認知症の方の施設入居のタイミングと老人ホーム・介護施設の選び方

この記事は専門家に監修されています

介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

「認知症発症者が施設に入居するタイミングを知りたい!」

「施設の選び方のポイントは何があるの?」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

認知症の方が施設を探す際に、選び方のポイントはいくつかあります。

特養や老健など様々な種類の老人ホームがあるので、ミスマッチを防ぐためにもしっかりと情報を集めることが重要です。

こちらの記事で、認知症の方の施設入居のタイミングや施設の選び方について解説してくので、ぜひ参考にしてください!

認知症の方の施設入居についてざっくり説明すると
  • 症状が軽い内から施設選びを進めよう
  • 特養をはじめとして、多くの施設の種類が存在する
  • 自身の中で優先順位を着けたり、ケアマネジャーに相談することが大切
  • 施設見学を通して細かい情報まで得るようにしよう

認知症でも受け入れ可能な施設探しのタイミング

高齢者施設を探すタイミングは難しいですが、認知症を発症しても焦らずに済むように適切なタイミングについて知っておきましょう。

まだ症状が軽度なうちに

介護に携わる多くの方が「なるべく自宅で最後まで介護を続けたい」と考えていますが、認知症は現代の医療で治すことができません。

特に、認知症を発症すると脳にダメージを負ってしまうため、暴言・暴力・被害妄想・徘徊などの問題行為が目立つようになります。

また、意思の疎通やコミュニーケーションも難しくなってしまうので、家族だけで対処するには限界があります。

認知症の症状が進行するにつれて、必ず介護のプロの手を借りなければならない場面が訪れるため、早い段階から施設への入居を検討すると良いでしょう。

もし入居のタイミングを逃してしまうと、介護者が精神的・肉体的負担に耐えられなくなってしまい、介護倒れや介護殺人などの最悪の事態を招きかねません。

認知能力や会話能力が十分に残っている時期から入居できれば、介護施設内の新生活にも馴染みやすく、余生の生活の質の向上が期待できるメリットがあります。

家族の負担が軽いうちに

介護の負担は重く、精神的にも肉体的にも疲弊してしまいがちです。

日々の介護に追われていると、疲れ果てて施設のサービスや入居条件について調べる気力も無くなってしまい、施設探しが後回しになることも少なくありません。

その結果、認知症の症状が悪化してから冷静判断をしないまま受け入れ条件の整った施設に駆け込んでくるケースが多くあります。

冷静な判断をするためにも、家族の心身の負担が大きくなる前に施設の入居を検討し、提供しているサービスや受け入れ条件などを確認しておくと良いでしょう。

また、早期に施設の情報を収集し、家族や患者本人と共に計画的に入居を検討することは、介護の安全性と質を向上させる一環として非常に重要です。

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認知症でも入居できる施設の種類

それでは、認知症でも入居可能な施設を紹介していきます。

特別養護老人ホーム(特養)

特養のイメージ

特養は要介護状態の方を対象としている公的介護施設で、寝たきりの認知症患者などの介護度が上位である方が優先的に入所できる点が大きな特徴です。

また、看取りを行っている特養がほとんどなので、終の棲家にもなり得ます。

特養は社会福祉法人や地方公共団体が運営しており、入居費を介護保険で賄えるので介護費用を安く抑えられる点が人気を得ています。

人気であるため入居待ちも多く、施設によっては数年に渡って待機することがあるため、特養への入居を希望する場合は早めの対策が必須です。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームまとめ

介護付き有料老人ホームは要介護状態の方を対象としており、入居待ち期間も短く費用の目安が分かりやすい点が特徴です。

専門の介護スタッフから24時間体制で介護サービスを受けられるため、安心して入居できる点が魅力です。

リハビリ職や看護師など、医療職の職員も配置されていることがあるので事前に調べておくと良いでしょう。

施設ごとに特色や特徴が異なっており、設備が豪華であったり医療連携体制の整っている施設まで存在するため、自分の希望に合わせて多くの選択肢から選ぶことができます。

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グループホーム

グループホーム概要

グループホームは、要支援2以上で原則として65歳以上の認知症患者が対象の施設です。

5~9人のユニットを組んで日常生活を送る点が特徴で、このユニットが生活の基盤となります。

残された能力を活かして自立した生活を送るだけでなく、少人数で介護サービスや機能訓練などを受けながは生活の質を高めていきます。

なお、医療的な支援体制や万が一の対応に関しては各事業所で差があるので、各グループホームの情報を集めることが重要です。

グループホームで生活するためには、身の回りのことがある程度自分でできる必要があるため、介護度が高くなったら退去を迫られることがあります。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サ高住概要

