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ケアマネージャーから社会福祉士になる方法は?資格の違いや取得方法を解説

2024年10月23日
その他

この記事は専門家に監修されています

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介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

「ケアマネージャーから社会福祉士になるにはどうしたらいい?」

「ケアマネージャーと社会福祉士の違いは?」

このような疑問をお持ちの方も少なくないのではないしょうか。

近年、介護職の資格を持った人は重宝されており、将来性のある職場に就けると言われています。

この記事では、ケアマネージャーから社会福祉士になる方法や、キャリアアップについて解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

ケアマネージャーから社会福祉士についてざっくり説明すると
  • ケアマネージャーは公的資格で社会福祉士は国家資格である

  • ケアマネージャーと社会福祉士のダブルライセンスを目指すのも良い

  • どちらの資格も今後の日本において将来性がある

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ケアマネージャーと社会福祉士の違いは?

ここでは、ケアマネージャーと社会福祉士の違いについて解説していきます。

資格の違い

ケアマネージャーと社会福祉士はどちらも福祉関係の資格ですが、ケアマネージャーは公的資格で、社会福祉士は国家資格です。

どちらも相談援助業務がメインの仕事ですが、支援する対象の広さが異なっています。

ケアマネージャーは介護のプロで、お年寄りの介護についての立案や運用を行う仕事です。

一方で社会福祉士は、介護だけでなく児童福祉障害者福祉にも対応しており、社会活動のお手伝いを行います。

支援対象が広いこと、法律によって定められた国家資格であることから、社会福祉士の資格の方が上だという意見もあるようです。

ただし、ケアプランの作成・管理のように、ケアマネージャー独自の業務があるため両者を比較することはできません。

社会福祉士は国家資格ですが、ケアマネージャーの資格が格下ということは一切ないのです。

社会福祉士とは?

社会福祉士は国家資格で、福祉士資格の中でも相談援助に関する知識を持っており、福祉専門の相談のプロです。

高齢者・障害者・児童など、さまざまな年齢層の方の相談にのります。

名称独占資格に分類されており、社会福祉士になるには国家試験に合格しなければならず、合格者のみが社会福祉士を名乗れます。

一方で、社会福祉士は、業務独占資格ではないので、資格を持っていない場合でも同様の業務が可能です

社会福祉士が活躍している場所は、医療機関・行政・介護・福祉施設・学校など多岐にわたります。

社会福祉士についてもっと知りたい方はこちらの記事も参考にしてください

社会福祉士の基礎知識(仕事・難易度・勉強方法・他資格との比較)をすべて解説!

社会福祉士の役割とは?仕事内容や資格の取得方法・ソーシャルワーカーの専門性も解説

受験資格の違い

ケアマネージャーと社会福祉士は、なるための受験資格も異なっています。

社会福祉士の受験資格

社会福祉士の受験資格

社会福祉士になるには、短大卒業・大卒・高卒など、学歴によって受験資格が異なっており、学歴によって、基礎科目や指定科目の履修が必要であることや、相談援助実務経験が数年必要になることがあります。

そのため、高卒でも社会福祉士の資格は取ることは可能です。

例えば、4年制大学を卒業している場合は、社会福祉士専門学校で一般養成施設に1年以上通えば、社会福祉士の受験資格を得られます。

試験に合格して、登録申請を行うことで、社会福祉士として働くことが可能です。

ケアマネージャーの受験資格

ケアマネージャーになるには、勤務先(住居地)の都道府県で年に1回実施されている、ケアマネジャー試験に合格、実務研修を修了してから各都道府県に登録する必要がある公的資格です。

特定されている国家資格を保有し、その国家資格に基づく実務経験が通算5年以上かつ900日以上であることが条件です。

または、介護施設の相談業務に通算5年以上かつ900日以上、従事している必要があります。そのため、高卒でもケアマネージャーを目指すことは可能です。

細かい受験資格の条件が設けられており、深い経験・高齢者の身体と心についての知識・介護保険に関わる法律や制度の知識が問われるため、比較的難易度の高い資格です。

ケアマネージャー試験の詳細については以下の記事で紹介しています。

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ケアマネージャー試験の難易度・合格率は?合格点の推移やおすすめ勉強法まで徹底解説

