看護師の病院以外の職場おすすめ17選|転職先ごとの収入や人気の理由まで徹底解説
更新日時 2024/09/07
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
「病院以外で看護師が働く場所ってあるのかな?」
「病院から転職したいんだけど、どんな職場がいいの?」
病院で看護師として働く方の中には、病院以外の職場に就職・転職したい方も少なくないでしょう。
そこで、この記事では看護師の方が病院以外で働く場所としておすすめの職場を徹底紹介します。
現在、転職を考えている看護師の方はぜひ参考にしてみてください!
- 看護師が病院以外で働ける職場はたくさんある
- 新卒の看護師は病院に就職するのがおすすめ
- 病院以外に転職すると、給与が下がることが多い
看護師の病院以外の勤務先
病院で働いているイメージの強い看護師ですが、看護師の勤務先はどのようなものがあるのでしょうか。
看護師の勤務先 | 割合 |
---|---|
病院 | 69.0% |
診療所 | 13.2% |
助産所 | 0.0% |
訪問看護ステーション | 4.9% |
介護保険施設等 | 7.9% |
社会福祉施設 | 1.7% |
保健所 | 0.1% |
都道府県 | 0.2% |
市区町村 | 0.6% |
事業所 | 0.4% |
看護師等学校養成所または研究機関 | 1.4% |
その他 | 0.7% |
参考:厚生労働省「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
上の表は厚生労働省による令和2年度の調査でわかった看護師の勤務先です。
やはり1番多い勤務先は病院の69.0%で約7割の看護師は病院で勤務していることが分かります。
続いて2位は診療所(13.2%)、3位は介護保険施設等(7.9%)、4位は訪問看護ステーション(4.9%)と、病院以外で働く看護師も少なからずいることが分かります。
また他にも看護師等学校養成所または研究機関(1.4%)や、市区町村(0.6%)など患者さん相手ではない仕事に従事する看護師もいます。
常勤ナースの勤務先 | 割合 |
---|---|
病院 | 72.2% |
診療所 | 11.5% |
助産所 | 0.0% |
訪問看護ステーション | 4.6% |
介護保険施設等 | 7.1% |
社会福祉施設 | 1.6% |
保健所 | 0.1% |
都道府県 | 0.1% |
市区町村 | 0.4% |
事業所 | 0.4% |
看護師等学校養成所または研究機関 | 1.4% |
その他 | 0.6% |
参考:厚生労働省「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
また常勤看護師に限っても、病院に勤める看護師が多いどころか、看護師全体と比べてもその割合は高いことが分かります。
病院で働くことの多い常勤看護師ですが、診療所や訪問看護ステーション、介護保険施設等など幅広く選択肢が残されているようです。
病院以外における看護師の平均給料
<看護師全体の平均給料>
年収 | 月収 |
---|---|
508.1万円 | 35.2万円 |
看護師の転職においては、給与額と夜勤の有無が重要になります。
そこで、病院以外での看護師の主な勤務先について、平均給与と夜勤についてを一覧にまとめました。
職種 | 平均年収(目安) |
---|---|
美容クリニック | 約500〜600万円 |
私立保育園 | 約408万円(※1) |
公立保育園 | 約476万円(※1) |
訪問看護 | 約450~500万円(※2) |
産業看護師 | 約450万円~500万円 |
介護施設 | 約449万円(※3) |
治験コーディネーター(CRC) | 約459万円(※4) |
障害者福祉施設 | 約300〜500万円 |
医療機器メーカー(フィールドナース) | 約400~550万円 |
健診センター | 約300万円~450万円 |
※1:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果
※2:日本看護協会「訪問看護実態調査 報告書(2014年)」
看護師の年収に関するより詳しい情報は以下の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。
【2024年最新】看護師の平均年収はいくら?手取りや初任給・年収アップの方法まで解説
看護師の病院以外の人気職場
看護師が働く場所としては病院が人気ではあるものの、他にも多くの職場があります。
この見出しでは、病院以外で看護師が働く場所をご紹介します。
美容クリニック
- 電話受付
- 予約管理
- カウンセリング
- 注射・施術
- 患者のアフターケア
