サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に住むメリットとは?魅力や問題点まで大調査!

この記事は専門家に監修されています

介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に住むメリットはあるの?」

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の問題点について知りたい!」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

近年戸数が増えて人気のあるサ高住ですが、利用によるメリットとデメリットの双方を理解することが重要です。

基本的に多くの高齢者の方におすすめできる施設ですが、相性の良し悪しや安心して暮らせるかどうかは誰しもが気になるポイントでしょう。

こちらの記事では、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を利用するメリットや問題点について詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください!

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のメリットについてざっくり説明すると
  • 比較的安価に利用することができ、安心して生活できる施設
  • 周囲の方とのコミュニケーションも取りやすく、生活の自由度が高い点が魅力
  • 一人暮らし高齢者などの、漠然とした不安を抱えている方にもおすすめ

サービス付き高齢者の方向け住宅(サ高住)とは

サ高住の種類

まずは、サ高住の特徴について見ていきましょう。

サ高住は多くの高齢者の方の方にとって有力な選択肢となる施設なので、特徴についてもしっかり把握しておくべきだと言えます。

サ高住の特徴

サ高住とは、一人暮らしや夫婦で暮らす高齢者の方が安心して暮らせる賃貸住宅を指します。

サ高住には高齢者の方のケアに詳しい生活相談員が常駐しており、「安否確認」「生活相談」のサービスを受けることができます。

なお、主な特徴は下記の通りです。

  • マンション型の住宅で、建物全体がバリアフリー構造になっている
  • 入居者の安全確認や生活相談を担うスタッフが常駐している
  • 一般型と介護型の2種類がある

また、サ高住では入居者同士が助け合い、地域ぐるみのコミュニティが形成されることもあり、孤立感を軽減する効果も期待できます。

老人ホームなどの他の介護施設には無い特徴が揃っているので、ニーズに合うと判断した方は情報を集めてみてください。

サ高住のメリットとは

それでは、サ高住のメリットを具体的に見ていきましょう。

様々なメリットがあるので、自身の希望に合うか確認してみてください。

高齢者の方でも借りやすい賃貸住宅

高齢者になると、収入面の不安孤独死のリスクなど様々な理由から一般的な賃貸住宅が借りにくくなる傾向にあります。

しかし、サ高住は高齢者の方のための賃貸住宅なので、条件を満たせばでも簡単に入居できる点が大きな魅力です。

短期間で退去することになっても、契約時に支払った初期費用の返還のルールが確立されており、入居者の権利がしっかりと守られています。

また、サ高住は比較的新しい業態なので、ほとんどが新築や築浅という居住環境の良さも魅力と言えるでしょう。

サ高住では、安心して生活できる環境とサービスが提供されるため、高齢者やその家族にとって心強い住まいの選択肢となっています。

自由度が高く高齢者が安心できる生活が送れる

サ高住の最大のメリットは、高齢者の方が安心して生活を送れる点にあります。

高齢者のケアに詳しい生活相談員が常駐しているので様々な相談ができる上に、近隣に近い世代の方が多く暮らしている場合も多いため、コミュニーケーションが取りやすいです。

