【2024年最新】看護師の平均年収はいくら?手取りや初任給・年収アップの方法まで解説
更新日時 2024/08/04
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
「看護師の平均年収はどれくらい?」
「年収アップを目指すにはどうすればいい?」
このように考えている方も多いのではないでしょうか?
看護師は年収が高いイメージをお持ちの方も多いと思います。
実際に、看護師は全業種の平均と比べると比較的高い年収を得られる職種ではあります。しかし、看護師は夜勤や残業手当が付くことが多い職業です。そのため、一概に年収が高いと言えるのか疑問に感じる方もいるでしょう。
この記事では、図表を用いて看護師の年収や年収アップの方法まで、詳しく解説しています。
また、記事内の説明でご紹介する年収の数字は
を参考にしています。
- 看護師の平均年収は全業種の中では平均的
- 看護師として年収アップを目指すなら、資格取得や勤務先を考えるのがおすすめ
- 看護師が年収1,000万円を得る方法もある
看護師(ナース)の平均年収は508万円
これから紹介する看護師の収入については、「決まって支給する現金給付金額×12か月」に「年間賞与その他特別給付額」を合算して、ココファン編集部が算出しています。
厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、2022年の看護師の平均年収は508万1,300円となっており、ここ数年のデータでは、看護師の平均年収は増加傾向にあります。
※発表されているデータは、基本給だけではなく、夜勤手当などの各種手当や、1年間で支給されたボーナスなども含めた総額
ただ、ここから所得税や社会保険の料金などが引かれるため、実際の手取り金額は表示されている金額より低くなる点には注意が必要です。
手取り額は通常額面の75~80%ほどになるため、看護師の手取り年収は380~405万円ほどになり、月収に換算するとボーナスを除き約26~28万円程度が相場の給与となります。
看護師の給与を時給に換算
看護師の平均年収を、平均労働時間から時給換算した場合、看護師の時給は平均約2,483円になります。
看護師の時給を男女別で比較すると、
- 男性看護師 約2,570円
- 女性看護師 約2,474円
となり、男性看護師の時給の方がやや高いことがわかります。
看護師の給与内訳について
看護師の給与の内訳は、主に下記のようなものから構成されています。
- 基本給
- ボーナス
- 夜勤手当
- 残業代(時間外手当)
上記以外には、通勤手当・住宅手当・家族手当といった各種手当が含まれる場合もあります。
次の見出しから、各項目を詳しく解説します。
基本給
2023年に日本看護協会が発表した日本看護協会「2022年病院看護実態調査報告書」 のデータによると、看護師の基本給は新卒看護師の場合、大卒で209,616円、専門卒で203,276円となります。
年次を重ねるごとに、毎年4,000円~5,000円ほど昇給していき、勤続10年目、非管理職の看護師の場合、基本給は約24.5万円になります。
ボーナス
下記に看護師のボーナスを一覧でまとめました。
<看護師のボーナス(年間)>
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20~24歳 | 41.5万円 | 46.7万円 |
25~29歳 | 88.7万円 | 75.0万円 |
30~34歳 | 87.7万円 | 76.2万円 |
35~39歳 | 97.3万円 | 89.6万円 |
40~44歳 | 110.6万円 | 94.0万円 |
45~49歳 | 99.7万円 | 103.9万円 |
50~54歳 | 106.5万円 | 105.8万円 |
55~59歳 | 89.8万円 | 110.2万円 |
60~64歳 | 64.0万円 | 70.6万円 |
65~69歳 | 103.3万円 | 44.4万円 |
70歳〜 | 5.2万円 | 28.7万円 |
上記のボーナス支給額は、夏と冬のボーナスを合算したものになります。
男性看護師は若干高い傾向がありますが、勤続年数や職場によってその差はほとんどありません。
ただし、一部の職場では男性看護師が少数派であるため、彼らの需要が高まることがあります。
全体としては、看護師のボーナスは主に勤続年数や職場の特性によって決まります。
【2024】看護師のボーナスは平均いくら?手取り額や初任給・ボーナスが高い病院も解説
夜勤手当
以下の表は、看護師の夜勤手当についてのデータをまとめたものです。
2交代 | 3交代 | |
---|---|---|
平均手当額 | 11,286円 | 4,154円(準夜勤) 5,122円(深夜勤) |
平均回数 | 4.7回 | 7.7回 |
平均手当額×回数 | 53,044円 | 35,713円 |
出典:2021年日本看護協会「2020年病院看護実態調査報告書」
※3交代の平均夜勤回数(7.7回)は準夜勤と深夜勤で均等に除した
看護師の月収のうち、約3.5万円~5万円が夜勤手当になることがわかります。
年収に換算すると、約40~60万円が夜勤手当であり、看護師の給料でウェイトを占めていることがわかります。
この結果から、看護師は給料が比較的高い職種でありますが、それと引き換えに負担にもなる夜勤をこなす必要があることがわかります。
残業代(時間外手当)
厚生労働省が行った調査によると、看護師の毎月の残業時間は平均約6時間だとされています。
日本看護協会の調査では、平均5.2時間と発表されました。
このデータと基本給などから考察すると、毎月1~1.2万円が残業代として考えられ、年間では12~14.4万円程度と考えられます。
看護師の年収から、残業代の割合はあまり大きなものではないと分かります。
看護師の平均年収を項目ごとに比較
この見出しでは、看護師の平均年収を年齢や地域など、項目ごとに詳しく解説していきます。
【年代別】年収のピークは50代後半
上記のグラフは、看護師の給料の推移を示したものです。55~59歳が年収のピークとなります。
この理由は、経験・技術面・体力面から考えて、現場で最もリーダー的存在となる年代であり、基本給も増加していることや、管理職に就く人も多く存在することから高い年収となる傾向があります。
また、このピークに達するまで看護師の年収は右肩あがりで上昇する傾向があります。
しかし、25~34歳頃は結婚や出産といったライフステージの変化もあり、年収の大幅な増加は少ないことが分かります。
【男性・女性別】男性の方がやや高水準