美容クリニックでの看護師の仕事内容は、電話受付、予約管理、患者さんの悩みや希望に関するカウンセリング、注射、専用機器での施術、患者さんのアフターケアなどです。
美容整形を行う美容外科クリニックの場合は、手術の補助も行います。
美容クリニックは看護師の求人が多いため、転職先での給与アップを目指している方は、ぜひチェックしてみてください。
【美容看護師向け】美容クリニックへの転職におすすめの転職サイト・エージェント8選
メリット
美容クリニックは、一般的な病院と比較すると給与が高いことが特徴です。
美容クリニックでは、顧客対応が重要視されることが多いため、コミュニケーション能力を磨くことができます。
また美容分野に特化した医療技術を学ぶことでスキルアップする可能性もあります。
デメリット
一般的な医療よりも専門性が高くなるため、他の職種への転職が難しくなるというデメリットも考えられます。
保育園・幼稚園
- 検温による乳幼児の体調管理
- ケガをしてしまった園児への応急措置
- アレルギー持ちの園児へのケアや投薬
- 保育園で行う身体測定、健康診断、歯科検診の補助
- 職員の健康管理
- 手洗い・うがいなどの衛生指導
保育園や幼稚園に勤務する看護師の仕事は、主に子供の健康管理です。また、保護者とのコミュニケーションや相談業務もあります。
保育園で働く看護師の仕事内容は?園内の役割や通常のナースとの違いを解説
メリット
保育園・幼稚園では医療行為を行うことがほとんどありません。その点で、保育園に勤務する看護師は負担が少ないことがメリットだと言えます。
また、夜勤や残業が他の職場に比べて少ないことも特徴です。子どもたちと触れ合うことが好きで得意な方には、ぴったりの職場と言えるでしょう。
デメリット
幼い子供たちは感染症にかかるリスクが高く、園内でその対処に当たらなければならないことがあります。そのため自身が感染症にかかる可能性も高くなってしまいます。
また医療行為の機会が少ないため、自身のスキルが低下してしまい他の職場への転職が難しくなる可能性もあります。
訪問看護
- 利用者の自宅へ訪問
- 健康チェック・療養指導
- 医療処置
- 身体介護
- 医療機関と介護施設の調整役
訪問看護とは、自宅で療養している方のもとに看護師や介護士が訪問し、ケアを行うサービスのことです。
訪問看護では、主治医が作成する「訪問看護指示書」に基づいて、健康状態のチェック、療養指導、医療処置、身体介護などを行います。
また、利用者や家族の相談に乗ってアドバイスをすることも業務の一つです。訪問看護のスタッフは、利用者・家族・主治医の間を取り持つ架け橋のような存在です。
さらに、地域の病院や介護施設などとの連携をスムーズに行う調整役でもあります。
訪問看護の業務内容に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。
訪問看護はきつい?仕事が大変な理由から平均給料やつらくない職場の選び方まで解説
メリット
働く日数や時間は調整ができることが多いため、プライベートの時間が取りやすい仕事です。
また患者と一対一で密接に関わる業務であるため、やりがいを感じやすい環境とも言えるでしょう。
デメリット
訪問看護の仕事は夜勤があることは少ないものの、オンコールがあることが特徴です。夜間の業務を行う可能性は排除できないでしょう。
また患者の居住場所まで移動する必要があるため、その程度によっては負担を感じてしまう場合もあるでしょう。
一般企業勤務の産業看護師
- 社員の応急処置
- 社員の健康管理
- 社内での健康診断
- 社員のカウンセリング・メンタルヘルス対策
産業看護師とは、一般企業で働く看護師のことです。
働く場所は企業内の健康管理室や医務室ですが、総務部や人事部に所属することもあります。
産業看護師の仕事は、社員の急病やケガの応急処置をすることはもちろん、社員の健康管理やメンタルヘルス対策も重要な仕事です。
また、その他にも健康診断の対応、健康相談、産業医との連携も仕事に含まれます。
健康に問題がありそうな社員に対して面談を行い、保健指導や支援・対策を行うこともあります。
ただ、病院とは違い、企業によっては産業管理士を一人しか置かないこともある点には注意が必要です。
しかし、一般企業の社員の働き方を知ることができたり、幅広い職種の人々と関わることができたりする点は魅力だと言えます。
看護師の一般企業への転職については、こちらの記事でも詳しく解説しています。是非ご覧ください。
看護師が一般企業への転職に成功するには?求人探しのコツや実際の仕事内容を解説
介護施設
- バイタルチェック
- 口腔ケア
- 湿布を貼る
- ケガの処置
- カテーテルの準備
介護施設では、介護士と看護師が連携しながら入居者のサポートを行います。入居者のサポートは主に介護士の仕事であるものの、看護師は医療従事者の立場から入居者の健康を守っています。
