新人の介護職員が辞めたいと思う理由|よくある悩みや退職を迷う際の解決策を解説
更新日時 2023/09/11
「新人の介護職員が辞めたいと思う理由には何があるの?」
「新人の介護職員によくある悩みや、退職を迷った際の対処法を知りたい!」
このような疑問をお持ちの新人介護士の方も多いのではないでしょうか?
介護の仕事は経験者でも肉体的・精神的負担が大きいので、新人が負担に感じてしまうのは当然のことです。
新人介護士が嫌なことに直面したり、独り立ちするまでに十分なサポートを受けられないと「辞めたい」という考えに至りがちなので、よくある悩みや退職に迷った際の解決策を知っておくことは有意義です。
こちらの記事では、新人の介護職員が辞めたいと思う理由や解決法を紹介していきます。
介護の仕事に悩みを感じている新人看護師の方にとって役立つ内容となっているので、ぜひ最後までお読みください!
- 肉体的にも精神的にも辛く、辞めたいと感じている新人は多い
- 人間関係や体力不足に悩まされるケースが多い
- 激務の割には給料がやく低く、不満を感じやすい
- 仕事に慣れるまでに十分なサポートを得られないと、退職に至りやすい
辞めたいと思う新人の介護職員は多い
介護職員は高齢者の方と密接に関わるため、やりがいも大きい魅力があります。
また、高齢化社会でニーズが増えていることから、安心して働ける点も魅力と言えるでしょう。
しかし、実際に働くと理想と違う面を実感することが多く、思った以上に仕事が大変だったり給料や待遇が得られず、早い内に「辞めたい」と思ってしまう方も少なくありません。
勤続半年以内の早期離職が多い
介護労働安定センターの「令和4年度介護労働実態調査結果について」によると、令和3年10月~令和4年9月までの介護職員の離職率は14.4%で、平成17年以降2番目に低い数値でした。
全産業の平均離職率である15.0%も下回っており、「人の入れ替わりが激しい」と思われがちな介護業界ですが、実際のところ介護職の離職率が特に高いわけでもありません。
また、介護業界の離職者の勤続年数を見ると「勤続3年未満」が約6割を占めており、早期離職する方が多いことが分かります。
介護施設の教育体制が不十分
上記のように、介護業界では早期離職が多いです。その原因の一つとして未経験者や新人に対する施設側の教育が不十分であり行き届いていないことがあげられます。
介護の現場では、人手不足に悩まされているところが多くあり、利用者のケアに追われ、新人への研修等が十分に行えていない可能性が高いです。
そのため、慣れていない人は仕事のいろはがわからず、業務で不安を抱えてしまい、離職につながってしまうケースが多くあります。
新人の介護職員が辞めたいと感じる理由
続いて、介護職員の新人が「辞めたい」と感じるよくある理由について解説していきます。
良くある理由について把握することで、いざ自分が直面しても冷静に対処できるでしょう。
人間関係や雰囲気の悪さがストレスに
介護の現場では、介護職員や看護師はもちろん、リハビリ専門職など様々な人と連携して仕事を進めることになります。
しかし、高齢者の増加により介護職は非常に激務な状況に直面しており、円滑な業務進行のためにはコミュニケーションが不可欠です。
コミュニケーションがスムーズに行われないと、人間関係が円滑に進まず、職場の雰囲気が悪化してしまい、ストレスが溜まる悪循環に陥いってしまいます。
実際に、きらケア介護白書2021の介護士調査によると、介護職の転職理由の第1位は「職場の人間関係が悪かった」であったことからも、働く上で人眼関係は非常に重要であると言えるでしょう。
予想以上に体力が必要で大変
介護職として働く前に、実習などで実際の介助を経験できる機会があります。
しかし、いざ現場で働くと予想以上に大変な場合があり、実習でイメージしていた介護現場と異なるケースがザラにあります。
さらに、介護業界は慢性的な人手不足に陥っている実情もあり、休憩をしっかり取れず疲労が積み重なってしまう事業所も少なくありません。
介護では肉体的に大きな負担を伴うので、限界を迎えて「辞めたい」と考えてしまう方も多いのです。
業務量が多くて疲労が蓄積
介護の業務は、食事や入浴の介助、車での送迎、急変時の対応など幅広いです。
