訪問看護はきつい?仕事が大変な理由から平均給料やつらくない職場の選び方まで解説

この記事は看護師に監修されています

看護師

城戸あき(しろと あき)

「訪問看護の仕事はきついってほんと?」

「辛くない職場を選ぶポイントは?」

訪問看護とは、看護師が自転車や自動車に乗って利用者の方のお宅や施設を行き来し、医療ケアから介護分野のケアまで包括的に行うものです。

訪問看護の仕事は、一般的な病院勤務の看護師とは異なる部分も多く人によって合う・合わないがはっきり分かれる傾向にある職種ですが、実は高給・週末休み・夜勤なしなどメリットも多いです。

今回は、訪問看護師の仕事について、よい部分・悪い部分の両方を紹介していきます。

訪問看護の仕事についてざっくり説明すると
  • オンコール対応があるが夜勤なし・土日休み
  • 自分1人で判断し対応することが必要
  • 医療ケアから介護まで幅広い業務内容
  • 利用者の方・家族・異業種とのコミュニケーションも必須
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訪問看護の仕事はきついってほんと?

訪問看護を行っている様子

訪問看護とは、看護師が介護が必要な利用者さまの自宅に訪問して、病気や傷害に応じた看護を行うサービスです。

訪問看護は、1人で訪問回りを行うことが基本で、そのため個人の判断における責任が大きくなります。看護師が利用者の家族や介護者とコミュニケーションを取る必要が出てくることも多いです。

また、移動を伴うことからより大きな身体的負担があることは、利用者の方が集まる病棟勤務と異なる部分です。

このように個人の負担が大きい訪問看護の仕事は、看護師からは敬遠されることも多く、不人気な職業と言われます。

ただし、一概に「訪問看護」と言ってもさまざまな職場がありますし、メリット・やりがいも十分にある職業です。

訪問看護はその負担や特異な環境に対する理解が少ないこともあるかもしれませんが、同時に訪問看護がもたらすやりがいや成長の機会も多く存在します。

訪問看護がきつい・しんどい理由9選

重い責任・負担

一般的に訪問看護が「きつい・しんどい」と言われる理由には、以下のようなものが挙げられます。

オンコール対応がつらい

訪問看護師には、利用者の方やその家族からの緊急の呼び出しに応える「オンコール対応」という仕事があります。

オンコール対応のため、訪問看護師は当番制で専用携帯を持ち歩くことが必要とされ、当番の日には自宅で待機しながら緊急時に備えなくてはいけません。

オンコール当番はいつ鳴るかわからない呼び出しを待たなくてはならず、当番の日には自宅にいても気が休まらないのがこの仕事の辛い部分です。

また呼び出しがあった際には、看護師がすぐに到着してくれないと不満に感じてしまう利用者もいるでしょう

職場によってはそういったトラブルを防ぐために、利用者の方の自宅に到着するまでの制限時間がある職場も存在し、その場合職場に近い場所に住むことが求められます。

しかし、家賃補助などを受けられる職場も存在するので、施設の基準・自分の希望の働き方を照らし合わせて職場選びをしましょう。

多くの判断を自分自身で行う必要がある

同じ環境に大勢の看護師がいる病棟での勤務と異なり、1人で職務を行わなければいけない訪問看護師は、判断を下す場面で相談できる人がいません。

訪問看護の業務は、体調のチェックに限らず、や褥瘡の処置や人工呼吸器の管理、在宅酸素療法の管理、末期がんの方への鎮痛剤(麻薬)投与量が適切かの判断など、専門的な知識が必要なものも存在します。