看護師の平均年収を、男性・女性で比較をした結果が、下記の通りになります。
項目 | 男性看護師 | 女性看護師 |
---|---|---|
平均年収 | 522.7万円 | 506.3万円 |
平均月収 | 359,900円 | 350,600円 |
平均月給 (夜勤手当や時間外手当を除いた給与) |
318,400円 | 307,800円 |
平均ボーナス(年間) | 907,400円 | 856,600円 |
平均年齢 | 37.9歳 | 41.1歳 |
※「決まって支給する現金給付金額×12ヶ月」に「年間賞与その他特別給付額」を合算してココファン編集部が算出
上記のデータから分かる通り、男性看護師の年収のほうが約16万円ほど高くなっています。
このように、男女で年収に差が出る理由としては、女性看護師は子育てや家庭との両立によって、働く時間や場所など、働き方に制限が出来やすい場合が多いのに対して、男性看護師は大規模病院で勤務している人も多く、家族手当などが付く場合も多いためであると考えられます。
【規模別】大規模の方が高水準
労働者数 | 10~99人 | 100~999人 | 1000人~ | 平均 |
---|---|---|---|---|
年齢 | 47.2歳 | 41.9歳 | 36.7歳 | 40.7歳 |
平均勤続年数 | 8.1年 | 9.0年 | 9.7年 | 9.1年 |
月の労働時間 | 161時間 | 157時間 | 159時間 | 158時間 |
月の残業時間 | 5時間 | 5時間 | 9時間 | 6時間 |
支給額 | 約33.0万円 | 約33.8万円 | 約37.7万円 | 約35.2万円 |
年間賞与 | 約65.0万円 | 約79.4万円 | 約103.1万円 | 約86.2万円 |
年収 | 約461万円 | 約485万円 | 約556万円 | 約509万円 |
※「決まって支給する現金給付金額×12ヶ月」に「年間賞与その他特別給付額」を合算してココファン編集部が算出
施設規模が給料に直結しているわけではありませんが、上記のデータから読み取れるのは、一般企業と同様に
- 規模が大きい職場は年収も高い
- 規模が大きい職場ほど平均年齢は若い
という傾向があることです。
10~99人規模の職場と、1,000人以上の規模の職場では、平均年収の差が約95万円になり、1ヵ月の平均では7.9万円の差があります。
月ごとの労働時間では、それほど差がないことが分かりますが、残業時間に関しては、10~99人規模の職場が5時間程度に対して、1,000人以上の規模になると、2倍近い9時間程度の残業があることが分かります。
規模が大きい病院の場合、救急対応などが多くなり、時間外労働が増える可能性も高い傾向があります。
そのため、子育てや家事などと両立を考えている人には、小規模~中規模の職場が適しているといえるでしょう。
女性看護師は、新卒時には大学病院や総合病院など大規模な職場で経験を積みます。
その後、結婚や出産といったライフステージの変化に合わせて、柔軟に働ける病院やクリニックなど小規模の職場で生活に合わせた勤務を行う場合も多いです。
【職場別】病院の給与が高い傾向にある
看護師は勤務先によって、平均年収に違いがあります。
以下の表は、看護師の主な職場ごとの平均年収を比較した表です。
職場 | 平均年収 |
---|---|
救急救命病棟(ER) | 約540万円 |
大学病院 | 約490万円 |
大型総合病院 | 約470万円 |
クリニック | 約390万円 |
介護施設 | 約375万円 |
上記の表は平均年収が高い順に並べましたが、業務量が多かったり、臨機応変な対応が求められたりする職場ほど、平均年収は高くなる傾向があります。
次の見出しからは、主な3施設について詳しく解説します。
病院
病院の規模が大きくなるほど業務量は各段に増えます。
診療科が多かったり、救急医療や先進医療といった幅広い分野に対する知識やスキルを求められ、会議や勉強会も頻繁に開催されます。夜勤や残業なども多いことから勤務時間が長くなる傾向があるようです。
業務外のカンファレンス・委員会といったものもあり、拘束時間が長くなる場合もあります。
大きな病院ほど業務量は必然的に増えるため、比例して労働時間も増える傾向にあります。
接する患者の重症度も高い場合も多く、頻繁な介助が必要になるなど、看護の疲れやストレスも感じやすい職場です。
しかし、大きな病院には先進的な医療技術を導入している場合が多いです。また、診療科が充実していたり、多様なキャリアアップの機会があるため、成長やスキルアップを目指す看護師にとっては魅力的な職場と言えます。
介護施設
デイサービスや老人ホームなどの介護施設で勤務する看護師は、主に生活介助などの業務が中心であり、病院での勤務に比べて医療行為の頻度が減少します。
療養上の世話を行うのは介護職員になるため、直接的な介護を看護師が行うことも少ないです。
しかし、医師が常駐していない施設がほとんどなので、看護師に医療的な判断を委ねられる場面は珍しくありません。看護師の人数が少なく、自分自身で判断しなくてはならない事案もあり、責任と負担を感じることもあるでしょう。
24時間体制で看護師を常駐している施設では、夜勤の負担もあります。また、 看護業務以外にイベントの企画や運営など、地域に根ざした活動を任される場合には勤務外で業務にあたる必要があるようです。
介護施設での看護師の業務は、健康観察や投薬、簡単な処置などが中心になりますが、施設によっては認知症や寝たきりの利用者の対応があるため、精神的・身体的な負担が病院よりも少ないとは言い切れない現状があります。
介護施設での看護師の仕事内容などについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
介護施設での看護師の役割・仕事内容|給料や病院との違い・働くメリットまで徹底解説
クリニック
クリニックは外来診療のみを行っていることが多く、入院設備がなければ夜勤もないため、子育てや家事と両立しやすい勤務先です。
診療科が限定されると、専門的な知識は必要になりますが、様々な診療科を担当する必要がないため、比較的余裕が持てます。
外来診療のみのクリニックでは、外来診察の補助がメインとなり、医師が常駐しているため、看護師に直接的な責任がかかる業務が少ないです。
重症患者の看護にあたることが少ないので、心身的な負担も少なく働くことが出来るでしょう。
ただし、外来診療をメインとしているため、患者数が多い場合には業務が多忙になる可能性があります。
看護師がクリニックに転職するには?給料や仕事内容、ポイントや口コミまで解説!
