トラベルナース・応援ナースとは|給料やメリット・デメリット、求人について徹底解説
更新日時 2023/10/03
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
「トラベルナースはどんな人が向いている?」
「トラベルナースとして働くメリットは?」
トラベルナースとは、アメリカではよく知られていますが、日本ではまだあまり浸透していない看護師の働き方です。
日本での認知度は低いですが、短期間で高収入を得られたり、自分が好きな土地での勤務が出来たりするため、人気が出てきています。
この記事では、トラベルナースの働き方について、給料やメリット・デメリットなどを徹底解説していきます。
- トラベルナースと応援ナースの仕事内容は同じ
- トラベルナースは即戦力として働ける人におすすめ
- トラベルナースの給料は決して高いわけではない
トラベルナース・応援ナースとは
トラベルナースや応援ナースは、呼び方が異なるだけで、主な仕事内容は同様です。看護師の新しい働き方として注目されています。
日本ではあまり浸透していない働き方になりますが、アメリカでは25年以上の実績がある働き方で、トラベルナースとして働いている人は、約40万人にもなり、定番ともいえる看護師の働き方になっています。
トラベルナースは、全国の看護師不足の施設や病院に赴任し、原則6ヵ月の雇用期間で働きます。
契約期間終了後は、勤務先の同意があれば継続して働き続けることも可能です。
また、気に入った職場であれば交渉により正社員として勤務出来る可能性もあります。
看護師の人材不足の職場に勤務する場合が多く、勤務先は北海道や沖縄、離島などが多いですが、最近は都市圏にも派遣されることがあります。
トラベルナースのために、家具家電が揃った寮などが用意されている場合もあります。
トラベルナースのメリットとデメリット
トラベルナースは特殊な働き方になるため、一般的な看護師にはないようなメリットやデメリットがあります。
この見出しでは、トラベルナースのメリットやデメリットについて、詳しく解説していきます。
メリット
トラベルナースのメリットを紹介します。
自分の好きな勤務地で働ける
トラベルナースは、自分で好きな勤務地を選ぶことが出来ます。 一定期間、働きながらその土地に住むことになるため、憧れの地域で暮らすチャンスになります。
ちなみに、トラベルナースの求人は看護師が不足している沖縄や離島に多い現状があります。海が好きな人ならこのような地域で働くことによって、プライベートの時間が充実するでしょう。
なお、最近は都心部の求人も増えているので、都会の暮らしに憧れている人にもおすすめです。
自由な働き方が可能
トラベルナースは、労働条件が豊富にあるため、自分が望む働き方が実現する可能性が高いです。
トラベルナースは、係活動や研修への参加が義務付けられることが少ないため、看護師としての業務に専念することが出来ます。
また、通常の看護師とは違って有給が取りやすかったり、長期休暇を取得しやすかったりするので、ライフワークバランスを重視して自由に働きたい人にもおすすめです。
トラベルナースは6か月間の契約と決められている場合が多いですが、勤務先と合意できれば正社員になることも可能です。
自分の選択次第で、働きながら将来を決められることがメリットになります。
自身のスキルアップにつながる
トラベルナースは不足している人材を補う目的で採用されることが多いので、様々な医療現場で働くきっかけになります。
病院など1つの機関に縛られることなく経験を積むことが出来るので、看護師としての仕事の幅を広げることが出来ます。
様々な分野を経験することで、これから先どうしたいのか検討するきっかけにもなり、自分自身のスキルアップにも繋がります。
また、新しい環境での適応力を養うことで、自信やキャリアの幅を広げることができるでしょう。将来のキャリアを考える上でも、様々な医療現場での経験は非常に有益です。
本来の業務に専念できる
トラベルナースは、余計な雑務を与えられることが少なく、看護業務に専念できることです。
通常の正職員として勤務する場合、さまざまな委員会や勉強会の役員として会に参加したり、研修会への参加が求められたりすることがあり、本来の看護業務以外の仕事が多忙になる場合が多いです。
トラベルナースはこれらの負担から解放され、本来の看護業務に集中できる点が大きなメリットです。
また、通常の正職員と同様に研修会への参加が必要な場合もあるかもしれないので、前もって確認するようにしましょう。
人間関係で悩むことが少ない
トラベルナースの魅力として、人間関係に関して不安やストレスが少ないことがあげられます。
現状として人間関係の複雑さが原因で、看護師が転職を考えるケースは多い中、トラベルナースは通常、期間限定の契約で働くため、長期的な人間関係を築く必要がありません。
通常の勤務期間はおよそ6カ月程度で、職員との深いつながりを築く必要はほとんどないのです。
トラベルナースとしての重要なポイントは、仕事を効率的に進めることにあり、人間関係の構築よりも、プロフェッショナルとして仕事へ集中することが求められるため、最低限のマナーを守っていれば基本的に問題はありません。
デメリット
トラベルナースのデメリットは、以下のようなものがあります。
配属先のほとんどは忙しい病院
トラベルナースが配属されるのは、基本的に人手不足を補う目的として、人材が不足している医療機関で勤務することになります。
人手不足の病院に「助っ人としていく」ことになるため、基本的に忙しい現場になります。
