【最新】介護職員の給料が上がる?2025年以降の賃上げ見通しを解説
「介護職員の給料は本当に上がるのか?」
「2024年の制度改正で何が変わった?」
物価高が続く今、今後の給料事情は気になりますよね。
実は2024年の改定により、介護職の給与は「以前より上がりやすい仕組み」へと変化しています。
この記事では、複雑な「新・処遇改善加算」の仕組みと、2025年以降の賃上げ見通しをわかりやすく解説します。また、転職を含めた給料アップの方法についても紹介します。
給与アップのチャンスを逃さないよう、ぜひ最後までご覧ください。
2025年以降も国は「+2.0%」の賃上げを目標にしており、給与は上昇トレンド
2024年6月に「処遇改善加算」が一本化され、基本給アップにつながりやすくなった
給料アップの鍵は、自分の職場が「どの加算ランク(Ⅰ~Ⅳ)」を取得しているか
【結論】2025年以降も介護職の給料は上がる?今後の見通し

「2024年に制度が変わったけれど、2025年以降はどうなるの?」
この疑問に対し、現状の国の動きや市場の動向を見ると、今後も継続的な賃上げが期待できると言えます。その理由は主に2つあります。
政府が掲げる「2025年度+2.0%」の賃上げ目標
厚生労働省は、他産業との賃金格差を縮めるため、令和6年度介護報酬改定において具体的な「ベースアップ(基本給等の引き上げ)目標」を掲げています。
2024年度:+2.5%(月額7,500円相当)
2025年度:+2.0%(月額6,000円相当)
この目標は単なる努力目標ではなく、後述する「処遇改善加算」の要件などと連動しており、多くの事業所でこの水準を目指した賃上げが継続すると見込まれます。
政府は補正予算などを通じて、継続的に介護職の処遇改善を支援する姿勢を崩していません。
深刻な人手不足と更なる処遇改善を求める声
2025年は「団塊の世代」がすべて75歳以上の後期高齢者となり、介護ニーズがピークに達する年です。
一方で、生産年齢人口の減少により、介護現場の人手不足はより一層深刻化しています。
事業所側としては、人材を確保するために「他産業に見劣りしない給与水準」を提示せざるを得ない状況です。
また、一部では特定の産業に適用される「特定最低賃金」の議論も進んでおり、地域ごとの最低賃金よりも高い水準での給与保証を求める動きも活発化しています。
これらの「市場の圧力」が、2025年以降も給料を押し上げる大きな要因となります。
2024年に実施された「2つの大きな賃上げ施策」とは
「最近、給料の仕組みが変わった気がする」という方のために、2024年に行われた重要な変更点を整理します。2024年は大きく分けて2段階の施策が実施されました。
【2月~5月】月額6,000円相当の「介護職員処遇改善支援補助金」
2024年の報酬改定(6月施行)を待たずに賃上げを先行させるため、2月から5月までの期間限定で「介護職員処遇改善支援補助金」が支給されました。
具体的には、職員一人あたり月額平均6,000円相当の賃上げが実施されました。
この賃上げの対象には、一般的な介護施設の職員から、訪問介護や看護助手、障がい福祉系の介護職員も含まれていました。
これはあくまで「つなぎ」の措置であり、現在は終了しています。
【6月~】「介護職員等処遇改善加算」への一本化とベースアップ
2024年6月からは、本格的な制度改正として「介護職員等処遇改善加算」がスタートしました。
これまでの複雑な加算制度を廃止・統合し、加算率(事業所に入る報酬の割合)を引き上げたものです。
これにより、一時的な補助金ではなく、恒久的な「基本給のベースアップ」がしやすい環境が整えられました。
賃上げの対象になる介護職
今回の賃上げは、一定の条件を満たす事業所に国の補助金が交付され、その事業所の従業員の給与に反映される形になっています。
具体的には「介護職員処遇改善加算のⅠ~Ⅲを算定する事業所」に勤める介護職員が対象です。パートやアルバイトの職員も対象になります。
一方で、介護職員処遇改善加算対象外の、居宅介護支援・地域包括支援センター・訪問看護・訪問リハビリテーションは、今回の賃上げの対象外です。さらに、賃上げの対象事業所であっても、今回の賃上げの対象にならない職種があるので注意が必要です。