病状や状況の変化に適切に対処するためには、高度な知識と経験、判断力が求められることでしょう。

また、点滴などの医療行為を行ったり、家族への介護指導も一人でこなします。

上記のような多くの業務を、決められた時間内で行っていくため、訪問看護師は判断における責任が大きく、緊張感や精神的な負担を感じる方も少なくないでしょう。

利用者家族とのコミュニケーションが疲れる

利用者家族との接触が多いのも、病棟勤務の看護師とは異なります。

病棟の場合、利用者家族は基本的に処置中は部屋の外に出ることが多いですが、訪問看護では利用者の方の自宅で行っていることもあり近くで見守っている場合が多いです。

個人の判断における責任が大きい状況で、利用者家族からの視線があるのは誰でも少なからずプレッシャーを感じます。

また、看護や投薬に関するアドバイスや家族からの要望を聞くことなども求められ、精神的にしんどいと感じる人が多いです。

体力的な負担が大きい

訪問看護師の仕事は、個人にかかる体力的な負担が大きいです。

それには、以下のような理由が挙げられます。

訪問看護の体力的負担が大きい理由
  • 自分1人ですべての仕事をしなくてはいけない
  • 現場に看護のための環境が整っていない場合も多い
  • 悪天候でも利用者宅へ向かわなければならない

例えば利用者の方の入浴介助では、はじめから看護しやすく設計されている病院の浴槽とは異なり、浴槽が深く手すりがないなど、看護のための環境が整っていない場合も多いです。

さらに、雨が降っても雪が降っても自転車や車で利用者宅へ向かわなければならないことも、体力的にきついとされる理由となります。

病棟では体位保持が難しい方の褥瘡処置などは、安全性を考慮して複数のスタッフで行うこともありますが、訪問看護師は原則一人ですべての看護業務を行います。このような、訪問先でのケアをすべて一人で行うことを体力的な負担と感じる方もいるでしょう。

訪問先の環境が整備されていない

訪問先にはさまざまなお宅があり、中には看護する際に大変なお宅もあります。

冷暖房がない・段差や階段が多いなどは昔ながらの住居に多いですし、中には介護などで掃除に手が回らず不衛生な環境のお宅もあり、訪問先の環境で職務の大変さは左右されるでしょう。

例えば、訪問先にエアコンが無い場合夏に熱中症になってしまったり、階段の上り下りがあり利用者を移動させることが大変になったりなど、訪問看護師の負担が大きくなってしまう場面も想定されます。

人手不足で業務が過酷な場合も

「訪問看護の仕事がきつい」というイメージがあるせいか、訪問看護の仕事は常に人手不足に悩まされています。

様々な施策をうち、看護師の負担を減らす努力をしている職場ももちろん存在しますが、それでも人手不足が解消されていなかったり、多くの案件を任されてしまうケースも存在します。

より働きやすい職場を選ぶためには、看護師の負担を減らす工夫がなされている職場を見極める必要があります。

職場を見極める際には、その職場の口コミを調べたり、転職アドバイザーなどを利用して質問すると良いでしょう。

介護業務を手伝う必要がある場合も

おむつ交換・食事介助など、通常は介護の分野とされる業務を訪問看護の職場では求められる場合があります。

訪問看護の職場では、医療的ケアや患者の体調チェックだけでなく、日々の身体ケア・患者や家族の精神的ケア・食事や入浴のサポートなどを幅広くこなせることが必要です。

そのため、看護業務だけをしたい方には訪問看護は合わない可能性があります。

他職種との連携をスムーズにする対策が必要

介護を必要とする患者さんを支えるのは訪問看護師だけではなく、さまざまな職種の人との連携をうまくとることが必要不可欠です。

例えば、ケアマネージャーをはじめとする介護保険サービスのスタッフや、地域の病院で勤務する医師とも訪問看護師は連絡を取り合い、在宅看護チームとして利用者の方を支えていきます。

訪問看護では看護業務だけでなく、多職種の方との連携が重要です。担当者会議などでは、介護職のスタッフに病状を説明し、必要時には介護やケア方法の統一を依頼するなど、指導的な立場を求められるので、それに対応していかなければいけません。

