看護師の転職回数が多いと再就職で不利?転職を繰り返す人の特徴や面接での伝え方も紹介
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
「看護師の転職回数が多いと再就職で不利なの?」
「看護師の平均転職回数などを知りたい!」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
転職回数について「何回以上は多い」という明確な基準はありません。
しかし、実際に転職回数が多すぎると採用に不利になってしまう場合があります。面接で志望動機をしっかりと伝えたり、転職理由についても説明することが重要です。
こちらの記事では、看護師の転職回数に関する情報をお伝えしていくので、転職を検討している看護師の方はぜひ参考にしてください!
無駄に転職を繰り返すと不利になるので注意
年代ごとに「多い」と認識される転職回数の平均は異なる
しっかりと志望動機を伝えれば、転職回数の不利は解消される
採用担当者目線で、魅力的な人材に映るようにアピールしよう
看護師の平均転職回数とその原因
厚生労働省の看護職員就業状況等実態調査によると、看護師がこれまでに勤務先を退職した回数は
0回:39.4%
1回:26.5%
2回:16.0%
3回:9.0%
4回:3.9%
5回以上:3.5%
無回答:1.7%
となっており、看護師の半数以上が転職を経験していることが分かります。
まずは、看護師がなぜ転職を考えるのか、転職を検討する理由について解説していきます。
体力・精神ともにきつい
看護師の仕事では突発的な対応が求められることが多いので、計画通りに仕事ができるわけではありません。
夜勤や残業が当たり前で、労働基準法が規定している労働時間を大幅に超過して働いている看護師も多いので、体力的に限界を感じている方は少なくありません。
また、人命に関わる仕事の性質上、責任を感じやすく精神的にもきつくなってしまいます。
実際、30歳を超えると体力的な限界を感じて転職する人が増え始めます。体力面・精神面共にきついと感じたら転職を検討するタイミングと言えるでしょう。
ライフイベントの予定ができた
家事や育児と、仕事の両立をすることは、なかなか難しい現実があります。結婚・妊娠・出産などの人生に大きな影響を与えるライフイベントをきっかけに転職を検討する方も多いです。
特に、育児では体力と気力を消耗してしまうので、緊張感や責任感の伴う看護師の仕事との両立が難しいと感じる方は少なくないでしょう。そのため、結婚や育児を控えていると退職を検討する看護師が増えます。
また、上記のライフイベント以外にも、両親の介護や配偶者の転勤などやむを得ない事情で退職する看護師もいます。
いずれにしても、家庭と仕事の両立が難しいと感じた場合は転職を検討するタイミングでしょう。
人間関係が良くない
看護師の仕事は、患者や看護師仲間、医師など様々な人と関わりを持つ必要があります。
また、同僚には圧倒的に女性が多いため、女性ならではの難しさがある点も否めません。
職場の人間関係が悪いと、精神的な負担は大きくなります。仕事に対するモチベーションの維持が難しくなる人も少なくないでしょう。
仕事の内容以外にも余計なストレスを抱えてしまうと精神的に大きく消耗してしまうので、転職という判断に至るのは致し方ありません。
自分のやりたいことが今の職場でできない
現職において自分のやりたいことができない場合も、転職を検討する大きな要因となります。
例えば、看護師としてのキャリアアップを目指していても、今の職場が年功序列の風潮が強く、キャリアアップできそうにない場合などが挙げられます。
キャリアビジョンを考えた際に、明るい展望が持てないと仕事のモチベーションが無くなってしまうのは仕方のないことです。
そのため、自身の仕事のビジョンや目標を叶えるために転職をする看護師の方も多いです。
転職回数は転職のハンデになるのか
