「男性看護師は辞めとけ」って本当?その理由や女性社会の辛さ・現場の声まで徹底解説

この記事は看護師に監修されています

看護師

城戸あき(しろと あき)

「男性看護師ってどんな仕事をしているのかな?」

「男性で看護師になるのはやめた方がいいのだろうか・・・」

看護師志望の男性はこのように悩むこともあるのではないでしょうか。

そこで、この記事では男性看護師の仕事について詳しくお伝えします。

男性で看護師を目指している方、現役男性看護師の方はぜひ参考にしてください。

「男性看護師は辞めとけ」と言われることについてざっくり説明すると
  • 「男性看護師は辞めとけ」と言われる一番の理由は、女性社会の中で働く大変さから
  • 男性看護師の同僚がおらず、看護師になったことを後悔する場合もある
  • 看護師間の派閥争いに巻き込まれるとつらいと感じる
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看護師は女性社会なので男性にはつらい

男性看護師つらい

「男性看護師になるのは辞めとけ」というフレーズを耳にしたことがありますか。その最大の理由は、看護師の職場には、未だに女性社会の風潮が根強いところが少なくないからです。

令和4年末の厚生労働省の調査によると、男性看護師の割合は約8.5%でした。女性に囲まれた職場ならではの人間関係に苦労している男性看護師は多いようです

出典:厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」

そこで、経験してみないとわからない、男性が女性社会で生きることのつらさについて紹介します。

お局的な上司の存在

看護師は、女性の上司やリーダーの下で働く機会が多くなり、ときには、お局的な存在が職場を仕切っていることもあります。

その場合、先輩看護師に気に入られなければ、嫌味を言われる日々になってしまう可能性もあるでしょう

また「空気を読む」というスキルもある程度必要です。空気が読めずに先輩の機嫌を損ねてしまうと、職場に居場所がなくなってしまうこともあるでしょう

派閥争いや悪口に巻き込まれることも

女性は男性よりも承認欲求が強いというデータがあり、気の合う女性同士でグループを作り、お互いを認め合うという風潮は女性社会ではよく見られます。

しかし、このような職場の中で派閥やグループが形成されると、男性看護師もそれに巻き込まれることがあります。

男性看護師が悪口を聞かされたり、誰の味方になればいいのか悩んだりすることは、大きなストレスとなります。派閥やグループ争いによって、職場の雰囲気やチームワークが悪化し、協力関係が崩れる可能性もあります

もちろん、すべての職場がこのような環境とは限りません。しかし、このような状況で働くことは業務以外でも消耗する要因となり、非常につらいものとなるでしょう。

女性看護師はサバサバした人が多い

看護師として働いている女性は、サバサバしておりハッキリとものを言うタイプの人が多いです。むしろ典型的な「白衣の天使」のようなタイプの看護師はほとんどいないと思っておいた方がいいでしょう。

そのため、気が弱い男性の場合、気の強い看護師から仕事を押し付けられる可能性があります。「男性の方が力が強いから」と、身体介助や雑用、ナースコール対応を多くこなさなければならない場合もあるようです。

仲間を見つけられず後悔する

男性看護師のつらい点は、男性の仲間が見つけにくい点です。男性看護師の割合は先に述べたように8.5%ですから、職場内の男性看護師が自分だけということもあり得ます。

男性看護師ならではの悩みを相談し、共有する相手がいないのはつらいものです。悩みを打ち明けたり、励ましあえる同僚に恵まれず、看護師になったことを後悔する人もいます。

男性で看護師は辞めとけと言われる理由

男性看護師疑問

「男性で看護師になるのは辞めとけ」と言われるには、看護師が女性社会であること以外にも理由があります。

給与水準がサラリーマンの平均年収より低い

男性看護師の給与水準は、30代を境に男性サラリーマンの平均年収よりも低くなります。

男性サラリーマン 男性看護師
20代 約350万円 約411万円
30代 約537万円 約520万円
40代 約665万円 約558万円
50代 約712万円 約615万円