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訪問看護がきついと思ったときの対策5選

上記のように、訪問看護の仕事は通常の看護業務以上に求められることが多く「きつい・しんどい」と感じる人も多いです。

訪問看護の仕事がしんどいと感じた時の対策方法について以下で解説します。

勤務先に相談する

勤務形態・利用者との関係性などがしんどい場合は、まずは勤務先に相談しましょう。

例えば

  • 訪問先を変えてもらう
  • 勤務を減らしてもらう

などを打診すれば、希望通りの働き方に変更することが可能な場合もあります。

ただし、人手不足の職場では対応が難しい場合もあるので、全ての希望が通るわけではありません。

職場のステーションを変える

職場環境・職場内での人間関係がしんどい場合は、職場を変えることを検討しましょう。

例えば

  • 人間関係の悩みが消える
  • 給与面などの待遇が良くなる
  • 職場が近くなれば楽になる

など、環境・勤務条件が違う職場に変わることで不満を改善させることが可能です。

常に人手不足な訪問看護業界は、再就職先を見つけるのは難しくありませんが、引継ぎなどに時間がかかってなかなか辞められないという場合もあります。

休日はしっかりリフレッシュ

ストレスが溜まった時には、休日に心身をしっかりとリフレッシュさせることが重要です。

運動をして汗を流したり、マッサージを受けたり、またそのほかの趣味に没頭するなどをすることで、気分を一新することができます。

最適なリフレッシュ方法は人によって異なるので、自分に合うものを探してみるのも面白いでしょう。

また、休日に楽しみがあることで、平日の仕事により身が入る場合もあります。

病院などに転職する

訪問看護の仕事自体がきつい場合には、病院やクリニックなど他の看護職への転職を検討してみましょう

例えば

  • 移動がなくなり体力的に楽になる
  • 自分一人で責任を負う場面が減り精神的に楽になる

など、訪問看護の職場から離れても看護師としてのキャリアを重ねることが可能です。

訪問看護が向いていなくても、クリニックや病院での勤務は、訪問看護に比べて精神的にも体力的にも負担が少なく、続けやすく感じる方もいます。

看護師以外に転職する

看護師として働くのがきつい場合は、病院やクリニックから離れた職場へ転職しましょう。

看護師の仕事はメリットも多いですが、業務量も勤務時間も長くつらい部分も多いです。

転職によって、体力面・精神面・給与面などが楽になる可能性もあるので、看護師の仕事自体がつらいなら思い切って別の職種へ転向するのをおすすめします。

以下の記事では、看護師以外の業種への転職についても触れていますのでぜひご覧ください。

看護師の病院以外の職場おすすめ17選|転職先ごとの収入や人気の理由まで徹底解説

運転ができなくても訪問看護師になれる?

自転車で移動する看護師

訪問看護の仕事は「運転が必要」というイメージが強いですが、運転しなくても勤務可能な訪問看護の職場もあります。

免許がない・運転が苦手・移動の負担が少ない働き方がしたいという人の場合は、自転車で移動するか、電車やバスなどの公共交通機関を利用して移動することで利用者の方宅へ訪問することが可能です。

ただし「運転の必要がない」という条件の求人の多くは、公共交通機関が充実している都市部に集中しているため、地方の訪問看護師では難しい場合があります。

地方の場合には電動モーター付自転車などを利用しての訪問が可能な職場もありますが、夏場や悪天候の日でも自転車を使って移動することになるため体力に自信のある方でなければおすすめできません。

運転の必要がない訪問看護師の仕事に就きたい場合は、転職サイト・転職エージェントに登録してみるのがおすすめです。

転職サイト・転職エージェントは、転職のプロが利用者からヒアリングした理想の働き方に合った職場に繋げてくれます。

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訪問看護に向いている人・向いてない人

訪問看護の仕事は、一般的な看護師の仕事とは大きく異なるため、いままで看護師としてのキャリアがある人でも合わなかったというケースも多いです。

以下では、訪問看護師が向いている人・向いてない人の特徴について解説していきます。

訪問看護師に合う・向いている人

訪問看護師に向いている人の特徴として、以下のようなものが挙げられます。

訪問看護師に向いている人の特徴
  • 体力・精神力に自信がある
  • 自分の判断に自信を持てる、意思決定が得意
  • 自分で考え、主体的な行動ができる
  • 要望やトラブルにも臨機応変に対応できる
  • 人と話すのが好き・得意
  • 他業種とも連絡・相談がまめにできる
  • キャリアと経験を積みたい