そのため、1人暮らし高齢者の方や夫婦でも安心して生活できる点が好評を得ています。

また、サ高住では比較的自由度の高い生活を送ることができる点も人気があります。

賃貸住宅なので一般的な介護施設よりもプライバシーが守られており、外出や外泊なども自由に行うことができます。

転倒などを防止するために全面バリアフリー構造になっているので、安心して生活を送ることができるでしょう。

サービスと費用の選択肢が豊富

サ高住を利用すると、豊富な選択肢の中から必要なサービスを選ぶことができます。

そのため、本当に自分に必要なサービスのみに限定して利用することができ、結果として無駄な費用を払わなくて済む場合が多いです。

また、サ高住は福祉・介護系以外の法人が運営しているケースが多く、各事業者の強みを生かして独自のサービスを強く打ち出しています。

つまり、他の高齢者施設よりも自分好みの施設を見つけやすく、高齢者施設での充実した老後生活を送りやすいと言えるのです。

落ち着いた老後生活や新たなコミュニティへの参加など、サ高住で満たすことのできるニーズは多いです。

また、サ高住は現在全国各地に施設数を増やしており、自分の馴染みの地域で暮らし続けられる可能性も高くなっています。

そのため、各々のニーズや価値観に合わせた、理想の生活を実現しやすい点も大きな魅力と言えるでしょう。

入居条件が厳しくない

サ高住は入居条件が比較的緩やかで、介護認定を受けていない高齢者の方や、自立した生活が送れる高齢者の方でも入居可能となっています。

多くの高齢者施設は要介護状態の方向けにのみ介護を提供する性格を持っていますが、サ高住は高齢者の方が安心して暮らすための賃貸住宅です。

そのため、現状で介護が必要でない方でも安心して暮らすために、自宅から住み替えるケースも多くあります。

もちろん、要介護度が高い方も多く入居しています。介護度が高い方向けの介護・医療サービスも追加で利用できますので、対応可能です。

また、バリアフリー構造となっているため、日常生活で車いすを利用することになっても安心して居住し続けることができるでしょう。

つまり、幅広い高齢者の方が入居しやすく、かつそれぞれのニーズにあった生活を長期的に送ることができる、と言う点がサ高住の特徴だと言えます。

入居一時金0円の場合がほとんど

ほぼ全てのサ高住では、入居一時金がかかりません。

多くの老人ホームでは、入居一時金だけで数十万円かかってしまうため、初期費用をかなり抑えて利用を始めることができます。

さらに費用を抑えられるココファンのサ高住

ココファンの紹介

ココファンのサ高住は、全施設入居一時金0円で利用することができます。

さらに、月額費用も厚生年金額を基準とした料金体系となっており、他社のサ高住よりも費用を抑えることが可能です。

介護スタッフが24時間常駐しているなど、幅広い介護度の方が安心して暮らせるような充実のサービスを提供しています。

安心安全の暮らしをリーズナブルに提供しておりますので、ぜひチェックしてみてください。

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サ高住のデメリット・問題点とは

続いて、サ高住のデメリットや問題点について見ていきましょう。

メリットだけでなく、デメリットについても把握することが重要です。

一般の賃貸住宅よりも費用が高い傾向

サ高住に居住するためには、目安として下記のコストがかかります。

種類 費用(初期費用) 費用(月額費用)
サービス付き高齢者の方向け住宅 0〜数十万円 10〜30万円

月額費用には、家賃・管理費・安否確認・生活相談サービスの提供費用などが含まれていますが、食事サービスや他のサービスは適宜料金が追加される仕組みです。

当然ですが、介護のためのサービスを揃えた住宅ですので、一般的な賃貸住宅よりも高額な費用がかかってしまいます。

しかし、他の種類の老人ホームと比較すると、サ高住は比較的費用を抑えられる部類に入ると言えます。

種類 費用(初期費用) 費用(月額費用)
サービス付き高齢者向け住宅 0〜数十万円 10〜30万円
特別療養老人ホーム 0 5〜15万円
介護老人保健施設 0 8万〜14万円
介護療養型施設 0 9万〜17万円
軽費老人ホーム 0〜数十万円 10〜30万円
ケアハウス 数十万〜数百万円 10〜30万円
介護付き有料老人ホーム 0〜数百万円 15〜30万円
住宅型有料老人ホーム 0〜数百万円 15〜30万円
健康型有料老人ホーム 0〜数億円 10〜40万円
グループホーム 0〜数十万円 15〜20万円
シニア向け分譲マンション 数千万〜数億円 10〜30万円

特に、民間施設の中で比較するとかなり費用を抑えて利用できることがわかるでしょう。

介護度の進行により退去が必要なことも

施設によっては退去要件が定められていることもあるので、こちらも要チェックです。

入居後に介護状態が重度になってしまった場合に、老人ホームなどの介護施設に移動する必要が迫られるケースも少なくないので、事前の確認が欠かせません、

最期まで同じサ高住で住みたい場合は、契約方式やサ高住の型から絞り込むと良いでしょう。

例えば、終身建物賃貸借制度を採用しているサ高住であれば、借家人が死亡したとき以外は契約が終了できないため介護度に関係なく強制的に退去させられることはありません。

また、介護型のサ高住では介護度が重い方の入居を認めているので、途中で要介護度が上がっても安心です。

今後体調に変化があり、介護度が上がってしまう可能性がある場合は、介護型のサ高住から優先して探すと良いでしょう。

介護度の変化に柔軟に対応できるサ高住を選ぶことで、退去しなければいけないかもしれないという不安をなくし、安心して生活することができます。

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連帯保証人が必要となる

サ高住は一般的な不動産契約に基づく賃貸住宅なので、契約にあたり「連帯保証人」が必要となる点に注意しましょう。

なお、連帯保証人が求められる理由としては下記の事情が挙げられます。

  • 費用の支払いが困難になったときに経済的な保証が必要なため
  • 判断能力が低下した際、ケア方針などについて意志確認が困難になる可能性があるため
  • 定期的な報告や緊急時・死亡時に連絡が必要なため

様々な事情から保証人を用意できない場合でも、サ高住を利用する手段はあります。

例えば、保証人の代わりに成年後見人制度を利用できるサ高住を活用したり、保証会社を利用するなど対策を行うことで、サ高住に入居できる可能性は高まるでしょう。

有料老人ホームとの違い

サ高住と有料老人ホームの比較

サ高住と有料老人ホームとの最も大きな違いは、

  • 施設のタイプの違い
  • 契約形態の違い

です。

サ高住は一般型と介護型に分かれており、有料老人ホームは介護付き・住宅型・健康型の3種類に分かれています。

また、サ高住の契約形態は多くのケースで通常の賃貸物件と同じ「賃貸借契約」である一方で、有料老人ホームの場合の契約方式は「利用権方式」が一般的です。

ちなみに、利用権方式とは入居する際に「入居一時金」というまとまった金額を施設に支払い、施設の居室や共用設備を利用する権利を得る方式です。

また、施設を利用する権利に加えて介護サービスや生活支援サービスの提供を受ける権利も保障される契約なので、まとまった一時金を用意できそうな方は有料老人ホームも選択肢に含めると良いでしょう。

