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要支援1の状態は?利用できる介護サービスの種類や支給限度額・要支援2との違いまで解説

2023年04月15日
介護施設の種類

この記事は専門家に監修されています

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介護支援専門員、介護福祉士

坂入郁子(さかいり いくこ)

「家族が要支援1と認定されたけど、要支援1ってどんな状態なのかわからない…」

「要支援1と認定されたら、どんなサービスが受けられるの?」

ご本人、ご家族が要支援・要介護認定された場合、わからないことばかりで、このように戸惑ってしまうのではないでしょうか。

介護に携わっている方でない限り、要支援・要介護の制度について詳しく知っている方はあまりいないでしょう。

そこで、今回は要支援1について詳しく解説します。

要支援1と認定されるのはどのような状態なのか、どのようなサービスを受けられるのか、要支援2との違いなど、要支援1について徹底解説します。

要支援1と認定された方やご家族の方はぜひ参考にしてみてください!

要支援1についてざっくり説明すると
  • 要支援1は、要介護認定の中で最も軽度な状態
  • 要支援1の要介護等認定基準時間は25分以上32分未満
  • 要支援1の区分支給限度額は5万320円ほど

要支援1とは

要支援1概要

要支援1とはどのような状態を指すのでしょうか。要支援1の定義や、要支援1と認定される基準、認定までの流れ、要支援2との違いといった基本的な情報からお伝えします。

要支援1は要介護度の中で最も軽度な状態

要支援1は、要支援1~2、要介護度1~5の7段階に分かれている「要介護認定」の中で、最も軽度な状態を指します。

厚生労働省の「介護保険事業状況報告(年報)」/令和2年度によれば、要支援1の認定者数は全国で約9万6千人と、要介護認定者全体の14%を占めます。

要支援とは、介護は必要ではありませんが、日常生活において多少支援が必要な場面がある状態です。

要支援1の方は、食事やトイレなど日常生活は基本的に一人で行うことができますが、家事や身支度などにおいては多少手助けや見守りが必要だと定められています。

また、要支援1は要介護認定の中で最も軽度な段階ではありますが、身体的な衰えが見られることが多少あり、立ち上がる際に手助けが必要になることがあります。

要支援1の基準

要介護認定には、要介護度を判定する基準として「要介護認定等基準時間」があります。これは、要介護者を介護するのに必要な時間を表しています。

要支援1に必要な要介護等認定基準時間は25分以上32分未満とされており、最も低い基準です。

要支援1の方の場合、食事やトイレの介助は不要であり、家事などの手助け・見守りが主な支援内容であるため、このような短い認定基準時間になっています。

この「要介護認定等基準時間」に該当する、またはこの基準に相当すると判断されると、要支援者・要介護者として認定されます。

それぞれの自治体によって判定基準には違いがあるため、疑問点がある方は、お住まいの地域の自治体に確認するようにしてください。

要介護度の認定までの流れ

要介護度の認定を受けるためには、まず初めに自治体の介護保険担当窓口で申請を行います。

本人が申請することはもちろん可能ですが、本人ではなく家族や地域包括支援センターが申請を行っても構いません。

要介護度の認定について申請がされると、ご本人の症状を確認するために、市町村により自宅での訪問調査が行われます。

また、かかりつけ医には意見書の作成が依頼されます。かかりつけ医がいない場合は、自治体指定の病院で診断を受けます。

その後、コンピュータで1次審査が行われ、その後市町村の介護認定審査会で2次審査が行われて要介護度が決定されます。

要介護認定についての審査の結果がご本人のもとに届くのは、申請から約1カ月後です。

要介護認定についてより知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

2023.11.22
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要介護認定とは?仕組み・実施方法や認定基準・要介護と要支援の違いまで徹底解説!

