【2025年】看護師の将来性は?仕事内容や今後の需要・取得がおすすめの資格まで紹介
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
「看護師の将来性について知りたい!」
このような疑問をお持ちの看護師の方も多いのではないでしょうか?
高齢化が深刻な日本において看護師は社会的に重要な役割を果たしており、需要は常にあります。
これからも需要が無くなる可能性は低いので、将来性に関しては申し分ないと言えるでしょう。
こちらの記事では、看護師の仕事内容や将来性、これからの展望について解説していくので、ぜひ参考にして下さい!
高齢化社会が進む日本では常に需要がある
看護師は高齢者を支える重要な存在
将来性の高い資格を取得すると、自身の市場価値は高まる
将来的に看護師の需要は高まり続ける
看護師は社会に無くてはならない存在なので、常に需要はあります。
また、高齢になると医療機関にかかる頻度も高くなることから、高齢化が進んでいる日本においては将来性も高いと言えます。
これから高まる高齢者の比率
2019年に内閣府が発表した「高齢社会白書」によると、2030年に日本の総人口(1億1900万人)の約3分の1にあたる約3700万人が65歳以上の高齢者になると言われています。
その後も、総人口が減っていくのに対して高齢者の総数はしばらく減ることがないので、2065年まで見ても高齢者の占める割合は増えると予測されています。
一般的に、高齢になるほど運動機能が低下して怪我のリスクが高まり、また免疫が下がり疾病に罹患する確率が高まるので、高齢化が進むほど看護師が求められる場面は増えるでしょう。
例えば慢性疾患や認知症などのケアやリハビリテーション、在宅ケアなどにおいて、看護師が必要とされる場面が出てきます。
高齢者看護のニーズは年々高まっている
高齢化社会の進展に伴って、老人ホームや訪問看護サービスの利用者が増えて看護師のニーズも高まっており、病院においても高齢者の入院患者に対して適切な医療を提供するなどの対応が問題の1つになっています。
例えば、認知症が進んで判断力が衰えている患者や、着替えや食事の仕方が分からなくなる患者の生活介助には大きな負担が伴います。
本来であれば、ゆとりをもって患者に関わっていく必要があるのですが、看護師は慢性的な人手不足の状況にあるので、ゆとりを持って対応することがなかなか難しいのが実情です。
患者の高齢化に備えた看護師の人材確保は早急に取り組む必要があり、看護師の人手不足を解消するための取り組みを進めることが今後の大きな課題になることは間違いありません。
また、看護師の人材確保だけでなく、労働環境の改善や働き方の柔軟化などを通じて業務負荷を軽減し、質の高いケアが提供できる環境を整えることも求められています。高齢者看護に特化した教育プログラムや研修の充実も必要であり、看護師の専門性向上を支援することも大切でしょう。
看護師は高齢者を支える重要な存在
高齢者を適切にケアをするためには、介護だけでなく医療分野での人材確保も欠かせません。
特に、高齢になると何かしらの持病を持つ方が多く、安心して生活するために高い専門知識を有している医師と看護師の需要は高まっています。
そのため、病院や診療所などの医療機関は当然ですが、老人ホームや在宅などの介護がメインの業界においても看護師の必要性が重視されるようになってきました。高齢化が進む日本において看護師は貴重な存在と言えます。
訪問看護に限らず、訪問入浴サービスでも看護師が同行し、入浴中の利用者の容態の急変に対応したり、入浴後の褥瘡処置などの医療処置を行ったりするなど、在宅療養における看護師の役割は大きいです。
また高齢者の健康状態を維持するために、看護師は予防医療の重要な役割も果たしています。定期的な健康チェックや予防接種の実施、健康情報の提供などを通じて、高齢者の生活の質を保つ役割も担っています。
身体的なケアだけでなく、心理的なサポートも行い、高齢者の孤独感や不安を軽減する役割もあり、看護師の存在は、高齢者にとって心身の健康を維持し、充実した生活を送るために不可欠なものと言えます。
つまり、看護師は高齢社会を支える重要な存在であり、将来性を不安に思う必要性は低いと言えます。
他職種と比較した看護師の将来性
有効求人倍率とは、求職者一人当たりにどのくらいの求人が存在するかを示す指標で、雇用動向や景気動向を反映する重要な指標の1つです。
2022年の看護師・准看護師の有効求人倍率は2.0倍を超えています。求職者と求人数が同じであると求人倍率は1.0なので、看護師は2倍以上の求人があることが分かります。
2022年の全職種の有効求人倍率は1.19倍で、営業職は1.64倍、事務職は0.34倍という数値でしたので、看護師は売り手市場であると言えるでしょう。
介護サービスの有効求人倍率は3.99倍と看護師よりも高いですが、それでも看護師は「1人当たり2件以上の仕事がある」状況なので、将来性に関しては申し分ないでしょう。