施設によって業務内容は異なるものの、要介護度が高い高齢者の方の介助をする場合は業務量も増え、疲労が溜まりやすいです。
さらに、人手不足の職場では業務負担が重くなってしまうことから、きちんと休憩も取れず疲弊しやすい現実があります。
人員補充ができれば良いのですが、なかなか人員補充ができないのも現実なので、多くの介護職員が苦労しています。
人手不足が長期化している介護業界では、早急な解決策が求められています。
夜勤で生活リズムが乱れてしまう
介護職に夜勤はつきものですが、入居型施設で夜勤を行うと生活リズムが乱れやすいので要注意です。
特に、夜勤は少人数なので経験が浅い方や新人にとってはプレッシャーが大きく、肉体的にも精神的にも疲れてしまいます。
また、人手不足で休憩時間をしっかり取れないと疲労や負担がますます重なるので、その結果ストレスを抱え込んでしまい「辞める!」と決断するに至るのです。
「自分は夜型生活だから大丈夫!」と軽く考えていると苦労するので、介護の仕事は簡単では無いことを覚悟しましょう。
給与や待遇に不満がある
厚生労働省の「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、令和2年2月時点で介護職員の平均給与は325,550円、「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」によると一般労働者の平均賃金は307,700円でした。
一般労働者と比較して介護職員の収入が低いわけではありませんが、業務量と報酬のバランスが悪いと感じている介護職の方は多いです。
仕事が大変である割には賃金が低いと感じたり、施設によって差があることに不満を感じている方は多い点は知っておきましょう。
また、施設によっては残業代が支払われなかったり休日出勤を強いられるケースもあるので、時給換算すると「最低賃金以下じゃん…」となるケースもあり得ます。
施設・事業者の理念や考え方が合わない
施設・事業所の理念や運営の仕方と自分自身の価値観が合わないと、働きづらさを感じてしまうでしょう。
自分では「このような介護をしたい」と考えていても、施設の方針や理念から考えている介護ができないケースもあります。
労働者と雇用主という関係に限らず、価値観が合わない相手と一緒に過ごすことは大きなストレスとなります。
そのため、施設・事業者の理念や考え方が合わない場合は「辞めたい」と感じやすいでしょう。
職場の悩みを上司や先輩に相談できない
本来であれば、上司や先輩は後輩に適切なアドバイスを送る役割を果たすべき存在です。
しかし、悩みや不安を抱えていても、その悩みを相談できる相手がいなかったり仕事が忙しすぎて相談する時間もない場合、一人で抱え込んでしまい辞めたいという気持ちに繋がってしまいます。
近年はメンター制度などを取り入れている事業所は増えていますが、当初の予定通り運用できていない事業所も多いので、孤独を感じた若手や新卒が「辞めたい」と感じてしまうのは仕方の無いことです。
特に、新人であれば上司や先輩に相談することは重要ですが、信頼関係が築けないと辛くなってしまうでしょう。
利用者のケアを適切にできているか不安
介護は利用者の生活や命に関わる重要な仕事を行うので、やりがいも大きいですが責任感も伴います。
しかし、新人は経験不足で不安なことも多く「自分がきちんと介護ができているか」「事故を起こして怪我をさせてしまったらどうしよう」と悩んでしまうことも少なくありません。
真面目な方ほど思い詰めてしまい「辞めたい」と考えてしまいがちですが、相談できずに思い詰めてしまった結果辞めるという判断をする方も多いのが現実です。
経験が浅い方が不安を感じてしまうのは仕方の無いことですが、適切なサポート体制が整っていない事業所だと不安を感じやすいでしょう。
新人の介護職員が退職を考えやすい期間
続いて、新人の介護職員が退職を考えやすい期間を解説していきます。
注意するべき期間について把握し、対策を考えておきましょう。
入社直後で慣れていない期間
入社して間もないタイミングは新しい環境に慣れるだけでも疲れてしまう時期なので、ストレスを感じやすいです。
また、社会人として働き始める前の理想と入社後の現実とにギャップを感じやすく、ミスマッチを感じて「辞めたい」と感じてしまいがちです。