【役職別】管理職は高い平均年収に
以下の表は、役職別の平均年収を表したものです。
看護師の役職 | 平均年収 |
---|---|
看護部長 | 約930万円 |
看護副部長 | 約800万円 |
看護師長 | 約740万円 |
看護副師長 | 約620万円 |
上記のような管理職に昇進すれば、年収の水準は一気にあがります。
看護部長クラスの場合、勤務先によっては年収1000万円にも近づきます。
昇進は簡単に出来るものではありませんが、長期間の勤務や専門資格の取得などが、昇進の近道に繋がることがあります。
また、昇進ポストの多い職場へ転職を検討するのもおすすめです。
【都道府県別】都市部が高い傾向に
以下の表は、都道府県別に平均年収をまとめた表です。
順位 | 都道府県 | 平均年収 |
---|---|---|
1位 | 東京 | 564万円 |
2位 | 奈良 | 546万円 |
3位 | 埼玉 | 541万円 |
4位 | 兵庫 | 541万円 |
5位 | 富山 | 535万円 |
6位 | 岐阜 | 532万円 |
7位 | 大阪 | 530万円 |
8位 | 和歌山 | 530万円 |
9位 | 新潟 | 530万円 |
10位 | 神奈川 | 528万円 |
11位 | 静岡 | 523万円 |
12位 | 愛知 | 521万円 |
13位 | 滋賀 | 518万円 |
14位 | 京都 | 516万円 |
15位 | 千葉 | 514万円 |
16位 | 山口 | 513万円 |
17位 | 福井 | 512万円 |
18位 | 北海道 | 504万円 |
19位 | 宮城 | 504万円 |
20位 | 茨城 | 502万円 |
21位 | 山梨 | 498万円 |
22位 | 福岡 | 498万円 |
23位 | 長野 | 497万円 |
24位 | 香川 | 497万円 |
25位 | 徳島 | 495万円 |
26位 | 広島 | 491万円 |
27位 | 三重 | 490万円 |
28位 | 福島 | 489万円 |
29位 | 秋田 | 487万円 |
30位 | 群馬 | 485万円 |
31位 | 佐賀 | 484万円 |
32位 | 島根 | 483万円 |
33位 | 岡山 | 482万円 |
34位 | 長崎 | 481万円 |
35位 | 岩手 | 479万円 |
36位 | 沖縄 | 478万円 |
37位 | 石川 | 476万円 |
38位 | 山形 | 473万円 |
39位 | 高知 | 458万円 |
40位 | 鳥取 | 451万円 |
41位 | 栃木 | 450万円 |
42位 | 青森 | 449万円 |
43位 | 熊本 | 444万円 |
44位 | 愛媛 | 438万円 |
45位 | 大分 | 433万円 |
46位 | 宮崎 | 427万円 |
47位 | 鹿児島 | 396万円 |
※「決まって支給する現金給付金額×12ヶ月」に「年間賞与その他特別給付額」を合算してココファン編集部が算出
平均年収は大きな地域差がある
各都道府県別の平均年収を見ると、最大で136万円の年収差があることがわかります。
首都圏や関西圏、東海地方といった大都市では平均年収が高くなる一方で、四国や九州、沖縄は低い傾向にあることがわかります。
この傾向は例年の調査でも同様の結果が出ていますが、令和2年度の調査では青森県が1位になっているのに対して、前年の令和4年度の調査では、青森県は42位でした。
そのため、今回の数値は確かなものであるとはまだ言えず、一つの参考程度に受け取るのが無難であると言えるでしょう。
地域で給料に差が生まれる原因
病院や施設での、医療・介護サービスの値段になる診療報酬や介護報酬は、全国でほぼ同じ基準で決められています。
しかし、看護師の給料に地域差が出てしまうのには、
- 地域ごとの年収・給料の相場に合わせている
- 看護師不足による採用や定着のため、高めに設定している
というような理由が考えられます。
より高い収入を目指すなら、地域差を考慮して、平均年収が高い地域での転職を検討するのもおすすめです。
新卒看護師の初任給・平均給与は?
2022年度の新卒看護師の初任給は、下記のようになっています。
<高卒+3年課程の新卒看護師平均給与>
- 平均基本給与額:203,276 円
- 総額(手当込み):263,711 円
<大卒の新卒看護師平均給与>
- 平均基本給与額(基本給): 246,770 円
- 総額(手当込み):324,446 円
出典:2023年日本看護協会「2022年病院看護実態調査報告書」
手取りは平均20~23万円となり、准看護師の場合は月収で3~4万円低くなります。
新卒看護師の平均年収は約230~300万円ほどとされ、ボーナスがある一般企業の新卒社員と同水準です。
上記は勤務先によっても異なるため、参考に捉えてください。
新卒看護師のボーナス
入職してすぐの夏のボーナスは、平均5~10万円ほどになります。
ボーナスは、一定期間の実績に対する評価として支給されるため、新人の看護師の場合は、実績がほぼなく、評価が付けられないことから、まとまった額での支給は期待できません。
1年目の看護師は、冬のボーナスから満額支給が期待できるでしょう。
冬のボーナス支給額は、約30万円、手取りで24万円前後が予想されます。
新卒(大卒・専門卒)の看護師の初任給やボーナスなどの情報についてはこちらの記事でより詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
【2024最新】大卒看護師の平均年収|専門卒との初任給の違いや年収アップの方法も解説
看護師関連資格の平均年収
看護師関連資格の平均年収を以下の表にまとめました。
職種 | 平均年収(男性) | 平均年収(女性) |
---|---|---|
看護師 | 約523万円 | 約506万円 |
准看護師 | 約427万円 | 約417万円 |
看護助手 | 約317万円 | 約308万円 |
保健師 | 約476万円 | 約476万円 |
助産師 | - | 約584万円 |
※「決まって支給する現金給付金額×12ヶ月」に「年間賞与その他特別給付額」を合算してココファン編集部が算出
看護師関連の資格を5つ比較しました。 同じような仕事をする職種の中でも、目に見えて平均年収に差があることが分かります。
看護師関連資格では、助産師が1番平均年収が高くなっています。
准看護師と正看護師の給与差は?