また、トラベルナースは看護師としての経験があり、スキルがある人が採用されるため、即戦力として重症患者を任されることもあります。
新しい環境にすぐ適応しなければならない
トラベルナースは正社員として勤務を継続出来る場合がありますが、基本的には決められた期間だけ働くことになり、期間が終われば新しい配属先に向かいます。
勤務先を転々とするため、その都度、仕事内容を把握し、周囲との連携を取ることが求められます。
施設特有のシステムを毎回覚えなくてはならなかったり、物品の保管場所を覚えなくてはならなかったりすることが大変な点がデメリットと言えるでしょう。
キャリアアップが期待できない
トラベルナースの職業には、期間限定での勤務が特徴的です。
この働き方では管理職への昇進やキャリアアップが難しいという点が挙げられます。
トラベルナースは自分がもともと待っている看護スキルを活かすことや柔軟な状況への適応能力を高めるのに適しています。
しかし自分の技術を高めたり、専門的な技術を習得したりすることは難しいです。
さらに、トラベルナースとしての経験が、将来の転職時に看護師としての経験年数として評価しない可能性があることを考慮するようにしましょう。
トラベルナース・応援ナースの給料
トラベルナースは通常の看護師よりも高収入になることが多く、人気が出ている働き方です。
給料が高くなる理由は、看護師が不足する医療機関や地域で働くことが前提になるので、多少給料を高く出しても看護師を雇いたいという思いがあるためです。
ただし、応募する地域によっても差があるため、より高い収入を目的とするなら、地域ごとに検討するのがおすすめです。
<トラベルナースの給料相場>
- 都市圏…約45~50万円
- 北海道…約45~50万円
- 沖縄…約30~40万円
- 離島…約30~40万円
上記の額には夜勤手当なども含まれています。
トラベルナースの雇用期間は原則6ヵ月なので、基本的にボーナスの支給はありません。
そのため、月収で見ると給料が高く感じますが、年収で考えると給料が高いとは言い切れない場合もあります。
トラベルナースは誰でもできる?
トラベルナースは、看護師資格があればそれ以外に必要となる資格は特にありません。
しかし、トラベルナースは看護師が不足している医療機関で働くことを求められるため、即戦力として働ける、十分な看護師経験とスキルが必要です。
目安としては、3年以上の臨床経験があれば問題ありませんが、働くエリアや勤務先の形態にもよります。
一般的な看護師よりも、総合的な看護師スキルや技術力を求められる場合が多いため、向上心を持って日々の業務に取り組み、吸収量がある人におすすめです。
看護師の経験が少ないと出来ないわけではありませんが、トラベルナースとして勤務するには不安要素があります。
そのため、自分は応募しても大丈夫か悩んだ場合には、転職エージェントなどを利用して転職活動をするのがおすすめです。
トラベルナースに向いている人
トラベルナースに向いている人の性格や特徴は以下のような人に当てはまります。
- 行動力がある
- 人間関係を作るのが得意
- 応募する明確な目的がある
まずトラベルナースに求められるのは、行動力がある人です。
トラベルナースは様々な土地で勤務することになるため、新しい土地や環境に自ら溶け込もうとする気持ちが大切です。
これまでの生活とは異なる暮らしを楽しめる人におすすめが出来ます。
トラベルナースは十分な看護師経験があり、即戦力として働ける人材が求められているため、周りの看護師と距離を感じることもあります。
そのため、自ら積極的に距離を縮められる、人間関係を作るのが得意なコミュニケーション能力に長けている人がおすすめです。
また、トラベルナースは特殊な働き方になります。
勤務地が離島や遠方になる場合も多いため、短期間でお金を稼ぎたい人や、その土地で働きたい明確な理由がある人におすすめです。
トラベルナースにおすすめの転職サイト
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※画像出典:ナース人材バンク公式サイト
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トラベルナースは近年人気が出ている働き方ですが、まだ一般に求人が出ることが少なかったり、すぐに募集が終了してしまったりします。
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また、専任の担当者によるサポートを受けることが出来るので、経験不足の看護師や、こだわりの勤務条件がある方でも、自分にあった求人をチョイスしてもらえます。
トラベルナース・応援ナースについてまとめ
- トラベルナースは明確な目標を持って働ける人におすすめ
- ボーナスが支給されないので、年収は一般の看護師のほうが高い場合が多い
- 転職サイトを活用することでスムーズに求人を探せる
トラベルナースは人材不足の病院などに配属されるため、即戦力として活躍出来る、経験やスキルがある看護師が求められています。
トラベルナースとしての活動は、多くの医療現場での経験を積むチャンスでもあり、異なる診療方法や患者ケアのアプローチを学ぶ機会となります。
離島や沖縄などで勤務することが多いため、目的を持って勤務出来る人におすすめの働き方です。
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この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。