看護専門外来は増加傾向
本来であれば、看護師の役割は「医師の指示に基づき医療行為を行う」「療養上の世話を行う」ことです。
しかし、近年は医療現場の人手不足の状況もあり、看護師に認められる医療行為の範囲は広がりつつあります。
実際に、医師のいない看護専門外来を創設する医療機関も増えていますが、看護専門外来には専門的な医学知識を持つ看護師が勤務しており、患者の相談内容を聞いた上で必要なアドバイスを行っています。
このように、看護師が活躍するフィールドは広がっていることから、今後看護師が果たしていく役割は大きくなっていくでしょう。
小規模な病院や地方の病院で人手不足が深刻
人口が集中している都市部の大病院は、看護師の数は十分に確保されています。一方で小規模な病院や地方の病院では人手不足が深刻になっているのが現状です。
人手が足りない病院では、現在働いている看護師の負担が大きくなり、結果的に離職する人が増加し、さらに一人当たりの仕事量が増えてしまうという負の連鎖が起きています。
このような病院の人手不足はなかなか解消される見込みがなく、今後も小規模な病院や地方の病院では看護師の需要が高いことが予想されます。
看護師の需要があることは看護職にとっては望ましい状況ですが、地方病院における人手不足は社会的には非常に深刻な課題です。将来的には、問題解決に向けて慎重に取り組む必要があります。
学部学科の増設により看護師の数は増加
大学でも看護関連の学部や学科が増設され、看護師の数を増やそうとしています。
近年、看護系学部・学科は激増
大学の設置基準が緩和されたこともあり、看護系の学部学科を創設する大学が増えています。
看護系は専門的なスキルや知識を習得できるので就職に強く、看護系の学部学科を設けておけば学生を集めやすいというメリットが大学にもあるので、看護系学部・学科は増加傾向なのです。
日本看護系大学協議会の資料によれば、平成3年~平成30年にかけて看護系大学の数は25倍以上、定員も40倍になっていることから、看護人材の育成と輩出に力が入れられていることが分かるでしょう。
増えた看護師をカバーする看護体制
看護師が増えたことで「仕事の奪い合いになるのでは?」という懸念が指摘されていますが、実際には看護師に対する需要は高まっているので心配には及びません。
高齢化と共に看護師の活躍の場は広がっているので、仕事を奪い合うという構図は発生しないでしょう。
先述したように、看護師の活躍できる場所は病院やクリニックなどの医療機関だけでなく、介護関連施設や老人ホームなど多岐に渡るので、仕事にあぶれてしまうリスクはほとんどありません。
その他にも、保育園や保健所などでも看護師は活躍しているので、豊富な選択肢の中から自分に合う求人を選べるでしょう。
また、日本看護協会は看護体制の拡充を進めており、「入院患者の数に対して看護師の数が多いほど診療報酬が高くなる」というインセンティブのシステムを整備しました。
これにより、患者に対するケアを充実させつつ、看護師の業務負担の軽減と待遇改善効果が期待できるようになっています。
Alの発展やロボットの導入により役割が変化
近年はITの発達もあり、AIの発展やロボットの導入が進められています。
これにより、看護師の仕事にも様々な影響が出ています。
これから各業界に導入されるAI
看護師の仕事は、介護職と同様に身体的な負担も多いという特徴があります。
しかしながら、看護師の業務負担を軽減するためにAIの導入が進められており、様々な場面で看護職員を助けています。
例えば、介護分野に導入されたAIの事例を見てみると、介護職員が身体に装着して筋力以上の力を出せるようにする「装着型」をはじめ、入浴・排池の介助ロボットや認知症患者の徘徊を防止する見守りロボットなどがあります。
医療業界でも、手術支援型ロボットなど医療行為をサポートする様々なAIが導入されています。今後も開発は進んでいくため、看護師の業務負担が軽くなることが期待できるでしょう。
看護師の仕事内容はAI時代でも取って代わられない
ここで生まれるのが、「看護師の仕事はAIに奪われるの?」という疑問です。
結論からお伝えすると、看護師の仕事がAIに完全に奪われることはないと考えられています。
看護の世界では、患者をベッドからストレッチャーに移す際に看護師の身体的負担を軽減する「移動支援型ロボット」や、バイタルチェックを行うロボットが活躍しています。
AIは単純作業に関しては人間よりも圧倒的に効率よく作業をしてくれますが、人間の感情などを読み取り、コミュニケーションを取ることは難しいとされています。
グリーフケアなど、看護師の専門性やアセスメント能力が必要なコミュニケーション技術までもがAIに取って代わられる可能性は低く、AIがますます発達しても看護師の仕事が無くなる可能性は低いです。
今後AIは医療の現場の支えになる
先述したように、AIは単純作業や徘徊見守りなどは得意分野ですが、人の感情を読み取った上でコミュニケーションを取ることはできません。