介護施設で働く看護師は、主に入居者の健康管理や医療行為を行います。
医師からの指示や指導がない場合、看護師が医療行為をすることは医療法によって禁止されているため、介護施設でも、医師からの指示や指導により、投薬、採血、点滴などの医療行為を行います。
なお、高齢者の人口は増加しているため、介護施設や高齢者向け施設での看護師の需要は今後高まっていくでしょう。
体力的な負担も少ないため、介護施設は、ブランクのある方が働く場所としておすすめです。
より詳しい業務内容に関しては、こちらの記事で紹介しています。
介護施設での看護師の役割・仕事内容|給料や病院との違い・働くメリットまで徹底解説
なお、学研ココファンの介護施設では、一緒に働く看護師の方を随時募集しております。
自分にあった働き方ができる求人や、時給2,000円以上の職場など、2,000件以上をご紹介しておりますので、是非チェックしてみてください。
治験コーディネーター(CRC)
- 治験に参加する被験者への説明補助
- 被験者のケアや相談対応
- 治験をする医師への連絡
- 検査・投薬スケジュールの調整
治験コーディネーターの具体的な仕事内容には、このようなものがあります。
製薬会社は、新薬を開発する際の最終段階で人体への有効性や安全性を確認するために「臨床実験(=治験)」を行います。治験コーディネーターとは、治験の調整役のことです。
治験コーディネーターは英語で「ClinicalResearchCoordinator」であるため、略してCRCと呼ばれています。
治験コーディネーターの仕事は、看護師や医師と比較すると責任が異なるため、給与は看護師と比較するとやや低いと言えます。
また、夜勤がありませんので、看護師から転職する際は、収入が下がる可能性が高い点に注意が必要です。
障害者福祉施設
- 健康状況の把握・記録
- 健康相談
- 常用薬の準備
- 定期健診
- 処方箋の受取り
障害者福祉施設とは、障害者の方が各種障害福祉サービスを受けられる施設です。このような施設では、医師、理学療法士、作業療法士と連携を取りながら、入居者や通所者のケアを行っています。
障害者福祉施設に転職すると、施設のサービス管理責任者を任されることもあります。転職後にキャリアアップを希望する方におすすめです。
障害者施設での介護はきつい?仕事内容や疲れたと感じる時の対処法を紹介!
医療機器メーカー(フィールドナース)
- 自社製品のプレゼンテーション
- 医療機器のデモンストレーション
- 製品を納品後のアフターフォロー
フィールドナースとは、医療機器メーカーなどに勤務し、自社製品の営業やサービスのサポートをする職業です。
企業によっては、クリニカルコーディネーター、クリニカルスペシャリストとも呼ばれます。
フィールドナースは企業に勤める会社員であるため、夜勤がありません。また、企業にもよりますが、一般的には休日は土日です。そのため、プライベートの時間を充実させやすい点がメリットです。
フィールドナースは一般企業の会社員ですので、給与面は他の社員と同じく、業績を上げれば昇給できます。
また、リーダーやマネージャーになれば、さらに給与がアップする可能性があります。
健診センター
- 問診
- 採血
- 身長・体重測定
- 身体機能検査
- がん検査補助
健診センターとは、健康診断や人間ドックを行う場所です。
健診センターでは採血のスキルや経験を求められます。健診センターに来る人のほとんどに検査項目として採血が設けられています。
そのため、1日に100人以上の採血を黙々とこなすという現場も少なくありません。採血が苦手な人にとっては、健診センターでの採用は難しいでしょう。
健診センターの看護師を辞めたい理由8選|クレームや人間関係に困った時の対処法とは
病院以外の珍しい職場
ここまでご紹介した職場以外でも、多くの職場で看護師が必要とされています。その中で、珍しい職場をご紹介します。
ツアーナース・イベントナース
- 団体旅行・イベントに同行
- 参加者に対する応急処置
- 幅広い病気・怪我への対応が必要
ツアーナース・イベントナースとは、団体旅行やイベントで、参加者が病気やケガをした場合に処置を行う仕事です。
ツアーナース・イベントナースは、どのような病気・ケガにも対応しなくてはなりません。
特定の病気に対応している病院の看護師よりも、幅広い知識が求められます。
そのため、応募条件として、臨床の経験年数が多い方や、小児科経験者を優遇するケースが多いです。
メリット
ツアーナース・イベントナースは単発派遣で働くため、自分の都合に合わせて働くことができます。
また、給料をもらいながらイベントに参加したり、旅行ができたりする点もメリットです。
単発の仕事なので、他の仕事と兼業することもできます。また、転職活動の合間に働くことができるのも便利な点です。