こちらのトピックでは、転職回数が多いことが転職にあたってハンデになるのかどうかを解説していきます。
採用側は、転職回数よりも転職に至った理由や勤務年数などの方を重視します。
転職理由の方が見られる
転職回数が多いと、確かに「辞め癖がある」という印象を与えてしまうリスクがあります。しかし、実際には転職理由の方が重視されています。
例えば、転職理由が「結婚や出産」「夫の転勤に伴う転居」などの理由であったり、キャリアアップを目指すといった前向きな理由であれば、転職回数はハンデになりません。
完全に自己都合の場合は問題視されますが、転職理由に正当性があり、またキャリアについて熟考した上での判断であれば、問題ないでしょう。
勤務年数が長いとハンデになりづらい
転職回数が多かったとしても、1つの職場に長く勤務した経験があれば大きなハンデにはなりません。
数ヶ月スパンで転職を繰り返しているとマイナスの印象を与えてしまいますが、例えば1つの病院で3年程度勤めている実績があれば、転職回数が多いこともカバーできるでしょう。
そのため、自己PRをする際には長く勤務した職場の仕事内容や経験をアピールしましょう。
年齢によっても変わってくる
年齢を重ねればキャリアの年数も長くなるので、転職回数が多くても問題視されることはほとんどありません。
つまり、看護師の転職回数の影響は年齢によっても大きく変わるということです。
例えば、20代で5回転職している場合は「落ち着きが無い」と思われてしまいますが、40代であれば5回の転職歴があっても自然でしょう。
そのため、自身の年齢を踏まえて、自然な転職回数かどうかを分析してみることも重要です。
採用担当者が転職回数の多い人に抱くマイナスイメージ
一般的に、看護師に限らず転職回数が多いとマイナスなイメージを持たれてしまいます。
こちらのトピックでは、採用担当者が転職回数の多い人に抱くマイナスな印象について解説していきますので、職務経歴書や面接などの対策に役立ててください。
トラブルを起こしそう
転職を繰り返しているということは、職場内で上手にコミュニケーションが取れないという疑念を持たれてしまいます。
実際にそうではなくても「再就職先でもトラブルを起こす人物なのでは」という評価をされてしまうので、面接の際に良い印象を持たれません。
しかし、面接の際にはっきりと笑顔で受け答えすることでコミュニケーション能力をアピールできます。転職回数の多さが気になる場合は笑顔を意識しましょう。
人間関係をうまく築けなそう
転職を繰り返していると、「安定した人間関係を築けない」と思われてしまう恐れもあります。
採用側としては、当然「人間関係をうまく築けない人間はいらない」と考えるので、選考の際に大きな不利となってしまうでしょう。
不利を跳ね返すためには、面接の場でコミュニケーション能力に問題がないことをアピールする必要があります。
そのため、明るい雰囲気で会話してコミュニケーション能力に問題がないことをアピールしましょう。
すぐに辞めてしまいそう
転職回数が多いことで「1つの職場で長く勤務することができない」という印象を与えてしまいます。
実際に、転職回数が多い人の中には、都合が悪くなるとすぐに辞めてしまう「辞め癖」が付いてしまっていることが多いです。
すぐに辞める恐れがある人が採用されないのは当たり前なので、面接で長く勤務する意思がある旨をアピールする必要があります。
スキルが無さそう
慌ただしく転職を繰り返していると、スキルが十分に身についていないと思われてしまいます。
また、主任など責任のある立場に立った経験も少ないことから、「即戦力として計算できない」と評価される可能性が高いです。
そのため、看護師として必要なスキルを持っていることをアピールすることが重要となります。
業務経験の中で得られたスキルや体験談を通して、使える人材であることをアピールしましょう。
転職回数は平均何回だと多い?