訪問看護の仕事は、利用者の方宅まで赴き、1人ですべての仕事と判断をしなくてはならないため体力と精神力が必要となります。

また、利用者の方はもちろん家族・医師・ケママネージャーなど、利用者の方を取り巻くさまざまな人たちとコミュニケーションを取りながらチームの一員として利用者の方を支えられる人材でなくてはいけません。

このように訪問看護師には多くのことが求められますが、看護師としての知識や現場での経験とキャリアを積み、スキルアップしたい人には特におすすめの職種と言えます。

訪問看護師に合わない・向いていない人

訪問看護師に向いていない人の特徴
  • 最先端医療の現場で働きたい
  • 指示に従って動くことが得意
  • オフの日はしっかり休みたい
  • 給料の多さを第一に考えている

上記に当てはまる人は、訪問看護師が合わない人です。

ひとりの患者さんにじっくり向き合う訪問看護の仕事は、仕事がルーティン化してしまうことも考えられます。

近ごろは在宅で最期を迎えることを希望し、人工呼吸器管理や、麻薬の点滴持続投与のような医療機器を装着しながら在宅で生活する方も増えています。しかし、病院と比較すると在宅の医療処置は少ないのが現状です。

最先端医療の現場で高度な医療処置に関わりたいと考えている人には、訪問看護の現場は物足りなく感じてしまうでしょう。

また、訪問看護では自分の判断が重要となるため、指示に従って行動することが得意な人の長所が活かしきれない環境となる場合もあります。

さらに、訪問看護はオフの日の急な呼び出しやオンコール対応もあるため、オン・オフをはっきり分けることは難しいです。

「休日はしっかり休みたい」「急な出勤に対応できない」という人は合わない可能性があります。

訪問看護の看護師のメリットとやりがい

これまで訪問看護師の大変さについて解説しましたが、この仕事はマイナス面ばかりではありません。

以下では、多くの口コミをもとに、訪問看護の仕事についてやりがい・メリットを紹介します。

病棟と異なり夜勤がない

口コミによれば、夜勤がない点は訪問看護のメリットと感じている人が多いようです。

病棟勤務の看護師には体力的にきつい夜勤がありますが、訪問看護の現場には夜勤がありません。

夜勤がないと規則正しい生活リズムがおくれますし、同居家族との生活リズムのズレなどを気にする必要もなくなるため、人によっては訪問看護は働きやすい仕事と言えます。

これは、働く上での生活とのバランスを取るのに役立つ要素となるでしょう。

休日のオンコール当番などはありますが、夜勤がないため家族や友達とも時間が合いやすく、メリットに感じる部分も多いのが訪問看護職です。

患者と1対1で関わることができる

口コミでは、対応する患者数が少ないことに関しても多くの肯定的意見がありました。

次々に患者さんが来訪するクリニックや病院と比較して、訪問看護師が1日に対応する利用者の方は多くても4~5人なので、ひとりひとりにじっくりかかわること関わることができます。

利用者の方との関わりが深いと、利用者の方やその家族にとっても看護師の存在は大きなものになりますし、病院勤務と違って個人の役割が大きいのでやりがいを感じられるでしょう。

業務の幅が広く大変さもある訪問看護師ですが、利用者の方ひとりひとりの生活の中に深くかかわっていくことで大きなやりがいや達成感が感じられるのは大きなメリットと言えます。

土日休みの働き方ができる

訪問看護は、土日や祝日に休むことができます。

基本的に訪問看護のステーションは土日祝日は休みになっているところが多く、お子さんがいる家庭や家族との時間を大切にしたい方にとっては働きやすい職場です。

訪問看護は基本的に休日なしの24時間体制なので、休日のオンコール対応などには備えなければいけませんが、オンコールは当番制であるうえ頻繁な呼び出しがあるわけではないためそれほど大きな負担にはなりません。

