准看護師から正看護師になるには?働きながらなる方法や正看護師を目指す理由も解説
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
「准看護師から正看護師になる方法を知りたい!」
「准看護師から正看護師になるメリットを具体的に知りたい」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
正看護師は准看護師より業務範囲が広い資格です。待遇面でも、准看護師よりも正看護師のほうが恵まれていることもあるため、准看護師から正看護師にキャリアアップするメリットは大きいでしょう。
こちらの記事では、准看護師から正看護師になる具体的な方法やメリットなどを解説します。
准看護師から正看護師を目指す方、看護の世界でのキャリア形成を検討している方に役立つ内容となっているので、最後までご覧ください。
准看護師としての実務経験が7年あれば最短2年で国家資格の受験資格が得られる
給料や求人が増える
管理職へのキャリアアップに期待できる
准看護師から正看護師になるには?

そもそも正看護師と准看護師の違いは?
准看護師 | 正看護師 | |
|---|---|---|
資格 | 都道府県知事が発行 | 厚生労働大臣が発行する国家資格 |
取得までの最低年数 | 2年 | 3年 |
試験の合格率(2023年) | 98.2% | 90.8% |
業務内容 | 医師・看護師などの指示のもと行う | 自分の判断で看護業務が可能 |
平均年収 | 約407万円 | 約508万円 |
キャリアアップの選択肢 | 正看護師 | 保健師・助産師・特定看護師など様々 |
正看護師と准看護師では、業務範囲と権限に大きな違いがあります。
正看護師は、自己判断での看護業務や看護計画の立案、他のスタッフへの指示が可能で、より高度な医療行為を担当できます。
一方、准看護師は医師や正看護師の指示の下で業務を行う必要があり、独自の判断での看護行為には制限があります。
また、教育課程も異なり、正看護師は3年以上の専門教育を受けるのに対し、准看護師は2年間の教育課程となっています。
給与面でも差があり、正看護師は准看護師と比べて平気100万円程度年収が高くなります。
准看護師から正看護師になるには?
准看護師から正看護師になるためには、主に3つのルートがあります。
全日制2年課程
1つ目は、看護専門学校・看護短期大学の全日制2年課程に通うルートです。こちらは、最短で正看護師の資格を取得できるルートです。
看護専門学校や短期大学で、平日の昼間に授業を受けます。
入学条件は、准看護師の資格を持ち、高校卒業者であれば実務経験は不要です。中学卒業者の場合は3年以上の実務経験が必要となります。
授業料は学校によって異なりますが、2年間で総額150~200万円程度のところが多いです。
日中に通う必要があるため仕事との両立は難しく、医療の現場からは離れてしまいますが、勉強に余裕を持って取り組むことが出来ます。
卒業後の国家試験合格率も比較的高いコースです。
定時制3年課程
2つ目は、看護専門学校の定時制の3年課程コースです。
授業は主に夜間(17時以降)や土日に行われ、週3~5日の通学が必要です。
入学条件は全日制と同様で、高校卒業者は実務経験不要、中学卒業者は3年以上の実務経験が必要です。
授業料は3年間で総額120~180万円程度です。
実習は現在の勤務先で行える場合もあり、仕事との両立がしやすい環境が整っています。
また、多くの医療機関が就学支援制度を設けており、学費補助や勤務調整などのサポートを受けられる可能性があります。
通信制2年課程
3つ目は、看護専門学校や看護短期大学に設置されている、7年以上の実務経験を持つ准看護師が受講できる2年課程の通信制コースです。
自宅学習が中心で、スクリーニングは年間30日程度と最小限に抑えられており、仕事との両立がしやすいのが特徴です。
授業料は2年間で総額100~150万円程度で、3つのコースの中で最も経済的です。
レポート提出やインターネットを活用した学習システムで、自分のペースで学習を進められますが、長年の実務経験が必要なことや、自己学習の比重が大きいため、強い意志と計画的な学習が求められます。
実習は現在の勤務先で行える場合が多く、働きながら資格取得を目指せる理想的なコースと言えます。
働きながら正看護師を目指す方法
働きながら正看護師を目指すには、定時制3年課程か通信制2年課程を選択するのが一般的です。
定時制は夜間や土日に授業があり、週3〜5日の通学が必要です。
一方、通信制は7年以上の実務経験が必要ですが、スクーリングは年間30日程度で、自宅学習が中心となります。
どちらのコースも、多くの医療機関が就学支援制度を設けており、学費補助や勤務シフトの調整を受けられる可能性があります。実習は現在の勤務先で行える場合も多く、仕事を続けながら資格取得を目指せます。
ただし、仕事、学業、家庭の両立には、計画的な時間管理と周囲のサポートが不可欠です。
准看護師から正看護師を目指すメリットは?