デメリット
ツアーナース・イベントナースのデメリットは、収入が低いことです。
日給の相場は12,000円~15,000円です。残業代、宿泊手当は出ません。
そのため、拘束時間によっては、時給換算すると低くなってしまうこともあります。
また、天気や社会情勢によって、イベントやツアーが変更・中止されることがあり、仕事がキャンセルされることもあります。
そのため、ツアーナース・イベントナースは、収入面では不安定な仕事です。
自衛隊看護師
- 自衛隊関連の施設に勤務
- 自然災害時の被災者の救護
- 自衛隊病院における患者の看護
- 自衛官と技官で業務内容が異なる
自衛隊看護師とは、自衛隊の基地・駐屯地や自衛隊病院に勤務する看護師です。
自衛隊看護師は、自衛隊員はもちろん、自然災害が起きたときの被災者や、自衛隊病院に通う一般の患者にも看護をします。
自衛隊看護師には「自衛官」と「技官」があります。
「自衛官」は看護師としての仕事だけではなく、他の自衛隊員と同じように訓練を行ったり、災害時に派遣されたりします。
技官は看護師の仕事のみをする役職で、訓練などはありません。
自衛隊看護師の業務内容については、以下の記事で解説しています。
自衛隊看護師はきつい?仕事内容や給料、なり方から向いている人の特徴まで徹底解説
メリット
特別職国家公務員であるため、福利厚生が充実していることは大きなメリットです。
一般の病院で働く看護師よりもさまざまな手当があり、社会保険、退職金の面でも安心できます。
デメリット
自衛隊や自衛隊病院では全国転勤がある点はデメリットだと言えます。
また、自衛隊病院の病棟で働く場合には夜勤があります。
自衛官として働く場合には、看護の仕事だけではなく訓練もあることも知っておきましょう。
看護系技官
- 厚生労働省に公務員として勤務
- 看護サービス・公共福祉などの課題に取り組む
- 看護の仕事は基本的にしない
看護系技官とは厚生労働省に勤務している看護師です。看護の仕事をするのではなく、国家公務員として、看護サービス、公衆衛生、障害者・高齢者福祉などのあらゆる課題に取り組んでいます。
メリット
看護系技官は国家公務員です。そのため、給与や福利厚生がしっかりしている点は大きなメリットだと言えます。
また、夜勤がなく休日が土日祝日なので、プライベートの時間が安定して取れる点もメリットです。
看護系技官は国の医療のために働く仕事なので、大きなやりがいを感じられるところも魅力です。
デメリット
看護系技官は国家公務員なので、同じ部署にずっと所属するわけではなく、全国転勤を受け入れる必要があります。
一つの課題を研究し続けるのではなく、2~3年で異動しなければならない点はデメリットだと言えます。
新しい部署で必要な知識や仕事のやり方を覚え、数年後には異動するという生活を繰り返します。
刑務所看護師
- 健康管理
- 応急処置
- 健康診断
- 医療処置を行う場合も
刑務所看護師とは、刑務所で受刑者たちに看護をする仕事です。刑務所看護師は、勤務先が一般刑務所か医療刑務所かで仕事内容が異なります。
一般刑務所の受刑者は心身が健康であるため、看護師は受刑者の健康管理、急病・ケガへの対応、健康診断の補助などを行います。
医療刑務所の場合は、病気やケガを抱える受刑者に対し、点滴、注射、人工透析などを行います。
メリット
刑務所看護師は国家公務員なので、福利厚生がしっかりしている点がメリットです。
一般刑務所の場合は勤務時間が日勤のみで、休日は土日祝日なので、プライベートの時間が安定して取れます。
また、受刑者と直接話すことが禁止されているため、看護業務に集中できる点は、コミュニケーションが苦手な方にとってメリットでしょう。
デメリット
刑務所はアクセスがよくない場所にあることが多いため、車通勤が一般的です。車の運転が苦手な方にはデメリットでしょう。
特に、雪が降る地域の場合、冬の通勤は車の運転に自信がある方でも大変になってしまいます。
また、医療刑務所に勤務する場合は夜勤がある点にも注意が必要です。
トラベルナース(応援ナース)
- 全国各地の医療機関へ赴任
- 人材不足の職場への勤務
- 業務内容は職場により異なる
トラベルナースとは、看護師不足の病院や施設に期間限定で赴任する仕事です。
原則6ヶ月の契約期間を結びますが、契約期間が終わっても、勤務先の同意が得られれば、そのまま契約を更新できたり正職員になれたりすることもあります。
働く場所は、都市圏、北海道、離島、沖縄など全国のさまざまな場所です。
トラベルナースのメリットは、勤務先では一定期間のみ働くことから、人間関係に悩むことが少ないことです。また、給与が比較的高く、交通費や家賃を出してくれる職場もあります。
しかし、移動が多いため、家族がいる方にとっては難しい働き方です。