サ高住とは、バリアフリー構造になっている高齢者が住みやすいよう設計された住宅です。

他の介護施設と異なり、外出制限が少なく一般的な賃貸住宅のように自由度の高い生活を送ることができます。

自由度が高いながらも、有資格者の相談員が施設内にいるので必要に応じて生活相談サービスや安否確認が受けられる点も魅力です。

自分に必要なサービスに限定して、選択的に利用できることから、経済的にもお得に利用することができます。

主に自立している方や軽介護者が対象ですが、介護職員が常駐しているので要介護5の方まで入居できる施設も多いです。

最近は看取りにも対応しているサ高住もあり、認知症の方を受け入れている施設も増えつつあります。

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老健は認知症でも入所できる?

老健は要介護状態の方を対象としている施設で、病院からの退院直後やケガなどで自宅における日常生活を送るのが難しい高齢者の一時的な入居施設です。

在宅復帰が困難な場合に一時的に入所する施設で数ヶ月程度の入居を想定しており、終身に渡った利用はできません。

老健は身体の機能回復に重点が置かれている点が特徴で、リハビリに関する国家資格を保有している各専門職の指導を受けながらリハビリを行い、在宅での生活を目指すことになります。

老健への入所中は介護保険の範疇で医療サービスを利用することになりますが、高額の内服薬を継続的に服用する必要がある高齢者は入居を断られてしまうケースがあります。

認知症のある高齢者が老健に入所できるかどうかは、認知症の程度や施設の方針により異なりますが、認知症の症状が軽度で、かつその他の要介護状態があまり進行していない場合には受け入れ可能な施設も存在します。