参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
准看護師から正看護師を目指す理由としては、正看護師になる方がメリットが多いことがあげられます。
准看護師よりも正看護師の方が給料が良い
管理職を目指せる
准看護師ではできないことがあること
キャリアアップのため
正看護師になると上記のようなメリットがあります。
給料を良くすることができる
准看護師は正看護師と比較して、給料水準が低くなっています。また、求人数も正看護師より少ないことが分かっています。
准看護師 | 看護師 | |
|---|---|---|
月収 | 28万6800円 | 35万2100円 |
賞与 | 62万9500円 | 85万6500円 |
年収 | 407万1100円 | 508万1700円 |
表を見てわかるように、准看護師の年収の約407万円に対して、正看護師の年収は約508万円と100万程高くなっています。
准看護師も正看護師と同様に夜勤がありますが、基本給や賞与の違いから年収に大きな差が生じるでしょう。
准看護師から正看護師になることで、給料アップにつながることは間違いないでしょう。
正看護師と准看護師の給料の違いの詳細な情報は、以下の記事で紹介しています。
管理職になることができる
正看護師になれば、下記のような准看護師ではできないことができるようになります。
自分の判断で看護業務を行える
他の看護師に指示できる
看護計画の立案が可能
看護計画の立案ができると、目の前の患者さんの状況を見て判断し、率先して最適な看護を提供できるため、看護師としてのやりがいに繋がります。頑張り次第では、管理職への昇進も可能です。
一方で、准看護師のままでは、実務経験の年数が増えたとしても、現場での仕事中心になってしまうことが多いでしょう。
そのため、管理職を目指したいと考えている方は、准看護師から正看護師を目指すのがいいでしょう。
キャリアアップにつながる
准看護師は正看護師の指示のもと動き、指示が無ければ看護を提供できません。そのため、役職への昇進が難しく、現場仕事中心となってしまいます。
正看護師の資格を取得すれば、保健師・助産師・専門看護師・認定看護師のような、さまざまな資格の取得に挑戦でき、キャリアプランにつながる可能性も高くなります。正看護師になると、キャリアプランを広げられたり、役職へのキャリアアップの道が開かれるでしょう。
認定看護師
認定看護師は、専門分化が進んでいる医療現場で、高い水準の看護を実践できると認められた看護師に付与される資格です。
認定看護師になるには、正看護師の実務経験が5年以上、600時間以上の認定看護師教育を受けて、認定看護師認定審査に合格することが条件です。合格後は、認定看護師としての活動と実績を積んでいき、5年ごとの資格更新が必要です。
専門看護師
専門看護師は、解決困難な看護問題を持った個人や家族、集団に対して水準の高い看護ケアを提供する、特定専門看護分野の知識と技術を深めた看護師です。
専門看護師になるには、正看護師の実務研修が通算5年以上あり(その内3年以上は認定看護分野の実務研修)、認定看護師教育機関の教育を修了して筆記試験の認定審査に合格することが条件です。合格後は、更新審査を行い、5年ごとに更新します。
上記のような、正看護師としての実務経験がないと、受験資格のない上位資格も存在しており、正看護師になることでキャリアアップや職種の幅が広がります。
看護師のキャリアアップに関する詳細な情報は、以下の記事で紹介しています。
准看護師の資格はなくなる可能性も
准看護師は看護師不足を解消するための一時的な資格でした。また、日本看護協会では、正看護師資格との一本化に向けた取り組みを行っています。実際、准看護師養成校と入学者数は20年間で減少しており、求人数も減ってきています。
また、准看護師の養成定員の割合は、看護職全体のでわずか11%となっています。(※2022年時点)
しかし、准看護師は資格取得まで最短2年で、費用が比較的安いことや、働きながら資格の取得が可能なので、正看護師とは異なるメリットも存在します。
日本医師会では看護師が不足している医療現場においては、准看護師制度を維持した方が良いと意見が出ており、准看護師の必要性を訴えています。
日本看護協会と日本医師会の意見がわれているため、今すぐに准看護師の資格がなくなるわけではありませんが、今後なくなる可能性も十分にあることを理解しておきましょう。
准看護師は支援制度を活用をしよう
准看護師が看護師資格を取得するために利用できる奨学金制度を3つ紹介します。
看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金
各病院の奨学金
看護師等修学資金の貸与制度
看護師学校養成所2年課程進学者に対する奨学金
日本看護協会は、准看護師の進学支援に取り組んでおり、看護師学校養成所2年課程(通信制)に進学する方に、経済的に支援しています。
年間36万円または48万円(無利息・貸与型)
貸与期間は在学中の1年間または2年間
無利息の貸与型のため、金利がかからない点が特徴です。限定条件もなく、就業先や住んでいる都道府県はどこでも大丈夫です。他の奨学金との併用も可能なので、経済的に余裕ができるでしょう。
学費や生計費としての貸与なので、在学中に掛かるさまざまな経費に活用可能です。
各病院の奨学金
勤務先の病院によって、国家試験合格後に働くという条件付きで、奨学金を貸与していることもあります。例をあげると、日本赤十字社医療センターでは、看護師の育成・確保を目的に、年額60万円を上限奨学金制度を設けています。
また、奨学金の貸与期間と同じ期間働くことで、返済が免除されるケースもあるため、勤務先で確認してみましょう。ただ、返済途中の退職は、残金を一括返済しなければいけない可能性もあります。病院で奨学金を借りる場合には注意しましょう。
看護師等修学資金の貸与制度
都道府県が実施する、看護師等修学資金の貸与制度もあります。例えば東京都では月額25,000円・50,000円・75,000円・100,000円から選択でき、正規の就業年数、奨学金を貸与してもらえます。無利子で借りられる点が特徴で、条件によっては返還の免除も受けられます。
一部の自治体では通信制の養成所が除外されている場合もありますが、教育課程は関係なく奨学金を貸与している自治体ががほとんどです。奨学金を検討している場合は、自分の住んでいる場所や勤務先の自治体の制度を確認してみましょう。
准看護師としての転職も視野に
准看護師から正看護師を目指す上で、キャリアアップや資格取得に協力的な職場に転職することも一つの手段です。
ここでは、准看護師におすすめの転職サイトをいくつかご紹介します。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)