具体的に言うと、介護職は利用者や入居者の介護を行う職員だけが対象で、同じ事業所の職員であっても、ケアマネジャーや相談員、看護師・リハビリ職、栄養士・調理師、事務職などは対象になりません。
ただ、後ほど詳しく説明しますが、賃上げ対象外の職員に対して補助金の一部を割り当てることは認められています。
因みに、「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、令和6年9月30日時点での介護職員処遇改善加算の取得状況は、下の表の通りです。
<介護職員等処遇改善加算の取得状況>
取得(届出)している | 加算(Ⅰ) | 加算(Ⅱ) | 加算(Ⅲ) | 加算(Ⅳ) | 加算(Ⅴ) | |
|---|---|---|---|---|---|---|
全体 | 95.5% | 45.7% | 32.2% | 11.8% | 2.6% | 3.2% |
介護老人福祉施設 | 99.6% | 80.1% | 13.4% | 3.3% | 0.7% | 2.1% |
介護老人保健施設 | 98.8% | 69.7% | 16.4% | 6.1% | 3.1% | 3.6% |
介護医療院 | 91.5% | 44.6% | 14.8% | 14.3% | 10.5% | 7.3% |
訪問介護事業所 | 96.3% | 44.5% | 32.3% | 12.2% | 2.5% | 4.7% |
通所介護事業所 | 94.3% | 36.7% | 35.3% | 15.9% | 3.5% | 3.0% |
通所リハビリテーション事業所 | 78.7% | 47.7% | 10.3% | 13.1% | 3.1% | 4.5% |
特定施設入居者生活介護事業所 | 99.5% | 48.3% | 42.5% | 5.5% | 2.2% | 1.0% |
小規模多機能型居宅介護事業所 | 99.0% | 48.3% | 38.6% | 10.1% | 1.0% | 0.9% |
認知症対応型共同生活介護事業所 | 99.7% | 42.0% | 45.6% | 8.8% | 1.2% | 2.2% |
給料アップの鍵!新「処遇改善加算」をわかりやすく解説
介護職員の給料は、国の方針により年々改善傾向にあります。 その中心にあるのが「処遇改善加算」。これはまさに、あなたの給料アップを支える重要な財源です。
「名前は聞くけど仕組みはよく知らない」という方のために、2024年6月にリニューアルされた新制度について、給与に直結するポイントを解説します。
介護職員等処遇改善加算とは
介護職員処遇改善加算は、人材不足対策として2012年から始まった制度です。一言でいうと、国が介護職員の給料を上げるために作った仕組みです。
事業所が「キャリアアップの仕組みを作る」「職場環境を改善する」などの条件を満たして国に申請すると、その分だけ介護報酬(売上)が上乗せされます。
この制度には「上乗せでもらったお金は、全額を職員の給料アップに使わなければならない」という絶対的なルールがあります。
つまり、この加算をしっかりと取得している事業所で働くことが、高い給料をもらうための第一条件なのです。
旧3加算が1つに統合!何が変わった?
これまでは、以下の3つの加算がバラバラに存在し、事務作業が複雑で申請を諦める事業所もありました。
介護職員処遇改善加算
介護職員等特定処遇改善加算
介護職員等ベースアップ等支援加算
これらが2024年6月から「介護職員等処遇改善加算(新加算)」として一本化されました。
仕組みがシンプルになったことで、より多くの事業所が加算を取得しやすくなり、結果として職員への還元が進むことが期待されています。
新加算の区分(Ⅰ~Ⅳ)と加算率
出典:厚生労働省「「処遇改善加算」の制度が一本化(介護職員等処遇改善加算) され、加算率が引き上がります」
新しい加算は、要件の厳しさと支給額に応じてⅠ~Ⅳの4段階に分かれています。
新加算Ⅰ(最も手厚い): 経験豊富な介護福祉士の配置や、生産性向上の取り組みなどが求められ、最も高い加算率が設定されます。給料アップを狙うなら、この区分を取得している事業所が狙い目です。
新加算Ⅱ~Ⅳ: Ⅰよりも要件は緩和されますが、その分加算率は低くなります。新加算Ⅳは最低限のキャリアパス要件などを満たすことで算定可能です。
実際、どれくらいの事業所がこの加算を取っているのでしょうか?