トラベルナースについて、こちらの記事で詳しく解説しています。
トラベルナース・応援ナースとは|給料やメリット・デメリット、求人について徹底解説
テーマパークの救護室
- 病人・ケガ人の一時的な看護
- 来園者の救護
- 救急車への来園者の引継ぎ
- 救護備品の管理
- データ入力
テーマパークなどの救護室も、看護師が働く場所の一つです。テーマパークでの仕事内容は、以下のとおりです。
テーマパークの注意点は、データ入力の業務でwordやexcelのスキルが必要とされる点です。休日については、土日に休むことは難しいでしょう。
また、勤務体系は時間制を取っているところが多いため、給与額は勤務する時間によって変わります。
メリットは、交通費や着替え手当、キャスト限定割引などがある点です。
病院以外のやりがいを感じる仕事
ここまで紹介した仕事の他にも、病院以外で看護師の資格を活かし、やりがいを感じながら働ける仕事があります。
衛生管理者
- 事業所の衛生管理
- 社員の健康管理
- 社員の保健指導
衛生管理者とは、企業などの事業所で衛生面を管理する仕事です。衛生管理者は、従業員が50人以上の事業所では必ず配置しなければならないため、衛星管理者の資格保持者は需要が高いと言えます。
看護師の場合、高卒なら3年以上、大卒・高等専門学校卒なら1年以上の実務経験があれば、衛生管理者の受験資格が得られます。
メリット
衛生管理者試験は受験資格を満たせば誰でも受験できるため、衛生管理者を取得しても、必ずしも就職・転職に役立つわけではありません。しかし、産業看護師に転職する場合は有利になる可能性が高いでしょう。
産業看護師は社員の健康管理や保健指導などが主な仕事ですので、衛生管理者の資格を持っていることで、経験者として評価されやすいのです。
デメリット
衛生管理者は、必ずしも衛生管理の仕事に従事するわけではありません。複数担当する業務の一つとして衛生管理を行うことが一般的ですので、一つの仕事に従事したい方には物足りないかもしれません。
また、企業によって夜勤の有無、残業の有無、給与額などの条件は異なります。
CRA(臨床開発モニター)
- 治験のサポート
- 症例データの収集
- 進捗状況の把握
- 治験内容の精査
CRA(臨床開発モニター)は、治験(臨床開発試験)がスムーズに進むようにサポートします。
治験とは、開発中の新薬の有効性や安全性を確かめるものです。CRA(臨床開発モニター)は、治験において、症例データの収集や、治験の進捗状況の把握、治験の内容に問題がないかをチェックする仕事です。
メリット
CRA(臨床開発モニター)は、CRC(治験コーディネーター)と同様に年間休日数が多い点がメリットだと言えます。
土日祝日に加えて大型連休もしっかりと休みが取れることが多いため、転職先として人気があります。
また昇給率が高く、転職後比較的早い段階で収入がアップする可能性が高いです。
デメリット
報告書など書類を作成することが多いため、書類作成の業務経験がない方には、業務が負担に感じることもあるでしょう。
また、残業が多いことや、全国への出張や、病院と病院を行き来することなど移動が多いことも負担になる点だと言えます。
医療ライター
- 雑誌や書籍などの媒体やウェブサイトの記事についての作成、監修。
看護師としての資格や経験が医療に関する記事を作成、監修する際に有効になると言えます。 医療ライターとしての仕事を得るためには、クラウドソーシングされた仕事を自身で探し出すか、出版社やウェブサイトの運営会社で働くことが考えられます。
看護師等養成所
- 看護師や准看護師を養成する専門学校や大学で勤務
- 講義・実習・進路相談
- 入試など学校運営に関する業務
看護師や准看護師を養成する学校では、当然看護師経験のある方が講師として勤務しています。
実習を担当する場合であれば、残業もほとんどないため、プライベートと両立して勤務することができます。
しかし、そもそも教員になるために看護師としての実務経験がある程度必要になるなど条件は厳しいです。
シップナース
- 海洋調査船やクルーズ客船などで、怪我をした人や病気の人への処置・手当て
シップナースは場合によっては数ヶ月単位での海の上での生活を強いられることになります。
また、そもそもクルーズ会社での看護師の不足がなければ募集されないので、採用のチャンスは多くはないと言えます。
献血ルーム
- 採血、検査
- 気分が悪くなった方の手当
献血ルームでも、看護師の力が求められます。
健診センターと同様、緊急の対応などはないため心身のプレッシャーを比較的感じずに働くことができるでしょう。
また、残業や夜勤もないためプライベートとの両立もしやすく働きやすい環境が手に入ると言えそうです。
一方で、その分給料が下がってしまうことには注意が必要です。
新卒なら病院勤務がおすすめ