正看護師と准看護師は、権限に若干の違いがあるものの、ほとんど同じような仕事を行います。
しかし、上記の見出しで紹介したように、年収には差が見られます。
<准看護師の平均収入>
- 平均年収:417.9万円
- 平均月収:29.6万円
- 平均ボーナス(年間):62.7万円
※「決まって支給する現金給付金額×12ヶ月」に「年間賞与その他特別給付額」を合算してココファン編集部が算出
このように、正看護師の平均年収より約80万円近く低い水準になります。
月収にすると、毎月5万円ほど違いがあり、ボーナスでは18万円ほど低くなってしまうことがあります。
高い年収を望むなら、正看護師の資格を取得しておくのがおすすめです。
看護師と他業種との給料比較
上記のデータを参照すると、看護師の平均年収は全職種の平均とほとんど変わらず、同水準となります。
しかし、女性だけを比較すると、女性看護師は全業種の女性平均と比べて、100万円以上高い水準となっています。
この結果から、全業種の中では看護師は平均的な年収ですが、女性の中では高い収入を得られる職種であることがわかります。
以下の画像は看護師と全業種の平均年収を過去5年間の推移を表したグラフとなります。
こちらの結果から、全業種の基本給や職種手当といった固定給は、例年と比べて変化は見られませんでした。
しかし、残業代などの時間外手当・深夜勤務手当・休日出勤手当など、超過勤務手当が著しく減少していることがわかります。
この調査は厚生労働省によって、令和3年(2021年)の6月の給料を元に行われており、新型コロナウィルス感染症の流行に伴い、業務時間の短縮などがあったことが、調査結果に影響しているとみられます。
対して看護師は、このような短縮措置はなく、新型コロナウィルス感染症の流行による影響は見られません。
ただし、感染症への対応が長期化しており、医療機関の通常経営にもマイナスの影響が出ています。
そのため、看護師を含めた医療従事者全体が、給料やボーナスの削減もおこり得ます。
このデータだけで一概に看護師が新型コロナウィルス感染症の影響を受けているとは言えないものの、全業種の年収に影響される形で今後は看護師の年収に変化が起こる可能性もあるでしょう。
年代ごとに平均年収を比較
女性看護師のみ比較すると、新社会人世代と呼ばれる、20~24歳では、全職種の女性平均がおよそ300万円なのに対して、看護師はおよそ390万円と高い傾向にあります。
その後、女性平均と同じように推移しますが、大幅に伸びることは少ないです。
これは、女性が結婚や育児といったライフステージの変化が影響していると考えられます。
職種ごとの年収ランキング
看護師以外の職種と比較し、収入が高い国家資格職種の年収をランキング形式にまとめたのが、下記の表になります。
順位 | 職種 | 月給 | 賞与 | 年収 |
---|---|---|---|---|
1 | 航空機操縦士 | 約131万円 | 約34万円 | 約1,600万円 |
2 | 医師 | 約110万円 | 約114万円 | 約1,429万円 |
3 | 大学教授(高専含む) | 約66万円 | 約273万円 | 約1,065万円 |
4 | 法務従事者 | 約57万円 | 約293万円 | 約971万円 |
5 | 大学准教授(高専含む) | 約54万円 | 約207万円 | 約860万円 |
6 | 歯科医師 | 約62万円 | 約63万円 | 約810万円 |
7 | 公認会計士,税理士 | 約48万円 | 約175万円 | 約751万円 |
8 | 小・中学校教員 | 約46万円 | 約182万円 | 約734万円 |
9 | 高等学校教員 | 約43万円 | 約158万円 | 約674万円 |
12 | 研究者 | 約45万円 | 約165万円 | 約705万円 |
13 | 鉄道運転従事者 | 約40万円 | 約115万円 | 約595万円 |
14 | 獣医師 | 約49万円 | 約93万円 | 約681万円 |
15 | 薬剤師 | 約41万円 | 約86万円 | 約578万円 |
16 | 診療放射線技師 | 約37万円 | 約101万円 | 約549万円 |
17 | 航空機客室乗務員 | 約36万円 | 約22万円 | 約454万円 |
18 | 臨床検査技師 | 約35万円 | 約92万円 | 約512万円 |
19 | 看護師 | 約35万円 | 約86万円 | 約506万円 |
20 | 庶務・人事事務員 | 約32万円 | 約107万円 | 約491万円 |
21 | 幼稚園教員・保育教諭 | 約27万円 | 約79万円 | 約403万円 |
22 | 大工 | 約31万円 | 約38万円 | 約410万円 |
23 | 保育士 | 約27万円 | 約71万円 | 約395万円 |
24 | 警備員 | 約26万円 | 約28万円 | 約340万円 |
25 | 農林漁業従事者 | 約26万円 | 約44万円 | 約356万円 |
26 | 販売店員 | 約26万円 | 約47万円 | 約359万円 |
27 | 理容・美容師 | 約27万円 | 約9万円 | 約333万円 |
28 | タクシー運転者 | 約29万円 | 約8万円 | 約356万円 |
「決まって支給する現金給付金額×12ヶ月」に「年間賞与その他特別給付額」を合算してココファン編集部が算出
医療関連資格だけを見れば、医師・薬剤師に次いで高い収入を得る職業であるのが看護師です。
しかし、臨床検査技師とはほぼ同じ年収となります。 臨床検査技師と比べると、平均月収は看護師のほうが少し高くなっています。
【医療・福祉系】看護師との年収比較
この見出しでは、看護師を含む医療・福祉関連の平均年収をランキングに表し、解説をしていきます。
<医療福祉系の平均年収ランキング>
順位 | 職種 | 月給 | ボーナス | 年収 |
---|---|---|---|---|
1 | 医師 | 約110万円 | 約114万円 | 約1,434万円 |
2 | 歯科医師 | 約63万円 | 約63万円 | 約882万円 |
3 | 助産師 | 約40万円 | 約106万円 | 約586万円 |
4 | 薬剤師 | 約41万円 | 約86万円 | 約578万円 |
5 | 臨床検査技師 | 約35万円 | 約92万円 | 約512万円 |
6 | 看護師 | 約35万円 | 約86万円 | 約506万円 |
7 | 保健師 | 約33万円 | 約81万円 | 約477万円 |
8 | その他の保健医療従事者 | 約31万円 | 約68万円 | 約440万円 |
