介護職を辞めてよかった理由とは|ストレスの対処法や退職・転職時のポイントなど解説

「介護士を辞めてよかった理由は何?」

「介護士を辞めたいけど、退職・転職時のポイントは?」

このように介護職を辞めたいが、本当に辞める理由があるのか、辞めても大丈夫か、と不安な方もいるでしょう。

実は、介護職員で仕事に疲れた・しんどいなどの理由で介護職を辞めたいと思っている方は意外と多いのです。

この記事では、介護士を辞めてよかった理由について、ストレスへの対処法や退職・転職時のポイントなどを含めて詳しく紹介します。

この記事をご覧になれば、介護の仕事に疲れた・しんどいと悩んでいる人が転職についてしっかり考えることができるとともに、介護士を辞めて転職する際のコツもよくわかります。

介護士を辞めてよかった理由についてざっくり説明すると
  • 仕事がきつい・やりがいを感じない・人間関係に疲れたなどが辞める理由
  • 人間関係が楽になった・給料アップ・プライベートの充実などが、介護職を辞めてよかったこと
  • 辞めたいのは今の職場か介護職なのかを確認することが後悔しないためのポイント
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介護士を辞めたくなる理由・悩み8選

職場が怖い

ここでは、介護士を辞めたくなる理由について解説します。

仕事がきつい割に給料が少ない

まず、仕事がきつい割に待遇・給料が良くないとの不満が多いです。介護職は、長時間の重労働をしなければならないことがあります。しかし、月収は手取りにすると、多くても20万円程度に過ぎません。資格を取得すれ昇給を狙えますが、上がり幅は少ないと不満を感じる人もいるのです。

介護の仕事は、スキルや実績が外から分かり難いものです。そのため、勤続年数が優先されがちで、若い介護士が働き続づけるモチベーションを維持し難いこともあります。

介護職の待遇や給料に関する不満は、業界全体で共通して抱えられている課題です。介護職の働き手が持つ価値や貢献を正当に評価し、働きやすい環境を整備することで、人材確保と定着につなげることが求められています。

仕事にやりがいを感じられない

介護の仕事は本来やりがいがある仕事です。それにもかかわらずやりがいを感じられないというのであれば、辞めたくなるのもやむを得ないことです。

介護の仕事にやりがいを感じられない人とは、たとえば、介護の業務自体にストレスを感じる人、夜勤が嫌な人、などです。

また、介護業務は嫌いでないが介護以外はやりたくないという人や、大勢の前で話すことが苦手という人も、仕事内容によっては不満を感じるでしょう。

仕事内容に不満がある方は、苦手な業務、不満な業務を明らかにしておけば、転職先を探す際に役立つ可能性があります。

人間関係に疲れた

職場や利用者との人間関係の悩みは、積み重なって、ストレスになってしまうこともあります。介護職を辞める大きな理由です。

たとえば、同僚が不真面目で非協力的であったり、嫌味を言う先輩がいたり、職場でのいじめもありうることです。また、施設の利用者からの暴力やセクハラ、家族とのトラブルも少なくありません。

人間関係が良くないと、精神的に傷つき、疲れ切ってしまいます。

実際に、令和3年度「介護労働実態調査」 によると人間関係の悩みが退職理由の1位になっています。

適切なコミュニケーションや職場のルール整備、問題解決への取り組みなど、人間関係の改善に向けた努力が重要となります。

また、職場や業界のサポート体制を活用することも有効であり、専門家や相談機関の支援を受けることも一つの選択肢です。

将来が不安

将来に対する不安も辞める大きな要因です。特に、高校卒業直後や20代で介護業界に入って働き始めた方は、数年すると、「このまま介護職として働いていて良いのか」と不安になってくるようです。

介護職のままでは、給料がなかなか上がらない、自分のキャリアプランも見通せない・描けないと思い始めるのでしょう。介護士の仕事を続けて行くことに不安を感じてしまうのは、自然の成り行きとも言えます。

このような状況下では、自己成長や将来への展望を確保するために、転職や専門知識の習得、キャリア相談などを検討することも重要です。将来に向けた目標や選択肢を見つけることで、介護職としてのモチベーションや充実感を保つことができるでしょう。

