小規模多機能型居宅介護のケアマネージャーは大変?仕事内容・やりがいを解説

この記事は専門家に監修されています

介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

「小規模多機能型居宅介護のケアマネージャーはどのような仕事をするの?」

「小規模多機能型居宅介護で勤務するケアマネージャーは大変なのかな?」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

近年、幅広い介護サービスを提供している小規模多機能型居宅介護の需要が高まっています。「介護支援専門員」であるケアマネも、小規模多機能型居宅介護で重要な役割を果たしています。

小規模多機能型居宅介護への転職を検討しているケアマネージャーの方は、仕事内容ややりがい、大変さを把握することが大切です。

こちらの記事では、小規模多機能型居宅介護のケアマネージャーの仕事内容などを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

小規模多機能型居宅介護のケアマネージャーについてざっくり説明すると
  • 業務の幅が広いため、やりがいを感じられる場面は多い
  • 今後も小規模多機能型居宅介護の需要が高まることが見込まれる
  • 業務量が多く大変さを感じやすいのも事実
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小規模多機能型居宅介護とは何?

小規模多機能

小規模多機能型居宅介護は、利用者が自立した日常生活を送れるようにサポートする介護施設です。

まずは、小規模多機能型居宅介護でどのような介護を行っているのか解説します。

小規模多機能型居宅介護の特徴は?

小規模多機能型居宅介護は、施設への「通い」を中心としつつ、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への「訪問」を組み合わせた介護サービスを提供する施設です。

利用者が自立した日常生活を送れるように、家庭的な環境で生活を送りつつ、地域住民との交流を行います。また、必要に応じて日常生活上の支援や機能訓練も行っています。

同一の介事業所で「通所」「宿泊」「訪問介護」という3つの介護サービスを提供している点が、小規模多機能型居宅介護の特徴です。

利用する介護サービスの内容が途中で変更した場合でも、同じスタッフが引き続きサポートするため、利用者にとって安心感を得やすいと言えるでしょう。

なお、小規模多機能型居宅介護1事業所あたりの定員数は29人以下となっています。利用者の数を制限することで、各利用者に対して気配りのきいたサービスを提供できる点も特徴的です。

小規模多機能型居宅介護が生まれた理由

小規模多機能型居宅介護は、2006年4月の介護保険法改正によって生まれた介護サービス施設です。

小規模多機能型居宅介護が生まれる前には、同じようなサービスを提供する施設として「宅老所」がありました。

宅老所は短期の宿泊と訪問介護の2つの介護サービスを提供しており、利用者に高く評価されていました。「社会的ニーズが高い」ということで、通所サービスを加えた「小規模多機能型居宅介護」が誕生したのです。

1つの事業者で「通所」「宿泊」「訪問介護」という3つの介護サービスを受けられることから、利用者の事務的な負担も軽減できるメリットも評価されています。

小規模多機能型居宅介護の人員基準

小規模多機能型居宅介護には、以下のような人員基準が定められています。

本体事業所 サテライト型事業所
代表者 認知症対応型サービス事業開設者研修を修了した者 本体の代表者
管理者 認知症対応型サービス事業管理者研修を修了した常勤・専従の者 本体の管理者が兼務可能
小規模多機能型居宅介護従業者(日中) <通いサービス>常勤換算方法で3:1以上
<訪問サービス>常勤換算方法で1以上(他のサテライト型事業所の利用者に対しサービスを提供することができる。)
<通いサービス>常勤換算方法で3:1以上
<訪問サービス>1以上(他のサテライト型事業所の利用者に対しサービスを提供することができる。)
小規模多機能型居宅介護従業者(夜間) <夜勤職員>時間帯を通じて1以上(宿泊利用者がいない場合、置かないことができる。)
<宿直職員>時間帯を通じて1以上
<夜勤職員>時間帯を通じて1以上(宿泊利用者がいない場合、置かないことができる。)
<宿直職員>本体事業所から適切な支援を受けられる場合、置かないことができる
小規模多機能型居宅介護従業者(介護職員) 小規模多機能型居宅介護従業者のうち1以上 本体事業所から適切な支援を受けられる場合、置かないことができる
介護支援専門員(ケアマネ) 介護支援専門員であって、小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修を修了した者1を以上 小規模多機能型サービス等計画作成担当者修を修了した者を1以上

出典:厚生労働省

ケアマネージャーは、小規模多機能型居宅介護の事業所に1人以上置く必要があります。

本体事業所だけでなく、サテライト型事業所に1人以上の要件が設けられているため、需要は常にあると言えるでしょう。

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小規模多機能で働くケアマネの仕事は大変?