「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、令和6年9月30日時点での介護職員処遇改善加算の取得状況は、下の表の通りです。
<介護職員等処遇改善加算の取得状況>
取得(届出)している | 加算(Ⅰ) | 加算(Ⅱ) | 加算(Ⅲ) | 加算(Ⅳ) | 加算(Ⅴ) | |
|---|---|---|---|---|---|---|
全体 | 95.5% | 45.7% | 32.2% | 11.8% | 2.6% | 3.2% |
介護老人福祉施設 | 99.6% | 80.1% | 13.4% | 3.3% | 0.7% | 2.1% |
介護老人保健施設 | 98.8% | 69.7% | 16.4% | 6.1% | 3.1% | 3.6% |
介護医療院 | 91.5% | 44.6% | 14.8% | 14.3% | 10.5% | 7.3% |
訪問介護事業所 | 96.3% | 44.5% | 32.3% | 12.2% | 2.5% | 4.7% |
通所介護事業所 | 94.3% | 36.7% | 35.3% | 15.9% | 3.5% | 3.0% |
通所リハビリテーション事業所 | 78.7% | 47.7% | 10.3% | 13.1% | 3.1% | 4.5% |
特定施設入居者生活介護事業所 | 99.5% | 48.3% | 42.5% | 5.5% | 2.2% | 1.0% |
小規模多機能型居宅介護事業所 | 99.0% | 48.3% | 38.6% | 10.1% | 1.0% | 0.9% |
認知症対応型共同生活介護事業所 | 99.7% | 42.0% | 45.6% | 8.8% | 1.2% | 2.2% |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」,p38
このように、全体の9割以上の事業所が何らかの加算を取得しています。
しかし、重要なのは『どのランクの加算か』です。給料アップを目指すなら、最も加算率が高い『Ⅰ』を取得している事業所を選ぶことが重要です。
対象職種が拡大!ケアマネ・事務職への配分も柔軟に
以前の「特定処遇改善加算」では、「経験・技能のある介護職員」に重点的に配分するなどの細かいルール(配分ルール)があり、現場での不公平感を生む原因となっていました。
新しい一本化された加算では、職種間の配分ルールが大幅に柔軟化されました。
これにより、事業所の判断で、介護職員だけでなく、現場を支えるケアマネジャー、相談員、看護助手、事務職員などへも、以前より柔軟に処遇改善手当を配分できるようになりました。
「介護職以外は給料が上がりにくい」というこれまでの課題が、新制度によって解消に向かっています。
実際に介護職の給料は2024年も上昇
これまで説明してきた加算措置などの効果もあって、実際に介護職の給料は2024年も上昇しました。
2023年度と2024年度を比較すると13,960円の増(+4.3%)となっています。
厚生労働省が毎年公表している「介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員の平均給与額(月給・常勤)は、ここ数年以下の表のように推移しています。
2024年9月 | 2023年9月 | 差 |
|---|---|---|
338,200円 | 324,240円 | +13,960円 |
対象:介護職員等処遇改善加算取得を取得している施設・事業所における介護職員
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
2022年12月 | 2021年12月 | 差 |
|---|---|---|
318,230円 | 300,740円 | +17,490円 |
対象:介護職員等ベースアップ等支援加算取得を取得している施設・事業所における介護職員
出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
2021年9月 | 2020年9月 | 差 |
|---|---|---|
