。なお、償却期間は各施設によって異なります。
月払い方式と比較して月額費用が低くなるのが前払い金の特徴で、償却期間を過ぎて入居し続ける場合でも月額費用が高くなることはありません。
ココファンのサ高住は全施設入居金0円
ココファンのサ高住は全施設入居金0円で利用することが可能です。
また、月額費用も多くの施設で厚生年金額に合わせた設定となっているため、他社の施設よりも費用を大幅に抑えて入居することができます。
もちろん、24時間365日ケアスタッフが常駐しており、元気な方から介護度の高い方まで安心して暮らせる充実のサービスを選択していただくことができます。
全国150箇所以上に施設を設置しておりますので、お近くのサ高住をぜひ探してみてください。
近くのココファンのサ高住を探す!サ高住の月額費用の目安と内訳
自立・支援タイプの月額費用は15~25万円のところが多くなっており、その内訳は主に家賃と管理費です。
自立・支援タイプを利用する高齢者は比較的元気な人が多いため、部屋に完備されたキッチンで自炊することができます。
その場合、食事の提供を受ける場合には食べたいときだけ予約をしてその分だけの料金を支払うというのが一般的です。
一方、介護・認知症タイプでは月額15~40万円のところが多くなっています。介護・認知症タイプのうち特定施設の認定を受けているサ高住では、食事サービスの提供を前提としているところもあり、月額の内訳には家賃や管理費に加えて食費が含まれている場合があります。
さらに、場合によっては水道光熱費も内訳に含まれていることもあります。また、サ高住には安否確認と生活相談サービスの提供が義務付けられていますが、これらの費用は生活支援サービス費等の名称で月額費として設定されています。
家賃・共益費の詳細
サ高住の家賃は、近隣のマンションやアパートなどの賃貸物件と同じくらいの料金になっていることが多いです。
そのため、地方都市や中山間地域に比べて大都市などの人口密度が高い地域の方が賃料が高くなる傾向がみられます。
そのため、地域ごとに家賃の差異があることを考慮して、利用者は自身の経済状況や予算に合わせた適切なサ高住の選択を行うことが重要です。
食費は自炊可能な施設なら抑えられる
基本的に食費は1日1,000~1,500円程度が相場であり、月額に換算すると30日分で3~5万円程度となっています。
前述したように、サ高住では、食事を作る環境が整っている施設も存在しており、食費は自炊することで安く抑えることが可能です。
キッチンが完備されているのは比較的元気な利用者の多い自立・支援タイプのサ高住で、その場合は必要な時だけ施設の食事を予約することができます。
サ高住で必要なその他の費用
家賃や食費、共益費等にも、以下のような必要な費用があります。
サ高住で別途費用としてかかる項目には以下のものが挙げられます、なお、料金は施設によって異なります。
項目 | 目安 | |
---|---|---|
介護サービスの費用 | 0~100,000円程度 | 自立・支援タイプでは利用した分だけ必要 介護・認知症タイプは毎月定額 収入に応じて1~3割の自己負担 |
医療・薬代 | 0~数万円程度 | 診察費や薬代など 全額自己負担 |
消耗品代 | 0~数万円程度 | 日用品やおむつ等の介護用品にかかる費用 全額自己負担 |
施設内での活動費 | 材料費や講師料などの実費 参加費用 |
|
その他のサービス代 | 0~10,000円 | 洗濯や清掃等の代行サービス・送迎など |
このように、サ高住を利用する場合は毎月かかる定額の費用の他にも別途費用が必要となるということを把握しておきましょう。
また、これらの項目は、本人の身体状況及びライフスタイルに合わせて発生する費用となります。
月額費用は、自分がどのようなサービスを利用し、どれくらいの日用品を消耗するかなどを想定して計算しておくことが大切です。
前払い方式と月払い方式はどちらがお得?
