茅ヶ崎市の老人ホームの特徴
こちらの記事では、神奈川県茅ケ崎市の老人ホームの特徴と動向について解説していきます。
茅ヶ崎市で老後生活を送ることを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
茅ヶ崎市の地理的特徴と介護施設の特徴
神奈川県茅ヶ崎市と聞いて、サザンオールスターズをイメージする方も多いでしょう。
市内には「サザン通り」「サザンビーチちがさき」など、サザンオールスターズにちなんだエリアもあります。
また、茅ヶ崎市は海水浴で有名ですが、都心へ出勤する方のベッドタウンという性格も持っています。
令和3年11月1日時点での人口は243,781人で、介護施設数はそこまで充実していないものの、高齢化の進展に追いつくべく今後は増加が見込まれています。
ベッドタウンという性格もあるため交通の便は良く、都内や横浜市内へも行きやすい点が魅力です。
60歳からのフィットネス教室などをはじめとして、高齢者向けの福祉サービスを多く提供している点も特徴となっています。
茅ヶ崎市の介護施設価格概観
茅ヶ崎市にあるココファンの介護施設の入居金・月額費用の平均値・中央値は、下記の表のようになっています。
＜入居金＞
| 地域 |
平均値 |
中央値 |
| 茅ヶ崎市 |
445,710円 |
204,700円 |
| 全国平均 |
297,256円 |
194,500円 |
＜月額費用＞
| 地域 |
平均値 |
中央値 |
| 茅ヶ崎市 |
187,438円 |
175,525円 |
| 全国平均 |
169,518円 |
158,250円 |
全国のココファンの施設と比較しても、茅ヶ崎市は入居金・月額費用共に高めの費用がかかってしまう傾向にあることが分かります。
茅ヶ崎は気候的にも環境的にも暮らしやすい魅力的な街なので、致し方ないと言えるでしょう。
とはいえ、利用するための費用が高い分提供されるサービスは信頼できるものとなっているので、安心して利用できます。
茅ヶ崎市の高齢者人口
上記のイラストのように、茅ヶ崎市の高齢者人口と高齢者率は右肩上がりを続けています。
茅ヶ崎市の発表によると、令和3年度11月時点で市の高齢者人口は64,070人と発表されており、高齢者人口は今後も増加していくでしょう。
出典：茅ヶ崎市公式ホームページ
また、2021年時点で高齢化率も25％以上となっています。
少子高齢化が進み生産人口が減少することで、高齢化率は今後も増加する見込みです。
将来的には3人に1人が高齢者になると予測されているので、高齢者施設に関する情報は早い段階から集めておくと良いでしょう。
茅ヶ崎市の介護施設の状況
続いて、令和2年9月時点における茅ヶ崎市の介護施設の状況について紹介していきます。
＜茅ヶ崎市の種類別施設数＞
| 種類 |
施設数 |
75歳以上千人あたりの施設数（茅ヶ崎市） |
75歳以上千人あたりの施設数（全国） |
| 訪問型介護施設数 |
78 |
2.82 |
3.25 |
| 入所型介護施設数 |
76 |
2.75 |
3.43 |
| 特定施設数 |
39 |
1.41 |
2.17 |
| 居宅介護支援事業所数 |
13 |
0.47 |
0.32 |
| 福祉用具事業所数 |
47 |
1.70 |
2.41 |
| 介護施設数（合計） |
265 |
9.57 |
12.40 |
出典：日本医師会 茅ヶ崎市
上記のように、75歳以上1千人あたり施設数は全国平均を下回ってしまっています。
とはいえ、市としても高齢者施設を増やすための政策を進めているので、今後は介護施設数が増加する可能性は多いにあります。
安心して茅ケ崎市で生活するためにも、こまめに情報を集めることが必要です。
茅ヶ崎市の要介護認定者数
2015年から2019年にかけての茅ヶ崎市の要介護認定者数は、上記のイラストのようになっています。
なお、茅ヶ崎市の発表によると、令和2年時点での要介護認定者数は10,476人と発表されており、要介護認定者数・認定率共に年々増加しています。
出典:令和元年度 要介護度認定状況(令和元年)
さらに、認定率は人口の減少に伴って今後ますます高まっていくことが見込まれています。
認定者の要介護度をみると、要支援1の認定者が最も多く軽度の方が多い特徴があります。
2015年の調査によると、高齢者がいる世帯の中で「高齢者のみ」の世帯が37.4％を占めていたことから、3世帯に1世帯以上が老老介護や孤独死などのリスクがあると言えるでしょう。
そのため、茅ヶ崎市では訪問介護やデイサービスなどの在宅で受けられる介護保険サービスの充実化を推進しています。