また、仮に出勤になっても休日手当が出ることがほとんどとなるため、給料面ではメリットともなります。

在宅医療や地域医療に関わることができる

高齢者が増えつつある昨今、在宅医療や地域医療の需要も高まりつつあります。

訪問看護は、ニーズが高まりつつある高齢者医療のまさに中心となる職業で、この職業でのキャリアを積むことは今後も医療の世界で働いていく中でとても大きな強みになっていくでしょう。

また、病院勤務では経験できないケアマネージャー・地域の医師などさまざまな業種と関わりを持つことができるため、看護だけでなく多方面における知識を付けることも可能です。

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訪問看護ステーションの看護師の平均給料

訪問看護の仕事はきついと言われますが、一方で給与水準は高いのがポイントです。

他の介護系の事業所と比較しても訪問看護の給与水準は高く、土日祝日が休みなうえに夜勤なしでも高い給料をもらうことが可能となります。

以下の表は職種ごとに看護師の給料をまとめたものです。

<常勤看護師の平均月給>

施設の種類 正看護師 准看護師
介護老人保健施設 448,962円 382,799円
訪問看護 440,368円 352,006円
有料老人ホーム 427,972円 375,933円
特別養護老人ホーム 422,652円 382,542円
看護小規模多機能型居宅介護 414,406円 354,842円
グループホーム 397,611円 319,635円
デイサービス 354,319円 326,620円

<非常勤看護師の平均月給>

施設の種類 正看護師 准看護師
特別養護老人ホーム 375,894円 349,664円
有料老人ホーム 375,101円 342,629円
訪問看護 369,186円 319,074円
介護老人保健施設 362,987円 334,143円
看護小規模多機能型居宅介護 347,775円 292,644円
グループホーム 339,533円 299,425円
デイサービス 327,058円 291,242円

出典:厚生労働省「令和2年度介護事業経営実態調査結果」

上記のデータは、あくまで平均値なので各施設や地域によってもらえる給与は異なりますが、訪問看護師は非常勤看護師の中では給与水準が高い傾向です。

また、アルバイトの時給に関しても給与水準が高い傾向にあります。

訪問看護師の給料・時給が高い理由は?

上記の表から、訪問看護師の仕事は全体的に給与が高いことが分かりましたが、それには以下の2つの理由が挙げられます。

不人気の傾向があり人手不足であるから

訪問看護師の給与が高い理由として、非常にニーズの高い職種でありながら人材がなかなか集まらないということが挙げられます。

訪問看護はさまざまなスキルが求められることから「仕事がきつい」と言われ、看護業界の中でもとくに不人気な職種です。

その証拠に日本看護師協会が2019年に行った看護師の求人倍率の調査では、全施設の平均が2.34倍なのに対して、訪問看護の分野では平均を大きく上回る3.1倍です

参考:[日本看護協会「ナースセンター登録データに基づく看護職の 求職・求人・就職に関する分析」(2021年)]((https://www.nurse.or.jp/up_pdf/20210217131441_f.pdf))