続いて、採用者側から「多い」と認識される転職回数を年代ごとに解説していきます。
20代は2回前後
20代はまだまだキャリアが浅く、転職経験が少ないことが当然です。
そのため、一般的に2回以上の転職回数があると多いと思われてしまうでしょう。
もし2回以上の転職経験がある20代の方は、「キャリアアップのため」など、前向きな転職理由である旨を伝える必要があります。
30代は4回前後
30代は、結婚や出産など大きなライフイベントが起こる年代です。
家庭での役割も大きく変化することから、仕事と家庭の両立を考えて転職する人が増える年代でもあります。
キャリア的観点からすると、4回以上の転職経験があると多いと思われてしまうので、一つの基準として考えておくと良いでしょう。
また、30代になると後輩指導などの教育係を任される機会も増えるので、20代よりも選考基準が厳しくなる点も知っておきましょう。
40代は5回前後
40代は、子育ても一段落している人も多い年代です。
十分なキャリア年数を積んでいることから、転職回数よりも転職理由や本人の性格・スキルが重視される傾向にあります。
看護師としてのキャリアが長いことを鑑みると、5回以上の転職回数が多いと判断されるボーダーラインになってきます。
当然、転職回数が多くてもスキルや人柄の面に問題がなければ転職はできるため、これまでの経験の長さを武器にすると良いでしょう。
【20代】転職回数が多いことがハンデにならない人の特徴
続いて、年代別に転職回数が多くても再就職を成功する人の特徴を紹介していきます。
まずは、20代から解説していきます。
人柄がよい
看護師は仕事を効率よく行うことも重要ですが、患者とのコミュニケーションや思いやりも求められます。
当然、職場内で円滑なコミュニケーションを取ったり良好な人間関係を築くことも重要です。
そのため、人柄の良い人であれば転職回数の多さはハンデにならないでしょう。
人柄の良さを伝える場は面接の場しか無いので、しっかりと面接の準備をしておきましょう。
長期勤務経験がある
1つの職場で3年程度勤務した経験があると、辞め癖があるという判断はされないでしょう。
つまり、長期勤務経験があれば仕事をすぐに退職するわけではないと理解してもらえるので、転職歴が不利に作用することはありません。
特に、長期勤務した病院が新卒で就職した場所だと、印象が良くなります。
転職軸が定まっている
転職した理由が「キャリアアップのため」など、自分の将来を見据えた理由であればハンデになりません。
転職軸が定まっていると将来を真剣に考えているアピールとなるので、むしろ好印象となります。
逆に、転職の軸が決まっていない人は些細な理由で退職してしまう印象を与えてしまうので、自分の中で軸を持っておきましょう。
転職理由・志望理由が明確
転職理由や志望理由が明確で、これまでのキャリアに合理的なつながりがあると、採用担当者に好印象をもたれやすくなります。
一方で、転職理由が不明確で曖昧だと、働くモチベーションがあるのか疑念を持たれてしまうでしょう。
そのため、自分の強い意志で転職した印象を採用担当者に与えるためにも、説得力のある転職理由・志望理由を用意することが重要です。
【30代】転職回数が多いことがハンデにならない人の特徴
続いて、30代で再就職を成功する人の特徴を紹介していきます。
シフトにこだわりがない
30代以上になると、即戦力になることを期待されます。
その際に、夜勤回数が多くても柔軟に対応できるようなシフトにこだわらない人は、採用側にとってありがたい存在となります。
看護師は慢性的な人手不足の状況でもあるため、職場の都合に合わせられる人材は貴重であり、採用に繋がりやすいでしょう。
ライフイベントの予定がない
女性の場合、結婚や子育てで退職したり育児休業で長期的に休む人が多いです。
そのため、結婚や出産などを控えているなど、大きなライフイベントの予定があると雇いづらくなってしまいます。
公正採用の観点からは好ましいことではないのですが、実際の採用の現場ではライフイベントの予定のない人の方が好まれやすいのは事実です。
子育てと仕事の両立が可能
子育てをしながら仕事を続ける意思がある人も、採用担当者から好印象を持たれやすいです。
短時間勤務であっても、子育てと仕事の両立が可能な人材は医療機関にとって貴重な戦力となります。
特に、「実家が近く子どもを預かってくれる家族がいる」「遅くまで預かってくれる保育園に入所している」「体調が悪い時に備えて病児保育に登録している」など、子育てのサポート体制が整っている人は採用側からすると安心して雇用できます。
後輩ともうまくやっていけそう