9 | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士 | 約30万円 | 約70万円 | 約430万円 |
10 | 准看護師 | 約30万円 | 約63万円 | 約423万円 |
11 | 介護支援専門員(ケアマネージャー) | 約28万円 | 約64万円 | 約400万円 |
12 | 歯科技工士 | 約33万円 | 約35万円 | 約431万円 |
13 | 栄養士 | 約26万円 | 約62万円 | 約374万円 |
14 | 介護職員(医療・福祉施設等) | 約26万円 | 約54万円 | 約366万円 |
15 | 訪問介護従事者 | 約26万円 | 約40万円 | 約352万円 |
16 | 歯科衛生士 | 約28万円 | 約43万円 | 約379万円 |
17 | 看護助手 | 約22万円 | 約46万円 | 約310万円 |
18 | その他の保健医療サービス職業従事者 | 約23万円 | 約33万円 | 約309万円 |
※「決まって支給する現金給付金額×12ヶ月」に「年間賞与その他特別給付額」を合算してココファン編集部が算出
上記のデータから、看護師の平均年収は、他の医療福祉系業種の中では、6番目に位置し、高い水準であることがわかります。
関連資格では、看護師よりも助産師がより高い水準にあります。
病院内の他職種との給料推移比較
下記の表は、看護師を含めた病院内で働く3つの業種の平均年収の推移を表したものです。
<看護師の平均年収推移>
初任給 | 1~4年 | 5~9年 | 10~14年 | 15年以上 |
---|---|---|---|---|
22.5万円 | 24.6万円 | 26.8万 | 25.6万円 | 33.4万円 |
<薬剤師の平均年収推移>
初任給 | 1~4年 | 5~9年 | 10~14年 | 15年以上 |
---|---|---|---|---|
27.0万円 | 27.9万円 | 33.6万 | 36.0万円 | 40.8万円 |
<診療放射線技師の平均年収推移>
初任給 | 1~4年 | 5~9年 | 10~14年 | 15年以上 |
---|---|---|---|---|
22.7万円 | 24.7万円 | 29.8万 | 34.4万円 | 45.0万円 |
上記の表のとおり、初任給は3つの業種であまり差がないことがわかります。
しかし、勤務年数を重ねるごとに、給料の差が開いてくることがわかります。
看護師の場合は、昇給のペースはあまりよくなく、ほぼ横ばいで推移するため、職場の先輩と後輩で給料に差があまりありません。
昇給を望むなら、他の業種に就くことを検討するのもいいでしょう。
看護師が高収入を得られる職場の特徴
これまでの見出しで解説した通り、看護師は昇給があまり見込めない職業であることがわかりました。
経験年数に差があっても、そこまで大きな年収差が生まれないのが看護師の特徴です。
この見出しでは、看護師の仕事を続けることを前提に、より高い収入を目指す場合の方法について解説します。
看護師経験を給料に加算してくれる
看護師の給料はある程度経験を重ねても、ほぼ横ばいで推移する特徴があります。
しかし、新卒看護師と経験年数が10年以上の看護師では所持しているスキルが異なり、出来る仕事の幅も差があります。
こうした経験による看護師の実績を評価するため、経験加算制度を導入している病院があります。
経験加算制度を導入している病院では、看護師の経験を重ねることで収入が増えます。
転職を検討する場合には、このように看護師としての実績を評価し、給料に反映してくれるところを選ぶのがおすすめです。
夜勤手当の設定額が高い
看護師の収入の中で、夜勤手当は大きなウエイトを占めており、この夜勤手当を含めて、各種手当の金額は病院によって異なります。
そのため、こうした手当の金額が高く設定されている職場を選べば、収入を増やすことに繋がります。
夜勤手当の平均は、
- 2交代夜勤 1万円
- 3交代準夜勤 約4,500円
- 3交代深夜勤務 約5,500円
となっています。
この金額を基準として勤務先の夜勤手当の額を判断するのがおすすめです。
病院の規模が大きい
小さなクリニックや医院よりも、病床数の多い大規模病院ほど、年収が高くなる傾向があります。
規模が大きい病院は、人事評価や昇給制度などがしっかりと整備されていることが多いためです。
各種手当の金額も、小規模・中規模の病院より高く設定されていることが多いことも理由の1つに挙げられます。
また、昇給による役職手当などもあるため、キャリアアップも目指せるのが大規模病院の特徴です。
高度な医療技術が必要
救命救急や集中治療室といった、高い技術が求められる職場は、収入が高くなる傾向があります。
このような現場では、危険手当や特殊業務手当などが付くこともあり、年収に加味されることで収入アップを目指せます。
また、こうした高度医療技術が必要になる病院は、規模が大きいこともあり、年収アップと併せてスキルアップを目指せる環境が整っています。
美容外科・美容クリニック
美容外科や美容クリニックは、病院以外で高収入が目指せる職場です。
医療脱毛やフェイシャルケアなどの施術を行う美容クリニックの場合、基本給が高めに設定されています。
個人の成績によってインセンティブが発生する場合が多く、個人の頑張りが目に見えて収入に繋がる職場です。
なお、美容クリニックは患者さんに対するサービスに重点を置いた職場であるため、細やかな気遣いや接客スキルが求められる場合があります。
また、美容施術にはリスクが伴うこともあるため、専門的な知識と技術が求められます。
ノルマなどがプレッシャーに感じる点は、病院の看護師とは異なる部分ですが、年収アップを目指すならおすすめの職場になります。
看護師が手取りアップするための方法
この見出しでは、看護師が手取りアップするための方法を紹介します。
夜勤の回数を増やす
夜勤手当は、看護師の給料の中でも大きな割合を占めているため、夜勤の回数を増やすことで収入アップに繋がります。
日本看護協会が行った調査では、3交代制の場合の夜勤では、約4~5千円の手当がつき、2交代制の場合は約1万円の手当がつくことが一般的です。
上司や同僚と相談の上で、夜勤の回数を増やした無理のないシフトを組めば、収入アップに繋がります。
また、夜勤のない病院やクリニックの場合は、夜勤のみを担当する夜間専従などのアルバイトを行うことで収入アップを目指せるでしょう。
管理職に昇進する
看護師の中にも、主任看護師・看護師長・看護部長といった役職や管理職があります。
こうしたポジションに昇進することで、基本給が上がったり、役職手当がついたりするため、給料アップに繋がります。