生活リズムが悪くなる

介護の現場は、ご高齢の方が相手ですので、どうしても昼夜を問わずに活動しなければならないことも多いです。そのため、生活リズムが悪くなることがあることも、介護職を辞めたくなる大きな理由の1つです。

昼も夜もなく働いていると、睡眠時間が不足しがちなだけでなく、食事時間も不規則になり、時には食事を取りそこねてしまうこともあります。

その結果、生活のリズムがどんどん崩れてしまうのです。特に、正社員の場合は、シフトなどで必ず夜勤に入ることを求められる介護施設も少なからずあります。

体力的にしんどい

介護士の仕事は、高齢者の方の食事や排泄・移動などのサポートがメインです。体を動かすのが難しいお年寄りが相手ですので、相当な体力が必要な体力的にしんどい仕事になります。それが辞める大きな理由だという方も多いのです。

たとえば、お年寄りと言っても数十キロもある人を、何回も抱え上げなければならないこともあります。そのため、腰や膝を痛めてしまうことも多いのです。

また、シフトの関係で連休が取れないこともよくあります。ようやく休日になっても、疲れた体の回復だけにしか気が回らず、プライベートの時間を楽しむ余裕がないという方もいます。

理想と現実がかけ離れている

介護はやりがいのある仕事ですが、理想と現実がかけ離れているという現場の実態も辞める大きな理由になっています。

介護業界で働きたいという方は、お年寄りの面倒を見ることが大好きという方や、人からと感謝される仕事にやりがいと誇りを感じるという方が多いです。

しかし、実際の介護現場に入ってみると、そのような思いとは違っていることも多いのです。たとえば、規則通りに介助しなければならない場面が多く、自分の思い描いている介護ができないと戸惑い、苦痛と感じてしまう方もいます。

失敗できないストレス

失敗できないというストレスも辞める理由になっています。介護の職場は、日々人と接する現場です。入居者や職場の人たちとの人間関係が難しく、絶えずストレスがかかる職場とも言えます。

しかも、いつ不測の事態が起こるかわからない、緊張感・プレッシャーを感じてしまう職場でもあります。自分のちょっとしたミスが、重大な事故を引き起こしかねないのです。

一方で、責任感を持って仕事をしなければならない、絶対に失敗できないとの思いが強すぎると、逆に大きなストレスとなってのしかかってくるでしょう。そのために、仕事に対する意欲がそがれてしまうケースも少なくありません。

違法な医療行為が見られる

違法な医療行為が見られる施設では、働き続けるべきではありません。特に、違法な医療行為が常態化していて、改善の意思が全く見られない介護施設はすぐにでも辞めた方が良いです。

介護業界は人手不足ですが、特に医療関係の有資格者が不足しています。そのため、中には医療行為を行う資格がない介護士に医療行為をさせる介護施設もあるようです。

資格がない職員に医療行為をさせることは、違法です。それだけでなく、利用者の健康を害し、場合によっては命の危険をもたらしかねません。

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職場が変わると働き方も変わる

介護士

上で見てきたように介護士を辞めたくなる理由はいろいろあります。しかし、職場が変わると働き方も変わります。

同じ介護職の仕事でもいろいろなタイプの施設があります。また、それぞれの職場によって働き方も違うでしょう。今の職場に不満がある時は、同じ介護の仕事で職場を変えることを試してみると良いです。

希望にあった働き方ができる職場が見つかり、介護職への不満がなくなるかもしれません。他の介護施設をいくつか試してみても不満が残る時は、介護以外の業界に転職することを検討した方が良いでしょう。どちらの場合も、正社員だけでなく、派遣社員や契約社員、パートなどで働く選択肢もあります。

介護職を辞めてよかったこと

元気な介護士

介護士を辞めたいけど本当に辞めていいのか分からないと思っている人もいるでしょう。ここでは、そのような方のために介護士を辞めてよかったポイントを紹介します。

介護からの転職に関するある調査では、ほとんどの人が転職に満足しているという結果が公表されています。次に、紹介する理由は介護スタッフの体験談に基づくものです。

転職して後悔したくないと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

人間関係が楽になった

上記の通り、人間関係で悩んでいる介護士の方は結構います。介護職を辞めることで、その悩みから解放され、人間関係が楽になったというのです。

介護は多くの関係者と協力しながら行う仕事です。入居者だけでなく、職場のスタッフとの良好な人間関係が求められます。

しかし、想像以上に気を使うしんどい仕事で、職場の上下関係やいじめ、入居者からの暴力などで悩み、ストレスを抱えている方も多いでしょう。その悩み・苦しみから解放され、楽になったのであれば、本当に辞めて良かったと言えます。