一度「辞めたい」と思ってしまうと、その後もネガティブな感情になりやすく早期退職に繋がってしまう可能性が高いので、周囲の適切なサポートが欠かせません。
しかし、上司や先輩からフォローを受けられなかったり、働くことに対するモチベーションが無くなってしまうと、半年以内に離職してしまう可能性が高まります。
働いて辛いことが続いた期間
介護の現場では、多くの利用者と接することになるので、必然的にトラブルに直面することも多いです。
利用者と上手く関係を築けずに介護を拒否されてしまったり、上司や仲間からの言葉に傷ついてしまうなど、仕事で辛い思いをする場面は少なからずあります。
相手に悪気が無かったとしても、自分を責めたりしてしまった結果退職に至ってしまうケースも多いので、立て続けに悪いことが起きてしまった際には要注意です。
介護の仕事に限らず、仕事で辛いことが続いてしまうと気分は落ち込みがちですが、社会人経験が少ない新人の場合は顕著と言えるでしょう。
介護職に向いていないと考えやすい人
介護職には向き不向きがあるので、事前に自身の適性を知っておくことは重要です。
こちらのトピックに紹介する事項に該当する方は、よく考えることをおすすめします。
体力がなくすぐ疲れてしまう
介護は利用者の方の身体を支えることが多いので、体力が無い方にとってはしんどい場面が多いです。
特に、要介護度が高い利用者の介護は力仕事が多いので、慢性的な腰痛や下半身痛に悩まされてしまう方も少なくありません。
身体的にあまりに疲れてしまった結果、介護職が辛いと感じてしまうケースは多いので、体力に自信がない方は熟考しましょう。
「寝ても疲れが取れない…」という悩みもつきものなので、このような現実は知っておきましょう。
潔癖症で介助を苦痛に感じる
潔癖症の方は、介護の仕事に向かない可能性があります。
食事や入浴の介助だけでなく、利用者によっては排泄の介助が必要になることもあるので、生理的に苦痛に感じてしまう場合があります。
働き始める前は「慣れれば大丈夫だろう」と軽く考えていても、実際に働いてみると「やっぱりムリ!」と感じてしまう方は多いので、潔癖気味の方は要注意です。
精神的にも大きな負担になってしまうので、長く安定して働くためにも向き不向きはしっかりと分析しましょう。
衛生管理や清潔な環境づくりなど、潔癖症の特性を生かした仕事も存在するので、適切な働き方を見つけることが大切です。
性格が真面目・優しすぎる
サービス利用者の中には、痴呆や認知症が進んで上手にコミュニケーションが取れない方もいます。
物がなくなった際に「お前が盗んだ!」と濡れ衣を着せられたり、心無い罵声を浴びることはザラにあります。
慣れれば聞き流したり上手に対処できるようになるのですが、真面目な方や優しすぎる方はダイレクトに受け止め、傷ついてしまいます。
ほどよく適当に行うくらいが丁度良かったりするのですが、真面目すぎる方や優しすぎる方は要注意と言えるでしょう。
コミュニケーション力や協調性が不足
介護職は、利用者の話し相手になることも重要な仕事です。
そのため、人と話すのが苦手だったり一人で過ごす時間が好きという方であれば、苦痛に感じてしまう可能性が高いです。
また、介護は職員との連携も重要なので、利用者だけでなくスタッフ間の連絡調整など様々な面でコミュニケーション能力が求められます。
自分勝手に仕事をすると事故に繋がる恐れもあるため、協調性に自信が無かったり誰かと協力しながら仕事をするのが苦手な方は、向いていない可能性が高いでしょう。
融通が利かず柔軟な対応が苦手
介護の現場では、想定外のトラブルがつきものです。
そのため、マニュアル通りにしか動けないような融通が利かない方や柔軟な対応が苦手な方は、介護は向かない可能性が高いです。
要介護度が高い方や認知症を患っている方は、本人に悪気がなくても介護職員の仕事を増やしてしまうことが多々あります。
トラブルやハプニングを楽しめるくらいが丁度いいのですが、柔軟な対応ができるか自信がない場合は熟考したほうが良いでしょう。
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新人の介護職が辞めたいと感じやすい職場
ここでは、新人の介護職員がすぐに辞めてしまう職場の特徴を説明していきます。