求人倍率は求人数/転職希望者数ですので、求人倍率が高いほど求人が余っている、つまり人気が高くない求人の種類だと考えることができます。

また求人倍率の高さは、訪問看護の世界が人手不足であることを表していると考えることもでき、それが訪問看護の給与を釣り上げている理由の一つだと言えるでしょう。

オンコール手当の支給があるから

休日のオンコールにおける手当が給与にプラスされるということも、訪問看護師の給与が高い理由です。

訪問看護師の仕事のひとつとして、利用者の方からの緊急連絡を受けるオンコールへの対応がありますが、勤務時間外のオンコール対応には給与手当が支給されます。

オンコール手当の相場は1回2,000~4,000円で、緊急時の呼び出しで出勤した場合には勤務時間に相応した給料が支払われる場合が多いです。

また、夜間対応の施設・オンコール当番が多い施設では、このような手当がさらに多く支給されます。

業務の大変さは勤務先のステーションで異なる

訪問看護ステーションの従業員

一言に訪問看護と言っても以下の2種類が存在しており、業務の大変さは勤務先の業務形態によって異なってきます。

  • 施設への訪問看護
  • 在宅訪問看護

以下でそれぞれの働き方について解説していきます。

施設への訪問看護

施設への訪問を主とする在宅看護では、施設に訪問して看護を行います。

施設内での看護は、利用者の方のご家族と関わりことも少なく、業務に集中しやすい環境です。

また、看護や介護のために整備された施設で仕事が行えますし、施設内で行う業務なので複数の利用者の方宅を転々と移動する必要がありません。

地域の施設をいくつか移動しながら業務を行うケースもあるので、全く移動がないというわけではありませんが、この勤務形態では移動が少ないのが特徴です

在宅訪問看護

在宅訪問介護のステーションでは、必ず移動が伴います。

1件1件のお宅に看護師が訪問し利用者様のお宅でケアを行う在宅訪問看護は、基本的には自転車などで移動可能な距離となりますが、暑い日・寒い日・悪天候でも看護を必要とする利用者さまの元へ向かわなければいけません。

移動中は給与が発生しないという施設もあるため、勤務形態や条件はしっかりチェックしましょう。

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訪問看護ステーションの選び方・ポイント

訪問看護はステーション選びで仕事にきつさが左右されるため、適切な職場選びが大切です。

以下では、働きやすい職場の選び方・職場選びのポイントを解説します。

1日の訪問件数で選ぶ

就職先を決める際には、1日に何件のお宅を訪問するのかについて大体の目安を知っておくことが大切です。

一般的に、施設訪問看護では1件30〜40分程度で平均4~6件を、在宅訪問看護では1件1時間程度で平均1〜2件の業務をこなすと言われています。

しかし、事業所が受け持つ地域の広さやスタッフの充実度などによって、平均を上回る訪問件数を求められる場合も多いです。

また利用者さんの状況や要求によっては、適切な処置を行うため1件あたりの時間がより長くなることもあります。

訪問件数を把握しておくことで、必要な移動時間や具体的な働き方などがイメージしやすくなるでしょう。

年間の休日数で選ぶ

年間でどれくらいの休日があるかは、ステーションごとに異なります

職場を選ぶ際には、「週休二日制」、「完全週休二日制」などをチェックするほか、有休消化率も確認することで、職員がどれくらい休みの日をとれているのか判断することができます。

目安としては、年間で休日が120日ほどあれば職員のワークライフバランスに配慮しているステーションと言えるでしょう。

利用者の病状などで選ぶ

どんな症状の方が利用しているのかによっても、仕事のきつさは左右されます

重症な方や高度な医療措置が必要な方への訪問が多い事業所では、レベルも高い業務を求められます。経験の浅い看護師にとってはきつい職場となるでしょう。

例えば、人工呼吸器の取り扱いや在宅酸素療法の管理など、ハイレベルな医療行為が求められる場合もありますし、精神科訪問看護を多く取り扱っているなど、訪問看護ステーションによって取り扱う疾患や重症度はさまざまです。