求人数15万件(2024年10月時点)
職場訪問による詳細な情報
LINEで相談可能
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)は、利用者からの評価が非常に高い看護系の転職サイトです。
年間4,000回以上の職場訪問によって職場の内部情報や人間関係など詳しく教えてくれます。
またLINEでの相談することもできるので、看護師資格を取得しようと勉強している時期や、仕事で忙しい時期でも、問題なく転職活動できるでしょう。
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)

引用元:ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)公式サイト
累計100万人以上の看護師が利用
求人数は20万件以上(2024年10月時点)
オリコン顧客満足度3年連続No.1(※)
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)は、2005年の創設以来、累計100万人以上の看護師に活用されている看護系の転職サイトです。
キャリアパートナーが、今後のキャリアについての相談にも応じてくれるので、看護師になることを目指していることや、今後のキャリアをどのようにするべきかなど、考えることができるでしょう。
一度、自分のキャリアについて、専門家の意見も聞いて見つめ直したい方は、ぜひ相談してみてください。
※2025年 オリコン顧客満足度®調査 看護師転職
マイナビ看護師

引用元:マイナビ看護師公式サイト
認知度No.1の転職サイト(※)
看護転職サイトで圧倒的な求人数
幅広い求人
マイナビ看護師は、大手人材紹介会社のマイナビが手がける看護系の転職サイトです。
大手というだけあって、独占求人・非公開求人を含めて50,000件以上(2024年10月現在)という豊富な求人数を誇ります。
また病院に限らず、美容クリニックや一般企業、トラベルナースなど、多種多様な求人が掲載されていることも魅力的です。
准看護師からのキャリアアップではなく、今ある職場を変えて、人間関係が良いところに行きたい方や、給料アップを目指す方も、ぜひ相談してみてせていただきますのでください。
※看護師を対象とした人材紹介サービス14ブランドにおける調査結果(GMOリサーチ株式会社)(2021年7月)
准看護師が働きながら正看護師を目指すのは難しい?
准看護師から正看護師を目指す場合、勤務先の協力があっても働きながら学校で学ぶのはかなり難しいことです。毎月160時間程度の労働(超過時間を除く)に加えて、学校に通学することは、かなり強い意志を持ち続けないと挫折してしまうでしょう。
ただ、働きながら正看護師になるのが難しいとは言え、諦める必要はありません。全日制に通うことを検討して、准看護師として働いている間に貯蓄しておけば、学費や生活費で困ることも少ないでしょう。
准看護師から正看護師についてまとめ
給料が良くなり、求人も豊富にある
自己判断で看護業務が行えるため、やりがいが増す
管理職になれる可能性が高まる
転職先の幅が広がる
准看護師から正看護師になるには、最短2年の看護専門学校での勉強が必要です。准看護師として実務経験が7年あれば、通信制2年課程で国家試験受験の資格が得られます。
または、准看護師として3年働いていれば、2年過程の全日制、3年課程の定時制にも通えることが可能です。自分のライフスタイルや経済力に合った方法で正看護師を目指しましょう。
正看護師へのキャリアアップに理解のある職場に転職することで、より正看護師を目指しやすくなるでしょう。
この記事は看護師に監修されています
看護師
城戸あき(しろと あき)
国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。