施設選びのための準備

施設を選ぶにあたり、様々な準備が必要となります。

本人にとって快適な生活を送るためにも、細部に渡って情報を集めることをおすすめします。

本人と家族の希望と優先順位を明確に

施設選びを進める際には、本人と家族の要望を整理することが重要です。

本人と家族の希望が違うことが多々ありますが、家族の希望を本人の希望にすり替えないように心掛けましょう。

譲歩するべきところは譲歩し、お互いの考えや希望を尊重しながらベストな選択をしていきましょう。

全ての希望をクリアできている施設を探すのは現実的ではありませんが、希望に優先順位を付けておくことでスムーズに施設選びが進みます。

また、施設選びにおいては、将来的な介護の必要性や認知症の進行具合を考慮し、長期的なプランを策定することも大切です。

ケアマネジャーに相談

施設選びの際には、自分たちで全て決めるのではなく担当ケアマネジャーに相談することも重要です。

ケアマネジャーは地域の介護施設に関する情報や職員について詳しいため、様々な情報を持っています。

自身の情報網を活かして、

  • どの施設が入居できるのか
  • どの施設が本人の性格や症状にあっているのか

など、様々な事情も考慮しながら施設選びを手伝ってくれる頼れる存在です。

希望や予算などをあらかじめ整理した上で相談してみてください。

受け入れ施設の検索と資料請求

インターネットを使えば、簡単に条件を絞り込んで様々な施設をスムーズに検索できます。

また、情報量が膨大なインターネットは幅広い施設の検索をするのに適しており、多くの情報を手に入れることが可能です。

介護施設の入居難易度には地域差があるため、幅広いエリアの情報を収集することで希望に合った施設が見つかることも往々にしてあります。

施設の目星を付けたら複数の施設に対して資料請求を行い、インターネットだけでは把握できない詳細な情報を集めていきましょう。

施設見学も重要

資料請求を通して施設を絞り込んだら、次のステップとして実際に施設に足を運んで見学しましょう。

見学して雰囲気などを体感することで、

  • 情報とのギャップが無いか
  • 雰囲気は本人にマッチしているか
  • スタッフは親切そうか

などの有意義な情報を得られます。

また、入居者の暮らし方をチェックしたり職員の話を聞くことで、入居にあたっての具体的なイメージが湧きます。

できれば本人と一緒に見学に行き、本人と家族の双方が納得できる施設を見つけていきましょう。

施設の選び方のポイント9選

施設を選ぶ際に重視するべきポイントはいくつかありますが、以下で述べる9点の選び方は必ず意識しましょう。

費用の確認

当然、予算を大幅に超える施設は利用できませんので、利用時にかかる費用をしっかりと確認することが大切です。

種類 費用(初期費用) 費用(月額費用)
特別養護老人ホーム 0円 5〜15万円
介護老人保健施設 0円 8万〜14万円
介護医療院 0円 0万〜14万円
ケアハウス 数十万〜数百万円 10〜30万円
介護付き有料老人ホーム 0〜数百万円 15〜30万円
サービス付き高齢者向け住宅 0〜数十万円 10〜30万円
グループホーム 0〜数十万円 15〜20万円

施設への入居にあたっては、入居時費用・月額費用などの様々なコストが発生します。

長期間入居することで費用負担は重くなるので、経済的問題が生じないかを入念に確認しましょう。

特に、利用する施設が公的施設か民間施設かで料金は大きく異なり、また介護保険の適用有無も費用に大きな影響を与えます。

金銭的に余裕が無い場合やゆとりを持った資金計画を立てたい方は、公的施設や入居一時金がかからない民間施設を中心に施設を選ぶと良い

サ高住なら入居金0円も

ココファンの紹介画像

サ高住は、入居一時金0円でありながら、多くの施設でしっかりとした認知症対応を受けることができます。

さらに、学研ココファンのサ高住では、月額費用も厚生年金額を基準とした金額設定となっているため、経済的な負担を抑えて利用することができます。

もちろん、24時間365日ケアスタッフが常駐しているなど、認知症患者の方々が安心して暮らせるようなサービスを提供しています。

全国各地に、認知症対応可能な各種施設を設置しておりますので、ぜひチェックしてみてください。

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医療介護体制の確認

認知症が進行している場合、介護だけでなく医療の提供も必要となります。

そのため、安心して生活するためにも施設内に認知症介護の経験を豊富に持っているスタッフが配置されているかどうかはチェックすると良いでしょう。

また、入居する方が認知症以外にも持病を抱えている場合は、適切な医療サービスを施設内で受けられるかどうかも確認してください。

これらは非常に重要なポイントなので、細かく確認することをおすすめします。

必ず本人と一緒に見学

施設の見学に行くことはマストですが、足を運ぶ際には家族だけでなく本人と一緒に行きましょう。

当事者である本人と一緒に施設見学をすることで、相性の良し悪しや本当に施設への入居が可能かどうか判断できます。

本人が明らかに嫌がっていたり、相性が良くないと感じた場合などは、施設ではなくデイサービスや在宅介護を考える必要があります。

本人が見学した施設を気に入るか否か、その施設の職員の雰囲気を気に入るか否かで入居後の生活の質が大きく変わるため、必ず本人と家族が一緒に行きましょう。

安直に判断するとミスマッチのリスクが高まるので、よく吟味してください。

認知症の方への対応方針

見学の際に、施設職員の方に対して認知症患者への対応の経験などのヒアリングを行うことも重要です。

具体的には「これまでどのような対応をしてきたか」「症状が出たらどう対応するか」を質問し、その回答に納得できるか否かで施設への入居を判断する際の材料にすると良いでしょう。