新卒で看護師として就職する場合は、病院に就職することがおすすめです。病院以外の職場で看護師が募集される場合、臨床経験を問われることが一般的です。
そのため、臨床経験がない新卒は、病院以外の職場へ就職活動をしても採用されにくいのです。
病院以外の職場での勤務を希望する方も、まずは病院などの医療機関で臨床経験を積むことをおすすめします。
病院以外の職場へスムーズに転職するためには、最低3年は病院で経験を積んでからの方がよいでしょう。
新卒の看護師が就職する際の対策法を以下の記事でも解説しています。ぜひご覧ください。
看護師の面接の質問と対策|回答例や逆質問から新卒や転職などのケース別対策も紹介!
看護師が病院以外に転職する際の注意点
看護師が病院以外の職場に転職するにあたって、注意点が5つあります。
求人倍率が低く万全な対策が必須
病院以外の職場では、看護師の求人が多い職場・少ない職場がはっきり二つに分かれています。
求人が多い職場は、老人ホーム、介護施設、一般のクリニック、訪問看護ステーションなどです。一方、美容クリニック・産業看護師・保育園の求人は少ない傾向にあります。
人気の職種・職場へ転職することは難しいので、しっかり対策を取ることが必要です。
特に、企業での採用となる産業看護師は筆記試験があったり、数回の面接があったりします。
病院以外の職場への転職活動は一般的な看護師の転職活動とは異なりますので、希望の職場がどのような採用方法を取っているかをよく調べておきましょう。
給与は下がることが多い
先に紹介した表でわかるように、産業看護師・美容クリニックを除き、ほとんどの職場では病院看護師よりも年収が低くなります。
保育園は特に低いと言えます。保育士の年収が低いため、看護師であっても保育園勤務だと年収は転職前よりも下がってしまうでしょう。
そのため、病院以外の職場に転職したい場合には、どのくらい収入が減ってもよいか事前に決めておき、許容範囲内の職場へ転職活動することをおすすめします。
医療・看護以外の仕事も多い
病院以外の職場では、看護師は少人数であることが一般的です。また、病院以外の職場では、看護の仕事だけではなく、介助やクレーム処理など他の仕事も兼務することがよくあります。
人数が少ない中、そのような業務もこなさなければならない点は負担になるでしょう。
また、看護師が少人数なので希望の休みが取りにくく、身体的負担が多い点も注意が必要です。
消耗品・医療器具が病院ほど使えない
病院勤務後、病院以外の職場に転職した場合に戸惑うことの一つが、医療器具・消耗品が病院ほどには使えない点です。
病院とは違い、その職場特有のルールを守らなければならなかったり、間違った指示が出されたりすることがあり、病院で勤務経験がある方からするとギャップや抵抗を感じてしまうこともあります。
このような環境に対して柔軟に対応できたり、改善案を出したりできるかが、転職先を辞めてしまうかどうかの重要なポイントでしょう。
人間関係に悩む人も
病院では同僚や上司は医療従事者ですが、病院以外の職場では、同僚や上司は看護師などの医療従事者ばかりではありません。
病院以外の職場では、保育士、企業の一般社員、自治体の職員、ケアマネージャー、介護士など、さまざまな職業の人たちと連携して働くことになります。
その中で、他の職業の方との人間関係に悩む看護師の方は少なくありません。
病院での経験を基準に人と接するのではなく、相手の立場や相手の仕事を理解しようとする姿勢が大切です。
病院以外の転職にはエージェントの利用がおすすめ
看護師の転職には、転職サイトの中でもエージェントサービスが利用できます。転職サポートが手厚いサイトを選ぶのがおすすめです。
採用の傾向が分かる
転職エージェントは、求人を出している企業の内部事情に詳しいことが特徴です。
エージェントは自ら求人元に足を運び情報収集をしていることが多いため、情報の信頼性は高いのです。
HPだけではわからない職場の人間関係や、その企業に採用されやすい面接の仕方なども把握しています。
その他にも、わからないことはエージェントに頼めば転職希望の企業に確認してくれます。
そのため、年収、残業の有無、研修の充実度など、気になることは何でも質問可能です。
履歴書の添削・面接対策ができる
転職が初めての方は、履歴書の書き方や面接でのマナーなどがよくわからない方も多いでしょう。
転職エージェントでは、転職活動に必須なこれらの知識を一から教えてくれます。
また、エージェントは採用担当者に好印象を与える面接の仕方まで調べ上げているので、面接対策もバッチリできます。
なお、このサイトでも履歴書の書き方や面接の対策について紹介しています。ぜひご覧ください。
【例文付き】看護師の職務経歴書の書き方|テンプレート・見本や履歴書との違いも紹介
看護師の面接の質問と対策|回答例や逆質問から新卒や転職などのケース別対策も紹介!