給料アップに繋がった

転職したら給料アップできたというのも、介護士を辞めてよかったと思う理由です。不規則な勤務時間や仕事のきつさの割に給料が安いと言われるのが介護職です。

介護報酬の改正で給料の改善も多少は期待できますが、思い通りのアップは難しいと見込まれます。当面の生活、そして先々のことを考えても、転職は有力な選択肢になります。

問題は転職した後の待遇ですが、他の職種に転職して給料が上がったという声も多いです。

プライベートが充実するようになった

プライベートが充実するようになったとの声も多いです。介護士は土日や祝日も仕事があります。長期休暇が取りづらいだけでなく、所定の休日に出勤しなければならないことも少なくありません。

たまに休みが取れた時も、ひたすら体を休めるだけで1日が終わってしまうこともあります。ですから、介護職を続けていると、好きなことができないという悩みを抱えがちです。

他の仕事に転職することで、家族と一緒に過ごす時間や友人と会う機会が増え、プライベートを楽しむ余裕ができれば、それに越したことはありません。

身体的にきつくなくなった

身体的なきつさがなくなったという喜びの声もあります。介護の仕事は、入浴介助などのように力仕事の面があります。

お年寄りとは言え結構重い身体を抱えたり、支えたりすることは、きつくしんどいものです。きつさを堪えて仕事を続けていると、腰痛になってしまうなど、体を壊す結果にもなりかねません。

無理をして介護の仕事を続けるより、身体を大切にできる職場に転職する方が長い目で見ても安心できる場合も多いでしょう。

生活習慣がよくなった

転職して不規則な生活から解放され生活習慣がよくなったという方も多いです。

介護士不足の状況下で、介護職は、長時間労働、日勤・夜勤のシフト、休日を取れないなど、不規則な勤務が続くことがあります。しかし、思い切って転職すれば、決まった休み・まとまった休みを取れる可能性があるのです。

たとえば、介護職を辞めて派遣として工場勤務で働き始めたところ、決まった休みを取ることができ、規則的な生活を送れるようになったと、喜んでいる方は結構います。

ストレスが減った

ストレスが減ったということも、転職して良かったとされる大きな理由になっています。

説明してきたように、介護職は、体力的にしんどい・きついだけでなく、精神的にも負担が大きな仕事です。たとえば、人間関係からくるストレスや、失敗はできないというストレスは、精神的にかなりの重荷です。

介護職にやりがいを感じつつも、この体力面・精神面の負担の大きさのために、ストレスを抱え込んでいる介護士の方は多いでしょう。介護職を辞めることで、慢性的なストレス状態から解放されるのであれば、大きなメリットです。

【体験談】介護職での働き方を変えてよかったこと

元気な介護士

上の見出しで介護職を辞めて他の職種に転職した人を例に、介護職を辞めてよかった理由を紹介しました。

ここでは、介護職を続けながら悩みを解決できた人の例を紹介します。

給料をあげるために夜勤専従に転職した

参考:スタッフ満足web

製造業から介護業へ転職して驚いたことは、給料の低さです。もちろん、事前調査はしていたのですが…。

それまで、賞与もある正社員での働き方にこだわってきましたが、これほど低くなるとは思っていませんでした。むしろ夜勤のみで働いた方が収入アップできるのではと考え、夜勤専従可能な転職先を探すことにしました。

ただ、夜勤専従となると、正社員募集はあまりありません。派遣を含めて探し始めたところ、幸い正社員で夜勤専従可能な職場を見つけることができ、給料もアップできました。

施設を変えたら自分がしたい介護をできるようになった

前職の訪問介護では、利用者さんの自宅まで出向き、介護をしていました。しかし、介護以外のことをお手伝いしたいと思っても、規則で対応できないことがいろいろありました。