要支援2との違い

要支援1が、要介護認定等基準時間が25分以上32分未満であるのに対し、要支援2は32分以上50分未満の場合に該当します。

そのため要支援1と比較すると、要支援2の方が、多少症状が重くなります。

とは言え、要支援1も要支援2も、どちらも食事やトイレなど日常生活の基本的なことは一人でできる状態です。

ただ、要支援1も要支援2も身体機能の低下が見られるため、立ち上がる際には手助けが必要になる点も共通しています。

しかし、要支援2の場合、立ち上がる際だけではなく歩くときにも手助けが必要になるのが要支援1との違いです。

要支援1と要支援2では、思考力や理解力にはそれほど違いはありませんが、要支援2の方が要支援1よりも身体機能の低下があることが特徴です。

なお、要介護認定には認知症の有無が大きく関わってきます。認知症があると認められる場合には、要支援ではなく要介護1以上になる可能性が高いと言えます。

しかし、認知症を発症していれば必ず要介護になるわけではなく、認知症が軽度であり自力での生活が可能な場合、要介護1や要介護2と認定されることもあります。

要支援2に関しては以下の記事で詳しく解説しています。

2023.12.26
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要支援2とは?介護サービス・認定基準から要介護1・要支援1との違いまで全て解説!

要支援1で受けられるサービスの内容

要介護認定を受けると介護保険サービスが受けられるようになります。要支援1では、どのようなサービスが受けられるのでしょうか。

利用可能な在宅介護サービス

要支援の場合、介護予防サービスが利用できます。介護予防サービスとは、要介護の介護サービスとは違い、名前の通り介護になる状態を予防する目的があります。

要支援1の方が受けられる介護予防サービスは以下の通りです。

種類介護保険の区分サービス名
訪問型介護予防訪問介護介護予防訪問入浴介護
介護予防訪問リハビリ
介護予防訪問介護
介護予防居宅療養管理指導
通所型介護予防通所介護介護予防通所リハビリ(デイケア)
短期宿泊介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)
介護予防短期入所療養介護(医療型ショートステイ)

要支援1で受けられるサービスには、在宅で介護予防サービスが受けられる「介護予防訪問介護」、施設に通う「介護予防通所介護」、短期宿泊を行うショートステイがあります。

各自治体によって受けられるサービスに多少違いがあるため、介護予防サービスを利用したい際は、お住まいの自治体にご確認ください。

自費でデイサービスを利用しよう

要支援1では、通常の介護予防サービスに加え、自費で受けることができるサービスもあります。

2017年3月まで「介護予防訪問介護」「介護予防通所介護(デイサービス)」は介護保険が適用されていました。

しかし、現在は制度が変わったため、これら要支援の方への「介護予防訪問介護」「介護予防通所介護(デイサービス)」は、自治体や民間の企業、NPO法人等が行うサービスになっています。

ただ、これらのサービスを自費で受けるとなると、高額になるのではと心配になる方もいるかもしれません。

しかし、要支援1の方の場合、例えばデイサービスの料金は1回につき2,000円弱が一般的です。

デイサービスでは、その他にいくつかの加算や食費など別途かかる料金はありますが、自費であると言ってもデイサービスの場合はさほど負担になる額ではありません。

デイサービスの内容や利用料金について知りたい方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。

2023.10.03
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デイサービス(通所介護)とは|利用目的や料金・利用条件まで全て解説

なお、これらの自費で受けられるサービスでは、介護保険サービスに入っていない、おむつの支給、配食、買い物代行、外出の付き添い、訪問理美容なども利用できます。

これらの費用は、サービスを行っている自治体、企業、団体などにご確認ください。

一人暮らしで要支援1の認定を受けた場合、一人で生活全てを行うのは大変であるため、このようなサービスは積極的に利用しましょう。

また、ココファンのデイサービスは、要支援の方でも認知症予防に最適な「脳元気タイム」を行うことができますので、早めの段階から予防をしたいとお考えの方には特におすすめです。

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利用可能な施設介護サービス

要支援1で利用可能な施設は、以下の4つです。

  • 養護老人ホーム
  • 有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • ケアハウス

このように、要支援1の場合、入居できる介護施設はあまり多くはありません。

要支援1は、自宅での生活が可能であり施設入居の必要がない方も多いです。

要支援1の場合、経済面や環境面といった理由から自宅での生活が難しいなどの事情がないと、施設に入居するのは比較的厳しいと言えます。

ただ、後ほど詳しく述べますが、要支援1の方で施設に入居している方は少なくありません。生活に不安がある方は、施設への入居を検討することをおすすめします。

要支援1でレンタル可能な福祉用具は?