ケアマネ

小規模多機能型居宅介護には、他の介護事業所とは異なる特徴があるため、ケアマネの仕事も大変なところがあります。

以下で、小規模多機能で働くケアマネが、具体的に「大変」と感じる内容について解説します。

業務内容は多岐にわたる

小規模多機能型居宅介護で勤務するケアマネの業務内容は、非常に幅広いです。

  • 要介護認定の手続きの代行
  • ケアプランの作成
  • モニタリング
  • ケアプランの見直し
  • 介護報酬の給付管理、請求事務
  • 利用者とその家族との面談・相談
  • 利用を検討している方とその家族との面談相談
  • 提供する介護サービス内容の変更・調整

主な業務内容は、他の介護施設のケアマネとほとんど変わりません。しかし、小規模多機能型居宅介護ではさまざまな介護サービスを提供しているため、介護報酬の給付管理、請求事務が複雑になりやすいです。

また、必要に応じて介護業務も担当するため、仕事量はかなり多いと言えるでしょう。

ケアマネの1日の流れ

小規模多機能型居宅介護で勤務するケアマネの、1日の流れを紹介します。

あくまでも一例ですが、どのような仕事を行うのかイメージしてみてください。

時間 仕事内容
8:30 出勤
9:00~12:00 利用者宅への訪問、病院への訪問
12:00~13:00 休憩
13:30~17:00 利用者宅への訪問、病院への訪問、関係各所との調整会議など
17:00 事業所に戻り打合せ
18:00 退勤

基本的に、ケアマネの仕事は利用者宅や病院への訪問、関係各所との調整が主な業務となります。

小規模多機能のケアマネは兼務できるのか

小規模多機能のケアマネは、介護の現場職や管理職を兼務することもあります。

多様な働き方を実現できる点は、小規模多機能で働くケアマネのメリットと言えるでしょう。

兼務することも可能

小規模多機能に勤務するのケアマネは、業務に支障がない限りほかの業務を兼務することが可能です。

実際に、必要に応じて介護職を兼務したり、管理者を兼務し管理業務を担ったりする事例があります。特に、介護業界は人手不足の状況にあるため、ケアマネが介護業務を行う可能性は高いでしょう。

とはいえ、ケアプランの作成など、ケアマネとして本来の業務をこなすことが最優先です。業務時間を明確に区別し、時間を有効活用することが求められます。

非常勤で勤務することも可能

ケアマネは、正規職員である必要はありません。パートなど非正規雇用のスタッフも、小規模多機能のケアマネとして配置することが可能です。

ケアマネとしての業務に支障をきたさなければ、非常勤として働かない時間を他の施設での業務に充てることもできます。

複数の介護事業所で勤務するのは大変ですが、できることの幅が広がる点はメリットと言えます。

勤務時間はどうなる?

小規模多機能のケアマネの勤務時間は、兼務しているかどうかによって異なります。

兼務していない場合、夜勤はほとんどなく日中だけの勤務になる事例がほとんどです。ケアマネとしての本来業務に集中できるため、夜勤は発生しません。

一方で、介護職などを兼務している場合は夜勤を入れたシフト勤務になる可能性があります。介護サービスは24時間体制で提供する必要があることから、必要に応じて夜勤シフトに入る必要があります。

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小規模多機能のケアマネのやりがいは?

小規模多機能型居宅介護で勤務するケアマネは、利用者の状況を観察・ヒアリングしたうえで、最適なケアプランを作成します。自分の作成したケアプランが自立した生活に役立っていると、仕事のやりがいを感じられるでしょう。

小規模多機能介護では複数の介護サービスを提供することから、多くの選択肢の中から柔軟にサービスやケアを提供できます。その結果、利用者本人家族との相談・面談を通じて感謝される場面も多いです。

利用者の現状や希望に合わせて、最適なライフスタイル案を作成・提案できる点はケアマネの魅力です。病院などとの調整は大変ではありますが、サポートを必要としている方の役に立てるため、やりがいを感じやすいでしょう。

小規模多機能でケアマネージャーとして働くには

ケアマネとして働くには?

