サービス付き高齢者向け住宅とは?費用や入居条件・老人ホームとの違いまで全て解説

この記事は専門家に監修されています

介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

「サービス付き高齢者向け住宅ってどんな施設?」

「費用や入居条件は?有料老人ホームやシニア向け分譲マンションとはどう違うの?」

などと疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

「サービス付き高齢者向け住宅」は、要介護度がそこまで高くない高齢者を中心に昨今人気を高めている高齢者住宅です。普通の老人ホーム・介護施設とは違い、サービス付き高齢者向け住宅にはそれ特有の魅力やメリットがあります。

今回はサービス付き高齢者向け住宅について、費用や入居条件などを詳しく解説します。

有料老人ホームやシニア向け分譲マンションとの違いなどについても言及するのでぜひ参考にしてください。

サービス付き高齢者向け住宅についてざっくり説明すると
  • バリアフリー構造で高齢者にやさしい
  • 有料老人ホームよりも生活の自由度が高い
  • 初期費用も比較的リーズナブル
  • 「介護・認知症タイプ」では介護サービスも提供
  • 良いところを見つけたら早めの入居登録がおすすめ

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは

サービス付き高齢者向け住宅の種類

サービス付き高齢者向け住宅の魅力・特徴

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)ではご高齢者が安心して暮らせるよう配慮された住環境と安否確認・生活相談といったサービスを提供しています。

賃貸形式の「住宅」なので、入居一時金が無く家賃も平均相場となっているので、有料老人ホームと比べ比較的経済的に安心な住宅が多いのが特長です。

住宅の広さや設備の条件などで高齢者が住みやすい仕様になっており、その上で介護に必要な充実のサービスを受けることができるため、高齢の方でも安心・安全・快適に生活することができます。

サ高住に居住する高齢者は、要介護度の低い方や要支援の方が中心で、要介護度の高い高齢者が多い介護付き有料老人ホームに比べると生活の自由度が高いという特徴があります。

さらに、サ高住では定期的なイベントやレクリエーションなども行われ、入居者同士が交流する場が提供されているため、孤独感や社会的孤立感が解消されることも魅力の一つです。

また国の方針で、サ高住の設立には補助金が出るようになっているので、今後も施設数および利用者数がどんどん増えていくだろうと推測されます。

サービス付きの「サービス」って?

サ高住のサービス要件

サービス付き高齢者向け住宅で言うサービスとは、安否確認サービスと生活相談サービスの事を指します。サ高住ではこれらサービスの提供が義務付けられています。

また、そのために少なくとも日中時間帯に介護や看護・医療等の資格を持つ職員を配置する必要があります。この他、食事サービスや生活支援サービスを提供するのが一般的ですが、これらに提供義務はありません。

そのため、事業者や物件によって夜間は無人になる(緊急時は通報システムを利用)、食事サービスは提供しない等、提供されるサービスが異なるため、住まい選びの際にはよく情報を得る事が大切です。

施設数の増加により入居待ちが少ない

サービス付き高齢者向け住宅の施設数の変化

上のグラフはサービス付き高齢者向け住宅の施設数の推移を示しています。

高齢化が進んでいることに加えて、設立時には補助金も出されることから、グラフの通りサービス付き高齢者向け住宅の数はかなり増加傾向にあります

このような背景から物件数が多いため、サ高住に入居するにあたって「入居待ち」になる可能性は低いです。

また、入居にあたっては、自治体による「住宅改修・介護給付費」や「介護保険制度」の利用ができる場合があります。

しかし、料金や立地、設備など、条件面で好ましい物件から埋まっていくので、良い物件に入居したい場合には、早め早めの行動をおすすめします。

サ高住の種類

サービス付き高齢者向け住宅は、基本的に住宅単体では介護サービスが付いていません。

そのため、お元気な方のみを対象としたサ高住もあり、これらのサ高住では本格的な介護が必要になった場合は住み替える必要が出てしまいます。

一方で、サ高住に訪問介護などの在宅介護サービスを併設した介護対応が可能なサ高住もあります。また、厚生労働省が定める「特定施設」に指定されているサ高住もあり、これは介護付き有料老人ホーム同様の介護サービスを受けられます

また、一部のサ高住では、同じ建物内に「有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」が併設されている場合もあります。