参考:国税庁「年齢階層別の平均給与」

参考:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」

20代の間は男性サラリーマンよりも男性看護師の方が平均年収が高いですが、30代以降は男性サラリーマンの方が高くなり、差が開いていきます。

これは、サラリーマンは出世していく場合が多い一方、男性看護師はキャリアを積むのが難しいことが原因です。

看護師は、仕事が大変で大きい責任を担っているにもかかわらず、サラリーマンとは収入に差が出てしまうため「辞めとけ」と言われるのも無理はありません。

労働量に見合った給料ではない

看護師の仕事には夜勤があります。特に大きな病院では、夜勤のシフトは必須です。夜勤は日勤と比べて勤務人数が少ないため、一人ひとりの責任の範囲が広く大変な仕事です。

また、夜勤は夜間に働くことで生活リズムが崩れるため、日常生活にまで影響が出ることもつらい点です。業務の大変さと給料が見合っているかという点では疑問が生じます。

さらに、業務時間外でも研修があったり、自分でも医療に関する勉強をしたりする必要がある点も、大変なポイントの一つです。

これらのことから「プライベートを犠牲にしている割には給料が見合わない」と感じ、看護師になったことを後悔する場合があります。

将来性がない

男性看護師は、将来性について悩む人が多いです。特に多い悩みは、給料面での不安です。男性看護師は40代以降の給料が伸び悩む傾向にあります。

結婚・子育て・老後などを考えたとき、金銭面での問題は避けられませんので、将来の給料については悩むところです。

また、50代・60代になっても看護師を続けられる体力があるのか不安を抱く人も多いでしょう。

看護師の仕事は、やりがい自体はあるものの、40年近く働き続けることを考えると、大変なものがあります。

体力的・精神的にしんどい

男性看護師は、体力的にも精神的にもしんどい仕事です。まず体力の面では、体力が必要な仕事は男性看護師に任されることが多い点があります。

例えば手術室に勤務する看護師は何時間も立ち仕事をするため足腰への負担が多く、他の科と比較して男性看護師の割合が多い傾向があります。

その他、病棟内で重い荷物を運ぶなどの物品管理や雑用を依頼されることも少なくないでしょう。

また、精神科への配属も多い現状があります。その上で女性社会特有のストレスが加わってしまうと、続けることが難しいと感じる男性看護師もいます。

男性看護師として働くには、身体面と精神面の両方が強い人でないと勤まらないと言えます

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男性看護師として働くメリットも

爽やかな男性看護師

男性看護師として働くことは、決してつらいことばかりではありません。ここでは、男性が看護師として働く際のメリットについて紹介します。

スキルや資格で給料アップが狙える

男性看護師が年収を上げるためには、まず、スキルアップや資格取得をすることで、専門的な看護師を目指すことがおすすめです。

日本看護協会の資格認定制度には、専門看護師、認定看護師、認定看護管理者の3つがあります。これらを取得し専門性の高い看護師になれば、給料アップが見込めます。

また、これらの資格を持っていれば、出世して役職に就くことも考えられます。役職に就けば、役職手当が出るので給料がアップします。

雇用が比較的安定している

看護師は、他業種と比べると雇用が安定しており、給料が急に下がったり、病院の経営悪化などの理由で解雇されたりすることはほとんどありません。そのため、看護師は収入が安定して得られます。