おすすめの看護師転職エージェント
以下にご紹介する転職エージェントは、病院以外の求人情報も充実しています。
病院以外に転職したい方にもおすすめできるサイトです。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
- ともだちに勧めたいサービスランキング第1位を獲得
- 求人数は15万件以上で日本有数の充実度
- スキマ時間を使って転職相談ができる
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)は、累計利用者数が40万人を突破している人気の転職サイトです。
人材アウトソーシング事業・転職エージェント事業などを展開するレバレジーズ株式会社が行ったアンケートモニター調査では、レバウェル看護(旧:看護のお仕事)が「ともだちに勧めたいサービスランキング」で1位を獲得しています。
また、求人数は看護師転職エージェントの中では日本最大級の150,000件以上(2024年8月時点)です。
エージェントは企業に直接訪問して情報収集をし、それをもとに求人紹介をしているので、求人情報の質が高く利用者から評判を得ています。
エージェントには電話やメールだけではなくLINEでも相談できるため、スキマ時間を使って転職活動を進めることができます。
レバウェル看護を利用した方の口コミ
以下は、レバウェル看護を実際につかって転職をした人の口コミです。
今後のことも考え、長く働ける有料老人ホームへ転職したいと「レバウェル看護」で検索していて、とりあえず登録しました。施設看護の内容などはわかってはいましたが、実際に事業所によっても違うだろうし、ちょっと心配だと話すと、希望条件に合った事業所の、詳しい雰囲気や施設長さんの人柄なんかも詳しく教えてくれました。私のしつこい質問にも丁寧に答えて下さって参考になりました。これからはケアプランとか患者さんの総合的な環境を考えてあげられるサポートをしたいです。
レバウェル看護 転職成功事例
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)で求人をチェック!訪問看護の募集はよく見かけたのですが、訪問看護って1人で判断する機会が多いと聞くし、いつもの環境が変わる場所で看護ケアができるかなど色々不安もありました。そこで求人件数が多い「レバウェル看護」を使って探してみたんです。不安に思っていることを話すと、訪問看護の現場に見学に行かせてくれて、実際に仕事している看護師さんに質問などさせて頂けたんです。細かい部分まで直接、確認できたことで安心できました。事業所とのやりとりも代行してくれたので、50代でも転職を思ったより楽にできました。
レバウェル看護 転職成功事例
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)
引用元:ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)公式サイト
- 累計100万人以上の看護師が利用
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ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)は、2005年の創設以来、累計100万人以上の方が利用している人気のサービスです。
求人数は20万件以上で業界トップクラスであり、提供しているサービスのクオリティが非常に高い点も大きな魅力となっています。
転職サポートを行ってくれるキャリアパートナーが、専門知識を生かした的確なアドバイスを行ってくれるため、転職成功率を高めたい方や、信頼できる転職サービスを利用したい方に非常に適しているでしょう。
またナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)では、看護師専門・地域専任のキャリアパートナーが条件交渉もしてくれるので、できるだけ好条件で転職したい方にもおすすめです。
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)を利用した方の口コミ
以下は、ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)で転職した人の口コミです。
なかなか希望の職場を見つけられず落ち込んだ時も相談にのって下さいました。訪問診療なのか訪問看護なのか?というところで先方との食い違いがあったりもしましたが迷っていた一歩を踏み出すことができました。どうなるかわかりませんが頑張っていきたいと思います。ありがとうございました!