人手不足であったり、新人が放置されてしまうような職場は要注意です。
スタッフの数が足りない
高齢化社会の進展に伴って、介護業界は慢性的な人材不足に陥っています。
厚生労働省の発表によると、2023年度には全国で約233万人の介護人材が必要とされており、介護サービスの低下が懸念されています。
人手不足の状況だと、当然のことながら1人あたりの業務量と負担が増えてしまうので、人材確保は急務と言えるでしょう。
実際に、厚生労働省の調査によると人手が少ない職場ほど離職率も高い傾向にあるので、職場環境が悪い事業所は要注意です。
新人教育の体制や人材・財源が不十分
施設によっては、新人教育のための人材や財源が確保できず満足な新人教育が行われない場合があります・
教育体制が不十分だと、ただでさえ不安を抱えがちな新人にとっては不安を増長してしまうでしょう。
いつでも気軽に質問や相談ができる同僚や先輩がいるだけで、新人が感じるプレッシャーは大きく軽減されます。
しかし、人手不足の施設だと新人の教育が十分に行われず、新人が不安を抱えたまま仕事をしてしまうため、短期離職に繋がってしまうのです。
育成が不十分なまま新人が即戦力に
人材不足の施設では、新人を即戦力として現場に送り出すところも多いです。
実践経験が少なく知識や技術が十分に定着していないまま現場に駆り出されてしまうと、当然のことながら過度に緊張した状態で介護業務をすることになります。
現場を経験した方がスキルの上達が早いのは確かですが、業務に不慣れな新人にとっては過大なストレスとなってしまうでしょう。
先輩や同僚との連携が上手く取れない
介護職は周囲との連携やコミュニケーションが大事ですが、特に新人は緊張していることもあってか連携が上手に取れないことも多いです。
また、周囲との関係構築にも時間がかかってしまい、特に先輩や上司が忙しそうにしていると遠慮して質問することも躊躇してしまうこともあるでしょう。
新人が周囲に気を遣い、ストレスを感じているような職場は良好な環境とは言えません。
そのため、連携を十分に取るためにも新人がすぐ馴染めるように配慮し、先輩や上司が気さくに話しかけてあげる必要があるでしょう。
新人が独り立ちするまでの介護現場の実情
一般的に、新人の介護職員が独り立ちするまでには最短でも3ヶ月程度の期間が必要と言われています。
未経験者の場合、1年ほど時間をかけて育成する企業も少なくないので、介護業務には様々な知識やスキルが要求されていることが分かります。
また、新人教育は新人1名に対して指導担当が1人が担当するOJT方式で行われることが多く、指導担当は通常の業務と新人教育を兼務するのでかなりのスキルが求められます。
つまり、新人を独り立ちさせるまでには人手と時間が必要になることから、人手不足の事業所の場合は十分な研修が行えず、人手不足を解消できない状況に陥る悪循環に嵌ってしまうのです。
実際に、勤務初日からいきなり現場に放り出された挙句放置されてしまう新人も多いので、評判や口コミを見ると介護現場の苦しい台所事情を窺い知ることができます。
新人を放置してしまうような事業所で安心して働けるわけは無いので、安心して働けるかどうかをチェックしてみてください。
新人教育が不十分な現場での体験談
人手不足で新人に指導ができず、結果的に放置されてしまうケースがあります。
実際に、離職率が高い介護施設に就職したある新人は、下記のように語っています。
<人手不足の事業所の例>
何より驚いたのは、勤務初日からほとんど何の指示もなく現場に配属されたことです。先輩社員から言われるのは「〇〇さんの入浴介助して」「〇〇さんが呼んでるから対応して」といった何をしてほしいかの指示だけです。
いくら学校で研修をしてきたといっても現場での介助は勝手が違いますし、利用者の名前や要介護度も分からなければ、施設の設備も分かりません。
職員の方は皆忙しそうで、何か聞いても丁寧に教えてくれません。もちろんオドオドした対応になってしまうので利用者の方にも信頼してもらえない始末です。
もちろん施設によって差はあるものの、新人教育が十分ではない施設も一定数存在します。
具体的な指示が無いばかりか、備品の保管場所なども教えてもらえないなど新人が放置されてしまう事業所で働くのは精神的にきついでしょう。
辞めたいと感じたらまず確認するべきこと