323,190円 | 315,410円 | +7,780円 |
対象:特定処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅱ)を取得している 施設・事業所の介護職員
出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
上の表からもわかるように、介護職の給料は年々1~2万円近く増加しています。
給与の上昇幅について
下の表は、令和6年9月時点と令和5年9月時点の職種別・介護従事者等の平均給与額と、両時点の給与額の差額をまとめたものです。
<職種別・介護従事者等の平均給与額(月給・常勤の者)>
令和6年9月 | 令和5年9月 | 差 | |
|---|---|---|---|
介護職員 | 338,200円 | 324,240円 | 13,960円 |
看護職員 | 384,620円 | 375,260円 | 9,360円 |
生活指導員・支援相談員 | 353,950円 | 340,150円 | 13,800円 |
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は機能訓練指導員 | 362,800円 | 350,190円 | 12,610円 |
介護支援専門員 | 375,410円 | 363,760円 | 11,650円 |
事務職員 | 317,620円 | 305,960円 | 11,660円 |
調理員 | 272,240円 | 260,140円 | 12,100円 |
管理栄養士・栄養士 | 323,810円 | 311,810円 | 12,000円 |
介護職員の平均給与額は、令和6年9月時点で338,200円ですが、令和5年9月よりも13,960円増えています。
2024年の賃上げに対する介護現場の声
ここでは、2024年の賃上げに対する介護現場の声を紹介します。
不安・懸念の声や期待外れという声も
まずみられるのが、不安・懸念の声や期待外れという声です。たとえば、次のような声があります。
「賃上げのニュースを見るたびに期待するが、手取り額を見るとあまり増えた実感がない」
「給料が少し上がっても、物価高や社会保険料の増加で相殺されてしまう」
「賃上げの前に環境改善が必要」
「賃上げよりも人員配置の緩和方針を見直してもらいたい」
喜びの声や今後の進展に期待する声も
上記のような懸念や期待外れの声がある一方で、喜びの声や今後の進展に期待する声もあります。たとえば、次のような声です。
「今回の一本化で一時金(ボーナス)ではなく基本給が上がったのは嬉しい。生活の安定につながる」
「数年前に比べれば、処遇改善加算のおかげで年収は確実に増えた」
「国が『介護職の給料を上げる』と明言し続けている姿勢は評価できる。今後さらに良くなることを期待したい」
以上のように、賃上げの具体的な内容が十分周知されておらずに、不安に感じる方や不十分と感じた方もいますが、少なくとも介護職の待遇改善を進める一歩と評価する声もあるのです。
介護職員の給料は今後改定がある?

「2024年の改定で一区切りついたのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、政府は介護職員の処遇改善を「継続的な課題」として位置づけています。
2024年の報酬改定はゴールではなく、あくまで通過点に過ぎません。 政府は、今後の賃金水準について明確な目標を掲げています。
厚生労働省は、2024年度の2.5%アップに続き、2025年度についても「2.0%(月額6,000円相当)」の賃上げを目指す方針を示しています。
介護報酬は通常3年に1度の改定ですが、近年の物価高騰や人材不足の緊急性を受け、補正予算などを活用した機動的な対応が常態化しつつあります。
政府(内閣官房や厚労省)は、処遇改善の最終的なゴールを「他産業と遜色のない賃金水準とすること」と明記しています。 全産業平均と比較すると、介護職の給与は依然として低いのが現状です。
したがって、今回の一本化や賃上げで終わりではなく、今後も長期的に給料アップが期待できるといえます。
そもそも介護士の平均給料はどれくらい?