介護保険サービスでは福祉用具のレンタルが利用でき、レンタル料金の1~3割を負担すればレンタルできます。

レンタル可能な福祉用具にはさまざまあり、要介護者の状態に合ったものをレンタルすることが可能です。

要支援1でも福祉用具をレンタルすることができます。要支援1では、立ち上がる際の手助けや転倒しないような介助が必要ですので、そのような役割を果たす福祉用具をレンタルできます。

例えば、歩行器、歩行補助杖、手すり(工事なし)、自動排泄処理装置(排便機能なし)などです。

ただ、福祉用具はレンタルはできるものの、手すりのように工事はしないもの、自動排泄処理装置のように機能が制限されているものがありますので、注意しましょう。

自宅の介護リフォームも保険適用内

介護保険を利用しての自宅のリフォームは、要介護度に関係なくすることができ「住宅改修費」という補助金が支給されます。要支援1でも、介護保険を利用してリフォームを行うことができます。

要支援1では、転倒防止に気を付ける必要が出てきますが、レンタルできる手すりは工事不要のものですので、リフォームで手すりの工事を行うとよいでしょう。

このように、理由が介護のためだとはっきりしていれば、介護保険適用でリフォームができます。

なお、介護保険を利用のリフォームは、利用限度額の上限が20万円となっています。

また、この住宅改修費の利用限度額は、区分支給限度額とは全く別のものであるため、リフォームには区分支給限度額は関係なく20万円まで使うことできます。

同様に、住宅改修費が区分支給限度額内に収まるように計算する必要はありません。

住宅改修費で注意すべき点

しかし、住宅改修費の利用限度額には一点注意すべき点があります。それは、介護保険を使えば、利用限度額20万円内であればリフォーム代は1割~3割負担で済みますが、限度額を超えた分は自己負担となる点です。

例えば、1割負担の場合、リフォーム代に20万円かかれば1割の2万円が自己負担額となります。

しかし、例えばリフォーム代に30万円かかったとすると、利用限度額内の自己負担額2万円と、利用限度額を超えた10万円の計12万円が自己負担額になります。

ただ、介護保険を利用してのリフォームの場合、業者の選定からケアマネージャーに関わってもらえば、利用限度額に収めたい方が間違えて限度額を超えてしまうことはないでしょう。