実際に「介護の仕事を辞めたい」と感じたら、下記で紹介する事項を確認しましょう。
感情的に判断する前に、冷静に考える時間を設けましょう。
辞めたい理由を整理して明確に
漠然と辞めたいと思っているときは、不安が募っている状態だったり一時的に感情的になっているケースがあります。
そのため、一時の感情で後悔しないためにも、一旦落ち着いて辞めたい理由を整理してみてください。
一度気持ちを落ち着けてから辞めたい理由を冷静に考えてみることで、現実的な解決策が見えてきます。
明確にするためにも、紙に書き出してみたり人に相談するなどして客観的な意見も求めると良いでしょう。
技術面に理由がある場合は焦らないように
離職を考えている理由が「介護が上手くいかない」「自分のスキル不足を感じている」といった技術面の場合、焦る必要はありません。
慣れるまでは失敗してしまうのは仕方の無いことなので、経験を積めば解決することがほとんどです。
「介護の仕事が生理的に無理!」というわけでなければ、コツコツと経験を重ねることで不安は解消できるので、一時の感情で辞めるのはおすすめしません。
もちろん、人によって上達するスピードも違うので、スキル不足で悩んでいる場合は経験を積んでいくと良いでしょう。
介護職にやりがいを感じるかどうか
介護職は身体的にも肉体的にも辛い場面が多いので、仕事そのものにやりがいを感じることができるかどうかも重要です。
離職が脳裏に浮かぶと、どうしてもネガティブなことばかり感じてしまいますが介護の仕事は社会的意義とやりがいも大きいです。
そのため、やりがいや楽しさ、達成感などポジティブな面について考えてみましょう。
また、初心に返って自分が介護職員を目指した理由を振り返ってみるのもおすすめです。
ネガティブとポジティブな面の両方を比較して、本当に辞めて後悔しないか・介護以外に転職した場合に現在の悩みは解決するかを検討してみてください。
介護職としての将来が思い描けるか
やりがいにも通じる話ですが、介護職としての将来性やキャリア展望が明るいかどうかもイメージしてみると良いでしょう。
将来性が感じられず、今後数十年間にわたって介護職として働くのがしんどい場合は、転職を検討しても問題ありません。
しかし、介護職は高齢化の進展に伴いますますその重要性は増していき、利用者との交流やサポートを通じてやりがいを感じることができる仕事でもあります。
自身の価値観や志向と照らし合わせながら、、冷静に判断してみてください。
将来の理想としている自分を想像して、介護職を続けることで理想の将来を実現できるかを考えてみると良いでしょう。
介護職として働き続けるメリット
介護職として働き続けることで、様々なメリットが期待できます。
しっかりとメリットを把握した上で、辞めるべきか判断すると良いでしょう。
高齢化社会で雇用が安定
高齢化が進む日本では、高齢者を支える介護職員は需要が高く雇用が安定している強みがあります。
2019年の中小企業白書の中には「これからマーケットが広がる産業は医療・福祉の分野しか無い」と記載されているので、成長産業と捉えることもできます。
介護職は未経験や無資格の方でも働くことができ、更に働きながらもキャリアアップも可能なので、雇用の安定性という面では非常に魅力的です。
長期的な就労とキャリアアップを考えている方にとっては、入職を検討する価値があると言えるでしょう。
離職率は実は高くない
厚生労働省の「令和3年度 雇用動向調査結果の概要」によると、医療・福祉分野の離職率は13.5%でした。
常用労働者全体の離職率も12.9%と同じであったので、介護職の離職率は飛び抜けて高いわけではありません。
「介護はつらいので離職率も高いに違いない」と思われがちですが、実際には離職率は一般程度なので、長く安心しては足りている方も多いことが分かります。
そのため、今の職場環境が劣悪だったとしても、業界全体でみると職員思いの優れた職場も確かに存在するので、同じ業界内での転職も視野に入れると良いでしょう。
政府による給与改善の動きも
介護職員の待遇改善と人員確保を目指すべく、2012年から介護職員処遇改善加算制度が施行され、介護業界全体の給与改善が図られています。
