准看護師から正看護師になるには?働きながらなる方法や正看護師を目指す理由も解説

この記事は看護師に監修されています

看護師

城戸あき(しろと あき)

「准看護師から正看護師になる方法を知りたい!」

「准看護師から正看護師になるメリットを具体的に知りたい」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

正看護師は准看護師の上位資格です。待遇面でも、准看護師よりも正看護師のほうが恵まれているため、准看護師から正看護師にキャリアアップするメリットは大きいです。

こちらの記事では、准看護師から正看護師になる具体的な方法やメリットなどを解説します。

准看護師から正看護師を目指す方、看護の世界でのキャリア形成を検討している方に役立つ内容となっているので、最後までご覧ください。

准看護師から正看護師になることについてざっくり説明すると
  • 准看護師としての実務経験が7年あれば最短2年で国家資格の受験資格が得られる
  • 給料や求人が増える
  • 管理職へのキャリアアップに期待できる
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准看護師から正看護師になるには?

なるには?

ルートは主に3つ

准看護師から正看護師になる方法には、3通りあります。

全日制2年課程

1つ目は、看護専門学校・看護短期大学の全日制2年課程に通うルートです。こちらは、准看護師が最短で正看護師国家試験の受験資格を取得できるルートとなっています。

日中に通う必要があるため、医療の現場からは離れてしまいますが、勉強に余裕が持てます。

定時制3年課程

2つ目は、看護専門学校の定時制の3年課程コースです。授業の無い曜日や半日の授業の日があったりと働きながら正看護師を目指せます

定時制コースには、昼間定時制と夜間定時制があり、自分の都合に合わせて通うことが可能です。

また、最終学歴が中学校卒業の場合、全日制2年課程と定時制の3年課程では、准看護師の実務経験が3年以上必要となっています。

通信制2年課程

3つ目は、看護専門学校や看護短期大学に設置されている2年課程の通信制コースです。通信制の登校日数は2年間で50日以内の規定があり、余裕をもって仕事と勉強を両立できるでしょう。通信制は、准看護師としての実務経験が7年以上必要です。

最終学歴や、准看護師としての実務経験、経済事情によって、准看護師から正看護師になるための最適な方法が変わってきます。

経済的余裕があるなら全日制で最短で目指す

経済的に余裕のある場合は、全日制2年課程に通い、最短で正看護師を目指しても良いでしょう。正看護師になるためには、課題や実習記録の提出、看護師国家試験対策の勉強など、時間を確保して勉強していかなければいけません。

また、全日制は日中に通う必要があるため、一度職場から離れることが必須です。貯金や奨学金で学費や学校に通う間の生活費が用意できる場合はおすすめです。

働きながら目指すならば3年制の定時制が良い

働きながら正看護師を目指す場合は、3年課程の定時制が良いでしょう。しかし、働きながら学校に通うとなると、ハードスケジュールです。仕事と通学の両立はもちろん、学校の課題や看護師国家試験対策の勉強にも取り組む必要があります。

また、3年次には日中に実習、帰宅後に実習記録を記入する日々が続きます。実習は病院であるため、実習日には仕事を休む必要があるので、勤務調整など、勤務先の理解がなければ難しいでしょう。

7年間の実務経験があれば通信制でも良い

准看護師として7年間の実務経験がある場合は、2年課程の通信制がおすすめです。通信制コースは、座学に通信教材、実習は病院などで見学実習を行います。登校時には面接授業、事例検討は紙上の事例演習を行う特徴があります。

通信制の場合、登校日数は2年間で50日以内と定まっていることから、余裕をもって仕事と勉強のスケジュールをたてられるでしょう。

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正看護師になる方法

正看護師になるには、毎年2月に行われる国家試験を受けて合格する必要があります。正看護師は、厚生労働省が発行している看護師免許を取得した、国家資格の一つです。

合格率は90.8%(※2023年)と比較的高く、毎年90%前後で推移しています。しっかりと勉強していれば合格を目指せるでしょう。

准看護師から国家試験を受験した場合は、もし不合格でも准看護師としてそのまま働くことは可能です。

そのため、准看護師の資格を持っている人や、准看護師として働いている人は正看護師を目指して損はないです。

准看護師から正看護師になるには、職場の協力は必要です。職場によっては、資格取得を支援してくれるようなところもあるので、エージェントなどを使って、職場の情報をよく確認するのが良いでしょう。

准看護師から正看護師をめざす理由は?