また、いざという時に短期入居が可能な介護施設や介護度が低い方でも受け入れてもらえる特別養護老人ホームの整備も進めています。
茅ヶ崎市の高齢者相談窓口は？
茅ヶ崎市では高齢者の方が安心して暮らせるように高齢者向けの相談窓口を設けていますが、地域包括支援センターが中心的役割を果たしています。
介護保険をはじめとして、高齢者の方の生活に関連する幅広い相談に対応しているので、疑問や不安なことがあれば気軽に利用すべきです。
また、安心して介護保険サービスを受けられるようにするべく、介護サービス相談員を養成しています。
これは、相談員を介護サービスを提供する場所へ派遣し、直接利用者からサービスへの疑問や不安を聞き取るものです。
要望や相談を受けたら相談員が解決に向けて行政や事業所に働きかけてくれるので、充実した老後生活を送る上で非常に重要な役割を果たしてくれるでしょう。
看護士やケアマネジャーなどの専門職が24時間365日体制で対応してくれる高齢者安心電話相談や、成年後見制度に関する相談に応じてくれる成年後見支援センターを設置している点も特徴です。
認知症になってしまったときに備えたい方や、介護サービスの申し込み方法などに不安がある方の大きな助けとなってくれるので、気軽に利用しましょう。
茅ヶ崎市独自の介護サービスについて
茅ヶ崎市では、高齢者の方の健康作りを促進するために高齢者スポーツ大会を開催しています。
また、介護予防体操として「ちがさき体操」や「歌体操教室」を開講して、運動機能の維持やコミュニティへの参加を促しています。
また、介護予防ボランティア養成講座を通して高齢者支援リーダー・歌体操ボランティア・フレイルサポーターを育成し、地域で自主的に介護予防活動を行えるよう支援しています。
併せて、フレイルチェックや体力テストを通して介護予防や運動を行うことの重要性に気付いてもらう活動を展開しており、高齢者福祉が充実していることが分かるでしょう。
健康に関する意識を高めるための講演会や歯と口腔内の健康に関する知識を普及させる取り組みも行っているため、健康寿命を伸ばしたい方は積極的に参加してみてください。
茅ヶ崎市の地域包括ケアシステム
団塊世代が75歳以上となる2025年を目途に、各自治体で地域包括ケアシステムの完成を目指しています。
地域包括ケアシステムとは高齢者の方の生活を支えるサービスを地域で一体的に提供するシステムを意味しており、要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしく生活できるようにサポートする目的で構築が進められています。
各地域の特性や実情に応じて仕組みづくりを進めることになっていますが、今後高齢化が進んでいく日本において地域包括ケアシステムの重要性は高まっていくでしょう。
なお、茅ヶ崎市では高齢者を見守りながらサポートするための地域包括ケアシステムの構築を進めており、「認知症サポーター」の推進がなされています。
認知症の方や家族をサポートする役割を担っており、要介護認定者が増えていくであろう茅ヶ崎市において存在感は高まっていくでしょう。
認知症サポーターは、認知症の方と家族が孤立したり疲弊して共倒れを起こさないようにサポートする役割も担っているので、生活や介護をする中で困ったことがあれば気軽に相談してください。
また、高齢者の方の生き生きとした生活をサポートするために、高齢者の方の社会参加やレクリエーションを通して生きがいづくりにも力を入れています。
併せて、元気で労働意欲のある方に対しては就労支援も行い、働き手を増やしながら本人にも社会的に活躍できる場を提供しています。
無理が無い範囲で就労することで、認知症予防や運動機能の維持に繋がり健康寿命を延ばせるメリットも享受できるでしょう。
災害時の避難フォローや街のバリアフリー化を推進するなど、誰しもが安心して暮らせる環境づくりを進めていることから、今後ますます住みやすい市になっていくと考えられます。
市の政策に関する情報を集めつつ、自身でも健康寿命を延ばすための自助努力を行っていきましょう。
グループホームとは？
要支援2以上の認知症患者の方が対象
グループホームは正式名称を「認知症対応型共同生活介護」と言います。
要支援2以上かつ、医師から認知症の認定を受けた高齢者の方を対象とする施設です。
「ユニット」と呼ばれる少人数単位での生活が基本であり、5〜9人をユニットとした共同住宅でケアサービスを提供しています。
馴染みの深い少人数で常に生活を共にすることから、環境の変化が少なく、認知症患者の方でも穏やかな心身状態で生活を営むことができます。