30代になると、後輩指導の経験があったり主任としての業務経験があるケースが多いので、後輩を指導することが期待されています。
そのため、面倒見が良く後輩と上手く関わっていけそうな人は採用されやすいです。
また、後輩を指導するという立場であっても新たな環境に身を置くことになるため、分からないことは質問できるような、コミュニケーション能力に長けている人が好まれます。
常識がある
30代は一定の社会人経験を積んでいるため、面接の際に社会人として最低限の清潔感やマナーをわきまえているかをチェックされます。
常識が無いと、看護師としての適性までもが疑われてしまうので注意しましょう。
多くの方は問題ないと思われますが、自信がない方はマナー本などを読んでおくと安心です。
【40代】転職回数が多いことがハンデにならない人の特徴
次に、40代で再就職を成功する人の特徴を紹介していきます。
仕事熱心である
40代以上になると十分な看護師経験を積んでいるので、プライドや独自の価値観によって、周囲の看護師と調和がとれない人もいます。
また、体力のある若手看護師よりも転職が厳しくなることもあり、経験をアピールしつつも周囲と連携して仕事ができる旨を伝えると良いでしょう。
看護師としてのプライドがあるのは良いことですが、新しい環境に適応しようという意欲がある人の方が、採用担当者に好まれます。
自分のこだわりを人に強要しない
看護師としてのキャリアが長くても、あくまでも転職先では新人として入社することになります。
そのため、自分のこだわりを周囲に強要するのではなく、謙虚な気持ちを持って円滑に仕事をする意思を伝えましょう。
看護師として十分なスキルを習得していることをアピールしつつも、自分の仕事のこだわりを他人に押し付けない姿勢を採用担当者にアピールすれば好印象です。
柔軟に動ける
40代は即戦力として働くことが求められているため、固定観念を持たずに柔軟に働ける人が求められています。
また、自分のこだわりを捨ててこれまでの経験を活かして臨機応変に対応することも看護の現場では求められます。
常に勉強する意欲を持ち、新しい知識や技術を習得して柔軟にスキルを高める意識を持ちましょう。
転職の軸がある
転職回数が多かったとしても、転職の理由に一貫性があれば好印象を与えることが可能です。
「様々な経験をして看護師としてのスキルの幅を広げたい」「このような看護観を持っているので、相性が良さそうな医療機関を選んだ」など、明確な転職の軸を持っておくと良いでしょう。
面接時にも、しっかりとした転職の軸と志望動機を伝えることができれば、担当者に好印象を与えられます。
職務経歴書・面接で採用担当者が見ているポイント
採用担当者は 職務経歴書・面接を通じて応募者のどのような部分を見ているのかを紹介していきます。
看護師1人を採用するためには、様々な費用として100万円程度かかるとされています。そのため、すぐに退職してしまいそうな人は採用されません。
採用には、就職先に労力やコストがかかっていることを念頭に置いて面接に臨みましょう。
転職理由は真っ当な理由か
やはり、転職理由が真っ当な理由であれば、転職回数が多くてもネガティブなイメージにはなりません。
「なぜ転職したのか」について、相手側が納得できるように論理的に説明することを心掛けましょう。
自己都合であっても、家庭の事情などやむを得ないことを伝えれば、そこまでマイナスな印象にはなりません。
キャリアプランは明確か
キャリアプランが不明確な状態で転職を繰り返していると、「些細なことで辞めてしまう」「嫌なことが起きると辞めそう」という悪印象を与えてしまいます。
先述したように、すぐに辞めそうな人は採用されづらいので、キャリアプランが不明確なのに転職を繰り返していると採用されないでしょう。
そのため、職務経歴書を書いたり面接に臨む際にはキャリアプランについて整理しておくことをおすすめします。
キャリアプランと転職候補先の理念の相性が良ければ「この職場で長く勤務してくれる」というイメージを持ってもらえるので、好印象を与えられます。
職場のリサーチは十分か
転職候補先の情報収集は基本なので、ホームページなどはしっかりとチェックしておきましょう。
職場について十分な知識・情報を持っている人は、その職場への志望度が高いように見えるので、採用担当者に熱意を伝えやすいです。
また、しっかりと情報収集することでミスマッチも防ぐことができるので、理念や医療方針などについてもチェックしておきましょう。
理念に共感した点や自身の看護観などをうまく伝えれば、好印象を与えられます。
長期勤務の経験はあるか
転職回数が多い場合でも、1ヵ所で数年に渡って勤務した経験があれば、採用担当者もそこまで悪い印象は持ちません。