どちらも多くは介護職員が24時間常駐し、必要に応じて介護サービスを受けることが出来ます

この記事では前者の自立の方向けサ高住を「自立・支援タイプ」、後者の介護対応可能なサ高住を「介護・認知症タイプ」と呼ぶことにします。

両タイプを複合したような施設もありますが、基本はこの2タイプだと思っておけば差し支えありません。

なお、「介護・認知症タイプ」のサービス付き高齢者向け住宅は多く、要介護度の高い人でも安心して過ごせる施設として人気を集めています。

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サービス付き高齢者向け住宅の料金

サービス付き高齢者向け住宅の料金は、一般的な賃貸と似ています。敷金などの初期費用と、賃料・サービス料金・光熱費などの月額費用がかかります。

初期費用は敷金として賃料の2〜3ヶ月分、合計15〜20万円程度がかかる場合が多いです。ただし、入居時にサービス費等の前払いを行うサ高住の場合は、初期費用がもう少しかかることになります。

続いて月額料金ですが、「自立・支援タイプ」が月額10〜30万円程度、「介護・認知症タイプ」が月額15〜40万円程度であることが多いです。

これは介護保険サービスの保険料や食事代金を含めた実質の月額負担額なので、介護サービスの利用が多くなる介護・認知症タイプの方が月額費用が高くなっています。

一方で、自治体や国が提供する補助金や税制優遇措置を利用することで、負担額を軽減することができる場合もあります。

タイプ 自立・支援タイプ 介護・認知症タイプ
初期費用 15〜50万円 15〜50万円
※賃料の数ヶ月分を前払いする場合もある
月額費用 10〜30万円 15万円〜40万円

※表の値は一般的な相場です。

入居金0円で利用できる

有料老人ホームでは入居一時金として、初期費用で500万円ほどかかるのが一般的です。

これに対し、サ高住は入居金0円で利用できる点が大きな特長です。賃貸形式の住宅なので、権利金の様な入居金が存在せず、初期費用は敷金のみという場合がほとんどなのです。

これにより、サ高住に入居する場合は他の施設よりも初期費用を大幅に抑えられることが多いです。

ただし、入居時前払い金として家賃やサービス費の一部を入居時に払うケースもあります。また、一般の賃貸住宅と同様に、敷金がかかる場合も少なくないです。

とはいえ敷金は家賃の数カ月分というケースが多く、有料老人ホームの入居一時金の様に高額になる事はほとんどありません。敷金は退去時の原状回復に利用され、残金は返金されます。

月額費用の内訳

月額費用は、賃料・共益費・サービス費が固定でかかる費用です。

賃料は居室の賃借の費用でいわゆる家賃です。お部屋の広さや設備、建物の立地等によって変わってきます。当然、好立地で広いお部屋ほど高くなりますが、多くは周辺の不動産事情の平均相場と変わらない価格設定になっています。

共益費は食堂やラウンジなど、皆が共同で使用する建物全体の維持管理費です。

また、サービス費はサ高住のスタッフによって提供されるサービスにかかる費用です。

サ高住の基本サービスは安否確認と生活相談ですが、24時間ケアスタッフが常駐したり、看護師が常駐して健康相談を提供するといった手厚いサービスを提供する場合は、サービス費が高くなる場合があります。

このほか、利用状況に応じて介護保険サービスの自己負担額や喫食代が出費として加わります。

なお、居室の水光熱費は、居室ごとのメーターで使用分のみを別途自己負担したり、共益費に含まれる場合など、居室や施設によって異なるので確認することをお勧めします。

さらに費用を抑えられるココファンのサ高住

学研ココファンの魅力

学研ココファンのサ高住では、月額にかかる費用も非常にお得となっており、厚生年金額内でお支払いができるような価格設定となっております。

その上で、介護度が高い方から認知症の方まで、幅広く対応可能な安心安全のサービスを提供しています。

コストパフォーマンスにこだわった、ご利用者の方々が快適に暮らしていただけるような施設となっておりますので、ぜひチェックしてみてください。

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サ高住で提供されるサービス

「自立・支援タイプ」と「介護・認知症タイプ」のそれぞれで提供されるサービスについては、以下の表をご覧ください。

タイプ 自立・支援タイプ 介護・認知症タイプ
安否確認 対応可 対応可
生活相談 対応可 対応可
生活支援 外部 対応可
介助 外部 対応可
リハビリ 外部 一部対応可
レク 少ない 多い
看取り 外部 一部対応可