施設内では、認知症改善に最適なレクリエーションやリハビリテーションなど、認知症に対する非常に手厚いケアを行っている点が特徴です。
こういったことから、認知症患者の方が民間介護施設を選ぶ際にはぜひ検討しておきたい施設だと言えるでしょう。
パーキンソン病の方の施設選びのポイント
この記事は医師に監修されています
中部脳リハビリテーション病院 脳神経外科部長
矢野 大仁 先生
そもそもパーキンソン病とは
パーキンソン病とは、脳内のドパミン神経細胞の減少によりドパミンという成分が減少して起こる病気で手の震えなどが代表的な症状です。
人口10万人あたり約150人の方が発症すると言われており、発症すると要介護認定を受けるのが一般的ですが、まずはパーキンソン病の症状について確認しましょう。
パーキンソン病の症状
重症度は症状によって5段階に分けられていますが、具体的な症状は下記の通りです。
安静時振戦(ふるえ)
安静時振戦とは「ふるえ」のことで、じっとしている時にふるえが止まらなくなる症状です。
なお、ペンや箸を使う時などの動作時にはふるえが消えるという特徴があります。
初期段階であれば体の左右のどちらかにふるえ症状が出ますが、2~3年後には反対側にもふるえの症状が出るようになります。
親指と人差し指で丸薬をまるめるような「丸薬丸め運動」や、踵で床を小刻みに打つような「タッピング様振戦」が代表的です。
無動
無動とは、日常生活での動きが少なくなり、動作が遅くなってしまうことです。
顔の筋肉に無動症状が出ると「仮面様顔貌」と呼ばれる、顔の筋肉がこわばり表情が乏しくなります。
他にも、字を書く際にだんだん文字が小さくなっていく「小字症」や、声が小さくなる「小声症」などの症状が代表的です。
筋強剛
筋強剛は、筋肉の収縮と弛緩のバランスが崩れて、筋肉の緊張が進んでしまう症状を指します。
関節のこわばりや脱力感の症状が代表的ですが、抵抗が一定に感じられる「鉛管現象」や、歯車のように引っかかるような抵抗が断続的に見られる「歯車現象」が代表的です。
このような、パーキンソン病による筋肉の硬直を「筋固縮」とも呼びます。
姿勢保持障害
姿勢保持障害が起きるとバランスが取りにくくなり、体が傾き転びやすくなります。
また、歩行時にどんどん加速して小走りになってしまい、自分では止まれない「突進歩行」も特徴です。
転倒のリスクがかなり高まることから、転倒しないように支えたり見守ることが重要です。
パーキンソン病の方の入居の条件
パーキンソン病を患っている方でも、基本的には老人ホームへの入居が可能です。
本来であれば「65歳以上、介護認定あり」が老人ホームに入居する条件となっていますが、パーキンソン病は厚生労働省が指定する特定疾病に含まれているため、介護認定を受けているパーキンソン病患者であれば40歳~65歳未満でも入居可能です。
ただし、入居する方が要介護認定を受けている40歳~65歳未満の男性の場合、女性スタッフが多い老人ホームへの入居は難しい場合があるので注意しましょう。
施設に入らず一人暮らしはできるのか
老人ホームなどの施設にはできるだけ頼らず、一人暮らしを続けたいという方も多いでしょう。
パーキンソン病が進んでしまうと、薬の服用タイミングが分からなくなってしまい症状が悪化して危険な状態に陥る恐れもあります。
そのため、もしパーキンソン病を発症したら施設に入るのが無難と言えるでしょう。
施設に入らことに抵抗を覚える方であれば、ショートステイの利用でも構わないため、誰かに頼ることをおすすめします。
パーキンソン病の方の補助金について
介護保険給付の他にも、パーキンソン病に罹患すると生活を支えるための補助金が出ます。
パーキンソン病の重症度の分類は、以下のように5段階に分けられていますが、Ⅱ度以下または生活機能障害度Ⅰ度以下でも、医療費の支払金額が一定以上となると医療費助成の対象となります。
なお、医療費助成制度を利用するためには、住居地の保健所に申請書や診断書などを提出して行うことになります。
介護保険制度や補助金は介護をする上で重要な役割を果たしているので、しっかり情報を集めましょう。
パーキンソン病の方が老人ホーム選びで重視すべき点
パーキンソン病は、病状の進行と共に身体の自由が無くなってしまうので、常に転倒事故の危険があります。
また、食事や着替えなどの日常動作をこなす際にも時間がかかってしまうため、適切なサポートを受けられる施設を探しましょう。
また、身体が思い通りに動かないことで気持ちが落ち込んでしまい鬱状態に陥ってしまうこともあるため要注意です。