管理職に昇進すると、実際に看護に携わる時間は減少し、業務改善や管理、職場環境の整備がメインの仕事になります。
大きな病院やクリニックでは、昇進するためには研修の受講や資格の取得、昇進試験をクリアする必要があり、一定のスキルが求められる場合が多いです。昇進による収入アップを目指す方は、同時にキャリアアップが実現する可能性が高いでしょう。
なお、管理職になると看護の現場から離れることになりますので、患者さんと直接関わる時間が減ることになります。また、職場全体の責任を持つために、ストレスや負担も大きくなることがあります。
昇進による収入アップを目指す際には、将来的に自分がどのようなキャリアを望んでいるのか、しっかりと考える必要があると言えるでしょう。
看護師の役職には何がある?階級ごとの役割や給料の違い、管理職に就く方法まで解説
資格を取得する
看護師として勤務する上で、新たな資格を取得することで、収入アップに繋がる場合があります。
代表される資格は、専門看護師や認定看護師があります。
どちらも専門分野への知識や経験を有していないと取得できない資格であるため、スキルの証明に繋がる資格です。
専門看護師や認定看護師は、簡単に取得できる資格ではないため、収入アップだけを目指すならおすすめは出来ません。
しかし、キャリアを積みながら収入アップを目指したい方におすすめです。
看護師以外の職種では、助産師や保健師の資格を取得すると、働き方次第で看護師よりも収入アップが目指せます。
助産師と保健師は、看護師資格を所有している人だけが受けられる試験なので、新たに資格を取得するならおすすめです。
看護師のキャリアアップとは?おすすめの資格やキャリアプランについても解説
転職する
収入アップを目指すなら、転職も視野に入れましょう。
管理職になる方法や、資格取得を紹介しましたが、これらは時間や労力も必要な上に、確実に収入アップに繋がる保証はありません。
転職する場合は、今よりもいい収入を事前に把握することが出来るため、早く収入アップをしたいという方や、働く環境を変えたいという場合には特におすすめです。
また、収入アップを目指した転職には、転職サイトの活用がおすすめです。
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)で求人を探す!看護師が年収1000万円得ることは可能?
看護師として年収1000万円を得ることは、不可能ではありません。
しかし、看護師の平均年収から検討すると、年収1000万円は、平均年収の2倍以上になり、簡単に出来ることではありません。
ボーナスなどを考えても、月収70万円ほど稼ぐことが、年収1000万円の目安になります。
看護師は年収1000万円稼げる?給料アップの方法や稼ぐ看護師の特徴・最適な環境を紹介
この見出しでは、年収1000万円に近づける方法について、紹介していきます。
高給の一般企業に就職・転職する
看護師として病院やクリニックで勤務するよりも、一般企業に就職・転職したほうが収入が高くなることがあります。
看護師が一般企業への転職に成功するには?求人探しのコツや実際の仕事内容を解説
企業看護師として勤務する
一般企業でも看護師を常駐させている場合もあり、企業で働く看護師を企業看護師や産業看護師と呼びます。
日勤のみの勤務で、時間も9時~18時程度な場合が多く、規則正しい勤務が可能です。
夜勤をしなくても、病院で勤務するのと同程度の収入を得られたり、大手企業などはそれ以上の収入に繋がることもあります。
デメリットは、企業看護師の求人は非常に少なく、なかなか転職出来る職種ではないことです。
看護師の知識を活かして別の業界で働く
一般企業で看護師以外の働き方では、医療機器メーカーや製薬会社などがあります。
治験コーディネーターや、営業など、看護師としての知識を生かしながら勤務出来る職種があり、現在よりも収入が高くなる可能性が高いです。
規則正しい生活が出来ることもメリットです。
しかし、1度看護師の仕事から離れてしまうと、手技の感覚が分からなくなってしまったり、最新の知識を学び直さなくてはならない点がデメリットとしてあげられます。
経営に近い役職を得る
看護師として雇われて年収1000万円を稼ぐことは、簡単ではありません。
しかし、経営に近い役職を得ることで、可能になる場合があります。
例としては、看護主任や看護師長、看護部長などが挙げられますが、より1000万円に近づけるなら、看護部長などの役職につき、病院の経営に近い働き方をすることです。
しかし、病院によって給与額は様々あるため、看護部長など経営に近い役職についても1000万円を超えられるとは限りません。
また、日本看護協会が発表したデータによると、看護部長相当の年収平均額は756万円台になります。
この結果からも一般的な病院勤務では1000万円を超えることは難しい場合も多いです。
資産運用・投資で稼ぐ
- 本来は日勤のみでゆったり働きたい
- 夜勤なしで収入が減ってしまうことが不安
そんな看護師におすすめの収入アップ方法は、資産運用や投資です。
こうした資産運用や投資は副業を禁止している職場でも取り組むことが可能です。
ただし、資産運用や投資にはリスクが付きものであり、個人の責任において行う必要があります。
不安がある方も多いと思いますが、運用を一任出来るものや、積み立てNISAなど比較的手軽に出来るものもあります。
看護師の収入と併せて、資産運用や投資を行うことで、年収1000万円に近づけることが可能です。
パートなど副業をする
本業の看護師以外に、副業をすることも収入アップの手段になります。
看護師がやりやすい副業では、医療系記事のライターなどがあります。 隙間時間で出来たり、在宅で出来たりするため、身体に負担をかけずに両立させることが出来ます。
他にも、トラベルナースや夜間専従といった、単発で出来たり、期間限定で出来たりする看護師業務もおすすめです。
副業に関しては職場のルールに従い、適切に判断して取り組むようにしましょう。
特に注意したいのは、公務員看護師の場合、法律で副業が禁止されていることです。
また、民間の病院でも副業を禁止している場合も多いので、注意が必要です。
看護師の副業に関しては、下記の記事で詳しく説明をしているので、参考にしてみてください。
看護師の副業はあり?おすすめの副業・バイトや病院で禁止の場合どうするかまで解説
この見出しでは、看護師が年収1000万円となるためにできる手段を紹介してきましたが、こちらの記事でより詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
看護師は年収1000万円稼げる?給料アップの方法や稼ぐ看護師の特徴・最適な環境を紹介
看護師の生涯年収は?