このため、自分がやりたい介護とは違うというもどかしさが次第に強くなってきました。異業種への転職も考えましたが、他の施設であればもっと思いどおりの介護ができるのではと考え、職場を変えてみました。

今の施設に移ってからは、一人ひとりと向き合う介護が以前よりもずっとできている気がします。今では、職場を変えて本当に良かったと思っています。

プライベートのことを考えて働く時間を固定した

以前は正社員として施設が決めたシフトに従って働いていました。しかし、朝・昼・夜を問わず仕事が入る毎日で、生活のリズムが乱れてしまいました。休日も外出する気になれません。

それでも、何とか頑張り、時には子供たちと出かけることもありました。その時はとても楽しいのですが、またしんどいシフトに戻るのかと思うと悩んでしまうのです。

このままでは、ストレスで大きなミスを犯すかもしれないと心配になり、夜勤がない早出・日勤・遅出のみの正社員として働けるよう施設に相談しました。給料的には多少マイナスですが、幸い快諾していただき、今では、充実した毎日を送っています。

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辞めたいと思っている介護職を続けるデメリット3選

困る介護士

ここでは、辞めたいと思っている介護職を続けるデメリットを3つ紹介します。

心身の病気で仕事ができなくなる

まず、心身の病気で仕事ができなくなってしまうことです。辞めたいと思うのに介護職を続けていると、不規則な生活習慣から心の病に陥ることがあるのです。さらにストレスを抱えて仕事を続けていると、身体的疲弊が積み重なり、状況が深刻になることもあります。

実際に、介護労働安定センターの「介護労働者のストレスに関する調査」によると、介護職員の85.8%が「仕事や職業生活に関する強い不安・悩み・ストレスがある」と回答しています。

仕事や職業生活に関する強い不安・悩み・ストレスの有無

ある ない 無回答
全体 85.8% 12.5% 1.7%

そして、77.4%が「今の仕事は身体的な負担が大きい」と感じています。

職場や仕事に感じていること (複数回答)

はい
今の仕事は身体的な負担が大きい 77.4%

出典:公益財団法人介護労働安定センター「介護労働者のストレスに関する調査」

中にはうつ病や対人恐怖症になってしまう人もいます。うつ状態が続くと、自分が疲れていることさえも、わからなくなることがあるのです。

「しっかり休みを取ったのに全く休んだ気がしない」「食欲がなく体重が急減した」「以前よりネガティブになった」などと感じる人は要注意です。

転職することが厳しくなる

現職での介護の仕事を続けていると、転職が難しくなることも、考えておかなければなりません。介護職のスキルは、必ずしも他の職種で活かせるわけではありません。

そのため、次の職場を探そうと思っても、なかなか決まらずに困ることもあります。職種によっては、運転免許が必須、年齢が若い人を優先して採用するなど、介護業界からの転職が容易でない職場もあります。

しかも、介護職はシフト制のことが多く、転職活動のための面接の時間や休みを希望どおりに取り難いでしょう。そのため、辞めたくても辞められなくなってしまいかねないのです。

将来に見込みがない場合がある

次に、職場に将来性がない場合があることもデメリットになるケースです。パワハラがある・コンプライアンスを守らない・職場教育が徹底していない・上司が部下に仕事を任せきり、などの特徴がある職場は、将来性がないと考えて良いでしょう。

そのような職場で働き続ける意味は、ほとんど見出せません。現に、令和3年度「介護労働実態調査」によると、介護職の離職理由の約15%は「職場の将来性に見込みがなかったため」となっています。

要介護者が引き続き増加を続ける一方で、介護業界の人手不足は深刻です。ですから、介護職そのものの将来性は高まっても、低下することは考え難いです。今の職場に将来性を感じないのであれば、職場を変えることを躊躇する必要はありません。