AIには得意分野を任せることで看護業務の効率化が進められており、今後はAIと看護師で仕事の棲み分けが進んでいくでしょう。
つまり、看護師は本来の業務である「患者に寄り添うこと」に集中できるようになるので、AIを上手に活用している事業所では看護のサービスの質が高まることが予想されます。
今後AIは医療の現場の支えになるので、技術革新をプラスに捉えて自身のスキルを伸ばすことが重要と言えます。
将来性の高い資格を取得することがおすすめ
仕事が奪われることは無いとはいえ、スキルアップを目指す姿勢は非常に重要です。
こちらのトピックでは、将来性の高いおすすめ資格を紹介していきます。
認定看護師
認定看護師は看護師よりも専門性が高い看護師資格で、特定の看護分野において下記の役割を果たします。
個人、家族及び集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践する
看護実践を通して看護職に対し指導を行う
看護職等に対しコンサルテーションを行う
実務経験を経た上で認定試験に合格しないと資格を取得できませんが、取得できれば看護師としてのスキルを高められる価値ある資格です。
専門看護師
専門看護師は、認定看護師よりもさらに難易度が高い資格です。取得にあたって看護系の大学院で必要な単位を修得しなければなりません。
なお、専門看護分野において下記の役割を果たしています。
個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する
看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う
必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う
個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決を図る
看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす
専門知識及び技術の向上並びに開発を図るために実践の場における研究活動を行う
取得していれば自身の市場価値が大きく高まるので、看護系大学院修士課程修了者の方は目指してみる価値はあるでしょう。
助産師
助産師取得を取得していれば、医師の指示を受けることなく正常分娩の介助が行えます。
助産師は、出産や育児に関して母子の健康を支える重要な役割を果たしており、産婦人科分野の専門性を高めたい方にとって、取得を目指したい職種です。
助産院を開業できる強みもあることから、将来的な独立を検討している方にとっても魅力的な資格です。
保健師
保健師は保健所などに勤務し、地域住民の保健指導や健康管理、公衆衛生に関連した業務を行っています。特に、新型コロナウィルスの影響で、保健師の需要は高まっているのが現状です。
保健所や市役所で働く行政保健師が代表的ですが、企業において社員の健康相談を行う産業保健師としての働き方もあります。
他にも、小学校や中学校などで働く学校保健師もいます。保健師資格を取得していれば仕事の幅が一気に広がるでしょう。
専門実践教育訓練も活用しよう
上記で紹介した資格は、雇用保険給付の1つである「専門実践教育訓練」を通して資格を目指せる可能性があります。
専門実践教育訓練とは、資格を取得するためのスクールに通った際に受講費用の50%(年間上限40万円)が訓練受講中6ヶ月ごとに支給される制度です。
また、訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は受講費用の20%(年間上限16万円)が追加で支給されるので、自己負担を大きく抑えてスキルアップが狙えるので非常に魅力的です。
なお、専門実践教育訓練制度を利用できるのは、下記のいずれかに該当し厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練講座を修了する見込みで受講している方です。
専門実践教育訓練の受講開始日に雇用保険の被保険者で、3年(初めて教育訓練給付金を受給する場合は2年)以上雇用保険に加入している
受講開始日に被保険者でない方で、受講開始日が離職日の翌日以降1年以内で、かう雇用保険に3年(初めて教育訓練給付金を受給する場合は2年)以上加入していた方
国が用意している非常にお得な制度なので、要件に該当しそうな方はハローワークで相談の上、利用を検討しましょう。
将来性の高い職種・職場を探せる転職サイト
最後に、転職を考えている看護師の方におすすめの転職サイトを3つ紹介していきます。
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この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。