ケアマネージャーは老健に就職できる?老健での仕事内容や兼務の可能性も解説

この記事は専門家に監修されています

介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

「ケアマネとして老健に転職したい」

「老健で働くケアマネの仕事が気になる」

といった悩みや転職を考えてるケアマネはいませんか?

老健(介護老人保健施設)は、高齢化が進む現在においてなくてはならない施設です。

この記事では、老健で働くケアマネについて解説していきます。

老健で働くケアマネについてざっくり説明すると
  • 人と関わることが好きな人に向いている
  • 他施設で働くケアマネより給与が高い
  • 通常業務に加えて介護業務も兼務する可能性がある
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老健(介護老人保健施設)ってどんな施設?

介護老人保健施設

老健(介護老人保健施設)は介護が必要な高齢の入所者に、看護や介護のケア、リハビリテーション、食事など提供する施設です。家庭への復帰を目指すための自立を支援していきます。

また、老健は全国に4,279の施設があります。(2022年末時点)

  • 高齢者が一時的に体調を崩した場合
  • 手術後のリハビリ期間が必要な場合

上記のような、短期間の入所を前提としたサービスの提供を行っています。常に、質の高い介護サービスの提供を心がけており、利用者主体の、ニーズにきめ細かく応える施設です。

さらに、家族が休暇を取る場合の一時的な預かり場所として利用されることもあります。

老健にはどんな役職の人がいる?

ここでは、老健に在籍している人員配置基準の紹介をします。

職種 人員配置基準
医師 常勤1人以上、100対1以上
薬剤師 300対1を基準に実情に応じた適応数
看護職員 入所者3人に対して1人以上(看護・介護職員の7分の2が標準)
介護職員 入所者3人に対して1人以上(看護・介護職員の7分の5が標準)
支援相談員 常勤1人以上
リハビリ専門員 100対1以上
栄養士 1人以上(入所定員100人以上の施設)
介護支援専門員 常勤1人以上
調理師・事務員 実情に応じた適応数

出典:厚生労働省

上記のように、老健には算定した数以上の常勤職員を配置する義務があります。

老健は、他の介護施設以上に医療に重点が置かれている施設です。そのため、医師や薬剤師、看護職員の設置が義務付けられているのが特徴です。

介護支援専門員の資格を持つ者も、最低1人以上常勤で配置する義務があるので、資格を持っていると転職において有利になると言えるでしょう。

介護老人保健施設(老健)とは|施設の役割や入所条件・期間・費用まで全て紹介

ケアマネの老健での仕事内容とは?

では、老健(介護老人保健施設)で働くケアマネの仕事内容はどうなっているのでしょうか。実際に老健の中で働いているケアマネの1日のスケジュールも一緒に解説していきます。

老健は施設ケアマネ!1日のスケジュールは?

以下は、老健で働いているケアマネの1日のスケジュールの一例です。

時間 内容
8:00 出勤・各機関や利用者からのメール確認
9:00 入所希望者との面談
11:00 入所者のモニタリング・面談
12:00 昼食休憩
13:00 ケアプランの作成
14:00 サービス担当者会議
15:30 ケアプランの実施状況の確認
17:00 メール返信・事務作業
17:30 退勤

実際の業務内容は、状況に応じて変動します。基本、関係機関との連絡業務や、入所者と入所者家族との面談業務があることから、ケアマネの勤務時間は日中であることが多いです。

老健で働く場合でも、通常のケアマネージャーと同様に、ケアプランの作成やサービス担当者会議などの仕事を行う必要があります。

老健で働くケアマネの仕事内容の特徴

ケアマネの仕事内容は、ケアプランの作成とモニタリングが主です。しかし、老健(介護老人保健施設)で働くケアマネの仕事内容は少し異なっています。

  • モニタリングの頻度が多い
  • 介護サービスの調整が早い
  • 医師や看護師からのアドバイスをタイムリーに得られる

老健は施設にさまざまな職種の人を配置していることもあり、上記のような特徴があります。また、他の介護事業所との情報共有の機会が少なく、外出の機会も少ないでしょう。

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老健の仕事が向いているケアマネの特徴とは?