※一般的な傾向です。

なお、上記はあくまで一般的なサービス内容の例であり、具体的な対応の可否は各施設によって異なります。そのため、事前に説明を受けてサービス内容をきちんと確かめることが大切です。

安否確認と生活相談が基本のサービス

サービス付き高齢者向け住宅における基本サービスは、常住スタッフによる安否確認サービスと生活相談サービスです。

安否確認サービスとは、スタッフが定期的に施設内を巡回して各部屋を訪問し、利用者の状況を確かめるサービスのことを指します。一方で生活相談サービスとは、生活上の困りごとの相談にのることです。

なお、サービス付き高齢者向け住宅では、日中は「ケアの専門家」と呼ばれる介護福祉士や看護師などの特定資格を有するスタッフが常駐しています。これは人員基準で定められた決まりであり、だからこそ安否確認や生活相談のサービスが提供できるわけです。

夜間に関しては専門家の常駐は義務付けられていませんが、有事の際に迅速に対応できる状態を作っておかなければならないという決まりがあるため、基本的には夜間も心配ありません。

施設ごとの追加サービス

サービス付き高齢者向け住宅の中には、食事提供のサービスを実施する施設もあります。そうした施設では、栄養バランスの整った食事を用意してもらえます

例えば、悪天候や体調不良の場合、自分で食事を用意するのが難しいこともありますが、施設が食事を用意してくれるところであれば心配ありません。最近ではミキサー食に対応する施設もあり、個別的な身体状況にも合わせられます。

なお、食事提供サービスを用意する施設の中でも、施設内で調理室を設けているところや配達弁当を手配しているところなど、細かい形態は様々です。いずれにせよ、入居後長い間食べることになるので、施設見学の際などに確認・試食することをおすすめします。

生活支援サービスなどがある施設も

この他にも、緊急時の対応、宅配物の預かりやタクシーの手配などのフロントサービス、居室の保守点検サービスといった生活支援サービスを行なっていることろもあります。

また、施設によっては、買い物の代行や付き添い、居室の清掃、洗濯などの代行サービスが提供されることもあります。

また体調不良時の駆けつけ対応や災害時の避難誘導のような緊急時対応サービスなどは、完備している施設が多いです。ただし、サービス内容は施設ごとに様々で、上記のようなサービスがないところもあるので、事前にしっかり確認しておきましょう。

サ高住でも介護サービスを受けられる?

サ高住の「サービス」には、基本的に介護は含まれていません。

すべての住宅で介護に対応しているとは限らず、なかには要介護になった場合転居する必要がある自立の方専用もあるので、住まい選びの際は注意が必要です。

ただし、要介護の方も住めるように介護サービスを併設している住宅も多くあります。

この場合、下図のように併設しているサービスによってサービスの受け方や常駐するスタッフの体制も変わってくるので、住宅ごとにそれぞれのサービスをどのように受けられるかはよく確認する事をおすすめします。

また、併設する訪問介護やデイサービスを利用する場合は、住宅の賃貸契約とは別にそれぞれの契約が必要です。

なお、訪問介護やデイサービス等については、併設しているものを必ず利用する必要はなく、外部のサービスをご利用いただくこともできます。

介護対応のサービス付き高齢者向け住宅 パターン①

介護付きサ高住のパターン1

併設しているケアマネジャー、介護士、看護師らの介護に関わるスタッフが建物内に常駐し、ご入居者様にケアを行います。

夜間は不在になるなど、常駐する時間は住宅ごとに異なりますので、この点も忘れずにチェックしておきましょう。

介護対応のサービス付き高齢者向け住宅 パターン②

介護付きサ高住のパターン2

併設している介護サービスは常駐するスタッフが行いますが、看護やケアマネジメントなどの外部サービスについては外部の事業所を利用します。

この場合、看護師などはその都度住宅に訪問し、ご入居者様に対して適切なケアを行います。

看取りサービスはある?