介護職員の給料アップの方向性を紹介しましたが、そもそも介護士の平均給料はどれくらいなのでしょうか。
もちろん、施設や勤続年数などによって違いがありますが、ここでは、勤務形態や施設形態、勤続年数・年齢・男女別などの平均給料を紹介します。
以下のデータは主に2024年9月の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」をもとにしています。また、介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所のデータとなります。
介護従事者の常勤・非常勤の平均給与
まず、介護従事者の常勤・非常勤の平均給与です。厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護従事者等の平均給与額は、下の表の通りとなっています。
介護職員の平均給与は月給で常勤の方で月給338,200円、時給で非常勤の方で月給196,060円です。
介護従事者全体で見ると給与はやや低い方ですが、看護職員や理学療法士など専門性が高い職員は給与が高くなりやすいです。
<2024年9月の介護従事者等の平均給与額>
職種 | 平均給与(月給・常勤) | 平均給与(時給・非常勤) |
|---|---|---|
介護職員 | 338,200円 | 196,060円 |
看護職員 | 384,620円 | 220,800円 |
生活指導員・支援相談員 | 353,950円 | 292,750円 |
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は機能訓練指導員 | 362,800円 | 290,460円 |
介護支援専門員 | 375,410円 | 233,490円 |
事務職員 | 317,620円 | 166,590円 |
調理員 | 272,240円 | 120,460円 |
管理栄養士・栄養士 | 323,810円 | 264,580円 |
施設形態で比較した介護職員の平均給与
次に、施設形態で比較した介護職員の平均給与です。同じく厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、施設形態による介護職員の平均給与額は、下の表の通りとなっています。
介護老人福祉施設や介護老人保健施設などのように利用者の要介護度が高く、高いスキルが必要で身体的負担も大きな施設の場合は、給料が高い傾向が見られます。
<施設形態別・2024年の介護職員の平均給与額(月給)>
施設形態 | 平均給与(常勤) | 平均給与(非常勤) |
|---|---|---|
介護職員全体 | 338,200円 | 196,060円 |
介護老人福祉施設 | 361,860円 | 257,620円 |
介護老人保健施設 | 352,900円 | 226,310円 |
介護医療院 | 330,030円 | - |
訪問介護事業所 | 349,740円 | 177,090円 |
通所介護事業所 | 294,440円 | 218,710円 |
通所リハビリテーション事業所 | 319,310円 | 221,800円 |
特定施設入居者生活介護事業所 | 361,000円 | 230,360円 |
小規模多機能型居宅介護事業所 | 305,220円 | 236,060円 |
認知症対応型共同生活介護事業所 | 302,010円 | 201,810円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」,p129
勤続年数で比較した介護職員の平均給与
次に、勤続年数で比較した介護職員の平均給与です。厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、勤続年数別・2024年の介護職員の平均給与額(常勤)は、下の表の通りとなっています。
勤続年数1年の場合の平均月給は、298,760円です。その後は勤続年数が増えるにつれ上昇しており、10年以上になる359,040円と、実に6万円以上の違いがあります。
このように長く働くほど給料が上がるだけでなく、役職につけば更なるアップも期待できるのです。
<勤続年数別・2022年の介護職員の平均給与額(常勤)>
勤続年数 | 平均月給 |
|---|---|
1年 | 298,760円 |
2年 | 309,630円 |
3年 | 316,080円 |
4年 | 322,370円 |
5年〜9年 | 335,640円 |
10年以上 | 359,040円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
年齢・男女別の介護職員の平均給与
次に、年齢・男女別の介護職員の平均給与を紹介します。