職場を選ぶ際には、勤務時間や給与だけでなく、どのような利用者の方が多いのかも把握しておきましょう。

勤務先の地域で選ぶ

移動の多い訪問看護では、勤務地も事業所選びの重要なポイントです。

土地勘がある地域を勤務地として選択すれば、住所やルートが把握しやすく働きやすくなるでしょう。

しかし、あまり自分の生活圏に近いとプライベートで利用者家族に遭遇することもあるので、程よい距離間の勤務地を選択するのがおすすめです。

オンコール対応で選ぶ

オンコール対応の頻度も、職場選びの大切なポイントとなります。

オンコール当番が回ってくる頻度は、平均で月9.4回(2014年調査)とされていますが、実際はステーションによってまちまちです。

オンコールは、一般的には1日1人が担当しますが、利用者が多い大規模ステーションでは第2・第3担当を設けていることもあります。

また、オンコール担当日が少なければいいというものでもありません。オンコール当番の日には手当てが付くため、頻度が多ければ給料が増えます。

自分の求める給料と勤務日のバランスを見ながら、職場を選ぶというのも一つの方法でしょう。

出典:公益社団法人日本看護協会医療政策部「2014年訪問看護実態調査 報告書」

ステーションの職場環境や給料などで選ぶ

職場の旧称や勤務形態など、詳細な情報については転職エージェントに相談するのがおすすめです。

転職エージェントなら、数ある職場の中から自分の希望にあた働き方の職場を紹介してくれ、各職場の条件を見比べられます。

また、転職エージェントを利用すれば、転職活動を全面的にサポートしてくれるので、希望の職場に出会う確率が上がるのでおすすめです。

看護師の求人をさがすのにおすすめな転職サイト

以下では、看護師の求人を探すのに役立つおすすめサイトを紹介します。

レバウェル看護(旧:看護のお仕事)

レバウェル看護紹介画像

レバウェル看護の特徴
  • ともだちに勧めたいサービスランキング第1位
  • 求人数は日本最大級の12万件以上
  • LINEでも相談可能

※画像出典:公式サイトより抜粋

レバウェル看護(旧:看護のお仕事)は、看護師・准看護師・保健師・助産師などの資格所有者の転職が主な対象となる転職サイトです。

「友人に勧めたいサービス第1位」にも選ばれるなど実績もあるサイトで、サービスの信頼度が高いので安心して利用できるでしょう。

また、求人件数も12万件と多く、その中でも待遇の良い求人情報を閲覧可能なためよりよい条件の職場に出会え、転職成功率は高まります。

訪問看護の仕事に関しても、たくさんの求人があるためよりよい職場選びが可能です。

レバウェル看護に関する口コミ

不安に思っていることを話すと、訪問看護の現場に見学に行かせてくれて、実際に仕事している看護師さんに質問などさせて頂けたんです。細かい部分まで直接、確認できたことで安心できました。

事業所とのやりとりも代行してくれたので、50代でも転職を思ったより楽にできました。

出典:レバウェル看護

年齢を重ね、最近は初めての経験ってあまりなかったので一歩踏み出せなかった私に、必要な情報をくれて、でもけして押し付けないで待っていてくれたキャリアアドバイザーの方には感謝しています。

出典:レバウェル看護

レバウェル看護を利用することで職場の雰囲気を細かく感じることができたといった評価が多く、より自分の希望に合わせて転職できることが期待できるでしょう。

レバウェル看護(旧:看護のお仕事)で求人をチェック!

ナース人材バンク

ナース人材バンク

ナース人材バンクの特徴
  • 利用者満足度97%
  • 年間10万人以上の看護師が利用
  • キャリアパートナーは看護師専門、地域専任

※画像出典:公式サイトより抜粋

ナース人材バンクは、2005年の創設以来、年間10万人以上の看護師が利用している人気のサービスです。

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転職サポートを行ってくれるキャリアパートナーが、専門知識を生かした的確なアドバイスを行ってくれるため、転職で失敗したくない方や、信頼できる転職サービスを利用したい方に非常に適しているでしょう。

またナース人材バンクでは、看護師専門・地域専任のキャリアパートナーが条件交渉もしてくれるので、好条件で転職をしたい方にもおすすめです。

ナース人材バンクに関する口コミ

転職することが決まっていても、ずっと離れていた地元の情報がわからず、転職も初めてだったので、丁寧に対応して頂いて感謝しています。

個人的にあまり、グイグイと聞かれたりするのが苦手だったので、Kさんは程よい距離感を持って、こちらの要望も確認しながら進めてくださって、とても安心できました。ありがとうございました。

出典:ナース人材バンク

訪問看護の求人が見つからず諦めかけていたが、新規オープンの事業所を見つけてくれたのでナース人材バンクさんに登録してよかったと思った。

出典:ナース人材バンク

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アドバイザーが利用者の希望に応えるために最善を尽くしてくれたといった評価が多く、後悔のない転職ができる可能性が高いと言えるでしょう。

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※画像出典:マイナビ看護師公式サイト

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訪問看護に関するQ&A

訪問看護に関するよくある質問について簡単にお答えします。

訪問看護の求人を探すおすすめサイトは?