資格取得難易度の違い

ケアマネージャーと社会福祉士の資格取得難易度の違いを、資格取得するまでのかかる期間と合格率で比較してみましょう。

資格取得までにかかる期間

  • ケアマネージャー:最短8年ほど

  • 社会福祉士:最短4年ほど

試験の合格率

  • 介護支援専門員実務研修試験(ケアマネージャー試験、2023年):19.0%

  • 社会福祉士国家試験(2024年):58.1%

ケアマネージャーになるには、資格取得までに社会福祉士の倍の時間がかかる上、合格率も低いことから、ケアマネージャーの方が資格取得難易度は高いと言えるでしょう。

資格更新の必要性の有無の違い

また、ケアマネージャーは定期的な資格の更新が必要ですが、社会福祉士は一度資格を取得すると、更新を行う必要がなく、生涯有効な資格です。

ケアマネージャーは、5年ごとに研修を受講して、介護支援専門員証の更新手続きが必要です。更新を忘れてケアマネージャーの資格をうっかり失効してしまった場合は、業務が行えません。

ただ、資格を失効しても54時間の再研修を受講すれば、ケアマネージャーの資格の再取得が可能となっています。

仕事内容の違い

ケアマネージャーと社会福祉士の仕事内容の違いは、対象としている人が異なることです。

  • ケアマネージャー:高齢者や障害者などの介護が必要な人

  • 社会福祉士:身体・精神・経済的にハンディキャップがある人

ケアマネージャーは、介護対象者やその家族から相談を受け、適切な支援を受けられるようケアプランの作成や見直しを行っています。

ほかにも、自治体や介護サービス施設と連絡・調整を行ったり、介護保険サービスの管理業務を担当します。

社会福祉士は、高齢者や障害者だけでなく、ひとり親家庭、生活困窮者といった幅広い人からの相談に応じ、それぞれに必要な支援サービスの提案をすることが仕事です。

対象が幅広いため、福祉はもちろん、医療や行政などさまざまな分野の知識が求められます。

社会福祉士が活躍している就職先については以下の記事で紹介しています。

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ケアマネージャーと社会福祉士は連携している?

ケアマネと社会福祉士の連携

ケアマネジャーと社会福祉士は、役割や業務内容は異なっていますが、ケアプランを扱う場合に両者が連携することもあります。

例えば、ケアプラン作成・提案にもとづいて、社会福祉士が関係各所と連絡を取り合うことがあります。

社会福祉士は幅広い分野の知識を持っているため、その他の機関との調整役として、ケアマネージャーと連携しているのです。

そのため、社会福祉士の中にはケアマネージャー業務も兼務できるよう、ダブルライセンスを目指す人もいます。

ケアマネージャーの受験資格に、社会福祉士資格の保有が含まれているので、社会福祉士がケアマネージャーを目指すことは比較的簡単でしょう。

さまざまな支援ができるように、ケアマネージャーと社会福祉士のダブルライセンスを目指してみても良いでしょう。

ケアマネージャーの経験が社会福祉士に活きる?

ケアマネージャーと社会福祉士の役割や業務内容は異なることを説明しました。

一方で、両者が関わりを持っていることが多く、両方の資格を持っている人が現場で重宝されることが多いのも事実です。

ケアマネージャーの資格を持っているだけで、社会福祉士の受験資格はありませんが、職場がサポートしてくれる場合もあります。

一般養成施設での専門的な勉強が必要ですが、普段から介護の仕事を行っていれば、社会福祉士の勉強にも活きるでしょう。

逆に、社会福祉士の経験がケアマネージャーにも活きていきます。

ケアマネージャーの受験資格の要件には、社会福祉士の勤務実績が認められています。

社会福祉士の業務を、5年以上かつ900日以上の実務経験があれば、受験資格を手に入れることが可能です

業務だけでなく、資格受験においても関係性が深くなっていることがわかます。

ケアマネージャーと社会福祉士の将来性の違いは?

不安に思う女性

ケアマネージャーと社会福祉士は、どちらも将来性のある職業です。日本では、少子高齢化が深刻になっており、65歳以上の人口割合は、1970年で7.1%でしたが、2000年には17.4%、2021年には28%と大幅に増加しています。

これらの高齢者の中には、介護を必要としている人も多く、要支援・要介護認定者の割合も高くなっています。

  • 65〜69歳:2.8%

  • 70~74歳:5.8%

  • 75〜79歳:12.1%

  • 80〜84歳:25.8%

  • 85歳以上:59.8%

出典:厚生労働省「介護給付費等実態統計月報(令和5年1月審査分)」

今後、日本ではさらに高齢者の割合が増えていくと言われており、高齢化に伴って要介護者も増えるでしょう。

高齢者の相談援助を行う社会福祉士と、ケアプラン作成ができるケアマネージャーは必要不可欠な存在なので、どちらの資格も将来性があることは間違いありません。

ケアマネージャーが社会福祉士を目指すメリットは?