小規模多機能でケアマネージャーとして働くには、まずケアマネ資格を取得する必要があります。

以下で、ケアマネ資格を取得するまでの流れなどを解説します。

ケアマネの資格を取得する

ケアマネとして働くために、まずはケアマネ資格を取得しましょう。

「保健医療福祉分野での実務経験(医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士等)が5年以上かつ900日以上ある」という条件をクリアしたうえで、年一回に都道府県ごとに実施される「介護支援専門員実務研修受講試験」を受験してください。

試験に合格したら、介護支援専門員として登録することで正式にケアマネ資格を取得できます。

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指定研修を修了する

小規模多機能でケアマネージャーとして働くには、小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修と認知症介護実践者研修を修了しなければなりません。

各研修は自治体ごとに行われているため、ケアマネ試験に合格したら日程を確認しましょう。

なお、小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修と認知症介護実践者研修の内容は下記のとおりです。

小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修 認知症介護実践者研修
内容 小規模多機能型居宅介護事業所や指定看護小規模多機能型居宅介護事業所で働くにあたり、計画作成担当者のスキルを習得するための研修 認知症に関する理解を深め、認知症介護の専門家を目指すための研修

小規模多機能型居宅介護で勤務するケアマネにはさまざまな知識が要求されるため、計画作成や認知症を理解することが求められています。

小規模多機能でのケアマネに向いている人とは

以下、小規模多機能でのケアマネに向いている人の特徴について解説します。

自身に適性があるかどうかの判断材料にしてみてください。

情報収集を怠らない人

小規模多機能居宅介護では、各利用者に対してさまざまな介護サービスを提供する必要があります。

情報収集を怠らず、常に利用者の様子を観察して変化に気付ける人は、小規模多機能でのケアマネに向いているでしょう。

機能訓練も行うことから、転倒などの事故を未然に防止することも重要です。情報収集力や観察力がある人は、小規模多機能居宅介護のスタッフや利用者から信頼を得やすいでしょう。

利用者やその家族と密に関わりたい人

小規模多機能居宅介護には利用者の上限があり、少人数の利用を想定しています。そのため、利用者やその家族と密に関わりたいと考えている方は向いているでしょう。

利用者と密にコミュニケーションを取りながら最適なケアやサービスを提供できる点は、小規模多機能居宅介護で勤務するメリットです。

一人ひとりに向き合いつつ、多くの方とたくさん話したい人に向いています。

幅広く介護の仕事を学びたい人

小規模多機能居宅介護は、同一の介事業所で「通所」「宿泊」「訪問介護」という3つの介護サービスを提供します。

特定の介護サービスだけでなく、幅広く介護の仕事について学びたい方は、小規模多機能居宅介護での仕事が向いています。

介護の基礎から応用まで習得できるのはもちろん、さまざまな経験を積むことが可能です。担当できる業務の幅が広がることはキャリアアップにも役立つため、キャリア面でもメリットが期待できます。

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ケアマネージャー転職におすすめのエージェント

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以下で、ケアマネとしてキャリアアップする際におすすめの転職サイトを2つ紹介します。

介護ワーカー

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※画像出典:介護ワーカー公式サイト

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介護ワーカーは、介護職専門の転職サイトの中でも特に評判や実績がいいです。

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ケアマネとしてどのようなキャリアを目指すか相談したい方も、ぜひ登録してみてエージェントと話してみてもいいでしょう。

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小規模多機能型居宅介護のケアマネージャーまとめ

小規模多機能型居宅介護のケアマネージャーまとめ
  • 小規模多機能型居宅介護は業務量が多く大変だが、感謝される場面が多い
  • 施設によっては介護職を兼務し、夜勤を行うこともある
  • 小規模多機能のケアマネの仕事がしんどいと感じたら転職を検討しよう

小規模多機能型居宅介護のケアマネージャーには、やりがいを感じやすいメリットと、業務量が多く大変さを感じやすい両面があります。

社会的に重要な役割を果たしているとはいえ、条件面や環境面を含めて、快適に働けない場合は転職を検討しましょう。

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この記事は専門家に監修されています

介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

株式会社学研ココファン品質管理本部マネジャー。介護支援専門員、介護福祉士。2011年学研ココファンに入社。ケアマネジャー、事業所長を経て東京、神奈川等複数のエリアでブロック長としてマネジメントに従事。2021年より現職。

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