「介護・認知症タイプ」では、近年看取りを行う施設も増えています。

医師、看護師、ケアマネージャーらと連携し、ケアにあたります。

サービス付き高齢者向け住宅における看取り率の変遷

なお、2018年度に行われた国土交通省の調査によると、サービス付き高齢者向け住宅での看取りの実施率は22.4%になっており、増加傾向にあります。

看取りに対応可能かどうかは施設ごとに状況が異なるので、看取りを希望する方には、過去に看取りの実績がある施設を選択することをおすすめします。

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サービス付き高齢者向け住宅の施設概要

サービス付き高齢者向け住宅の施設の概要を確認していきましょう。

まず部屋の大きさですが、各居室の床面積は原則25平方メートル以上と決まっています。ただし、リビングルームやキッチン、食堂などが複数の居住者で共同利用できる仕様になっている場合は、18平方メートル以上であれば良いと定められています。

部屋の構造はバリアフリーになっていて、段差は基本的になく、浴槽やトイレには手すりが取り付けられているので安全・安心です。

共有スペースには温泉施設やシアタールーム、カラオケルーム、レストランなどを用意している施設もあり、そうした場所では入居者同士で交流の機会を持つことができます。

またデイサービスや訪問介護などの介護保険サービス事業所が併設されている施設が多いです。そのため、介護サービスを受けたくなった場合にも、迅速に手配ができるようになっています。

サ高住の人員基準

人員配置については、以下のいずれかの者が日中に常駐していることが、基準となっています。

  • 社会福祉法人、医療法人、師弟居宅サービス事業所等の職員
  • 医師
  • 看護師
  • 介護福祉士
  • 介護支援専門員
  • ヘルパー2級以上の資格を有する者

サービス付き高齢者向け住宅の入居の要件

サービス付き高齢者向け住宅の入居の要件

入居者本人の条件

サービス付き高齢者向け住宅の入居の要件は、「高齢者住まい法」によって定められています。同法によると、入居対象者本人は、以下のどちらかでなければなりません。

  • 60歳以上の高齢者
  • 要介護認定を受けた60歳未満の方

またほとんどの施設では、連帯保証人・身元引受人が必要になります。

加えて、施設によっては、以下のような独自の条件を設けているところもあります。

  • 認知症でない
  • 感染症にかかっていない
  • 自立的に身の回りのことができる

なお、「介護・認知症タイプ」の施設は、介護対応も可能なため、認知症の方でも入居できます。

同居人の条件

サービス付き高齢者向け住宅の中には、居住者との同居が可能な施設もあります。同居人は以下のいずれかに該当することが必要です。

  • 入居者の配偶者(届出はしていないが事実上の夫婦と同様の関係にある者を含む)
  • 60歳以上の親族
  • 要介護認定を受けている親族
  • 特別な理由により同居させる必要があると知事が認める者

退去条件

トラブルなどが原因で、サービス付き高齢者向け住宅からの退去を求められるケースもあります。

退去条件は施設ごとに異なりますが、以下のような場合には退去を求められるケースもあります。

  • 要介護度の上昇や体調の悪化などの理由で入居継続が困難になった場合
  • 費用の滞納がある場合
  • 他の入居者や施設に対する迷惑行為が認められた場合

サ高住と有料老人ホームの違いを比較

サ高住と有料老人ホームの比較

サ高住の方が自由な生活が送りやすい

サービス付き高齢者向け住宅では、居室にキッチンやバスルームなどが設置されていることが多く、一般的な住宅同様の自由度のある生活が可能です。

また外出や外泊に関するルールもほとんど設けられておらず、この点についても自由度が高いと言えます。

一方で有料老人ホーム(住宅型・介護付き)の場合、外出・外泊は許可制となっている場合が多く、許可が出ないケースもあります。その点で、有料老人ホームはサ高住に比べて生活の自由度が低いと言えます。

なお、サ高住でも有料老人ホームでも、入居者同士の交流を促進するためのレクリエーションやサークル活動が行われる点は共通しています。

要介護度が高い場合は有料老人ホームが安心

サービス付き高齢者向け住宅の中には、介護度が低い高齢者だけを対象にしている住居もあります。そのため、途中で介護度が上がった場合、退去しなければならなくなったり、追加の介護サービス費用が必要になったりすることがあります。

一方で介護付きの有料老人ホームは費用こそ高いですが、定額で介護サービスを利用できることから、長期的に見るとこちらの方が快適に利用し続けられる可能性も考えられます。