ケアマネージャーが社会福祉士を目指すメリットは、下記の4つです。

  • 社会福祉士の実習が免除される

  • 養成校でのレポートが書きやすい

  • 受験の際に有利になる

  • ケアマネとしての信頼度が増す

社会福祉士の実習の免除

ケアマネージャーの実務経験がある場合は、約1ヵ月間に及ぶ社会福祉士実習が免除されます。

通常、社会福祉士の資格取得を目指す場合、長期間にわたる実習を通じて現場経験を積むことが求められますが、すでにケアマネージャーとしての経験が豊富な場合、この実習のプロセスが省略されます

ケアマネージャーとしての経験があるだけで、社会福祉士資格の取得がよりスムーズになります。

さらに、数年後には社会福祉士の実習時間が延長されることが予定されています。このことも考慮すると、実習免除のメリットは将来的にますます大きくなることが予想されます。

社会福祉士資格を取得するために、通常よりも短期間で効率的に準備を進められるという点は、現場で忙しいケアマネージャーにとって非常に大きな魅力となるでしょう。

ケアマネの知識を試験で活かすことができる

ケアマネージャーの資格があっても、社会福祉士の試験科目が免除されることはありません。しかし、社会福祉士の国家試験の受験の際に、ケアマネージャーとして現場で得た知識が得点源となりやすいでしょう。

社会福祉士とケアマネージャーは、相談援助業務といった点で、重なる部分が多いため、試験で知識を活かすことができます。

そのため、試験に出題される多くの内容が、すでに現場での実践を通じて理解できている場合が多く、試験においても得点源となりやすいのです。

特に、ケアマネージャーとしての業務経験が豊富であればあるほど、試験問題に対する理解も深まるため、合格率を高めることができるでしょう。

ケアマネとしての信頼も増す

社会福祉士とケアマネージャー、どちらとも資格を持っていると、ケアマネージャーとしての社会的信頼が増すでしょう。

ケアマネージャーの資格だけでも相談員としての業務はこなせますが、社会福祉士の資格を持つことで、より高度な専門知識やスキルがあると見なされるため、他のケアマネージャーとの差別化が図れます

結果的に、ケアマネージャーとしての信頼性が増して利用者や同僚からの評価も高まり、キャリアの幅も広がるでしょう。

両方の資格があればケアマネージャーと社会福祉士の兼務が可能なので、相談に強い人材として重宝され、期待されます。

ケアマネージャーから社会福祉士になる方法は?

ケアマネージャーとして働きながら、国家資格である社会福祉士試験の勉強をするのは簡単ではありませんが、どちらの業務にも共通点が多いので、目指せないことはありません。

資格を取得すれば、仕事の幅が広がり、キャリアアップできるでしょう。

現在、介護現場で働いているのなら、職場によって社会福祉士資格の取得を支えてくれる場合があります。

社会福祉士の受験資格には一般養成施設で専門的な勉強が必要です。

一般養成施設は通信教育でも可能ですが、職場の理解が必要になることは間違いありません。

もし、あまり理解がない職場であったり、社会福祉士の資格取得に専念したい場合など、受験のサポートをしてくれる職場へ労働環境を変えてみることも検討してみましょう。

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ケアマネージャーから社会福祉士になることについてまとめ

ケアマネージャーと社会福祉士についてまとめ
  • ケアマネージャーは公的資格で社会福祉士は国家資格である

  • ケアマネージャーの方が資格取得にかかる時間が長く、合格率も低い

  • ケアマネージャーと社会福祉士の資格は今後も重宝される

ケアマネージャーと社会福祉士は近年の日本では少子高齢化が急速に進んでいることもあり、将来性のある資格です。これからの社会の中で、必要な人材として重宝されるでしょう。

また、ケアマネージャーから社会福祉士になれば、社会的信用が増し、自分自身の業務の幅が広がります。

今ケアマネージャーとして働いている人も、社会福祉士の資格を取って、キャリアアップを目指してみましょう


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