老健(介護老人保健施設)でケアマネとして働く場合は、介護福祉士の資格はもちろん、さまざまな資格やスキルを持っていることをアピールする必要があります。

そこで、この章ではどのようなスキルや経験が必要か解説していきます。

そもそも老健での勤務に向いている

老健で勤務するケアマネの特徴は、通常業務だけでなく介護業務も兼務しています。そのため、入所者に寄り添った適切なケアプランの作成が求められています。

  • 多くの人々と関わる仕事が好き
  • コミュニケーション能力が高い

上記のような人が、老健でのケアマネ業務に向いていると言えるでしょう。逆に、マネジメントのみに集中したい人は向いていないと言えます。

介護福祉士としての経験がある

もし、既に介護福祉士の資格を取得しており、実務経験を積んでいる人は、採用面接で積極的にアピールすると良いです。

ケアマネは事務作業が基本ですが、現場を知って利用者のニーズに答えなければいけません。 そのため、介護の現場を知る実務経験のある資格取得者は、老健への転職時に評価されるでしょう。

管理職の経験が十分にある

管理職の経験がある人も採用面接でアピールすると良いでしょう。

老健で働くケアマネは、利用者のスケジュール管理、関係期間との連絡調整といった、マネジメントスキルが必要です。また、介護保険サービスでは、モニタリングしてサービスが実際に行われているかどうか、進捗の確認が必要となっています。

過去にマネジメント業務などの管理職の実務経験があるとアピール材料となります。

基礎的なパソコンスキルがある

ケアマネの業務は基本は事務仕事で、ケアプランの作成やモニタリングシートの作成はパソコンで行うため、パソコンスキルが必須です。

パソコンに関する資格を取得していたり、パソコン操作が得意なことをアピールできると、パソコン操作を指導しなくても大丈夫と判断され、採用されやすくなるでしょう。

老健の仕事に向いていないケアマネの特徴とは?

では老健(介護老人保健施設)での勤務に向いていないケアマネの特徴はどのようなものが挙げられるのでしょうか。

以下で、詳しく解説していきます。

人と信頼関係を築くのが苦手

老健は長期利用する利用者が少なく、利用者の入れ替わりがよくあります。そのため、初めて老健を利用する人が、心を開きやすいようコミュニケーションを取ることが必要となります。

利用者の入れ替わりがある分、信頼関係を築くペースも早くなければならず、コミュニケーションスキルが苦手な人は向いていないでしょう。

他の介護業務を兼務したくない

老健で働くケアマネは、ケアプランの作成やサービス担当者会議を行うだけでなく、他の介護業務も行う必要もあります。

老健は24時間体制での勤務が求められており、充分な支援を提供するためには、事務作業以外にも食事介助やリハビリの手伝いを行わなければいけません。

そのため、ケアマネとしての業務に集中したい人は向いていないでしょう。

長期的なケアを行いたい

老健は長期利用する人が少なく、短期的なケアが中心となる施設です。利用者ひとりひとりと、長く付き合う介護ができる可能性は低いことが言えます。

利用者の在宅復帰を目指す施設なので、長期的なケアを行いたい人には向いていないでしょう。

他業種の考えを受け入れられない

老健には医師や看護師、理学療法士といったさまざまな職種の人が在籍しています。そのため、さまざまな視点からの考えや意見を受け入れながら勤務していく必要があります。

他の職種ならではの考えや、さまざまな立場の考えを受け入れられない人は、向いていないことが言えます。

老健のケアマネとして働くメリット・デメリットは?

メリットデメリット

老健(介護老人保健施設)のケアマネとして働くメリットにはどのような点が挙げられるのでしょうか?

ここでは、他施設と比較した老健ケアマネのメリットについて解説していきます。

他施設に比べ給与が高い!

老健でケアマネとして働くと、他施設で働いているケアマネより給与が高い点がメリットです。

施設 給料
介護老人福祉施設 414,760円
介護老人保健施設 397,600円
介護医療院 354,780円
訪問介護事業所 364,940円
通所介護事業所 313,480円
通所リハビリテーション事業所 356,920円
特定施設入居者生活介護事業所 364,310円
小規模多機能型居宅介護事業所 361,010円
認知症対応型共同生活介護事業所 359,850円
平均 376,770円

出典:令和4年度介護従事者処遇状況調査

上記の表を見てわかるように、老健の給与は、397,600円と、他の介護職や平均の376,770円よりも高いことが言えます。

また、ケアマネージャーは、他の介護職員よりも給料や待遇が良い可能性も高く、ケアマネの資格を持っている人は、老健で働くことで今の職場より待遇がよくなる可能性も高いでしょう。