常勤(正社員)の場合
まず、常勤(正社員)の場合です。「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、年齢・男女別の常勤の介護職員の平均給与額は、下の表の通りです。
年齢別にみると、40代までは年齢を重ねるにつれて給料が上がっていますが、40~49歳がピークで、その後は下がっています。
男女別では、各年齢層を通じて男性の給与額が高くなっています。これは、男性の労働時間が長いことも影響しているでしょう。
<性別・年齢別の介護職員の平均給与額等(月給・常勤)>
年齢 | 男性・平均給与額 | 女性・平均給与額 |
|---|---|---|
全体 | 356,030円 | 328,830円 |
29歳以下 | 316,190円 | 305,560円 |
30~39歳 | 356,290円 | 328,020円 |
40~49歳 | 377,200円 | 336,780円 |
50~59歳 | 361,960円 | 338,220円 |
60歳以上 | 307,140円 | 310,760円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」,p167
非常勤(パートやアルバイト)の場合
次に、非常勤(パートやアルバイト)の場合です。「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、年齢・男女別の非常勤の介護職員の平均給与額は、下の表の通りです。
年齢別にみると、男性は、常勤の場合と同じように、30~39歳までは年齢を重ねるにつれて給料が上がっていき、その後は下がっています。一方で女性は、年齢を重ねるにつれて実労働時間数が減少する傾向にあり、平均給与も次第に下がっています。
男女別では、非常勤の場合も各年齢層を通じて男性の給与額の方が高い傾向が見られます。
<性別・年齢別の介護職員の平均給与額等(時給・非常勤)>
年齢 | 男性・平均給与額 | 女性・平均給与額 |
|---|---|---|
全体 | 141,450円 | 128,680円 |
29歳以下 | 161,970円 | 134,550円 |
30~39歳 | 162,250円 | 126,210円 |
40~49歳 | 155,350円 | 138,940円 |
50~59歳 | 143,380円 | 132,070円 |
60歳以上 | 132,400円 | 123,040円 |
介護職員の収入が少ないと言われる理由
ここでは、介護職員の収入が少ないと言われる理由について解説します。
専門性や資格が重視されないから
介護職員の収入が少ないと言われる理由の1つは、介護職員は専門性や資格がそれほど重視されないことです。
介護職員は、それぞれの利用者の方に合った介護サービスを提供するために、経験やスキルがあるに越したことはありません。ただ、資格は必要とされておらず、経験もそれほど重視されるわけではありません。未経験者を含め、比較的誰でも働きやすい職種です。
これに対して、介護福祉士やケアマネジャー・ハビリ専門職員などは、いずれも専門性が高く、介護に関する高い知識・技術が求められます。そして、専門的なスキルや経験を持つ職員を定着させるために、給与が高く設定される傾向があるのです。
介護報酬には上限がある
もう1つの理由は、介護報酬に上限があることです。
介護施設・介護事業所の職員の給料や運営費その他の経費は、基本的に国から支給される介護報酬から支払う仕組みになっています。この介護報酬は、介護サービスを提供する対価として支給されるものです。
この介護報酬を増額するとなると、増税などが必要になり国民負担の増大につながります。そのため、介護報酬には上限が設けられているのです。
ですから、介護報酬を安易に増やすことはできません。結果として介護職員の給料も上がりにくい実態があるのです。
アルバイトやパートは昇給が困難
介護職員の中には、正職員だけではなく、アルバイトやパートなどの非正規雇用職員が多くいます。
現状では、非正規雇用職員は正職員と比較して福利厚生や昇給制度をうけることができる環境が十分に整備されていません。
したがって、パートやアルバイトは給料がアップしにくく、正社員より低い賃金しかもらえないケースが多く存在します。
介護職員として給料アップさせるコツ

介護職員の収入が少ないと言われる中で、給料をさらにアップさせるためは、どのよう対策・方法があるのでしょうか。ここでは、介護職員として給料をアップさせるコツを紹介します。
介護職員として有利な資格を取得
給料を上げる方法として、まずおすすめしたいのは、介護福祉士などの資格を取得することです。