ただし、介護付き有料老人ホームの場合、デイサービスなどの外部の介護サービスに保険が適用されませんので、この点には十分注意する必要があるでしょう。

また、近年では介護サービスが充実したサ高住が増えており、介護度が上がってもそのまま住み続けられるサ高住も多いです。

サ高住は賃貸契約が多く初期費用が抑えられる

サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームでは、契約内容が異なるので、費用の支払いに関する形式も違ってきます。

サービス付き高齢者向け住宅の多くは、民間の賃貸住宅の場合と同様に賃貸契約を結びます。そのため、費用は入居時に敷金・保険料がかかり、その後は月々に賃料を納めるという形式です。

一方で有料老人ホームの場合は、最初にまとまった額の入居一時金を支払って施設利用権を得るという契約がよく見られます。よってサ高住と比べて最初に大きな金額が必要です。

以上より、安く済ませるという観点では、有料老人ホームよりもサービス付き高齢者向け住宅のほうがおすすめできる場合が多いです。

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サ高住とシニア向け分譲マンションの違いを比較

サ高住とシニア向け分譲マンションの比較

シニア向け分譲マンションは初期費用が莫大

シニア向け分譲マンションとは、高齢者が住みやすいようなバリアフリー設計を重視して作られた分譲マンションのことを指します。

これに住む場合は所有権形式での契約となるため、数千万円以上という多額の初期費用が必要です。そのため、初期費用を抑えたい場合にはおすすめできません。

しかし、購入した物件は財産となるため、サービス付き高齢者向け住宅の場合とは異なり、家族に遺産として相続することができます。この点はシニア向け分譲マンションを選択する大きなメリットだと言えるでしょう。

ただし、入居者それぞれが所有権を得ることから、隣人にトラブルメーカーがいたとしても強制退去させるのが難しいなど、特有のリスクも存在します。

外部の介護サービスを利用する必要がある点は同じ

シニア向け分譲マンションの入居対象は、主に高齢者の富裕層です。そのため、娯楽施設やレクリエーション施設などは整備されている傾向にあります。

生活支援サービスも充実しており、かなり快適に暮らせる場合が多いです。

介護・医療サービスに関しては、基本的にサービス付き高齢者向け住宅と同様、外部のサービスを利用することになります。

サービス付き高齢者向け住宅のメリット・デメリット

以下ではサービス付き高齢者向け住宅を利用するメリット・デメリットを、それぞれ一覧で紹介します。

サ高住のメリット一覧

サービス付き高齢者向け住宅のメリットを並べると次のようになります。

  • バリアフリー構造なので高齢者にとって生活しやすい
  • 介護度が低い高齢者でも入居できる
  • 有料老人ホームなどに比べて初期費用が安い
  • 生活の自由度が高く、それまでの生活とのギャップを感じにくい
  • 入居・退去のハードルが比較的低い
  • 政府の支援で施設数が増加していることから、自分に適した施設を選びやすい
  • 入居前に利用していた介護サービスを引き続き利用できる(一部を除く)

サービス付き高齢者向け住宅の大きなメリットとして、賃貸なので初期費用が有料老人ホームと比べて極めて安いうえに、家に近い感覚で自由度の高い生活を送ることができることが挙げられます。

また、介護サービスが充実している施設も増えており、要介護の方や今後介護度が上がる可能性がある方でも安心して生活できる施設が多いことも魅力です。

充実した設備と介護サービス、生活しやすい環境がバランスよく揃った魅力的な施設となっているので、介護施設への入居を検討されている方は、ぜひお近くのサービス付き高齢者向け住宅をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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サ高住のデメリット一覧

サービス付き高齢者向け住宅には以下のようなデメリットもあります。

  • 看護師や医師は常駐していない施設もある
  • 夜間のサポートは有料老人ホームの方が充実していることが多い
  • 介助やリハビリなどのサービスを「オールインワン」で利用することはできない(一部を除く)
  • 自立・支援タイプの場合、要介護度が高くなると退去しなければならないこともある

特に介護サービスの充実度は老人ホーム・介護施設選びにおいて気になるポイントとなるでしょう。

一方で、厚生労働省により「特定施設」に指定された「介護・認知症タイプ」のサービス付き高齢者向け住宅のように、手厚い介護サービスが受けられる施設も存在するので、サ高住だからといって必ずしも介護サービスが乏しいとは限りません。