しかも、現在高齢化社会が進んでいることから、医療従事者の需要は高まる一方です。看護師の需要も高く、今後もさらに需要が高まっていきます。

仮に今の職場を辞めることになったとしても、看護師の需要は非常に大きいので、比較的早く次の職場が見つかるでしょう。

患者とのふれあいの中でやりがいを得られる

看護師は、病気や怪我を抱え、身体に不調をきたしている患者が病院内で安心して過ごせるようサポートしています。

看護師は患者の一番近くにおり、患者に寄り添う存在です。そのため、患者とふれあう機会は多いです。

患者とふれあう中で、自分が担当している患者が回復していくのを見ると、自分まで嬉しくなり、やりがいを感じられます。

特に、患者から「ありがとう」と感謝されたときには、人の役に立っていることを実感できます。

男性看護師の比率が高い職場もある

先に紹介したように、男性看護師は看護師全体の8%であるため、女性がほとんどの職場が多いですが、中には男性看護師の割合が高い職場もあります。

男性看護師の存在が重宝される理由の一つには、男性看護師は女性よりも力が強い点が挙げられます。

患者さんを支えるとき、患者さんを移動させるとき、医療器具を運ぶときなど、強い力が必要な場面で男性看護師の力は重宝されます。

男性看護師の割合が他の診療科よりも高くなるのは、以下のような診療科です。

  • 精神科
  • 整形外科
  • リハビリテーション科
  • 救命救急科
  • 小児科

このように、看護師に強い力や体力が必要な診療科では、男性看護師の比率は高くなります。

自分以外にも男性看護師がいると男性看護師ならではの悩みを語り合えるので、働きやすくなります。上記の診療科で働くことを選ぶのもよいでしょう。

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男性看護師が重宝される場面を体験談から紹介

「男性看護師は辞めとけ」と言われることもあり、男性で看護師を希望する人や現役男性看護師の人は「辞めた方がよいのかな」と不安になるかもしれません。

しかし、男性看護師が重宝される機会は多く、病院には必要な存在です。男性看護師が重宝された体験談を紹介します。

男性看護師の方が適している患者さん

患者さんやそのご家族の中には、担当の女性看護師に対しクレームが多い方がいます。

「その看護師が気に入らないから他の看護師に交代して!」など、かなりきつい言葉を言われることもあります。その女性看護師のやることなすことが、患者さんやご家族には不快であるようでした。

そんなとき、女性の上司が対応しにいくと、相手が女性ということで、クレームが余計にヒートアップしていくことがあります

一方、男性看護師である私が代わりに話を伺いに行くと、意外と患者さんやご家族のトーンが落ち着いていくのです。

私の働いている病棟では、男性看護師がクレーム対応をする方が、うまくおさまることが多いという風潮があり、同僚からも頼られていると感じます。

男性には強く出られない方が多いので、クレーム対応は男性看護師がするのが適していると思います。

トラブルの対応は男性看護師向き

女性の患者さんの中には女性看護師を指定してくる方もいますが、逆に、男性看護師の方が上手くいくケースもあります。

「態度が気に入らない」「自分の分だけ早く食事を持ってこい」など、女性看護師にだけクレームや無理な要望を言う方がいます

そうすると担当の看護師を変えていくのですが、一旦女性看護師に対して不信感を募らせた患者さんの場合、いくら女性看護師を何人も交代させても効果がありません。

そのようなときは男性看護師が担当することがあります。男性看護師が病室に入ってきた時点でその患者さんは安心した顔をされるので、患者さんから頼られている感覚が伝わり、嬉しく思います。

結局「男性が看護師は辞めとけ」は本当?

男性看護師

男性が看護師になることをおすすめしない理由について紹介しました。

女性社会の中で働かなければならないことや、収入面で40代以降はサラリーマンより不利になることから、「男性が看護師になるのは辞めた方がいい」という意見があることは事実です。

さらに、中高年で体力に負担がかかる看護師の仕事を続けられるのかといった問題もあり、将来性への不安があります。

力が要る仕事を任されたり、女性社会の中で働くことでのストレスが溜まったりするので、身体面と精神面の両方に負担がかかる仕事でもあります

一方、

  • 看護師という職種にこだわりがある人
  • 人の役に立ちたいと考えている人
  • 我慢強く努力ができる人
  • 体力的・精神的に強い人

このようなタイプの人なら、男性看護師になるのをおすすめできます。

男性で看護師を辞めたいと感じたら転職も

現役の男性看護師の方は、職場の人間関係などに滅入ってしまい「辞めたい」と感じている人もいるかもしれません。

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「男性看護師は辞めとけ」と言われることについてまとめ

「男性看護師は辞めとけ」と言われることについてまとめ
  • 看護師になりたい人、体力があり精神面が強い人などは男性看護師に向いている
  • クレーム対応や力が要る仕事などで、男性看護師が重宝されることは多い
  • 看護師の力が必要とされる診療科では男性看護師の比率が高い

「男性看護師は辞めとけ」と言われる通り、確かに男性看護師は大変な仕事です。女性社会の中で、職場に男性が自分だけということも考えられます。

しかし、男性看護師は体力の面で頼りにされたり、患者から信頼されたりすることから、病院には必要な存在です。

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この記事は看護師に監修されています

看護師

城戸あき(しろと あき)

国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。

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