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」の年齢別データをもとに、大学を卒業した22歳の看護師から、一般的に定年を迎える59歳までの看護師の収入を合算し、看護師の生涯年収としてココファン編集部が算出した額は下記の通りになります。
<看護師の生涯年収>
- 男性:約1億9,228万円
- 女性:約1億8,620万円
看護師の平均年収を紹介した見出しでは、経験を重ねるごとに女性の年収が増える傾向にあることを紹介しましたが、生涯年収を比較すると、男性のほうが約600万円以上高いことがわかります。
この生涯年収は、全業種の平均とほぼ同じ水準であることがわかりますが、女性の場合は全業種を大きく上回った結果になっています。
看護師の国家資格を取得するメリット
看護師国家資格は、看護学校などの定められた教育課程を修了し、国家資格を受験して合格することで得られる資格です。
資格を取得するまでに膨大な時間と多大な努力が必要ですが、看護師資格を1度取得してしまえば、その後は安定した収入が約束される職業です。
この見出しでは、看護師資格を取得するメリットを紹介します。
収入が安定している
看護師は年収の上昇こそあまり見込めない職業ではあります。 しかし、いつの時代でも看護師の需要があることや、安定した収入を得られる点がメリットです。
特に看護師は女性が活躍できる職種でもあり、女性の場合は妊娠や子育てなど、ライフステージの変化で仕事が続けられない期間も存在します。
そして日本の一般企業の場合は、復職後に以前と同じ水準で収入を落とさずに働くことが難しい傾向にあります。
しかし、看護師は復職後も安定した収入を得られる可能性が高い職業なのです。
また、看護師の勤務先となる病院やクリニックは、全国各地にあるため、家族の転勤があっても復職しやすいメリットがあります。
働き方は多種多様
看護師の勤務先として代表されるのは病院やクリニックです。
病院やクリニックでの働き方も様々で、病棟勤務・外来勤務などにも分けられます。
そして病院やクリニック以外にも、以下のような多用な勤務先があります。
- 保育園などの子どもの施設
保育園で働く看護師の仕事内容は?園内の役割や通常のナースとの違いを解説
- クリニック(美容クリニックなど含める)
看護師がクリニックに転職するには?給料や仕事内容、ポイントや口コミまで解説!
- 介護施設
介護施設での看護師の役割・仕事内容|給料や病院との違い・働くメリットまで徹底解説
- 一般企業の健康管理室
このように、看護師が活躍できる場は多岐に渡るため、ライフステージの変化に合わせて職場を選ぶことも可能です。
資格取得でステップアップできる
看護師は資格を取得することで、ステップアップに繋がります。
新たに資格を取得することは、より専門性を高める結果にも繋がり、キャリアアップに向けても、収入アップが目標でもおすすめ出来ます。
以下は看護師のステップアップとして、取得がおすすめの資格です。
- 認定看護師
19の認定分野で、より高い水準の看護を実践できることを証明する資格です。 看護師への指導や相談対応も行います。
- 専門看護師
13の特定専門分野で、専門性が高いことを証明する資格です。
- ケアマネージャー
要介護認定者の介護計画である、ケアプランを作成し、マネジメントを行う専門職として勤務が出来ます。
ケアマネの実務研修はしんどい?資格取得・更新時の研修内容や費用について徹底解説!
