サ高住のケアマネージャーの仕事内容は?1日のスケジュールや居宅との違いも解説!
この記事は専門家に監修されています
介護支援専門員、介護福祉士
坂入郁子(さかいり いくこ)
「サ高住のケアマネはどのような仕事をこなすの?」
「ケアマネージャーの資格を持ってるけど、サ高住で働くか迷う…」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ケアマネは「介護支援専門員」とも呼ばれており、介護業界で欠かせない存在です。ケアマネが活躍できる場所は多くありますが、近年はサ高住で働くケースも増えています。
こちらの記事では、サ高住におけるケアマネの仕事内容や、具体的な1日のスケジュールなどを解説します。
ケアマネ資格を保有しており、サ高住への就職・転職を目指している方に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
※記事中でケアマネージャーの略称として「ケアマネ」と言う表現を用いています。
入居者の「安否確認」と「生活相談」が主な仕事内容
ケアプランの作成や要介護認定の申請手続きサポートも行う
必要に応じて介護サービスを提供する
サ高住で働く際の基本情報
サ高住とは、高齢者向けの住居です。健康な高齢者が住むための施設で、近年利用する方も増えています。
まずは、介護支援専門員であるケアマネージャーが、サ高住で働く際の基本的な情報について解説します。
サ高住とはどんな施設?
サ高住とは「サービス付き高齢者向け住宅」の略称です。高齢者向けの設備やサービスを提供する「住居」であり、介護施設とは異なります。
ただの住居ではなく、入居者に「安否確認」と「生活相談」のサービス提供が義務付けられている点が特徴です。必要に応じて生活支援サービスや介護サービスを提供し、細かいニーズに対応しています。
介護施設のように「介護サービスに特化している」わけではなく、高齢者の方が安心して生活できる環境を提供することが、サ高住の目的です。
サ高住の詳細な情報は以下の記事で紹介しています。
サ高住のケアマネに求められること
ケアマネがサ高住で勤務する場合、主に行う業務は「安否確認による安否確認」と「生活相談サービス」(※)の2つです。
そもそも、サ高住は自立した生活を送れる高齢者を対象としているため、介護に関するサービスは行わないケースが一般的です。
ただし、介護施設を併設しているサ高住の場合、必要に応じて介護サービスを提供することもあります。
施設によっては仕事内容や業務範囲が異なりますが、サ高住によってはケアマネが介護サービスを提供することもあります。
サ高住のケアマネに求められる役割は「安否確認による安否確認」と「生活相談サービス」を通じて、高齢者が安心して生活できる環境の整備と言えるでしょう。
なお、ケアマネが勤務できるサ高住は、居宅介護支援事業者が併設された物に限ります。
サ高住で働くケアマネージャーの仕事内容
ケアマネがサ高住で働く場合、特養や老人ホームで働くときと仕事内容が大きく異なります。
以下で、サ高住で働くケアマネの具体的な仕事内容に解説します。
手続き・事務仕事
最適なケアプランの作成
ケアプランとは、心身の機能悪化防止や自立を促すための計画で、介護計画の軸となるものです。
ケアプランは、利用者の生活の質を向上させるために必要不可欠なもので、介護サービスの提供における基本的な指針となります。
サ高住を利用する方の中には、要介護認定を受けている方もいるため、必要に応じてケアマネがケアプランの作成を行います。
サ高住利用者の健康状態の把握を行い、必要な介護サービスを決定することは、ケアマネの大切な仕事です。
ケアプランは、単なる介護サービスのスケジュールを決めるだけではなく、利用者の心身の状態を長期的に維持・改善するための包括的な計画であることを理解する必要があります。
要介護認定の申請手付きの代行
介護サービスを必要としている方で、まだ市区町村から要介護認定を受けていない場合は、要介護認定の申請手続きを行います。
しかし、介護を必要とする高齢者やその家族にとって、要介護認定の申請手続きは煩雑でわかりにくい場合が多いです。
通常、要介護認定の申請手続きは本人が行うものではありますが、必要に応じてケアマネがサポートします。