特に学研のサービス付き高齢者向け住宅「ココファン」シリーズでは、介護スタッフが24時間365日常駐しているので、元気な方から医療が必要な方まで幅広い方にご入居いただけます。

「住み慣れた地域で安心して暮らし続けたい」とお考えの方は、ぜひお近くのココファンのサービス付き高齢者向け住宅を探してみてください。

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サービス付き高齢者向け住宅の選び方

サービス付き高齢者向け住宅の選び方

サービス付き高齢者向け住宅に入居したい!」と思っても、どこをどのように比較すれば良いのか分からず、施設選びに苦労してしまいますよね。

そこでここではサ高住を選ぶ際に重視しておきたいポイントをご紹介します。

立地・アクセス

一般の住宅を探す場合と同様、サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際も、立地条件については十分に検討を重ねるべきです。

入居後はその地域を中心に生活するようになるわけなので、周囲にスーパーや病院、金融機関など、必要な施設があるかをチェックしておきましょう。

もちろん、現在お住まいの所から近いサ高住を選ぶのも、住み慣れた地域での生活を継続できるのでおすすめです。

また、家族や友人が会いに来ることを考慮する場合は、駅などからのアクセスの良さもみておきましょう。

サービスの充実度

サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際は、どの程度のサポートが必要なのかを意識するようにしましょう。この観点が損なわれていると、住宅選びに失敗する可能性があります。

例えば、まだ普通に自立的な生活を送れるのに、介護サービスがかなり充実している施設を選んでも、サービスを持て余してしまい、費用がかさんでしまうだけです。

一方で必要未満のサービスしかない施設を選んでも、外部の追加サービスと契約するのに手間とお金がかかってしまいます。

先述した通り、サ高住の基本的なサービスは安否確認と生活相談の2つですが、それ以外の介助や医療サービスを備えている施設もたくさんあるので、まずは入居後に必要なサービスは何なのかを整理しておきましょう。

設備や環境

設備や環境は、生活の快適さに多大な影響を与えるので入念にチェックしておきましょう。

サービス付き高齢者向け住宅の場合、設備条件が定められているのである程度似通った部分はありますが、それでも細かい部分に関しては施設ごとに様々です。

またカラオケや温泉施設など、好みに合った娯楽スペースがあるかも確認しておくことをおすすめします。

なお、スタッフの対応の仕方や混雑度など、写真では確かめられない要素もたくさんあるので、実際に見学してみて確かめるのが賢明です。

食事の内容・提供の方法

サービス付き高齢者向け住宅の場合、食事の提供についても各施設で様々なので、この点も要チェックです。

ちなみに施設の厨房で調理する形であれ、宅配弁当を手配する形であれ、サ高住で提供される食事は、カロリー計算などがきちんと行われています。そのため、1日に必要な栄養素をしっかり摂取することが可能です。

また介護付き有料老人ホームのように、食べやすさに配慮した「刻み食」や「ミキサー食」などを提供している施設もあります。

食事に関するリサーチをする際は、献立などの食事内容だけでなく、提供の体制や形式についても確認しておくことが大切です。

費用

サービス付き高齢者向け住宅に入居するときには賃貸契約を結びますが、それに伴って発生する賃料や初期費用の敷金の金額は、住宅によって違ってきます

また追加のサービスを利用する場合は、それにかかる金額も含めて総額を計算しておくのがおすすめです。

なお、支払い方法が月払いか前払いかも確認しておきましょう。最初に大きな金額を納める前払いは、月払いに比べて月々の費用が安くなるものの、初期費用の負担は大きくなるので注意してください。

費用について資料だけでは疑問が残る場合は、契約前にきちんと質問し、わからない部分を明確にしておきましょう。

少数だが親族が契約を引き継げる施設も

サービス付き高齢者向け住宅の契約は賃貸者契約ですが、それには大きく分けて「終身建物賃貸借方式」と「建物賃貸借方式」の2種類があります。

終身建物賃貸借方式は、名前が示すように終身までの契約なので、入居者が死亡した時点で手続き不要で契約が終了します。ただし、基本的に親族が契約を相続することはできません。