要支援1の区分支給限度額

それぞれの要介護認定度によって、受けられるサービスの金額の上限である区分支給限度額が定められています。

それぞれの区分支給限度額を超えるまでは、1~3割の自己負担で介護サービスを受けることができます。

要支援1の区分支給限度額は、1カ月あたり5万320円です。区分支給限度額を超えた分のサービスは自己負担となります。

ただ、区分支給限度額を超えないようにケアマネージャーがケアプランを作成しますので、ほとんどの場合区分支給限度額を超えることはありません。

心配な場合は、あらかじめ自己負担分の費用についてケアマネージャーに相談することをおすすめします。

なお、区分支給限度額は地域によって異なるため、ご自分の区分支給限度額を正確に知りたい場合は、市区町村の担当窓口や、担当のケアマネージャーにご確認ください。

サービスの頻度と費用

要介護認定の度合いによって、受けられるサービスの頻度やかかる費用は違います。

ここからは、要支援1の方が受けられるサービスの頻度、かかる費用について解説します。

要介護のサービス頻度

それぞれの要介護度と受けられるサービスの頻度の目安は以下の通りです。

要介護度サービス頻度(目安)
要支援1訪問型サービス:週1~2回

通所型サービス:週1~2回
要支援2訪問型サービス:週2~3回

通所型サービス:週2~3回
要介護1訪問介護:週2~3回

訪問看護:週1~2回

通所介護、通所リハビリ:週2~3回
要介護2訪問介護:週3~4回

訪問看護:週1~2回

通所介護、通所リハビリ:週3~4回
要介護3訪問介護:週3~4回

訪問看護:週1~2回

通所介護、通所リハビリ:週3~4回

定期巡回・随時対応型訪問介護看護:毎日1回

福祉用具貸与:車椅子、特殊寝台・特殊寝台付属品
要介護4訪問介護:週5~6回

訪問看護:週2~3回

通所介護、通所リハビリ:週3回

定期巡回・随時対応型訪問介護看護:毎日1回

福祉用具貸与:車椅子、特殊寝台・特殊寝台付属品
要介護5訪問介護:週5~6回

訪問看護:週2~3回

通所介護、通所リハビリ:週3回

夜間対応型訪問介護:毎日2回

短期入所:月に一週間程度

福祉用具貸与:車椅子椅子、特殊寝台・特殊寝台付属品、床ずれ防止用具

要支援1では、介護予防サービスを受ける頻度は週1回ほどです。家事の手助けや見守りが主な支援であるため、頻度はあまり多くありません。

要介護度が上がるほど必要な介護の内容が多くなってくるため、介護サービスを受ける頻度が上がっていきます。

在宅介護と施設入居の費用比較

在宅介護と施設入居では、どのくらい費用が変わるのでしょうか。

在宅介護、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の場合を見てみましょう。

<それぞれの場合の費用例>

在宅介護

金額
収入年金・その他30万円
支出月額利用料0円
生活費21万0000円
介護サービス費2,000円
その他0円
支出合計21万2,000円
収支8万8,000円

介護付き有料老人ホーム

金額
収入年金・その他25万円
支出月額利用料11万,000円
生活費10万0,000円
介護サービス費5,500円
その他9万円
支出合計30万5,500円
収支▲5万5,5000円

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

金額
収入年金・その他30万円
支出月額利用料8万円
生活費7万5,000円
介護サービス費1,200円
その他9万円
支出合計25万6,200円
収支4万3,800円

要支援1では、働くことはまだ可能です。また、介護予防にかかる費用もそれほど高くはありません。

そのため、要支援1の場合は、費用面においては厳しい状況にはならないと言えます。

表を見てわかるように、在宅介護と施設入居では費用に差が出てしまうため、まだ在宅介護で大丈夫だと感じる方は、在宅介護を選ぶのがよいでしょう。

要支援1の方が利用すべき介護施設は?

要支援1は要介護認定度がまだ高くない状態ではあり、在宅での生活は可能ですが、不安な方は介護施設を利用するのがおすすめです。

株式会社LIFULL seniorの「介護施設入居に関する実態調査(2020年)」によると、要支援1の方の多くがサービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームなどの介護施設を利用していることがわかりました。

この調査によると、施設入居時に要支援1だった人は、全体で11.4%でした。

有料⽼⼈ホームに限ると、入居時に要支援1だった人は14.1%です。また、⾼齢者向け住宅入居時に要支援1だった人は、18.4%です。

このように、要支援1でも施設入居をしている人は少なくありません。「要支援1だから、まだ施設入居はできないのかな」などとお悩みの方は、ケアマネージャーなどに相談してみることをおすすめします。

要支援1の方の利用が多いサ高住・住宅型有料老人ホームですが、学研ココファンであれば入居金0円で利用でき、さらに充実のサービスで支援を行いますので、ぜひチェックしてみてください。

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要支援1についてまとめ

要支援1についてまとめ
  • 要支援2は、要支援1より身体機能がより低下している

という違いがある

  • 要支援1でもデイサービス、介護予防訪問介護などの介護予防サービスが受けられる
  • 要支援1で施設に入居している人もいる

要支援1は、介護は必要ではない状態であり、食事やトイレなどの日常生活は自分で出来る場合が多いですが、家事や身支度に手助けや見守りが必要です。

また、立ち上がる際にも支援が必要なことが多く、転倒の恐れもあります。要支援2とは違い、歩くことは自力でできますが、それでも福祉用具のレンタルや住宅のリフォームなどをした方がよい状態です。

また、要支援の場合は、介護保険が使えないサービスもありますが、積極的にサービスを利用し介護予防をしていきましょう。

また、もし生活に不安がある場合は、施設入居も検討することをおすすめします。

要支援1と認定されたら、ぜひ積極的にサービスを利用して快適な生活を送ってください!


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