その結果、厚生労働省の「介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員の給料は上昇し続けているので、今後も待遇改善の動きは拡大していくでしょう。
例えば、介護職員の平均給与額(月給・常勤)を見てみると、2019年2月は307,430円であったのに対し、2020年2月は325,550円で1年間で18,120円上がっていることが分かります。
給与の上昇により、介護職の待遇改善が実現され、介護職員の働きやすさとモチベーション向上にもつながっています。
【2024年版】介護職向けのおすすめ転職サイト20選|求人数・評判を基に徹底比較
新人の介護職員が辞めたい時にするべきこと
続いて、新人の介護職員が「辞めたい」と思った時にするべきことを紹介していきます。
一人で抱え込まずに、誰かに頼ったり熟考した上でキャリアの判断を下しましょう。
悩みは放置しないで職場の人や窓口に相談
悩みがあった際に最もやっていけないのは、一人で抱え込むことです。
悩みや不安がある場合は、職場の仲の良い上司や同僚に相談してみたり、職場の相談窓口を利用しましょう。
介護労働安定センターの「令和2年度介護労働実態調査結果について」によると、相談窓口がある事業所では労働条件に関する悩みが少ない傾向にあります。
このデータからも相談することの重要性が分かるので、誰かに相談したりして悩みを吐き出し、ストレスを抱え込まないようにしましょう。
身近な職場外の人にも話してみる
同じ職場の人に話しにくい内容の悩みがある場合は、職場外の信頼できる知人に話すと良いでしょう。
1人で抱え込んでもメリットは何も無いので、誰かと話して少しでも気分が楽になるように努めましょう。
職場と関係ない人に相談することで「職場以外にも相談相手がいる」という安心感を得ることができ、また違う角度から解決策を見つけるきっかけにもなります。
実際、誰かに吐露することで気分は楽になるので、相談相手をも見つけておくことは非常に重要です。
まずは小さな目標から立てる
達成感を得るために、小さな目標を立てていくこともおすすめです。
最初から大きな目標を立てて達成できずにいると、「自分は介護職に向いていない」と辛く感じやすく、モチベーションも失われがちです。
しかし、「少し頑張れば達成できる」レベル感の小さな目標を決めることで、達成する度にやりがいを感じられるようになります。
自分のスキルの上達度に合わせて徐々に目標を難しくするのがおすすめで、これにより「着実にレベルアップしている」実感も得られるでしょう。
休日に趣味に没頭するなど気分転換する
疲れが溜まっていると思考がネガティブになりやすいので、休日は気分転換してリフレッシュしましょう。
趣味に没頭したり旅行に出かけたり、またとにかく休みたい場合は時間を気にすること無く寝るだけでも効果的です。
少しでも仕事を忘れられるように工夫することで脳もリフレッシュでき、前向きな気持ちになれます。
また、リラックスした状態だと悩みが解消される可能性が高いので、休日は思いっきり自分の時間を楽しみましょう。
資格を取得してスキルや給料アップ
介護職員初任者研修や介護職員実務者研修など、介護関連の資格を取得することも有意義です。
資格を取得するメリットは主に下記の2点です。
- 介護スキルが身に着くので自分への自信に繋がる
- 施設によっては資格手当が支給されるので待遇の改善に繋がる
無資格であれば「介護職員初任者研修」や「介護職員実務者研修」がおすすめですが、資格取得という目に見えた成果が出れば働くモチベーションもアップするので、心理的メリットが非常に大きいです。
他にも、専門性を身に着けたい場合は「レクリエーション介護士」や「認知症介護基礎研修」を取得し、自分の専門分野や強みを磨いていくと良いでしょう。
思いきってより快適な職場に転職
現在の職場で解決策が無い場合は、当然のことながら転職も選択肢になります。
先述したように、介護業界は人手不足に状況にあるので、失業期間が長引いてしまうリスクは低いです。
また、介護施設は様々な種類があるので、「夜勤を避けたいのでデイサービスで働く」など、自分のニーズや好みに合わせて働き方を変えることも可能です。
施設の方針や雰囲気が合わない場合、施設を変えるとモチベーションが湧くメリットもあるので、「環境を変えたい」と考えている方は転職も検討すると良いでしょう。