要介護認定の手続きでは、申請書に主治医から証明をもらう欄があるため、ケアマネがサポートする場面が多いです。
申請が無事に完了した後も、ケアマネージャーは利用者の状況を継続的にフォローし、認定結果に基づいた適切なサービス提供を行うことが求められます。
介護保険サービスの給付管理
介護保険のサービスは、自己負担割合が原則1割です(所得に応じて最大3割)。自己負担を超える分に関しては、介護保険から介護事業者に対して「介護報酬」として支給されます。
ケアマネは、介護報酬の給付管理を行います。介護報酬は、介護事業者の収入源の一つなので、きちんと管理しなければなりません。
介護サービスを提供するサ高住に勤務する場合は、介護保険関連の事務を任される点も押さえておきましょう。
具体的には、サービス提供実績の確認や報酬請求書の作成、保険者(市区町村)との調整などが含まれます。
介護保険サービスの詳細については以下の記事で紹介しています。
入居者の方への対応
入居者の方のモニタリング
モニタリングは「安否確認」で、住んでいる高齢者の方に異常がないか確認する仕事です。
きちんとケアプランに沿った介護給付が受けられているか、体調で変わったことがないかを確認し、安心して生活できるようにサポートします。
必要に応じて、介護スタッフへの指示出しやケアプランの見直しも行います。
また、入居者の体調に変化がないかを注意深く観察し、何か問題が発生した場合には、迅速に対応できるよう備えることが求められます。
モニタリングは、自立した生活を送ってもらううえで欠かせない仕事と言えるでしょう。
入居者が身体的にも精神的にも健康を維持し、安心して生活を続けられるよう支援することがケアマネージャーの大切な役割です。
入居者の方の生活相談
入居所から生活相談を受けたときに、介護の専門家として応じることもケアマネの大切な仕事です。
生活相談は、入居者が日々の生活の中で直面するさまざまな問題や悩みを解決するために行われます。
「ケアプランの見直しを行いたい」「このようなことで困っている」など、様々な相談が寄せられることもあります。
入居者からの相談には迅速かつ適切に対応することが重要であり、ケアマネージャーは介護の専門家としての知識と経験を活かしてアドバイスを提供します。
また、入居者の方の相談だけでなく雑談相手になるなど、円滑なコミュニケーションを図ることも大切な仕事です。
サ高住で働くケアマネージャーの一日
サ高住で働くケアマネージャーの、具体的な一日のスケジュール例を紹介します。
時刻 | 仕事内容 |
---|---|
9:00~ | 入居者や入居検討者との生活相談業務 |
11:00~ | ケアプランの作成など各種書類作成 |
12:00~ | 食事の声がけ |
13:00~ | 入居者のモニタリング・安否確認 |
15:00~ | サービス担当者会議 |
17:00~ | 夕食介助 |
上記はあくまでも一例で、サ高住によって仕事内容は異なる点に留意しましょう。モニタリングや生活相談業務はすべてのサ高住で行いますが、生活の介助に関しては行わないこともあります。
基本的に、サ高住は自立した生活を送ることができ、要介護度が低い方向けの施設が多いです。
しかし、介護サービス事業所を併設し介護サービスを提供する施設の場合、想定以上に忙しくなる可能性もあります。
サ高住のケアマネの働き方は?
仕事内容だけでなく、勤務時間や夜勤の有無など働き方も気になりますよね。
以下で、サ高住のケアマネの働き方について解説します。
基本的に8時間勤務
基本的に、サ高住のケアマネは8時間勤務します。業務開始時間はサ高住によって異なりますが、7時~9時から始めるケースがほとんどです。
シフトが組まれているサ高住の場合は残業が少なく、完全週休二日制を敷いているサ高住もあります。
また、「土日休み」を実現しているサ高住もあるため、比較的働きやすいと言えるでしょう。
夜勤の有無は施設による
夜勤の有無はサ高住によって異なりますが、夜勤がないケースが多いです。ただし、介護サービスを提供するサ高住の場合は、ケアマネが夜勤を担当する可能性があります。
実際に、夜勤として職員が常駐することはありますが、ケアマネを夜勤要員に含めるかどうかはサ高住によって異なります。
サ高住のケアマネは「夜勤がないケースが多いが、完全にないわけではない」点を押さえておきましょう。
他の業務と兼務できる?