准看護師の給料

准看護師から正看護師を目指す理由の多くに、正看護師になる方がメリット多いことです。

  • 准看護師よりも正看護師の方が給料が良い
  • 管理職を目指せる
  • 准看護師ではできないことがあること
  • キャリアアップのため

正看護師になると上記のようなメリットがあります。

給料を良くすることができる

准看護師は正看護師と比較して、給料水準が低くなっています。 また、求人数も正看護師より少ないことが分かっています。

准看護師 看護師
月収 29万6200円 35万1600円
賞与 62万7300円 86万2100円
年収 418万1700円 508万1300円

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

表を見てわかるように、准看護師の年収の約418万円に対して、正看護師の年収は約508万円と90万程高くなっています。

准看護師も正看護師と同様に夜勤がありますが、基本給や賞与の違いから年収に大きな差が生じるでしょう。

准看護師から正看護師になることで、給料アップにつながることは間違いないでしょう。

正看護師と准看護師の給料の違いの詳細な情報は、以下の記事で紹介しています。

正看護師と准看護師の給料の違いは?仕事内容やなり方も徹底解説

管理職になることができる

正看護師になれば、下記のような准看護師ではできないことができるようになります。

  • 自分の判断で看護業務を行える
  • 他の看護師に指示できる
  • 看護計画の立案が可能

看護計画の立案ができると、目の前の患者さんの状況を見て判断し、率先して最適な看護を提供できるため、看護師としてのやりがいに繋がります。頑張り次第では、管理職への昇進も可能です。

一方で、准看護師のままでは、実務経験の年数が増えたとしても、現場での仕事中心になってしまうことが多いでしょう。

そのため、管理職を目指したいと考えている方は、准看護師から正看護師を目指すのがいいでしょう。

キャリアアップにつながる

准看護師は正看護師の指示のもと動き、指示が無ければ看護を提供できません。そのため、役職への昇進が難しく、現場仕事中心となってしまいます。

正看護師の資格を取得すれば、保健師・助産師・専門看護師・認定看護師のような、さまざまな資格の取得に挑戦でき、キャリアプランにつながる可能性も高くなります。正看護師になると、キャリアプランを広げられたり、役職へのキャリアアップの道が開かれるでしょう。

認定看護師

認定看護師は、専門分化が進んでいる医療現場で、高い水準の看護を実践できると認められた看護師に付与される資格です。

認定看護師になるには、正看護師の実務経験が5年以上、600時間以上の認定看護師教育を受けて、認定看護師認定審査に合格することが条件です。合格後は、認定看護師としての活動と実績を積んでいき、5年ごとの資格更新が必要です。

専門看護師

専門看護師は、解決困難な看護問題を持った個人や家族、集団に対して水準の高い看護ケアを提供する、特定専門看護分野の知識と技術を深めた看護師です。

専門看護師になるには、正看護師の実務研修が通算5年以上あり(その内3年以上は認定看護分野の実務研修)、認定看護師教育機関の教育を修了して筆記試験の認定審査に合格することが条件です。合格後は、更新審査を行い、5年ごとに更新します。

上記のような、正看護師としての実務経験がないと、受験資格のない上位資格も存在しており、正看護師になることでキャリアアップや職種の幅が広がります。

看護師のキャリアアップに関する詳細な情報は、以下の記事で紹介しています。

看護師のキャリアアップとは?おすすめの資格やキャリアプランについても解説

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准看護師の資格はなくなる可能性も

准看護師は看護師不足を解消するための一時的な資格でした。また、日本看護協会では、正看護師資格との一本化に向けた取り組みを行っています。実際、准看護師養成校と入学者数は20年間で減少しており、求人数も減ってきています。

また、准看護師の養成定員の割合は、看護職全体のでわずか12%となっています。(※2022年時点)

しかし、准看護師は資格取得まで最短2年で、費用が比較的安いことや、働きながら資格の取得が可能なので、正看護師とは異なるメリットも存在します。

日本医師会では看護師が不足している医療現場においては、准看護師制度を維持した方が良いと意見が出ており、准看護師の必要性を訴えています。

日本看護協会と日本医師会の意見がわれているため、今すぐに准看護師の資格がなくなるわけではありませんが、今後なくなる可能性も十分にあることを理解しておきましょう。

正看護師と准看護師には違いはあるの?