実際、認知症ケアの経験が豊富な方は認知症患者への対応が上手なので、その存在は生活の質を高めてくれるでしょう。

特に、認知症患者が起こしがちな「徘徊に関するトラブル」「入居者間のトラブル」については必ず質問しましょう。

家族の身柄を託す以上、トラブルが起きた際の対応やケアについては重要なポイントとなります。

入所者の方の様子

失礼にならない程度に、実際に施設へ入居者の様子や暮らしぶりを観察することも有意義です。

楽しそうに過ごしていたり、リラックスした雰囲気であれば快適に過ごせる可能性が高いです。

一方で、服が汚れたままであったり入居者同士での関わりが薄いようであれば、施設の対応が良くない可能性があります。

施設の随所に判断するべきポイントがあるので、見落とさないように注意して観察しましょう。

職員の態度や様子

施設職員の対応や働きぶりなどの様子も施設の良し悪しを決める大切な要素となります。

認知症の方は環境の変化を苦手としていますが、職員が丁寧に対応してくれれば緊張も解れていきます。

認知症ケアに関する経験を持ち、正しいケア方法を理解している職員であれば、業務が忙しくても丁寧に対応してくれます。

また、施設見学の際にはスタッフの教育体制や研修について質問することも有意義です。

教育や研修がしっかり行われている施設であれば、質の高いサービスを継続して受けることができるので「職員が大切にされているかどうか」もチェックしましょう。

入所者同士の交流の頻度

入居者同士で交流できる点は、施設を利用する方々にとって大きな魅力です。

入居者同士で良好な関係を築き、円滑なコミュニーケーションが取れていれば和やかな雰囲気で安心して生活できます。

しかし、入居者同士の交流がなかったり、職員と入居者との間でも淡々とした事務的な会話しかない殺伐とした施設もあります。

入居者同士の交流の有無や、職員が活き活きとコミュニーケーションを取っているかをチェックし、認知症の方でも安心して暮らせる施設を選びましょう。

退去の事例をチェック

入居者の過去の退去事例も確認することで、退去理由や退去した方の傾向を把握できます。

守秘義務があるので詳細は不明であっても、ある程度の傾向を把握できるはずです。

例えば、

  • 施設で看取られる方が多いのか
  • 病院に入院して看取られる方が多いのか
  • 暴言や暴力、徘徊などのトラブルで退去を余儀なくされたのか

など、様々なケースを想定して質問してみましょう。

看取りに対応しているか

入居者の看取りに対応しているか否かも、施設選びにおける重要なポイントとなります。

ターミナルケアは点滴や酸素吸入などの医療的ケアを中心ですが、看取り介護は食事や排泄の介助など日常生活のケアが中心です。

看取りに対応する施設では、入居者と家族にとって最期の時間が穏やかで安心感のあるものとなるよう、心のケアやコミュニケーションにも力を入れていることが多いです。

近年は看取りに対応している施設が増えていますが、全ての施設が看取りに対応しているわけではないため、確認しておくと安心です。

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施設での認知症ケアのメリット

高齢者を見守る図

それでは、在宅ではなく施設で認知症ケアをするメリットについて見ていきましょう。

24時間体制のケア

介護のプロがいる施設を利用することで、認知症の進行を防ぐための適切なケアや生活上のサポートを24時間体制で受けられます。

本人の状態を把握しながら24時間ケアを受けられるのは大きな安心に繋がるので、これは在宅介護では感じられない大きなメリットとなります。

また、施設であれば健康的な生活を送るためのサポートを随時職員から受けられるので、認知機能の改善や運動能力の維持も可能です。

日中はレクリエーションや体操などで脳や体の活動を行い、夜間にしっかり睡眠が取れるような生活リズムを整えられるので、認知症に良い影響があるのは間違いありません。

職員・入所者との活発な交流

施設では、食事などの日常生活やレクリエーションを通して、入居者や職員と活発に交流を持つことができます。

入居者や施設の職員と楽しく交流できる点は、在宅介護では得られない大きな魅力です。

また、様々な人と会話したり交流を持つことで、心身に良い刺激を与えて認知症の進行を防いでくれます。

在宅介護の場合、デイサービスに行ったり近所の方と自発的に交流する必要があるため、介護者の負担が大きくなってしまう難点があります。

活動的に暮らすアプローチが様々ある

施設では介護のプロが考案したレクリエーションが充実しているので、在宅介護では得られない脳への刺激が得られます。

認知症の進行を抑えたり症状の緩和につながる運動や脳のトレーニングなどが行われているので、認知症患者にとって非常に有意義なイベントです。

様々な角度から活動的に暮らすアプローチをしてくれるので、認知症患者にとってメリットが大きいと言えるでしょう。

プロによる最適な心身のケア

プロによるケア

施設には認知症ケアに関する知識と経験を豊富に持つスタッフがいるため、認知症患者の快適な生活を支えてくれます。

在宅介護では心身のケアが難しいですが、プロによる認知症ケアが受けられたり症状の改善も期待できる点は施設生活の大きな魅力です。

また、運営実績が長い施設であれば、これまでに蓄積されてきたケア方法などが蓄積されているので、個々人に合わせた適切なサービスが受けられます。

このように、在宅介護ではなかなか届かない心と体を含めた総合的なケアを受けられる点も施設ケアの大きな魅力です。

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施設入所で認知症が進む?