後悔しない転職をするためのポイント

ここでは、後悔しない転職をするポイントを紹介します。

介護職を辞めようかどうか迷っている人は、次の2点を確認してから本当に辞めるべきかを判断した方が良いです。

  • 辞めたいのは今の職場か、それとも介護職か
  • 今の職場に辞めるべき職場の特徴があるか

辞めたいのは今の職場か、介護職なのかを確認する

まずは、自分が今の職場に不満を持っているのか、それとも介護職そのものに不満を持っているのかを改めて確認する必要があります。

その点をしっかり確認できれば、他業界へ転職する方が良いのか、それとも今後も介護職を続けるべきかの判断も、間違いなくできるでしょう。

今の職場を辞めたい場合

仕事がしんどい・疲れたなどの不満を抱え込んでいると、冷静な判断ができません。後悔しないためにも、立ち止まって今の職場を退職するメリットとデメリットをよく考える必要があります。

ただし、職場環境は、自分一人では改善できません。自分が抱えている悩みに上司が向き合ってくれなければ、改善は期待し難いのです。

速やかに問題を解決できない職場なら留まる理由はありません。転職することをおすすめします。

介護職そのものを辞めたい場合

退職するとしても、単に職場を変えるだけでは解決できない問題もあります。たとえば、身体的な理由や精神状態が原因で、介護職を続けられない時です。

そのような理由で介護職そのものを辞めたい場合は、無理に働き続けることはありません。ひとまず退職して休養することも解決策です。

適切な休息や治療を経て、再び自身の状態や希望に応じた新たなキャリアや職場を模索することも選択肢の一つです。自身の健康と幸福を最優先に考え、適切に判断しましょう。

今の職場に辞めるべき職場の特徴があるかを確認する

辞めた方がいい職場には、「人間関係が悪い」とか、「待遇が悪い」「研修制度がしっかりしていない」、などの特徴が見られます。

また「違法行為が見られる」職場は論外として、悪い風習が残っているとか、介護職員を軽視する風潮がある職場、さらには罵詈雑言を浴びせられる、パワハラがあるなどの職場も、今すぐにでも辞めるべき職場です。

今の職場に、このような辞めるべき職場の特徴があるかどうかをしっかり見極めましょう。

介護を辞めるのにおすすめのタイミングは?

お金

ここでは、介護を辞めるのにおすすめのタイミングについて解説します。

退職の申し出は余裕を持って行うべきもので、一般的には実際に退職する1〜3ヶ月前に伝えるのが良いとされています。

3ヶ月ほど分の貯蓄ができてから

介護を辞めるタイミングは、3ヶ月ほど分の生活費相当の貯蓄ができてからがおすすめです。

介護職を続けながら転職先を見つけることができれば、それに越したことはありません。しかし、辞めてから転職先を探すとなると、数ヶ月間決まらないこともあり得ます。

ですから、少なくとも3ヶ月間は収入がなくても暮らしていける貯蓄を作っておくことが大事なのです。退職後3ヶ月をしのげれば、自己都合退職の場合でも、雇用保険の失業給付を受け取ることができます。

ボーナスが入ってから

もう1つの辞めるタイミングは、ボーナスが入ってからです。ボーナスのまとまった金額が入れば金銭的な不安を解消でき、早く決めなければと焦ることもなくなるでしょう。

ボーナスをもらってすぐ退職するのは後ろめたくて気が進ないという方もいますが、ボーナスはそれまで仕事を頑張ってきことへの評価に基づく対価です。

全く気にする必要はありません。むしろボーナスをもらった時は、辞める絶好のタイミングと言って良いでしょう。

退職や転職を考えたときにすべきこと

気合ある介護士

ここでは、退職や転職を考えたときにすべきことを解説します。介護職を辞めたいと思ったとしても、その場の勢いで後先考えずに辞めてしまうと後悔しかねません。そのようなことがないように、辞める前にやっておくべきことがあるのです。

職場に待遇や体制の改善を求める

職場に関する不満や辛いこと・しんどいことがある時にまずやるべきことは、今の職場に待遇や体制の改善を求めることです。働いている職場の体制・働き方を変えてもらうことができれば、働きやすくなるかもしれません。

いきなり退職意思を伝えるのではなく、その前に状況改善に取り組んでみましょう。それでも改善の見込みがないのであれば、退職・転職を考えてみると良いです。

他の人に相談してみる

介護職を辞める決断をする前に、他の人に相談してみることも大事です。自分一人であれこれ考え込むと視野が狭くなり、判断を誤るかもしれません。家族や友人など信頼できる人に相談して、アドバイスをもらいましょう。