なお、夫婦で入居していた場合、契約者の死後も、配偶者が居住を続けることができます

一方で建物賃貸借方式のほうは、入居者の死亡後、親族が契約を引き継ぐことが可能です。もちろん配偶者がその施設で暮らし続けることもできます。

しかしながら、建物賃貸借方式のサ高住は認可基準がかなり厳しいため、施設数は決して多くありません。

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サービス付き高齢者向け住宅利用時の注意点

サ高住の居住者が介護保険サービスを利用する場合、サービスの提供元となる事業所を自由に選ぶことができます。その際には、自分に合わない事業所およびサービスを選択しないよう、家族やケアマネージャー等とよく相談しましょう。

なお、万が一自分に適さないサービスを選んでしまった場合、事業所を変更することは可能です。変更を希望するときは、まず担当のケアマネージャーに相談するようにしましょう。

施設を退去しなければいけない場合も

前述の通り、体調の悪化や経済的な問題、迷惑行為などによって、退去を余儀なくさせられることもあるので注意しましょう。

経済的な問題については、事前にライフプランをよく練っておくことである程度防ぐことができます。予算や入居期間などを踏まえ、お金のやりくりについてよく検討しておきましょう。また入居時の契約内容を十分に確認しておくことも重要です。

サービス付き高齢者向け住宅は入居が難しい?

サービス付き高齢者向け住宅の利用には色々なメリットがあり、介護施設の中でも高い人気を誇っています。

人気の介護施設に対しては、「入所が難しい」というイメージを持つ方もいるでしょうが、サ高住に関してはそういったことはあまりありません。関連法が改正された2011年以後、年々施設数は増加しているので、入居先を見つけるのはそこまで難しくないでしょう。

一般社団法人「高齢者住宅協会」の調査では、2012年に889棟だったサ高住が2019年には7,360棟にまで増えたというデータもあり、施設は全国にたくさんあります。ココファンのサービス付き高齢者向け住宅に関しても、目下規模を拡大中です。

ただし、部屋の広さや設備の内容、立地条件などで優れた施設はすぐに居室が埋まってしまうということも考えられます。そのため、良いところを見つけたら、できるだけ早めに入居の申し込みをするのがおすすめです。

ココファンのサ高住でQOLの高い生活を

「介護サービスがしっかりしているサ高住に入りたい!」

「介護度が上がっても住み続けられるサ高住ってないのかな」

このようにお考えの方におすすめなのが、学研ココファンのサービス付き高齢者向け住宅です。

ココファンならケアスタッフが24時間365日常駐しているほか、デイサービスや訪問看護といった介護サービスも併設しているので、本格的な介護が必要な方でも安心してご入居いただくことができます。

また、管理栄養士監修のお食事の提供やプライバシーに配慮された居室など、QOLの高い生活をお過ごしいただける環境が整っています。

さらに、ココファンは全国各地に数多く展開しているので、入居待ちに悩まされる心配も少ないです

介護付き有料老人ホームと比べると入居金も非常に安いので、ぜひお近くのココファンをチェックしてみてはいかがでしょうか。

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サービス付き高齢者向け住宅まとめ

サービス付き高齢者向け住宅まとめ
  • 規模が拡大している人気のシニア向け住宅
  • 普通の住宅のように自由な生活ができる
  • 費用は敷金プラス月々の賃料など
  • 60代以上高齢者や要介護者認定を受けた人が入れる
  • 入居が難しいことはないが早めの入居登録がおすすめ

サービス付き高齢者向け住宅について解説しました。

サ高住は昨今人気が高まっているバリアフリー構造の高齢者向け住宅です。60歳以上の高齢者や要介護認定を受けた方などが入居できます。

その魅力は、老人ホームに比べて格段に生活の自由度が高いことや初期費用が比較的リーズナブルであることなどです。要介護度の低い方が多いですが、「介護・認知症タイプ」の施設では、しっかりした介護サービスも受けられます。

なお、ココファンの住宅を含め、サ高住の数は増加傾向にあり、入居はそれほど難しくありませんが、良い条件のところはすぐに締め切りになってしまう可能性もあります。そのため、気に入るところがあれば、なるべく早めに入居の申し込みを行っておくようにしましょう

この記事は専門家に監修されています

介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

株式会社学研ココファン品質管理本部マネジャー。介護支援専門員、介護福祉士。2011年学研ココファンに入社。ケアマネジャー、事業所長を経て東京、神奈川等複数のエリアでブロック長としてマネジメントに従事。2021年より現職。

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