実際に「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、月給・常勤の場合は下の表の通り、保有資格が有るか無いかで平均給与額が月に5万円近く差があります。因みに、平均勤続年数は、有資格者が9.6年、無資格者は5.8年になっています。
<保有資格別・介護職員の平均給与額(月給・常勤)>
保有資格の有無 | 平均給与 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|
有(全体) | 339,960円 | 9.6年 |
有(介護福祉士) | 350,050円 | 10.4年 |
有(社会福祉士) | 397,620円 | 9.3年 |
有(介護支援専門員) | 388,080円 | 14.0年 |
有(実務者研修) | 327,260円 | 6.9年 |
有(介護職員初任者研修) | 324,830円 | 8.8年 |
無(全体) | 290,620円 | 5.8年 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
また、非常勤の場合も、常勤ほどの差ではありませんが、下の表の通り保有資格が有る方が無い場合より少ない実労働時間で平均給与が高めになるような資格もあります。
<2022年の保有資格別・介護職員の平均給与額等(時給・非常勤)>
保有資格の有無 | 平均給与 | 平均勤続年数 | 実労働時間数 |
|---|---|---|---|
有(全体) | 130,290円 | 8.7年 | 83.6時間 |
有(介護福祉士) | 142,360円 | 9.5年 | 88.3時間 |
社会福祉士 | 143,010円 | 5.6年 | 96.8時間 |
介護支援専門員 | 162,140円 | 9.5年 | 102.0時間 |
有(実務者研修) | 135,720円 | 7.7年 | 87.4時間 |
有(介護職員初任者研修) | 124,880円 | 8.9年 | 79.1時間 |
無(全体) | 124,260円 | 7.2年 | 93.4時間 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」,p165
介護福祉士に転職したら初任給もアップ
介護士の平均的な初任給は、夜勤も含む正社員で約24万円です。介護福祉士の資格を持っていれば、さらに資格手当や処遇改善額が上乗せされます。
つまり、介護福祉士に転職した場合、合わせて2万円程度の給料アップになることが期待できるのです。ですから、介護福祉士への転職を選択肢の1つとして考えることもおすすめです。
介護福祉士の資格を取得するには?
介護福祉士の資格を取得するためには、介護福祉士試験に合格しなければなりません。試験は、毎年1月に筆記試験、3月に実技試験があります。
ただし、介護福祉士試験には受験資格が必要です。3年以上の実務経験があることと、介護福祉士実務者研修を修了しているか、あるいは介護職員基礎研修か喀痰吸引等研修のいずれかを修了している必要があります。
ケアマネージャーになる
ケアマネージャーになることも、給料を上げる1つの方法です。
ケアマネージャーになるためには、5年以上の実務経験及び介護福祉士の資格取得が要件として必要です。
介護職未経験の人にとっては特に困難に感じられるかもしれません。
一方で、ケアマネージャーになると、給料が上がるだけではなく、やりがいも一層増すでしょう。
管理職へキャリアアップ
給料を上げる方法として、次におすすめしたいのは、主任やリーダー、サブリーダーといった管理職にキャリアアップすることです。管理職になれば、基本給が上がるだけでなく、役職手当も支給され、さらに収入を増やせます。
ただし、介護施設の管理職は、施設の種類ごとに資格要件などが決まっています。また、地域ごとで資格要件が異なることもありますので、勤務先のルールを確認しておきましょう。
夜勤の頻度を増やして夜勤手当を得る
給料を上げる方法としては、夜勤の頻度を増やして夜勤手当を得る方法もあります。夜勤がある特養や老健などでは、夜勤手当が出ますので給料アップにつなげることが可能です。
夜勤手当は、1回につき3,000円~6,000円です。常勤の介護職員は、月に4〜5回ほど夜勤に入ります。
もちろん、夜勤の回数を増やせば月収が増えますので、回数を多くする方もいます。さらに、夜勤専従として働けば、単価が高いので勤務回数が少なくても給料が上がるのがメリットです。
長期的に勤務する
給料を上げる方法としては、シンプルに勤続年数を増やすということも挙げられます。
正社員は勤続年数に比例して給料が高くなっていく傾向にあるので、むやみに転職を繰り返すのではなく、一つの職場で長期的に勤務する方が給料アップする可能性は高まるでしょう。