就職・転職の際の職場選びのコツ
続いて、就職・転職の際の職場選びのコツを紹介していきます。
闇雲に転職をするのではなく、慎重に職場選び進めることが重要です。
離職者数は働きやすさの目安に
離職者数が少なかったり離職率が低い職場は、人材を定着させようとする取り組みを行っている可能性が高く、働きやすい環境である可能性が高いです。
そのため、「安心して働けるかどうか」を判断する際の指標としては、離職者の人数や離職率を重視すると良いでしょう。
ただし、離職率は直接事業所に聞きづらい情報なので、転職エージェントの担当者を通して確認するのがおすすめです。
離職率が高い職場は人の入れ替わりが激しく、スタッフを大切に扱っていない可能性が高いので、要注意と言えます。
事前に見学して実際の雰囲気を知る
面接やホームページだけでは事業所の雰囲気は分からないので、職場の雰囲気を実際に体感するためにも、職場を見学することをおすすめします。
面接時に職場見学をする事業所は多いですが、希望すれば面接前や面接後(内定後)に行ってくれる場合もあるため、積極的に見学は行うことをおすすめします。
なお、見学の際は下記のポイントに着目すると良いでしょう。
- 職員が明るく元気に働いているか
- 職員と利用者、職員同士のコミュニケーションは円滑か
- 職員の数は十分足りているか
- 施設内の環境は十分に整備されているか
「自分がスタッフだったら」とイメージしながら、心地よく働けそうかどうかをチェックしてみてください。
給料や待遇を自分の希望を満たすか
転職理由が現職の待遇への不満の場合、給与や福利厚生、休日や有給の日数を事前に確認しましょう。
また、待遇と一口に言っても「給料が安い」「勤怠管理が杜撰」「休日が少ない」など様々な理由があるので、抱えている不満を具体的にしておくことも重要です。
待遇面の希望が多すぎると求人が限られてしまうので、優先ポイントを付けておくとスムーズに仕事探しが進むでしょう。
また、「現職よりも給料が良ければ良い」という漠然として希望ではなく、「月給○○万円以上」と具体的な希望を持っておきましょう。
退職する際の手順
続いて、退職をする際の手順について解説していきます。
気分良く新天地へ向かうためにも、しっかりと退職手続きは進めましょう。
引き継ぎ資料を丁寧に作成する
退職をする場合は、自身が行っていた仕事を公認に引き継ぐ必要があります。
しっかり引き継ぎをしないと、スタッフだけでなく利用者も困ってしまうので、引き継ぎ資料は「誰が読んでも分かるように」丁寧に作成しましょう。
また、周囲のスタッフにも仕事内容を伝えておき、退職後にサービス提供が滞らないように配慮しましょう。
上司に退職届を提出する
上司に退職届を提出して、退職の意思を伝えることも忘れずに行いましょう。
また、退職届を提出するタイミングに関しては、退職をする2~3ヶ月程度を行うと良いでしょう。
もし引き留められても「既に内定先が決まっている」など、翻意する意思がない旨を伝えてください。
厚生年金保険や健康保険の初回保険手続きもあることから、総務などの部署に伝えておくことも重要です。
介護職員への転職におすすめの転職サイト
転職サイトは豊富な求人数を取り扱っているので、豊富な選択肢の中から仕事を選ぶことができます。
また、アドバイザーからの転職支援も受けられるので、転職を検討している場合は転職サイトの利用がおすすめです。
求人数 | 求人の幅広さ | サポートの充実度 | |
---|---|---|---|
介護ワーカー | 8万件以上 | ◎ | ◎ |
カイゴジョブ | 7万件以上 ※姉妹ブランドのカイゴジョブ含む |
◯ | ◯ |
レバウェル介護(旧きらケア) | 約10万件(非公開求人含む) | △ | ◯ |
介護ワーカー
※画像出典:介護ワーカー公式サイト
- 年間転職成功実績1万件以上
- 面接対策や条件交渉などサポートも充実
- 求人数も9万件以上と豊富
介護ワーカーは、年間転職成功実績10,000件と非常に信頼度が高い転職サイトです。
取り扱っている求人数は9万件以上にも上り、正社員転職から未経験者可能求人まで幅広く用意しています。
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介護ワーカーで求人を探す!カイゴジョブ