毎月決まった額を支払う方式を月払い方式と言います。
月払いは通常の賃貸マンションと同様の契約方式となっており、入居一時金が存在しない施設が多いサ高住でメインとなっている支払い方式です。
しかし、中には前払い方式が選択できる施設も存在しています。
前払い方式は賃料などの居住費用を入居時に前もって支払う方式のことで、一部のサ高住で取り扱っている方式です。
前払いの金額は、想定居住期間の居住費用と、その想定を超えた期間分の居住費用をもとにして施設ごとに決められており、想定居住期間を超えた場合でも追加で費用が発生することはありません。
一方、月払いは入居金が必要ない分入居時のハードルは低くなっていますが、その分月額費用に上乗せされる仕組みとなっています。
どっちがお得かは入居期間で異なる
以下の表は、前述した内容を踏まえ、月払い方式と前払い方式の支払額を比較したものです。
月払い方式 | 前払い方式 | |
---|---|---|
入居時負担 | 少ない | まとまった額が必要 |
短期間入居 | 少ない | 多い |
長期間入居 | 多い | 少ない |
月払い方式は入居時の負担が少なく、前払い方式よりも入居しやすくなっています。
初期費用がかからない分、月払い方式の方が安く利用できると感じる人もいるかもしれませんが、入所する期間の長さによって損得は大きく異なります。
前払い方式は予め必要な費用を支払っており、短期間で退去した場合は前払い金の一部が返還されないこともあります(初期償却)。
その場合は退去後の支払い分について損をしてしまうため、毎月定額を支払う月払い方式の方がお得になります。
なお、一定期間のうちに退去した場合に前払い金の一部を返還するかどうかは事業所が設けている制度によって異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
反対に、長期入居の場合であれば毎月定額を支払う月払い方式の方よりも前払い方式の方が安くなります。
上で説明したように、前払い方式は予め支払った金額に追加で費用が発生することがないからです。
つまり、短期間のみ利用する場合は月払い方式が、長期間利用する場合は前払い方式がそれぞれお得であると言えるでしょう。
ただし、前払い方式には最初にまとまった大金が必要になることや大金が動くことによるトラブルが発生する恐れがあるなどのデメリットがあるので注意しなければなりません。
ココファンのサ高住であれば、入居一時金0円で利用できる上、月額費用が非常にリーズナブルなため安心して利用することができます。
介護保険サービスを利用した場合の料金
前述したように、自立・支援タイプの場合は基本的に介護サービスが併設されておらず、必要に応じて外部事業者と契約をしなければなりません。
対して特定施設入居者生活介護の指定を受けたサ高住では介護サービスの提供が前提となるため、毎月一定額の介護サービス費を支払う必要があります。
なお、サービスの料金は要介護度の段階に応じて異なります。以下詳しく見ていきましょう。
自立・支援タイプは外部の事業所と契約
サ高住は高齢者専用の住宅であり、介護施設とは異なります。
そのため、特定施設入居者生活介護の指定を受けていない限り、介護サービスを受けるためには別途訪問介護や通所介護を利用しなければなりません。
介護保険の支給限度額は介護度によって定められており、その限度額を超えて介護保険サービスを利用した場合には全額利用者の自己負担となります。
介護保険の支給限度額と自己負担額
1単位当たりを10円とした場合、介護保険の自己負担額は以下の通りです。
表を見て分かるように、要支援・要介護度や収入に応じて自己負担額や負担割合は異なります。
なお、介護保険の自己負担額は1割で計算しています。
介護度 | 利用限度額(30日) | 自己負担額(30日) |
---|---|---|
要支援1 | 50,320円 | 5,032円 |
要支援2 | 105,310円 | 10,531円 |
要介護1 | 16万7,650円 | 1万6,765円 |
要介護2 | 19万7,050円 | 1万9,705円 |
要介護3 | 27万480円 | 2万7,048円 |
要介護4 | 30万9,380円 | 3万938円 |
要介護5 | 36万2,170円 | 3万6,217円 |
要介護度が高いと費用が高額になることも
一般的に介護度が重くなるにつれ、必要なサービスが増えます。
そして、サービスの利用が増えるにつれて施設やサービスの費用が高額になることもあります。
しかし、世帯の合計負担額が上限額を越えた場合に関しては、介護保険から高額介護サービス費として超えた分が支給されます。
また、医療費の自己負担額と合算し、年間の自己負担額を一定限度額内に抑える高額医療・高額介護合算療養制度という制度も設けられています。
介護サービスの囲い込みに注意
サ高住の一部には、併設する介護事業を強制的に利用させることで利用者が必要としている以上の介護サービスを受けさせる施設も存在しています。
これは過剰サービスと呼ばれており、利用者は意図せず高額な介護サービス費を支払うことになってしまいます。
上記のように悪質なサ高住も存在しますが、ココファンの住宅では厳正な審査のもと一般社団法人高齢者住宅協会から行動規範遵守宣言確認書を取得していますので、ご安心ください。