長期勤務の経験があれば、「この職場もすぐに辞めるのではないか」という懸念も無くなるので、転職を準備している方は長期勤務の実績を作っておくと安心です。
また、長期勤務があればスキルや知識も習得していることをアピールできるメリットがあるので、無計画に転職するのはおすすめしません。
看護師としてのスキルはあるか
短期間で転職を繰り返していると、「看護師としてのスキルが十分に身についていない」という印象を相手に与えてしまいます。
そのため、マイナスイメージを払拭するためにも看護師としてのスキルが身についていることをアピールすることが重要となります。
具体的には、働いた中で印象に残っているエピソードや成功体験、経験から得られた教訓やスキルなどを準備しておくと良いでしょう。
転職回数が多い人向けの転職のコツ
続いて、転職回数が多い人向けの転職のコツについて紹介していきます。
転職回数が多くてもアピールの仕方次第で好印象を与えることができるので、参考にしてください。
転職理由を前向きかつ明確に
転職理由は、できるだけ前向きな形で伝えるようにしましょう。
ネガティブな転職理由を伝えてしまうと、採用担当者に「マイナス思考」「ストレス耐性が低い」と思われてしまうので、悪印象です。
ネガティブな内容であってもポジティブな言い回しに変換すれば、転職の多さもアピールポイントにできます。
なお、言い換え方法については次の見出しで紹介していくので、そちらも参考にしてください。
志望動機などで転職先への熱意を伝える
転職先の情報をホームページなどで調べ、理念や医療方針に沿った志望理由を伝えましょう。
情報収集をしっかり行えば就職したい熱意を伝えることができるので、好印象を与えるという意味でも非常に重要です。
短期間で離職したことがあっても、熱意を伝えれば「仕事をすぐには辞めない」というアピールができるでしょう。
即戦力をアピール
転職回数が多いということは、様々な経験を積んでいるという裏返しでもあります。
経験が豊富であるという点を武器にして、さらに自分の習得したスキルをアピールして「即戦力である」旨を伝えれば好印象を与えられます。
職場側としては即戦力を求めているので、やはり即戦力になり得る看護師は魅力的な存在です。
「経験豊富」「即戦力」という点をアピールポイントにすれば、転職回数の多さも武器になるでしょう。
職務経歴書・面接での転職理由の伝え方
続いて、どのように転職理由を伝えれば採用担当者に良い印象を持ってもらえるのかを解説していきます。
人間関係が原因の場合
人間関係が原因で辞めた場合、そのまま伝えてしまうと悪印象となるので注意してください。
そのまま伝えると「コミュニケーションが苦手」という印象を与えてしまうので、「前職では一人で看護業務を行うことが多かったが、チームで協力して仕事をしたい」などと伝えると良いでしょう。
他にも、人間関係には言及せず「スキルアップしたい」などとプラスに言い換えることも検討しましょう。
ライフイベントが原因の場合
結婚や出産などのライフイベントが原因で離職した場合は、「安定して出勤できる」旨をアピールすると良いでしょう。
家族の協力があり、子どもが体調不良になっても出勤できる点などを伝えておくと、採用担当者も安心できます。
また、「子育てと両立しながら自身の看護スキルを活かして働きたい」という熱意を伝えることも重要です。
待遇が原因の場合
医療機関の中には、残業時間が長かったり待遇が良くない職場も多いです。
しかし、待遇に関する不満を直接伝えると「また同じ理由で辞める」という悪印象を与えてしまうので、伝え方を考える必要があります。
例えば、「職務以外の時間もしっかりと確保して自己学習の時間に充てたい」「職務以外でも自己研鑽を積みたい」など、成長する意欲を持っていることをアピールすると良いでしょう。
スキルアップが原因の場合
スキルアップやキャリアアップはポジティブな転職理由ではありますが、多くの方が利用する理由なので差別化する必要があります。
漠然とスキルアップと伝えても信憑性が薄いので、職場の情報を調べた上で「貴院の理念や看護方針を拝見し、私の理想としている看護観を実践していることに感銘を受けました。また〇〇の分野において専門的に学べる環境にも魅力を感じ、志望しました。」などと伝えると良いでしょう。
また、自らも主体的に「〇〇について学んでいきたい!」という前向きな姿勢を示すと好印象です。
健康が原因の場合
ケガや病気が原因で辞めた場合は、正直に伝えた方が良いでしょう。
ケガや病気を隠した状態で内定をもらって入職後に伝えると、「もっと早く言ってくれよ」となるためです。
そのため、健康が理由で離職した場合は「現在通院しているかどうか」なども含めて、正直に伝えることをおすすめします。