- 保健師、助産師
保健師や助産師は定められた教育課程を履修し、国家試験が受験出来ます。 看護師資格を所有していることが条件になります。
保健師と看護師の役割や給料の違いとは?必要な資格や年収アップの方法も徹底解説
助産師はきついって本当?大変と感じる理由から辛い時の対処法・やりがいまで徹底解説
転職するか迷った際に踏まえたいポイント
転職を決断するのは、悩んだり不安に感じたりすることがあると思います。
転職理由の上位に来るのは、職場に不満があるということも大きく、転職先は失敗したくないと感じることも、転職するか迷う理由の1つです。
この見出しでは、転職に迷った場合に押さえておきたいポイントを紹介します。
基本給が低いか高いか
基本給は求人票でも確認できる情報であることがほとんどで、分かった状態で転職することでしょう。
まずは見て分かる情報から、基本給は平均的なのか、低いのか高いのかを判断します。
ただ、基本給が高ければいいというわけではありません。
仕事内容や仕事量とのバランスがどれくらいになるのかは、働いてみるまでわからないため、仕事と基本給が直結しているとは限りません。
また、収入は夜勤手当や残業代などが上乗せされるため、こうした基本給以外の手当も確認したいポイントになります。
通勤のしやすさ
通勤は毎日のことになるため、働き続けるためにも通勤のしやすさは重視したいところです。
距離的には近い職場でも、満員電車になる区間があったり、渋滞しやすいエリアだったりすると、通勤がストレスになります。
通勤時間や、通勤経路は、往復の時間帯を意識して、しっかりイメージして検討しましょう。
また、子育てや家事と両立する場合は、子供の預け先からの経路や手段なども併せて検討するのがおすすめです。
職場の人間関係がいいか
職場の人間関係は、転職したい理由の上位に挙げられるものです。
しかし、人間関係は職場を変えても付きまとうものであり、転職をしたからといって改善されるとも限りません。
人間関係が転職の理由となる場合は、他に改善出来る要因はなかったか、まずは検討してみましょう。
それでも転職に踏み切る場合、職場の人間関係は求人票に記載されるものではありません。
転職サイトを活用すると、職場の内部事情に精通したアドバイザーから、人間関係や応募する職場の退職理由なども聞けることが出来るので、活用がおすすめです。
やりがいがあるか
看護師は総じてやりがいのある仕事といえますが、転職先で働くイメージの中で、自分自身がやりがいを持てるかは重要です。
実際にそこで働いている看護師の姿は、未来の自分自身の姿でもあります。
いきいきと働けているか、明るい表情で勤務しているかなど、面接や職場訪問をした際にはしっかりと確認をしておきましょう。
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)で求人を探す!看護師の転職は転職サイトの利用がおすすめ
転職先を探す方法には、
- 直接応募
- ハローワーク
- 転職サイト
などがありますが、看護師の転職には転職サイトを利用するのがおすすめです。
転職サイトの利用がおすすめな理由
転職サイトは、様々な求人の閲覧が出来るだけでなく、専門のアドバイザーの手厚い支援を受けることが出来ます。
- 求人の紹介
- 面接対策、書類添削
- 転職の悩み相談など
こうしたサポートを受けられるのは転職サイトならではのメリットです。
希望に近い条件で働ける
勤務先に求める希望は色々あると思います。
より希望に近い条件で働ければ、長く続けることも出来ます。
しかし、一人で転職活動をする場合は、希望に合った求人を見つけることが難しかったり、条件の交渉をしたりすることが難しい場合もあります。
転職サイトでは、専任のエージェントが希望条件をしっかりヒヤリングして、最適な求人を提案してくれます。
また、給与や労働条件などを直接交渉してくれます。
年収アップのために活用したい転職サイト
これまでの見出しであげたようなポイントを踏まえて、転職したい意向があれば、おすすめできる転職サイトを紹介していきます。
求人数なら「レバウェル看護(旧:看護のお仕事)」
- 求人数は15万件以上と最大級のサイト
- 人に勧めたい転職サービスランキング第1位を獲得
- 空いた時間で転職の相談ができる
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)は、看護師専門の求人サイトとして、圧倒的な求人数を誇る転職サイトです。
15万件以上(2023年8月21日時点)の豊富な求人は、質の高いものが多く、自分にあった職場や、給料アップに繋がる職場を探すことが出来ます。
アドバイザーとの連絡手段は、LINEも活用出来るため、隙間時間を活用した転職活動が出来ることや、退職前の忙しい中でも連絡が取りやすいのが魅力の1つです。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)で転職する!利用者満足度の高い「ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)」
※画像出典:ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)公式サイト
- 累計100万人以上の看護師が利用
- 求人数20万件以上で業界最大級!
- 看護師専門、地域専任のキャリアパートナーが徹底支援
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)は2005年の創設以来、累計100万人以上の看護師が活用している、看護師の転職に特化した転職サイトです。
利用者数も最大級ですが、利用者満足度も非常に高く、顧客満足度No.1を誇っています。
求人の質も非常に高く、サービス全体のクオリティが高いことが魅力です。
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)のキャリアパートナーは、看護師専門・地域専任として任命されており、条件交渉も行ってもらえます。
キャリアアートナーは専門知識を活かした適格なアドバイスを行ってくれるため、初めて転職する方や、転職に不安がある方、好条件で働きたい方におすすめです。
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)で求人を探す!信頼度の高い「マイナビ看護師」
※画像出典:マイナビ看護師公式サイト
- 大手人材紹介会社のマイナビが運営
- 5年連続看護師の転職サイト認知度No.1
- 求人数は80,000件以上(独占求人を含む)
マイナビ看護師は、5年連続看護師の転職サイト認知度ナンバー1に輝いた安定の転職サイトです。
取り扱っている求人数は独占求人を含めると約80,000件で、正規雇用だけでなくパートやアルバイトの求人も探せるため、ニーズに合わせて求人を探すことができます。
内科などの他にも、スポーツ整形外科や血液内科などの専門的な診療科目の求人もあり、プロのキャリアアドバイザーがきめ細かい転職支援を行ってくれます。
面接対策や書類添削、条件交渉や日程調整の代行も行ってくれるので、非常に頼れる存在と言えるでしょう。
マイナビ看護で求人情報をチェック!看護職以外ならリクルートエージェント
※画像出典:リクルートエージェント公式サイト
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- 様々な職種の求人を掲載
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看護業界以外の転職をしようとしている場合は、総合型の転職サイトである、リクルートエージェントが特におすすめです。
日本最大級の転職エージェントであり、あらゆる職種の求人を扱っているため、自分にあった業界や職種を見つけることが可能です。
キャリアアドバイザーは、その業界に精通した専門性の高いことに定評があり、異業種への転職にも適したアドバイスを受けられるのがメリットです。
リクルートエージェントで転職する!看護師の平均年収・年収アップの方法についてまとめ
- 看護師の平均年収はほぼ横ばいで推移する
- 看護師として年収アップを目指すなら、上級資格の取得か、収入が高い勤務先に転職をする方法がある
- 看護師として上の役職に昇給すれば年収1,000万円も目指せる可能性がある
看護師の平均年収は、全業種の中と比較すると平均的です。
しかし、安定して勤務出来ることや、ライフステージの変化にも対応できる職種であり、その時の自分の置かれた状況で勤務先を選ぶことも出来ます。
長期的に安定した収入を得られる職業でもあり、収入アップを目指して働く手段もあります。
勤務先によって収入に差があることもわかっており、収入アップを目指して転職を検討することも出来る職種です。
この記事を参考に、収入が高くなる働き方を検討してみるのは、いかがでしょうか?
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。