全国のココファンのサ高住を探してみる!サ高住の費用における注意点
サ高住を利用する場合、費用面では次の内容に注意しましょう。
立地によって費用が変わる
前述したように、サ高住の家賃は立地によって異なります。駅や都心部などに近ければ近いほど家賃が高くなる傾向にあります。
サ高住を選ぶ上で重要となるポイントは他にもあります。
通院する病院への交通の便が良いか、親戚の家は近いかなどの優先条件を決め、希望する内容と費用を踏まえて施設選びを行いましょう。
自分で計算して余裕を持った資金プランを
サ高住のホームページやパンフレットには月額利用料の目安が載っています。
ただし、それらに載っている費用はあくまでも基本的なサービスのみを利用した金額です。
オプションのサービスを利用した場合や別途料金が必要となる食事、介護サービスなどを利用した場合、さらに日用品などを購入した場合は基本料金に上乗せされることがあります。
高齢者の方がサ高住を利用する場合、限られた収入の中で施設利用費を支払わなければなりません。
そのため、自分で計算して余裕のある資金プランを考える必要があるでしょう。
さらに、場合によっては介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームへの住み替えなどを検討する必要があるということも理解したうえで資金をしっかりと備えておくことが大切です。
サ高住と有料老人ホームの費用を比較
有料老人ホームとは、食事・介護・家事・健康管理のうち、いずれか1つ以上、もしくは複数のサービスを提供している高齢者専用の施設のことを言います。ここでは、サ高住と有料老人ホームの費用の違いについて解説していきます。
基本はサ高住の方が費用が安い
比較項目 | サービス付き高齢者向け住宅 | 介護付有料老人ホーム | 住宅型有料老人ホーム |
---|---|---|---|
初期費用 | 0~数十万円 | 0~数百万円 | 0円~数百万円 |
敷金 | 施設による | 施設による | 施設による |
賃料 | 約5~20万円 | 約5~20万円 | 約5~20万円 |
管理費・共益費 | 約1~5万円 | 約1~5万円 | 約1~5万円 |
食費 | 約4~8万円 | 約4~8万円 | 約4~8万円 |
生活支援サービス費 | 約4~8万円 | 約4~8万円 | 約4~8万円 |
介護サービス費 | 0円 | 約1~8万円 | 0円 |
表を見ると分かるように、サ高住は有料老人ホームと比較して初期費用と月額費用が安いのが特徴です。
サ高住では一般的に介護サービスの提供がなく、安否確認と生活相談のサービスのみの提供となっておりますが、有料老人ホームではサービスや設備が非常に充実しているところが多く、その分サ高住よりも費用が高くなります。
一つの例として、比較的元気なうちは初期費用が安いサ高住に入居し、介護が必要になる頃に介護付き有料老人ホームへと住み替えるという方法もあります。
ただし、サ高住にも要介護度が高い人でも入居できる施設があるため、利用者の身体状況や希望するサービスや費用などを踏まえた上で利用する施設を選択することが大切です。
サ高住は自由度が高い生活を送れる
サ高住と有料老人ホームのどちらかを選択する際の一つの判断材料として、入居後の自由度の高さが挙げられます。
有料老人ホームでは外出時間が決められていることが多く、ある程度行動に制限がかけられます。
一方、サ高住では外出や外泊が自由なところが多く、有料老人ホームよりも自由度の高い生活が送れるという特徴があります。
自身の生活スタイルを維持しながら、自由な時間の使い方や社会とのつながりを保ちながら生活できるため、積極的な生活の継続や自己実現に向けた活動が可能です。
施設に入居しながら自宅と同じ生活スタイルを維持できるという点はサ高住の大きな魅力の一つであり、これを理由にサ高住を選択する方も多いです。
近くの有料老人ホームを探してみる!サ高住は要介護度による入居条件があるかも
サ高住は施設によって「認知症を発症していない」や「自分で身の回りのことができる」などの入居条件が設けられている場合があります。
基本的にサ高住は要介護認定を受けている高齢者が入居することも可能です。
しかし、入居後に心身状況が悪化して介護度が上がった場合や、身の回りのことが自分でできず手厚い介護が必要になった場合など、入居時の身体状況が変化することによって入居条件を満たさなくなり退去を迫られるケースもあります。
ただし、施設によって設備や対応が様々ですので、中には介護制度が充実しているサ高住も存在しています。
特にココファンなら最大区分の要介護度5の認定を受けた高齢者まで幅広く対応しています。多くのサービスを使う必要はありますが、安心して暮らし続けることができます。
近くのココファンのサ高住を探す!サービス付き高齢者向け住宅の選び方
サ高住を探すには次の方法があります。
- 老人ホームの検索サイト
- googleなどの検索エンジンで検索
- 市町村の情報から調べる
特に老人ホームの検索サイトは、検索のサポートが充実しており、希望の条件から施設を絞り込んだり同じ形式の施設同士を比較したりしやすくなっています。
介護や介護支援をすでに受けているという人は、担当のケアマネジャーに相談してみるというのもおすすめです。
提供されるサービスの内容や充実度は施設によって様々で、前述したように、入居後に要介護度が上がっても入居が継続できるように要介護5まで対応しているかどうかは施設によって異なります。