職務経歴書の書き方について、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご参照ください。
転職を繰り返す看護師の特徴
続いて、転職回数が多い人の特徴について紹介していきます。
もし該当する項目があれば、改善することで転職を繰り返さないようにすることができるでしょう。
理想が高い
転職を繰り返す最も大きな理由としては、求めていることが多く理想が高いという点が挙げられます。
理想を持って転職の軸を持っていることは良いことですが、軸が多すぎると常に不満を抱えてしまいます。
理想が高すぎると、現実とのギャップを感じて仕事が嫌になってしまうので、転職を繰り返してしまうのです。
凝り固まった考えを持っている
看護師は、予定通り・マニュアル通りに仕事を進めるよりも柔軟に対応する場面の方が多いです。
そのため、凝り固まった考えを持っていると仕事で臨機応変に対応できず、「自分には向いていない」と感じてしまいがちです。
固定観念を持つと柔軟性を失ってしまうので、とにかく現場経験を積んで「いろいろなことが起こりうる」ことを学びましょう。
過去の転職を後悔している
全ての転職が成功するとは限らず、以前の職場に未練が残っている方もいるでしょう。
前職よりも給料が低かったりすると、今の職場を辞めたくなってしまうため、その結果として転職を繰り返してしまう悪循環に陥るケースも有ります。
もし「前の職場の方が良かった」と考えていたとしても、過ぎたことを振り返っても仕方がない以上、現在の職場の長所を見つける方が建設的です。
転職回数が多い原因がわかっていない
「なぜ転職を繰り返してしまうのか」を客観的に理解できていないと、当然のことながら同じことを繰り返してしまいます。
過去に転職に至った理由や動機を整理して、自分の価値観を見つめ直すことが重要です。
これまでのキャリアを振り返ってみて、自分が何を求めているのかを整理すれば、長く働ける職場に巡り合えるでしょう。
職場のリサーチが不十分
転職先のリサーチが不十分だと、自分との相性が悪い職場に転職してしまうリスクが高くなります。
ミスマッチを防ぐためにも、応募を検討している職場の情報収集を行うことは非常に重要です。
必要であれば職場見学をするなど、自身の価値観と合っているかどうかを確認して、心地よく働けそうかどうかをイメージしましょう。
自分の転職軸が曖昧
自分の転職軸が曖昧だと、妥協点が多く転職先に満足できない可能性が高くなります。
自分の中で譲れない条件を決めておき、また優先順位を付けておくとミスマッチを防げるでしょう。
職場に何を求めているのか、どのような理由で転職を検討しているのかを振り返り、軸を作ることが重要です。
看護師転職が癖になっている場合
続いて、転職が癖になっている場合の対処法を解説していきます。
伝え方次第で転職回数が多いことは転職のハンデになりませんが、転職はむやみにするべきではありません。
仕事以外を充実させる
仕事以外のプライベートを充実させることで、結果的に仕事においても良い影響をもたらしてくれる可能性があります。
休日に何もせずにただ寝ているだけだと、仕事へのモチベーションが湧かないのは仕方のないことです。
熱中できる趣味を見つけたり、ストレスが発散できる趣味を日常生活に取り入れれば、心身ともに健康的な日々を送れるでしょう。
誰かに相談する
信頼できる同僚や友人と仕事の相談をすることで、悩みが解決できる可能性があります。
一人で不満や悩みを抱えていると、冷静な判断ができずに感情的にやめてしまうことがあるので、誰かに相談することは有意義です。
また、仕事関連の相談も重要ですが、雑談をしたりリフレッシュすることでもストレスが軽くなる効果が期待できます。
いったん粘ってみる
退職に心が傾いていても、いったん粘ってみることも重要です。
粘らずに嫌になったらすぐにやめてしまうと「辞め癖」が身についてしまうので、その後も転職を繰り返すことになってしまいます。
無駄に転職を繰り返すのを防ぐためにも、同僚と相談したりして上手にストレスを解消しながら、無理のない範囲で頑張ってみましょう。
看護師の転職回数に関するQ&A
続いて、看護師の転職回数に関するよくあるQ&Aを紹介していきます。
転職回数は偽っても良いか
転職回数は、履歴書に書かなければ簡単に偽ることが可能です。また、偽ること自体は法律に違反するわけではありません。
しかし、噂などで職歴を偽っていることが発覚すると、職場の人に不信感を抱かれてしまいますし、職場によっては懲戒処分や解雇につながるケースもあります。
そのため、転職回数については正直に履歴書に記載し、偽ることはやめましょう。