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク) ご利用者の声
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)で転職先を探す!色々希望や経歴を話していく中でとても向き合う姿勢を感じられ、気さくに話ができ、正直な気持ちを言うことができました。
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク) ご利用者の声
マイナビ看護師
- 大手人材紹介会社のマイナビ運営で安心
- 5年連続看護師の転職サイト認知度No.1
- 求人数は80,000件(独占求人を含む)以上と豊富
マイナビ看護師は、大手人材紹介会社のマイナビが運営している看護師転職サイトです。2024年時点で独占求人を含む80,000件以上の求人があります。
求人の内容は、一般企業、美容クリニック、介護施設などと幅広く、転職先は多くの選択肢から検討できます。
マイナビ看護師は、求人情報の読み方、履歴書の書き方など、転職活動の基本を一から教えてくれる丁寧なサポートが特徴です。
また、キャリアアドバイザーが求人を出している企業や医療機関に直接訪問し、職場の雰囲気や働きやすい環境かなどを情報収集しています。
キャリアアドバイザーへの相談は、電話、ネット、面談から選ぶことができるので、自分に合った方法で自由に転職活動ができます。
マイナビ看護師を利用した方の口コミ
以下は、実際にマイナビ看護師で病院以外に転職した方の口コミです。
マイナビを利用して本当に良かったです。他社2社に「ご自身を客観視してください」とまで言われ、年齢や経歴から希望する職種には就けないとされました。初めての電話面談で「プロです。お任せ下さい」と言って頂け、とても心強かったです。頼りになりました。キャリアアドバイザーの方、面接指導して下さったマイナビの皆様に心より感謝しております。お世話になりました。
マイナビ看護師の評判・口コミ
マイナビ看護で求人情報をチェック!年齢も近く、電話での会話も話しやすいため希望の条件や質問を伝えやすいと思いました。 以前転職したナースの方の経験の情報も提供して下さり具体的なイメージが浮かびやすかったです。
マイナビ看護師の評判・口コミ
リクルートエージェント
※画像出典:リクルートエージェント公式サイト
- 転職実績NO.1
- 非公開求人10万件以上!
- 異業種への転職に強い
リクルートエージェントは、2023年度の転職実績でNo.1を獲得している、高い知名度と実績を持つ転職サイトです。
医療機関以外にも一般企業など様々な業種の求人を取り扱っているため、看護師以外への転職も検討している方の強い味方となります。
業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが希望に合った求人を紹介してくれるのはもちろん、書類の添削、面接対策まで行ってくれます。
また、業界分析情報の提供などの充実した支援を行っているので、サービスの質も非常に高いと言えます。
リクルートエージェントで転職する!病院看護師への復帰は可能?
病院以外の職場に転職したあと、再び病院に転職を希望する看護師は少なくありません。
その理由は、主に以下の点にあると考えられます。
- 収入が予想以上に減ったため
- 仕事にやりがいを感じられないため
- スキルが低くなることが不安であるため、
- 他のスタッフとの人間関係が上手く行かなかったため
病院以外の職場での経験が、次の病院で役に立つと考えている方もいるでしょう。
しかし、病院の採用担当者は「病院以外の職場で勤務した経歴は看護師のキャリアのうちに入らない」と考えている人もいます。
そのため、病院以外の職場での勤務歴は、看護師としてのスキルアップ・キャリアアップには繋がりにくい場合もあります。
病院以外の勤務経験は、病院への転職自体には問題ありません。しかし、以前働いていた病院よりもよい条件での転職は難しい可能性が高いことを認識しておきましょう。
看護師の病院以外の職場についてまとめ
- 病院以外の職場は、夜勤なし・土日休みなどのメリットがある
- 病院以外に転職したいならエージェントを利用するのがおすすめ
- エージェントは、転職に役立つ情報提供、面接対策などもしてくれる
病院以外にも、看護師が活躍できる職場はたくさんあります。現在、看護師の仕事で悩んでいる方は、転職するのも方法の一つです。
転職には、転職エージェントの利用がおすすめです。希望の条件に当てはまる求人を提供してくれるのはもちろん、求人元の詳しい情報提供や、履歴書の書き方、面接対策、転職後のフォローまでしてくれます。
これを機に、ぜひ転職活動を始めてみてはいかがでしょうか。
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。