なお、各有料老人ホームとサ高住の費用について比較すると、下記の表のようになります。

種類 費用(初期費用) 費用(月額費用)
介護付き有料老人ホーム 0〜数百万円 15〜30万円
住宅型有料老人ホーム 0〜数百万円 15〜30万円
健康型有料老人ホーム 0〜数億円 10〜40万円
サービス付き高齢者の方向け住宅 0〜数十万円 10〜30万円

家賃にあたる月額費用を見てみると、有料老人ホームは15〜30万円程度が目安となっており、これはサ高住と同程度~やや高い水準と言えます。

また、入居一時金(初期費用・敷金)の有無がサ高住と有料老人ホームで大きく異なるため、事前に綿密な予算計画を立てるプロセスは必須です。

有料老人ホームでは手厚いサービスを受けられるメリットがある一方で、入居一時金は数百万~数千万に及ぶこともあるため要注意です。

住宅型有料老人ホームとの違い

サ高住と住宅型有料老人ホーム比較

サ高住と住宅型有料老人ホームは、入居条件や外部介護サービスを利用するという共通点がありますが、細かく見てみると両者には様々な違いがあります。

サ高住は「自立している高齢者の方や介護度が低い高齢者の方が安全な環境の中で自由に生活できる点」が特徴的である一方で、住宅型有料老人ホームは「イベントやレクリエーションが盛んに行われている点」が特徴です。

また、サ高住では施設の職員が利用者の部屋を定期的に見回る「安否確認サービス」と日常生活の相談に乗る「生活相談サービス」の提供が義務付けられています。

一方で、住宅型有料老人ホームでは入居者が必要な生活援助と介護サービスを自由に組み合わせるのが基本です。

そのため、介護サービスを受ける場合は担当のケアマネジャーと相談しながら、外部の事業者と契約して利用することになります。

介護付き有料老人ホームとの違い

サ高住の場合、入居条件として「原則として60歳以上」「自立した生活のできる高齢者の方」が対象となっています。

一方で、介護に特化した施設である介護付き有料老人ホームでは、多くの場合「要介護認定を受けていること」が居住条件として求められます。

つまり、基本的に介護付き有料老人ホームは介護を必要としている高齢者の方向けの施設と捉えておきましょう。

手厚い介護サービスが受けられる一方で、食事や入浴の時間が決められているなど日常生活に一定の制約を受けたり、まとまった入居一時金が必要である点が介護付き有料老人ホームのデメリットです。

各施設の特徴や強みを把握した上で、自身にとってベストな選択ができるように吟味してください。

サ高住で就労する選択肢

サ高住などの高齢者向け施設で、入居者の方が働いて収入を得る仕組みを導入する事例が増えつつあります。

施設の中で軽作業や接客の仕事を行い、収入を得ながら生きがいを感じることができる取り組みとして注目を集めています。

体力に配慮しつつ適度な就労を行うことで、心身に良い影響を与えることができ認知症予防にもなるメリットが期待できるでしょう。

数年前に「老後2000万円問題」が世間を騒がせましたが、この影響もあり居住空間と共に働く場を提供するサ高住が増えていく可能性が示唆されています。

実際にサ高住に住みながら施設内で就労をしている方の中には「体調に気を使ってもらいながら働けて、独りで過ごす時間が減った」というポジティブな意見をしている方がいます。

そのため、体力がある高齢者の方は「住みながら働ける施設」も視野に入れておくと選択肢を増やすことが可能です。

また、介護業界は人手不足が深刻な状況にあるため、施設によっては入所者に働いてもらいながら施設内の人手を補う試みが進められています。

仕事を通して高齢者の方がやりがいや生きがいを感じて、要介護度が要介護1から要支援2に改善する例もあることから、実は施設にとっても入居者にとってもメリットが大きいのです。

  1. 収入を得られる
  2. 心身の健康を保てる・症状が改善する
  3. 社会的繋がりを持てる
  4. 認知症予防になる

上記のようなメリットがあることから、就労環境のあるサ高住も検討する価値があると言えるでしょう。

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サービス付き高齢者の方向け住宅(サ高住)のメリットまとめ

サービス付き高齢者の方向け住宅(サ高住)のメリットまとめ
  • 「安否確認」「生活相談」のサービスを受けることができる
  • サービスと費用に関して、豊富な選択肢から選べる
  • 安価かつ自由度の高い生活を送ることができる
  • サ高住で就労できる環境が増えつつある

サ高住を利用するメリットについて解説しました。

サ高住は入居要件が緩く、安心して生活できる環境が整っているので多くの高齢者の方にとって有力な選択肢となるでしょう。

戸数が多く豊富な選択肢の中から自分にとってベストな施設を選べることから、生活に不安を抱えている方は利用を検討してみてください。

この記事は専門家に監修されています

介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

株式会社学研ココファン品質管理本部マネジャー。介護支援専門員、介護福祉士。2011年学研ココファンに入社。ケアマネジャー、事業所長を経て東京、神奈川等複数のエリアでブロック長としてマネジメントに従事。2021年より現職。

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