転職回数が多いと再就職しづらいのか
転職回数が多すぎると悪印象を持たれることが多いので、転職しづらくなってしまう恐れがあります。
しかし、伝え方を工夫すれば大きな問題にはならないでしょう。
転職回数が少ないに越したことはありませんが、転職回数の多さを深刻に考える必要はありません。
看護師の転職におすすめの転職サイト3選
次に、看護師の転職におすすめな転職サイトを紹介していきます。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
※画像出典:公式サイトより抜粋
相談のしやすい看護師転職サイトNo.1
求人数は日本最大級の15万件以上
LINEでも相談可能
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)は、看護師転職サイトを対象とした株式会社エクスクリエのインターネット調査で、相談のしやすさNo.1に選ばれており、信頼度とサービスの質の高さを備えたサービスと言えます。
求人数が15万件以上(2024年10月時点)と非常に多く、対応施設も総合病院からクリニックまで幅広く用意しているので、ニーズに合う求人を見つけられるでしょう。
さらに、対応診療科目も内科、外科、心療内科、美容皮膚科などがあるので、専門性を磨きたいと考えている方におすすめです。
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)
※画像出典:ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)公式サイト
求人数20万件以上で業界最大級
累計100万人以上の看護師が利用
キャリアパートナーは看護師専門、地域専任
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)は、累計利用者が100万人以上を誇り、オリコン顧客満足度も3年連続No.1という信頼できる転職サービスです。
出典:2025年 オリコン顧客満足度®調査 看護師転職
人気とサービスの質が高いサービスなので、看護師転職を目指す場合は登録しておくと良いでしょう。
求人数は20万件以上取り扱っており、対応施設も病院からクリニック、企業、学校など幅広いので、自分のニーズに合う転職先を見つけることができるでしょう。
マイナビ看護
※画像出典:マイナビ看護師公式サイト
大手人材紹介会社のマイナビが運営
看護師の転職サイト認知度No.1
求人数は80,000件以上
マイナビ看護師は看護師の転職サイト認知度No.1に輝いた、実績ある転職サイトです。
出典:看護師を対象とした人材紹介サービス14ブランドにおける調査結果(GMOリサーチ株式会社)(2021年7月)
独占求人を含め約80,000件の求人数があり、様々な求人情報から自分に合っている職場を探せるでしょう。
内科などの代表的な診療科はもちろん、スポーツ整形外科や血液内科などの専門的な診療科目の求人もあり、パートやアルバイトなどの雇用形態からも絞れる点が魅力です。
一人で転職活動をするのはダメ?
転職サイトを登録せずに一人で転職活動を進めるという手もありますが、基本的にはおすすめしません。
一人で進める場合は、当然のことながら情報収集や応募書類の作成、面接対策などもすべて一人で行う必要があり、どうしても効率が悪くなってしまいます。
転職サイトを利用すれば情報収集をエージェントからもらうことができる上に、応募書類の添削や面接対策も行ってくれます。
転職サイトによってはLINEで求人情報を提供してくれるので、忙しい方にとって非常に心強い存在となります。
再就職先を探したり志望動機を考えるのは手間と時間がかかってしまうことから、一人で進めるのではなく、本記事で紹介した転職サイトの利用を検討すると良いでしょう。
看護師の転職回数まとめ
看護師の平均転職回数を見ると、看護師の半数以上が転職を経験している
転職理由も人それぞれだが、人間関係や待遇面での不満が多い
志望動機をしっかりと考えておけば、大きな不利にはならない
転職のコツを掴んで魅力的なアピールができるようにしよう
無駄に転職を繰り返すと悪印象を与えてしまうので、基本的には何回も転職をしないことをおすすめします。
しかし、魅力的な志望動機を伝えれば大きな不利を被ることは無いので、年齢に応じて自身の価値をアピールしていきましょう。
また、必要に応じて本記事で紹介した転職サイトを利用し、ミスマッチの無い転職を進めてください!
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。