いくつかの候補が決まったら、ホームページや施設のパンフレット、または見学や体験を利用して事前にしっかりと確認しておきましょう。
他にも大きな判断材料となるのが、立地条件です。通常の住宅探し同様、周辺に医療機関や金融機関、買い物ができる店舗があるかどうかで入居後の生活に影響が出ます。
費用やサービス内容などだけではなく、周辺の利便性をチェックした上で利用者の希望に合った施設を選ぶようにしましょう。
また、サ高住と有料老人ホームの違いについて、以下の記事に詳しく書かれておりますので、こちらも是非読んでみてください。
サ高住と有料老人ホームの違い|種類ごとの費用・入居条件からサービス内容まで徹底比較
費用が高すぎてサ高住に住めない場合
サ高住は有料老人ホームと比較して安く利用できる施設です。
また、通常の賃貸物件と大きく変わらない月額費用で「安否確認」や「生活相談」などのサービスを受けることができます。
しかし、中には想定していたよりも費用が高く、サ高住に住むことができないという場合もあるでしょう。そんなときは以下の解決策が挙げられます。
- 家族や知人の近くの賃貸マンションへ引っ越す
- 住み替えはせずに介護サービスを変更
では、この2つの解決策について以下詳しく解説していきましょう。
家族や知人の近くの賃貸マンションへ引っ越す
通常の賃貸マンションでは当然安否確認のサービスはついていません。
しかし、家族や知人の近くに住むことで、心配なときにすぐに駆け付けることが可能になります。このように、介護サービスは必要ないけれど安否確認の面で不安を抱えているという場合は、サ高住を利用しなくても家族や知人の近くに住まいを移すだけで不安や悩みが解消されるケースもあります。
ほとんどの場合、サ高住よりも通常の賃貸マンションの管理費の方が安いため、費用面での不安も解決することができます。
住み替えはせずに介護サービスを変更
介護サービスの重要度が高くないけれど、安否確認に対して不安があるという場合、訪問介護を利用することでその不安が解消されるケースもあります。
訪問介護の利用料金は居住地や提供されるサービス内容によって異なりますが、身体介護20分程度なら1回500円程度で利用することができるでしょう。
1日500円~1,000円程度で身体介護と安否確認をしてもらえるため、サ高住に住んで家賃や管理費を払うよりも格段に費用を抑えることが可能です。
サ高住が高いと感じる場合は、まず自分に必要な介護サービスが何かを明確にし、在宅で訪問介護を受けるとどれくらいの費用になるか計算してみることをおすすめします。
サ高住の費用に関するよくある質問
ここではサ高住の費用に関してよく挙げられる質問と回答を載せていますので、ぜひご覧ください。
退去を要求されることもある?
サ高住の場合、施設によっては条件が定められていることがあります。
要介護認定を受けた方が入居できるケースも多いですが、施設によっては「認知症を発症していないこと」「自身で身の回りのことができる」などの条件があることも。
また、入居後に状態が悪化してしまい、介護度が上がってしまった際にはより手厚い介護のために退去が必要になるケースもあるので、認識しておきましょう。
生活保護でもサ高住に入れる?
生活保護を受給している方でも、サ高住に入居することが可能です。
生活保護の場合は、支給されるお金の用途が厳密に規定されていますが、「住宅扶助」を、施設の費用支払いに充てることができます。
このため、生活保護受給者がサ高住を利用する場合は、自治体の住宅扶助の上限額や規定を確認し、自身が受給している金額内で収まる施設を選ぶことが重要です。
ただし、住宅扶助の上限額は自治体によって異なる点に注意です。自分が支給されている額内に収まるように施設を選ぶようにしましょう。
サービス付き高齢者向け住宅の費用についてまとめ
- サ高住は民間施設の中ではかなり費用を抑えられる
- 短期間で退去する場合は月払い方式が、長期間入居する場合は前払い方式がお得になる
- 介護・認知症タイプでは手厚い介護サービスが受けられるため、自立・支援タイプよりも費用が高い
- 介護の必要性が高くない場合は家族や知人の近くへ引っ越す、訪問介護を利用するなどの対策を取ることで「安否確認」サービスと同等の支援を受けることが可能
今回はサ高住の費用面に関して解説しました。
サ高住には自立・支援タイプと介護・認知症タイプの2種類の施設があります。そのため、どんなサービスを受けてどんな支払い方式を選ぶかによって必要な費用は大きく異なります。
一人暮らしに不安を抱えている人や日常生活に少しの介護が必要だけれど生活スタイルを変えたくないという人にとってサ高住は非常におすすめな施設です。
経済的な条件だけでなく、利用者の身体状況、環境などを考慮し、自分にあった施設を探してみてください。
この記事は専門家に監修されています
介護支援専門員、介護福祉士
坂入郁子(さかいり いくこ)
株式会社学研ココファン品質管理本部マネジャー。介護支援専門員、介護福祉士。2011年学研ココファンに入社。ケアマネジャー、事業所長を経て東京、神奈川等複数のエリアでブロック長としてマネジメントに従事。2021年より現職。
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