ケアマネが管理者の立場にある場合、「常勤専従」が原則なので、ほかの業務を兼務することはありません。
しかし、管理上支障がない場合は、訪問介護をはじめとした介護サービスを行うことがあります。
実務上は、人員の問題などの問題もあり、介護業務を行う場面があるケースが一般的です。
サ高住と居宅でケアマネの働き方に違いはあるの?
「サ高住のケアマネと居宅介護支援事業所のケアマネは、どのような違いがあるの?」という疑問をお持ちも方も多いのではないでしょうか。
居宅介護支援事業所で勤務する場合は、利用者の自宅へ行く必要があります。しかし、サ高住は施設内の居室に伺えば済むため、サ高住の場合は移動の負担が軽いメリットがあります。
また、利用者のモニタリングや安否確認をする際にも、移動などの手間がかからないため楽に感じることもあるでしょう。
ただし、サ高住のスタッフの人数が少ない場合は、介護業務や施設案内などの接客も行うこともあります。
他にも、施設のスタッフの意向に沿ったケアプランを作成する必要があるなど、サ高住のケアマネにも大変な面はあります。
「人員に余裕があるサ高住は業務負担が軽い可能性が高く、余裕がないサ高住は多忙になる可能性が高い」と言えるでしょう。
ケアマネージャーにおすすめの転職エージェント
「サ高住で働きたい」と考えているケアマネの方や、今の職場の環境に満足のいかないケアマネの方は、転職エージェントを介して求人情報を調べるのがおすすめです。
以下で、ケアマネとしてキャリアアップを目指すにあたり、おすすめの転職サイト・サービスを紹介します。
マイナビ介護職
画像出典:マイナビ介護職公式サイト
認知度が非常に高い介護職エージェント
20万件以上の求人
都市部の求人も豊富
マイナビ介護職は、専任のアドバイザーが転職相談や転職のサポートを担当してくれる介護系の転職エージェントです。
給与アップの交渉や、キャリアアップに協力的な職場の相談など、ケアマネの転職にも最適と言えるでしょう。
大手の企業が運営しているという安心感から、利用者も多く、信頼感の強い介護転職エージェントと言えるでしょう。
介護ワーカー
※画像出典:介護ワーカー公式サイト
年間転職成功実績1万件以上
面接対策や条件交渉などサポートも充実
求人数49,000件以上(2025年3月現在)と豊富
介護ワーカー評判だけでなく、年間転職成功実績1万件という優れた実績を誇るため、ケアマネとして転職活動する時にもおすすめです。
求人数は49,000件以上(2025年3月現在)があり、半年以内の転職希望者におすすめです。
そのため、介護支援専門員になって初めて就職活動や転職を考えている人にもおすすめです。
カイゴジョブ
※画像出典:カイゴジョブ公式サイト
専任キャリアパートナーによる転職サポート
職場環境・福利厚生も視野に入れた転職
電話サポートも
カイゴジョブは、利用者ごとに担当者がつき、転職者との相性を踏まえたうえで、最適な転職サポートを行ってくれます。
自分で求人を探す時間が取れない時も、電話サポートがあるため、忙しい方でも利用しやすい点が魅力です。
カイゴジョブは、給料・福利厚生はもちろん、職場の中の雰囲気なども伝えてくれます。
介護職は人間関係の悩みが多い傾向にありますが、転職後の人間関係で悩むことなくキャリアアップしたい方におすすめのサービスです。
サ高住のケアマネの仕事内容まとめ
入居者が安心して生活できる環境を整備することが大切な仕事である
サ高住によっては夜勤がない働き方を実現できる
サ高住への転職を検討している場合はエージェントを利用しよう
介護支援専門員であるケアマネは、サ高住で「安否確認」「生活相談」など高齢者の方に対して様々なサービスを提供しています。
居宅介護支援事業所で勤務するケアマネよりも業務負担が軽いことが多く、比較的働きやすいケースが多いです。
しかし、仕事内容や働き方はサ高住の人員状況などに左右されます。自分がイメージしている理想の働き方を実現するには、詳細な情報を集めることが欠かせません。
転職エージェントを利用すれば、効率よく自分に合った求人をリサーチできます。
サ高住への転職を検討しているケアマネの方は、こちらの記事で紹介した転職エージェントの利用を検討してみてください。
この記事は専門家に監修されています
介護支援専門員、介護福祉士
坂入郁子(さかいり いくこ)