信頼のおける人に相談することで、自分自身の考えも整理でき、それまで気づかなかった解決策が見つかることもあります。近くに相談できる親しい人がいない場合は、転職エージェントを活用するのも良い方法です。

辞める前に転職先を決める

辞める前に転職先を決めることは、特に大事なポイントです。転職先がすぐ決まるとは限りません。いきなり辞めてしまうと、収入が途絶え、生活が一挙に苦しくなってしまう恐れがあります。

転職先が決まるまで期間を要する場合も考えて、辞めるにしても計画的に進めましょう。特に、収入面の不安などから焦って転職先を決めることは避けましょう。自分の目指していた転職とミスマッチが起こり、再び前の職場と同様の状況に陥ることにもなりかねません。

すぐに辞めたいと思っても、転職先が決まるまでは現在の介護職を続けた方が良い場合が多いのです。

転職理由にはマイナスイメージを持たせない

転職理由は、面接でほぼ確実に尋ねられる質問です。その際に、介護業界や前の職場の勤務環境・人間関係などへの不満を述べることはNGです。ネガティブな理由は、応募者自身のマイナスイメージになりかねません。

それよりも、介護士としての経験を活かしてステップアップしたい、新しい仕事にチャレンジしたい、などの前向きな気持ち・意欲を示すことが重要です。たとえば、介護の現場で培ったコミュニケーション力や精神的なタフさは、どんな職場でも歓迎されるでしょう。

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介護福祉士からの転職で給料は上げられる?

勉強

結論から言いますと、介護福祉士の資格を持っているからと言って、転職して給料を上げられる保証はありません。給料アップをねらうのであれば、他の資格を取るなどの工夫・努力をして、他の人と差別化を図りましょう。

また、役職がついて給与が高くなる転職先を探すのも良い方法です。大きな施設などでは、介護経験がありマネージメント力もある人材を募集していることもあります。ただし、募集数は多くなく、マネージメント経験や他業種で働いた経験なども必要です。

他の資格を取る余裕がなく、役職のついた転職先を見つけることも難しい場合は、異業種への転職を検討する方が良いでしょう。

介護職からの転職でおすすめの業種

保育士

ここでは、介護士から転職するときにおすすめの業種を紹介します。

介護業界内の転職

介護職を辞めたくなる理由には、同じ業界内で職場を変えることにより解決できる問題もあります。人間関係や働き方の不満などであれば、同じ介護業界の他の施設への転職を考えてみると良いです。

働き先が違うだけで働き方や介護負担が大きく変わり、不満に思っていたことも驚くほど改善することも多いです。しかも、同じ業界で働き続けることができれば、介護士としての経験やキャリアを活かせます

ただし、条件がいい職場を見つけることはそれほど簡単ではありません。以下で介護職を辞める理由別に、自分に合う介護施設の見つけ方を紹介します。

人間関係が理由の場合

人間関係の悩みが辞めたい理由の場合は、他の業界に転職する必要はありません。同じ業界内で職場を変えることで、状況を改善して働きやすくなる可能性が十分あります。

大事なことは、一緒に働く仲間と良い関係で仕事ができることです。上手く波長が合えば、スムーズに協力でき、働きやすい環境になるでしょう。

それでも、チームでの仕事が苦手という方は、一人で動くことの多い訪問介護の仕事を検討してみると良いです。

給料が低いという理由の場合

給与額は、介護施設の種類によってかなり違います。給料が低いことが辞める理由の場合は、希望する給料に届きそうな介護施設の種類を考えて転職先を選ぶと良いです。

たとえば、夜勤勤務がある特養・老健・有料老人ホームや、医療的ケア・リハビリを行っている施設が選択肢となり得ます。

また、給料の内訳が明瞭な事業所を探すことも大事です。交通費や残業代・資格手当の有無と金額が明示されている施設を選びましょう。基本給だけ見ていると、実際の手取り額が思っていたより少ないということになりかねません。