一つの職場で働き続けると、周りとの人間関係を構築でき、信頼されるようになるでしょう。
やりがいや目標をもって、仕事に取り組み、マンネリを防ぐことも大切です。
収入や待遇が良い施設に転職する
収入や待遇が良い施設に転職することも、給料を上げる1つの方法です。
現在の職場で長期間働いていても、期待通りの給料アップにつながらないこともあります。たとえば、仕事の都合で資格取得が難しい場合やキャリアアップしても給料が上がらないときは、思い切って転職を考えてみると良いです。
転職には不安があるかもしれませんが、条件の良い転職を目指すのであれば、転職サイトや転職エージェントを利用するのがおすすめです。自分の希望に合った求人先を見つけてくれるだけでなく、応募書類の書き方や面接対策などもしてくれます。
介護職で転職する際におすすめの転職サイト
転職サイトや転職エージェントを利用すると言っても、どのサイトやエージェントが自分に向いているのかわからない、という方もいるでしょう。ここでは、介護職で転職する際におすすめの転職サイトを紹介します。
マイナビ介護職

画像出典:マイナビ介護職公式サイト
認知度No.1の介護職エージェント
20万件を超える求人
都市部の求人に強い
マイナビ介護職は、専任のアドバイザーが転職相談やサポートを1対1で担当してくれる転職エージェントです。
マイナビ介護職は介護業界のなかで認知度No.1の転職エージェント(※)です。介護業界における転職のまさにプロフェッショナルと言えるでしょう。
※介護士を対象とした人材紹介サービス19社における調査結果(GMOリサーチ株式会社)(2021年7月)
介護職で年収を上げていくにはどうしたら良いかなど、今後の自分の人生を考える機会にもなりますので、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。
介護ワーカー

※画像出典:介護ワーカー公式サイト
年間転職成功実績1万件以上
面接対策や条件交渉などサポートも充実
求人数も49,000件以上(2025年3月現在)と豊富
介護ワーカーは、年間転職成功実績が1万件にも上り、実績のある信頼度抜群の転職サイトです。
正社員転職から未経験可まで求人数も多いので、幅広い選択肢の中から自分に合う職場を見つけやすくなっています。
担当者のサポートも好評です。たとえば、履歴書の添削、面接の日程調整と対策など、転職まで丁寧にサポートしてくれるとの口コミもあります。
カイゴジョブエージェント
※画像出典:カイゴジョブエージェント公式サイト
専任キャリアパートナーが転職をサポート
職場環境・福利厚生も考慮可能
全国の求人を掲載
カイゴジョブエージェントは、介護専門の転職サービスです。同社の転職支援サービスには、サイト型のウェルミージョブと、エージェント型のカイゴジョブエージェントがあります。
転職に不慣れな方には、経験豊富な担当エージェントのサポートがあるカイゴジョブエージェントがおすすめです。給与などの条件面はもちろん、職場の雰囲気・相性なども考えてくれます。職場の人間関係が気になる方にうってつけです。
カイゴジョブエージェントの求人数は1万件以上です。全国各地の求人情報から転職先を探すことができます。
3つの介護資格の違い
介護資格はいくつかの資格がありますが、現場の介護実務に活かせる主な資格は、次の3つです。
介護職員初任者研修:文字通り介護業界でこれから働こうとしている方が、まず取得したい資格です。介護の仕事は無資格でも始められますが、食事・排泄介助などの身体介護は、初任者研修資格がないとできません。
介護職員実務者研修:研修内容は、介護現場の実務が中心です。初任者研修の資格があれば、研修時間が一部免除されます。介護福祉士になるために必要な資格です。
介護福祉士:介護現場で重宝される唯一の国家資格です。介護福祉士を持っていれば、給料アップ・キャリアアップの可能性が高まります。
なお、一般的に介護士と言いますが、介護士とは介護の仕事に従事している方の総称で、介護士という資格があるわけではありません。
介護職員の給料が上がるについてまとめ
介護職員の収入が少ない理由は、介護報酬に上限があることや、専門性や資格が重視されないこと
給料アップのコツは、資格取得、管理職へキャリアアップ、夜勤の増、転職など
介護職で転職する際におすすめの転職サイトは、介護ワーカーとカイゴジョブ
2024年の「処遇改善加算の一本化」により、介護職の給料は確実に上がりやすい環境へ変化しています。
国も継続的な賃上げを目標としており、今後もこの改善トレンドは続くでしょう。
ただし、2024年の賃上げに対しては評価する声がある一方で、期待外れという声があるのも事実です。さらなる給料アップを目指したいという方は、この記事を参考にして、転職サイトやエージェントを活用して転職についても検討してみてください。