認知症の症状や進行スピードは人それぞれなので、「施設に入居する意味はあるの?」と考える方もいます。

「施設に入居する」ことで認知症が進行したり症状が悪化してしまうことはまずありませんが、生活環境が変わってしまう点が大きなストレスとなってしまう可能性は否定できません。

一方で、「施設に入居したことで認知症が進んだ」と家族が感じるケースがありますが、これは実際には「進んだように見えるだけ」と誤解してしまっていることがほとんどです。

とはいえ、施設に入居すると自宅で過ごすよりも「自由な行動が制限される」ことになるため、このストレスが認知症を進行させてしまうケースがあるのは確かです。

認知症が進んでしまう要因は個人によって変わるため、入所することで症状が進行する方もいれば進行を抑えられる方もいるのが現状です。

親・家族の施設入所後は定期的に訪問しよう

家族が介護施設に入居した場合は、本人に孤独感を与えないためにも、完全に施設任せにするのではなく定期的に訪問して交流しましょう。

定期的に会うことで入居者の精神的な満足度を高めることができ、「自分は支えられている」という実感を与えることができます。

また、施設での生活で困ったことや不安なことがあればしっかりと聞き、できるだけストレスを解消するように努めましょう。

本人が少しでもリラックスできれば認知症の症状を緩やかにできるメリットがあるので、訪問するスケジュールを早い段階から組むことをおすすめします。

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介護費用についても要検討

介護に関するお金について悩みを抱えている方は多くいるので、認知症の前兆などを感じたら早い段階から費用の工面などに着手しましょう。

元気な内はそこまで費用負担が大きくなりませんが、要介護度が上がりサービスを利用する機会が増えると費用は膨らんでしまいます。

準備するべき介護費用については利用する施設によって異なるので一概には言えませんが、介護施設に入居すると当初の想定を上回る出費が発生することが少なくありません。

年金収入だけですべてを賄うのはほぼ不可能なので、現実から目を背けることなくお金の問題にも向き合っていきましょう。

施設に入居すると在宅介護の倍以上の費用が

施設に入居すると「在宅の頃に比べると支払いは倍以上になった」というケースも少なくありません。

施設に入居する場合に必要となる費用の総額は

「入居期間×介護費用」

となりますが、老化のスピードや身体状況に変化は人によって違うため「入居期間」を算定するのは困難でしょう。

平均寿命が延びて「人生100年時代」とも言われていますが、健康寿命は72~74歳程度です。

つまり、単純なデータでの判断にはなってしまいますが「20年近くは何らかの形で介護サービスないしは高齢者施設を利用することになる」ということです。

例えば、月30万円の施設に70歳から20年間入居するケースを想定すると7,200万円という大金が必要となるので、「老後資金の確保は早い段階から行う」という意識を持ちましょう。

認知症の方の施設入居まとめ

認知症の方の施設入居まとめ
  • 選び方のポイントは多いので、丁寧に情報を集めることが重要
  • 必要となる費用についても把握し、余裕を持った資産計画を立てるべき
  • 本人と家族が施設見学に行き、本人から感想を聞こう
  • 施設に入居すると在宅介護よりも高い費用が掛かるので、早い段階から資金作りに着手するのがおすすめ

老人ホームには様々な種類があるので、まずは「認知症の方でも受け入れている」施設を探しましょう。

その上で自分なりの優先順位をつけ、資料請求や施設見学を通してベストな選択をしていくと良いでしょう。

親子で協力しながら意見交換をして、入居する本人の意思を尊重することを心掛けることが重要です。

この記事は専門家に監修されています

介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

株式会社学研ココファン品質管理本部マネジャー。介護支援専門員、介護福祉士。2011年学研ココファンに入社。ケアマネジャー、事業所長を経て東京、神奈川等複数のエリアでブロック長としてマネジメントに従事。2021年より現職。

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