以下の表は、介護施設別の介護職員の平均給与です。

介護士施設 平均給与額(常勤) 平均給与額(非常勤)
介護老人福祉施設 347,520円 212,260円
介護老人保健施設 338,280円 278,930円
介護療養型医療施設 285,100円
介護医療院 321,120円 283,360円
訪問介護事業所 317,800円 194,040円
デイサービス 276,680円 170,080円
デイケア 305,100円 247,500円
有料老人ホーム 313,850円 194,430円
小規模多機能型居宅介護事業所 291,440円 216,010円
グループホーム 293,270円 210,500円

出典:「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」

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身体的な負担が理由の場合

身体的負担や不調が介護職を辞めた理由の時は、介助業務の負担が少ない介護施設を選ぶようにしましょう。たとえば、健康型有料老人ホームや、介護ロボットの導入に積極的な介護施設などへの転職がおすすめです。

また、夜勤や残業が多く不規則な勤務がしんどい時は、夜勤や残業が少ない事業所を探しましょう。たとえば、日勤だけの訪問介護や、夜勤シフトがないデイサービス、あるいは夜勤専従などにシフトが固定されている働き方があります。

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さらに、正社員にこだわらずに派遣社員を選べば、ある程度自分の希望に沿った勤務も可能です。

保育士、保育補助

保育士や保育補助への転職もおすすめです。保育の仕事は、介護と仕事内容が似ています。しかも、介護福祉士などの資格を持っていれば、保育士資格を取りやすいです。

保育関係の職場は、介護の職場と違って基本24時間体制ではありません。夜勤は基本的になく、生活のリズムが崩れる心配がほとんどないのが魅力です。小さなお子さんが相手ですので、体力面での負担は介護職ほど大きくありません。

保育士の資格がない方や、資格を取れそうもない時は、保育園での活動をサポートする保育補助もおすすめです。保育補助は、資格が要らないので挑戦しやすくなっています。

営業職

介護士は、利用者やご家族とのコミュニケ―ションが必要な仕事です。加えて、説明力や提案力などの知識・スキルも必要な職種です。ですから、介護で経験を積んだ方は営業職にも向いていると言えます。

特に、人と話すことが楽しい・コミュニケーションが得意という方は、営業職への挑戦を選択肢に入れてみると良いでしょう。

介護用品販売など介護業務に関連する営業であれば、専門知識もある程度身に付いており、スムーズな営業が期待できます。

一般職や事務職

一般職や事務職も、体力的に介護士を辞めたいと考えている人に向いています。一般職や事務職は夜勤がほんどない場合が多く、比較的、規則正しい生活を送ることが可能です。

たとえば、介護職から医療事務に転職する場合は、新たに覚えるべき知識もありますが、介護の知識や経験を活かして活躍できます。しかも、「日勤のみで働きたい」「肉体労働は避けたい」といった希望があれば、それを踏まえた働き方ができる可能性も高い職種です。

転職先が介護事務の場合は、もちろん介護職の経験を活かしやすいです。介護事務は、受付・介護報酬請求・介護手続きなどが仕事ですが、介護職よりも人とのコミュニケーションを減らせます。人とのコミュニケーションが不得手という方に向いています。

看護師

人をサポートする仕事を続けたい方やスキルアップしたい方におすすめなのは、看護師です。

看護師は、介護職より給与が高めで、生活も安定しやすいです。ただし、介護士から看護師になるためには、国家資格を取る必要があります。

その点、看護助手であれば無資格・未経験でも始めることができます。看護助手の仕事は、シーツの取り替えや清掃・患者さんの移送などの患者さんのお世話と、看護師のサポートです。

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接客業・サービス業

介護士の仕事で培ったコミュニケーション力を活かすことができる接客業やサービス業も、転職先として有力な候補です。

接客業・サービス業の求人は、たとえば、飲食店の従業員、ホテルのフロントスタッフなど幅広く、件数も多いです。未経験でもチャレンジしやすく、広い選択肢から自分に合う転職先を比較的容易に選べます。

業態によっては、超勤や休日出勤が多くなることもありますが、給料が上がる可能性もあります。

介護ドライバー

介護ドライバーは、介護施設の利用者の送迎が仕事です。普通運転免許を持っていて施設の小型バスを運転できる方であれば、介護ドライバーになれます。

介護ドライバーの仕事は、介護の一環として馴染みもあり、転職先として選びやすい職種です。介護経験があることが、採用面でのプラス評価になることも期待できます。

ただし、介護ドライバーはパート募集が多いので、給料的には多くを期待できないと考えておいた方が良いです。

製造業

人間関係のトラブルで辞めた方や、人と関わる仕事は極力避けたい方は、製造業への転職を選択肢に入れてみると良いです。工場勤務などの場合、未経験の正社員募集の求人も結構あります。