住環境に配慮されている
老人ホームを選ぶ際には、パーキンソン病患者でも安心して移動できるかどうかをチェックしましょう。
手すりの設置や段差解消がされており、浴室などが安全に配慮された設計になっている住環境であれば、安心して暮らせるでしょう。
また、運動機能の衰えを防ぐためにも手すりの設置や家具類の配置が調整されている施設を選び、少しでも自立した生活を送れるようにしましょう。
パーキンソン病に熟知したスタッフがいるか
パーキンソン病の症状や対応を熟知しているスタッフがいれば、充実したケアを受けられるでしょう。
薬物効果に合わせて生活リズムを作るサポートもしてくれるので、患者にとって非常に頼れる存在となります。
また、病状を熟知していれば起こりやすい事故を予防するために細心の注意が払ってくれるので、安心して生活できるでしょう。
しっかりとしたリハビリを行えるか
パーキンソン病の症状を遅らせるためには、リハビリを適度に行うことが重要です。
自力でできることに関しては、時間がかかっても自力で行うようにサポートしてくれる施設を選びましょう。
なお、施設の人手や人員配備の体制が不十分だと対応が遅れてしまう場合があるためスタッフの人数もチェックしてみてください。
実際に、スタッフの介助が待ちきれずに、パーキンソン病の方が1人でトイレに向かい転倒してしまったと事例もあります。
医療連携が緊密に取れている24時間体制で看護スタッフが常駐している老人ホームを選ぶと、より安心でしょう。
選ぶ際の優先順位を決めよう
老人ホーム選びで困らないためにも、重視するべきポイントを整理して比較項目に優先順位を付けることをおすすめします。
具体的には、下記のポイントを意識してみてください。
特に、パーキンソン病の方は日常的な見守りや介護が必要不可欠なので介護体制の充実度に関しては重要度が高いです。
安心して暮らせるかどうかを最優先に考えて、施設選びを進めていきましょう。
おすすめの有料老人ホームの種類
有料老人ホームは、主に「住宅型有料老人ホーム」「介護付き有料老人ホーム」の2種類に分かれます。
介護体制やサービスを提供するための人員体制が整備されている介護付き有料老人ホームの方が、パーキンソン病の方には適していると言えるでしょう。
住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅にも介護体制が充実している施設はあるので、必ずしも選択肢が介護付き有料老人ホームに限られるわけではありません。
様々な施設を比較検討した上で、ベストな施設を選んでいきましょう。
パーキンソン病の方が施設入居するリスク
パーキンソン病の方がさらに認知症を併発してしまうと、残念ながら問題行動が増えるため介護者の負担が重くなります。
また、嚥下障害も抱えてしまうと恒常的に食事介助が必要となるので、食事内容にも配慮しなければなりません。
このような症状を併発してしまっている場合、サポートを提供する余力がない施設からは入居を断られてしまうケースもあります。
また、入居後にパーキンソン病と認知症を併発した状況になるケースもあるため、入居前に退去要件に関しては必ず確認してください。
認知症を併発しても入居を継続できるか、必要な介護や支援を受けられる契約か否かは重要なポイントなので、漏れなくチェックしましょう。
室内での転倒にも注意
パーキンソン病を患ってしまうと運動機能や感覚機能が低下してしまうので転倒のリスクが高まります。
特に、コロナ禍において在宅時間が増えたことで室内での転倒事故も増えているので要注意といえるでしょう。
もし階段で転倒してしまうと大怪我にも繋がるので、同居家族のサポートや気配りが欠かせません。
予防するための運動・食事
パーキンソン病患者の方が室内での転倒を予防したり、大怪我のリスクを低減するためにも日ごろからリハビリを行う必要があります。
無理のない範囲で適度な運動やストレッチを行って筋力と柔軟性を維持したり、階段昇降やウオーキングなどを行い下半身の筋力を動かすことを意識しましょう。
また、全身の筋肉や関節を使かす動作を行えるラジオ体操も効果的なので、ぜひ実践してみてください。
食生活に関しても工夫を凝らす必要があります。
特に乳製品や、果物・肉などの摂取が少ないと、パーキンソン病になりやすいと言われています。また、チロシンは、大豆製品に多く含まれておりタンパク質の一種で、ドパミンなどの神経伝達物質の原料となる栄養素でなので積極的に摂取すると良いでしょう。
好き嫌いを避け、バランスの良い食事を心がけましょう。