主任ケアマネを目指しやすい

老健で働くと、主任ケアマネを目指しやすいメリットがあります。ケアマネとして5年以上の実務経験があれば、研修を受けることで主任ケアマネージャー(主任介護支援専門員)の資格研修を受けることができます。

主任ケアマネは、ケアマネの最上位の資格で、ケアマネとしての通常業務に加えて新人ケアマネの育成やまとめ役として活躍できるでしょう。

主任ケアマネを目指したいケアマネの方は、老健で経験を積むのも良いでしょう。

主任ケアマネージャーとは?要件や求められること・メリットについても解説

認定ケアマネを目指しやすい

ケアマネの上位資格である認定ケアマネを目指しやすい点もメリットです。

認定ケアマネは、2004年に新設された資格で、取得するためには専門的な知識と技術を身につける養成研修を受けてから国家試験に合格する必要があります。

ケアマネの最上位資格である、主任ケアマネを目指すには重要なステップとなるでしょう。

夜勤が続きやすいというデメリットも...

老健で働くと、実際にはメリットだけでなくデメリットもあります。デメリットは、夜勤が続きやすいことです。

老健では、ケアマネとしての通常業務に加えて、介護業務を兼務する必要があります。そのため、夜勤が続くケースもあるでしょう。

介護業務を兼務することで、作業量が増えて多忙になる可能性があります。加えて、夜勤が続くと生活リズムが崩れやすくなり、体調不良を引き起こす原因にもなります。

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老健でケアマネとして働く上でのやりがいとは?

ここでは、老健(介護老人保健施設)でケアマネとして就職した際に感じられる、やりがいについて説明していきます。

多様な職種の同僚と関わりながら働くことが可能

老健には医者や看護師、理学療法士が在籍していることもあり、医療分野のエキスパートとの仕事が可能です。

さまざまな職種のエキスパートと力を合わせながら、利用者の在宅を復帰できるよう支援することは、一つのやりがいに繋がります。

利用者に寄り添った支援が可能

老健では、施設ケアマネとして働くことになります。そのため、利用者をより身近に感じられるでしょう。

利用者から日々、直接感謝されることも多く、その感謝がやりがいに繋がっていきます。

健康になった利用者様のお見送りに感動することも

老健は、入所者が病気を治療して自宅に戻ることを目標にしている施設です。リハビリを一緒に頑張り、老健でのケアを通じて回復した利用者が在宅復帰する日は感動します。

老健を卒業し、在宅復帰する日のお見送りは大きなやりがいになるでしょう。

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老健でケアマネとして働く上で避けて通れない苦労も...

老健(介護老人保健施設)でケアマネとして働いていると、避けられない苦労もあるのが事実です。

老健ケアマネは、居宅ケアマネと異なり自分が担当する人数が多くなります。また、利用者の入れ替わりが多く、人との信頼関係を築くのが難しいことが挙げられます。

また、老健ではさまざまな業種の人が働いているため、考えが合わない人がいる可能性もあるでしょう。

ただ、初対面の人と関係構築するのを苦手としていない方や、ケアマネージャーとしていろいろな職種、立場の人と関わりたいと思っている方にとっては、苦労とは感じないでしょう

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老健で働くケアマネについてまとめ

老健で働くケアマネについてまとめ
  • 介護業務も兼務する可能性がある
  • 他施設で働くケアマネよりも給与が高い
  • 主任ケアマネや認定ケアマネへのキャリアアップを見込める

老健にケアマネとして転職は可能です。介護の実務経験や管理職の経験がある場合は転職もしやすいでしょう。

現状、高齢化が進む日本では、老健は必要な施設となっており、需要はたかまっています。

給与が高く、キャリアアップも見込めるので、転職サイトや転職エージェントを利用して老健への転職を検討してみてはどうでしょうか。

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この記事は専門家に監修されています

介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

株式会社学研ココファン品質管理本部マネジャー。介護支援専門員、介護福祉士。2011年学研ココファンに入社。ケアマネジャー、事業所長を経て東京、神奈川等複数のエリアでブロック長としてマネジメントに従事。2021年より現職。

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