では、正看護師と准看護師では、どのような違いがあるのでしょうか。

資格の違い

准看護師と正看護師の資格の違いは、看護師資格をどの機関が与えるかです。厚生労働大臣が発行する国家資格の正看護師に対して、准看護師は各都道府県知事による免許の発行です。

准看護師は最終学歴が中学校卒業で資格の取得が可能ですが、正看護師は高校卒業が必須です。

業務内容の違い

准看護師も正看護師も、基本的に業務内容は同じです。しかし実際には、仕事の方法や待遇面で大きな差が出てしまいます。

准看護師は、医師や看護師の指示なしでは仕事ができず、指示通りに動かなければいけません。一方で、正看護師は自己判断で看護業務を行えます。

また、准看護師は看護計画の立案も行えません。将来的に管理職への昇進や、保健師や助産師への転職を検討している場合は、今後を見据えて正看護師の資格を取ってみても良いでしょう。

求人数の違い

准看護師と正看護師の求人数にも違いがあります。病院の看護師の有効求人数は約8万人ですが、准看護師の有効求人数は約4,000人となっています。

そのため、准看護師としての就業数も年々減少しており、2010年の36.8万人に対して、2020年時点で28.5万人となっています。

基本的に正看護師と准看護師は、働ける場所にも特に違いはなく、病院・クリニック・診療所・一般企業など、さまざまな場所で准看護師が活躍しています。

一方で、医療の高度化や複雑化が進んだ関係で、正看護師と准看護師の一本化の声が出ていることはら、将来を見据えて正看護師のみ募集する企業が増えています。

准看護師の教育課程では現場で不十分なことも

日本看護協会によると准看護師の教育課程は、内容と時間が不十分だとしています。現在の日本は少子高齢化が進んでおり、下記のような看護師の独自の判断能力が求められる現場が増えています。

  • 複数の疾患を持った人
  • 複雑に絡み合う病態の理解を行う必要がある
  • 地域医療連携との調整
  • 在宅医療の提供

そのため、看護業務自体が複雑化している現状です。ただ、准看護師は、基礎知識や看護能力は身に付けていますが、医師や看護師などの指示なく患者さんに対して看護を行えません。独自の判断で必要な看護をする能力は十分と言えないでしょう。

准看護師から正看護師になる方がいい?

准看護師から正看護師

准看護師から正看護師になる場合は、看護専門学校のような養成施設に入って、教育を受ける必要があります。しかし、准看護師から正看護師になれば、給料面や業務での待遇が良くなることが多いです。

働きながら正看護師を目指す場合は、都道府県や各自治体の奨学金制度、勤務先の病院の補助制度が利用できるか確認しましょう。

また、准看護師から正看護師を目指しながら働く場合は、職場の理解も必要です。准看護師のキャリアアップに協力的な病院に転職するのも一つの手です。

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支援制度の活用をしよう

准看護師が看護師資格を取得するために利用できる奨学金制度を3つ紹介します。

  • 看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金
  • 各病院の奨学金
  • 看護師等修学資金の貸与制度

看護師学校養成所2年課程進学者に対する奨学金

日本看護協会は、准看護師の進学支援に取り組んでおり、看護師学校養成所2年課程(通信制)に進学する方に、経済的に支援しています。

  • 年間36万円または48万円(無利息・貸与型)
  • 貸与期間は在学中の1年間または2年間

無利息の貸与型のため、金利がかからない点が特徴です。限定条件もなく、就業先や住んでいる都道府県はどこでも大丈夫です。他の奨学金との併用も可能なので、経済的に余裕ができるでしょう。

学費や生計費としての貸与なので、在学中に掛かるさまざまな経費に活用可能です。

各病院の奨学金

勤務先の病院によって、国家試験合格後に働くという条件付きで、奨学金を貸与していることもあります。 例をあげると、日本赤十字社医療センターでは、看護師の育成・確保を目的に、年額60万円を上限奨学金制度を設けています。

また、奨学金の貸与期間と同じ期間働くことで、返済が免除されるケースもあるため、勤務先で確認してみましょう。 ただ、返済途中の退職は、残金を一括返済しなければいけない可能性もあります。病院で奨学金を借りる場合には注意しましょう。