訪問看護の求人を探すなら「レバウェル看護」がおすすめです。

求人数が圧倒的に多く質も高いレバウェル看護ですが、訪問看護看護においてはとくにステーションの求人が多いのでステーション勤務に興味のある方にはおすすめです。

また看護のおしごとでは、職場の内部情報を踏まえた的確なアドバイスももらえるため、失敗しない転職に繋げられるでしょう。

訪問看護への転職を考えている方は、一度登録してみることをおすすめします。

新卒でも訪問看護師になれる?

訪問看護の仕事は個人の判断でケアを行っていくため、現実的に考えると経験の浅い新卒看護師には難しいです。

訪問看護師になるには、最低3年程度の実務経験が必要と言われ、小規模のステーションではほとんど新卒看護師を採用していません。

医療の知識・技術以外にも多くのことを求められる訪問看護の仕事は、ご家族からも「経験豊富な頼れる看護師さんに診てもらいたい」という意見が多いため、まずは実務経験を積んでからのキャリアアップがよいでしょう。

病棟勤務との違いは何?

病棟勤務との一番の違いは、担当業務の幅です。

訪問看護の場合は、利用者の方の症状に合ったケアを包括的にこなす点が、各科に配属される病院勤務の看護師とは異なります。

病院ではあまり行わない皮下点滴・消化器科のストーマ管理・内分泌科のインスリン管理・利用者の方のメンタルケアなどいくつもの科に関する医療ケアを行う訪問看護は、初めは戸惑いますが、豊富な知識と技術が身に付く仕事です。

また、設備が整っていない一般のご家庭でケアを行うことも、病院勤務とは異なります。

訪問看護師にはどんな人が向いている?

訪問看護師に向いているのは、主体的な行動ができる人です。

他にも、

  • 責任感がある
  • コミュニケーションが得意
  • 向上心があり意欲的に学べる
  • 体力に自信がありパワフル
  • ルーティン化した日々よりも変化が欲しい

上記に当てはまる人は性格的に訪問看護師の仕事があっているでしょう。

転職時の面接での質問内容は?

訪問看護に転職する際、面接でよく聞かれるのはそれまでの勤務経験です。

その他には、志望動機や前職の退職理由、自身の長所など一般的な面接で聞かれる内容や、訪問看護師を目指す理由について聞かれることが多い傾向にあります。

訪問看護の仕事についてまとめ

訪問看護の仕事についてまとめ
  • 求められるのは体力・責任感・看護の知識や経験など
  • 主体的にどんどん動ける人におすすめ
  • 業務内容が幅広く、知識や技術が身に付く
  • 体力面などで仕事がきついが、やりがいがある

訪問看護の仕事は、病棟勤務の看護師と違い、利用者の方のお宅へ訪問してケアを行うため体力的にもきつい仕事です。

訪問看護の現場では、訪問先への移動から看護ケア・介護ケア、時には利用者の方ご家族へ介護のアドバイスをしたり他業種とも連携をとる必要があったりと幅広い仕事が求められます。

また、訪問看護師はこれらの業務をマンツーマンで行うため、個人の判断や責任感が重要です。

ただし、土日祝日休みで高い給料が望める・看護師としての知識と経験が積めるなど得られるメリットも多いため、おすすめの職業となっています。

なお、よりよい条件の職場を探したい・希望の働き方をしたいという場合には、転職エージェントや転職サイトの利用がおすすめです。

今回ご紹介した「ナース人材バンク」「レバウェル看護(旧:看護のお仕事)」は看護師の求人に特化しているため、ぜひご利用ください。

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この記事は看護師に監修されています

看護師

城戸あき(しろと あき)

国立病院・大学病院で消化器内科、整形外科、内分泌内科を経験。現在は子育てと両立できるようフリーランスに転身し、医療ライターとして活動中。

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