※画像出典:カイゴジョブ公式サイト
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カイゴジョブエージェントで求人探し!マイナビ介護職
画像出典:マイナビ介護職公式サイト
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介護業界で培ったコミュニケーション能力を活かし、看護助手や保育補助への転職も検討してみてください。
業界 | 転職サイト |
---|---|
全業界 | リクルートエージェント |
看護助手 | ナース人材バンク |
保育補助 | 保育士ワーカー |
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介護・医療分野のマーケットは拡大する見込み
介護業が体力的にも精神的にもしんどい業界であるのは確かですが、介護業に関するポジティブなニュースも存在します。
先述したように、2019年に発行された中小企業白書の中には、今後マーケットが広がる産業は医療・福祉の2つしか無いという記述があります。
つまり、日本が今後伸びていく産業は高齢者向けのビジネスなので、介護職員の方は様々な恩恵を受けられる可能性が高いです。
介護施設の増加見込み
実際に、介護施設を運営している企業も施設数の拡大を公表しています。
2022年1月17日の日経新聞には、「学研ホールディングスは2030年9月期までに国内で運営する介護施設数を現在の2倍に当たる1000拠点に増やす」という記事があります。
また、施設増に合わせて自社で年800人ペースで介護士を養成する計画を進めていることから、介護人材の確保を進めるであろうことは目に見えています。
学研ホールディングスは、運営ノウハウに強みを持っているサ高住とグループホームの2業態で拠点を増やすことを予定しており、23年9月期までに学研ココファンのサ高住を65拠点、メディカル・ケア・サービスのグループホームを31拠点増やす予定です。
学研ホールディングス以外にも、SOMPOケアは今後5年で33拠点を新設し、ベネッセホールディングス傘下のベネッセスタイルケアでは、25年度までに年12拠点ペースで施設を増やすことを予定しています。
学研ホールディングスの人材育成
先述したように、学研ホールディングスでは施設の拡大に合わせて自社で介護士の育成を進める予定で、学研は自前の人材育成でサービス品質の向上につなげる他にも、非正規雇用者の資格取得を支援し正規雇用を後押しする仕組みを進めています。
また、学研ホールディングスではグループ全体で介護記録システムなどのIT技術を導入し、残業時間の短縮にも着手しています。
このように、大手介護事業所では様々な取り組みを推進して職員の負担を軽減しつつ、人材確保似も動いていることが分かるでしょう。
岸田首相も待遇改善を後押し
岸田首相は福祉職員の「賃上げ」を進めており、2022年2月以降は恒久的に介護職員をはじめとして福祉職員の待遇改善を継続する予定です。
2012年に始まった介護職員処遇改善加算をはじめ、国も介護職員を確保するための施策を進めており、これは介護職員にとっては追い風と言えるでしょう。
人材確保やサービスの質の向上のためにも、事業所も介護職員を確保するための待遇改善を進めていくことが予測できるので、介護業界にとって良いニュースがあることも知っておきましょう。
新人の介護職員が辞めたいと思う理由まとめ
- 人間関係の悩み、職場環境の悪さ、待遇の悪さが大きな理由となっている
- 介護の仕事は辛いので、休日にリフレッシュしたりやりがいを感じられるような工夫が不可欠
- 現在の職場に不満がある場合は、転職を検討すると良い
- 今後介護職員の待遇改善が進む点は知っておこう
新人看護師はストレスを感じがちなので、周囲からのフォローが欠かせません。
しかし、フォローが不十分だったり「想像以上に激務だった」と感じてしまうとモチベーションが失われてしまうので要注意です。
なお、もし転職を前向きに検討している場合は本記事で紹介した転職サイトを利用してみてください。
皆さんの転職を適切にフォローしてくれるので、一人で抱え込まずに転職活動を進めてみることをおすすめします。