看護師等修学資金の貸与制度

都道府県が実施する、看護師等修学資金の貸与制度もあります。例えば東京都では月額25,000円・50,000円・75,000円・100,000円から選択でき、正規の就業年数、奨学金を貸与してもらえます。無利子で借りられる点が特徴で、条件によっては返還の免除も受けられます。

一部の自治体では通信制の養成所が除外されている場合もありますが、教育課程は関係なく奨学金を貸与している自治体ががほとんどです。奨学金を検討している場合は、自分の住んでいる場所や勤務先の自治体の制度を確認してみましょう。

准看護師としての転職も視野に

准看護師から正看護師を目指す上で、キャリアアップや資格取得に協力的な職場に転職することも一つの手段です。

ここでは、准看護師におすすめの転職サイトをいくつかご紹介します。

レバウェル看護(旧:看護のお仕事)

レバウェル看護紹介画像

レバウェル看護の特徴
  • 求人数14万件は日本最大級
  • 職場訪問による詳細な情報
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レバウェル看護(旧:看護のお仕事)は、利用者からの評価が非常に高い看護系の転職サイトです。

年間4,000回以上の職場訪問によって職場の内部情報や人間関係など詳しく教えてくれます。

またLINEでの相談することもできるので、看護師資格を取得しようと勉強している時期や、仕事で忙しい時期でも、問題なく転職活動できるでしょう。

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ナース人材バンク

ナース人材バンク

引用元:ナース人材バンク公式サイト

ナース人材バンクの特徴
  • 年間10万人以上の看護師が利用
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  • 看護師専門、地域専任のキャリアパートナーが徹底支援

ナース人材バンクは、2005年の創設以来、年間10万人以上の看護師に活用されている看護系の転職サイトです。

キャリアパートナーが、今後のキャリアについての相談にも応じてくれるので、看護師になることを目指していることや、今後のキャリアをどのようにするべきかなど、考えることができるでしょう。

一度、自分のキャリアについて、専門家の意見も聞いて見つめ直したい方は、ぜひ相談してみてください。

ナース人材バンクで転職先を探す!

マイナビ看護師

マイナビ看護師

引用元:マイナビ看護師公式サイト

マイナビ看護師の特徴
  • 認知度の非常に高い転職サイト
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マイナビ看護師は、大手人材紹介会社のマイナビが手がける看護系の転職サイトです。

大手というだけあって、独占求人・非公開求人を含めて50,000件以上(2023年現在)という豊富な求人数を誇ります。

また病院に限らず、美容クリニックや一般企業、トラベルナースなど、多種多様な求人が掲載されていることも魅力的です。

准看護師からのキャリアアップではなく、今ある職場を変えて、人間関係が良いところに行きたい方や、給料アップを目指す方も、ぜひ相談してみてせていただきますのでください。

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働きながら正看護師を目指すのは難しい?

准看護師から正看護師を目指す場合、勤務先の協力があっても働きながら学校で学ぶのはかなり難しいことです。毎月160時間程度の労働(超過時間を除く)に加えて、学校に通学することは、かなり強い意志を持ち続けないと挫折してしまうでしょう。

ただ、働きながら正看護師になるのが難しいとは言え、諦める必要はありません。 全日制に通うことを検討して、准看護師として働いている間に貯蓄しておけば、学費や生活費で困ることも少ないでしょう。

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准看護師から正看護師についてまとめ

准看護師から正看護師になることについてのまとめ
  • 給料が良くなり、求人も豊富にある
  • 自己判断で看護業務が行えるため、やりがいが増す
  • 管理職になれる可能性が高まる
  • 転職先の幅が広がる

准看護師から正看護師になるには、最短2年の看護専門学校での勉強が必要です。准看護師として実務経験が7年あれば、通信制2年課程で国家試験受験の資格が得られます。

または、准看護師として3年働いていれば、2年過程の全日制、3年課程の定時制にも通えることが可能です。自分のライフスタイルや経済力に合った方法で正看護師を目指しましょう。

正看護師へのキャリアアップに理解のある職場に転職することで、より正看護師を目指しやすくなるでしょう。

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この記事は看護師に監修されています

看護師

城戸あき(しろと あき)

国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。

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