工場勤務であれば、勤務時間が決まっているのが通例です。しかも、給料も介護職と比べて高い傾向にあります。

一方で、単純な繰り返し作業が多く、覚えやすい反面、できる仕事が限られる場合が多いです。そのため、作業に飽きてしまう、キャリアを積みにくいなどのデメリットもあります。

マーケティング職

マーケティング職は、膨大な顧客情報を収集・分析し、顧客の関心などを調査するのが仕事です。スマホ・SNSなどの普及に伴いマーケティング職のニーズが高まっています。

異業種で未経験者にはややハードルが高いかもしれません、介護職に疲れた・しんどいという方におすすめの職種の1つです。

プログラマー・エンジニア

プログラマー・エンジニアは、IT化が急速に進んでいる今日、一段と需要が高くなっている職種です。介護職とは、かけ離れた仕事で戸惑いがあるかもしれませんが、将来性があり給料的にも期待が持てます。

自身の興味や適性、将来へのビジョンを考慮しながら、転職の選択を慎重に検討することが重要です。

ただし思い切って転職してチャレンジするだけの価値はあるでしょう。

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、求職者の仕事の悩みや希望する働き方を聴いて、転職先の提案・アドバイスを行うのが主な仕事です。介護士として培ってきた聞く力やコミュニケーション力をフルに活かすことができます。

需要が増えている一方、人材が足りておらず、未経験でも挑戦しやすい職種です。

介護職に疲れた・しんどいなど、様々な理由で新しい業種へのチャレンジを考えている方におすすめです。

介護職からのおすすめの転職サイト3選!

ここでは、実際に転職を進めたいという人のためにおすすめの転職サイトを紹介します。

介護ワーカー

介護ワーカー

※画像出典:介護ワーカー公式サイト

介護ワーカーの特徴
  • 年間転職成功実績1万件以上
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介護ワーカーは評判・実績ともに優れている転職サイトです。

求人数が多く、正社員への転職や未経験でもできる仕事への転職を希望している人にうってつけのサイトです。数ある求人の中から担当者が希望に合う求人を見つけてくれるでしょう。

年間転職成功実績は1万件以上です。また、「面接の日程調整、条件交渉・手続き代行、さらに履歴者の書き方・面接対策まで手厚くサポートしてくれる」という口コミもあります。実績もあり、評判も良い信頼性が高い転職サイトです。求人を幅広く探して、転職したいという人に合うサイトの1つです。

項目 内容
求人の数 9万件以上
対応エリア 47都道府県
特徴 口コミの評価も実績も抜群
登録がおすすめの人 多くの選択肢から求人を選びたい人
手厚い転職サポートを希望する人
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カイゴジョブ

カイゴジョブ

※画像出典:カイゴジョブ公式サイト

カイゴジョブの特徴
  • 専任キャリアパートナーが転職をサポート
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リクルートエージェント

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※画像出典:リクルートエージェント公式サイト

リクルートエージェントの特徴
  • 転職業界でトップクラスのサービス
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介護職から介護職以外への転職を考えている方には、クルートエージェントがおすすめです。

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介護職の離職率

介護労働安定センターの「令和3年度度介護労働実態調査」によると、介護職の離職率は14.1%です。

厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果」によると、全産業の平均離職率は13.9%ですので、介護職の離職率は全産業平均の離職率をわずかに上回っているということがわかります。

ただし、介護職の離職率が高いということではありません。たとえば、飲食・サービス業の離職率は約30%とかなりの高率で、これに比べるとむしろ低いと言えます。

また、介護職の離職率は、平成22年度は17.8%でしたので、令和3年度は3.7ポイントの改善が見られます。「介護業界は離職率が高い」というイメージがあるかもしれませんが、実は介護の離職率はこのところ一貫して改善傾向にあるのです。

【2024最新】介護業界の離職率は高い?実際のデータから介護職員の離職理由も徹底解説

介護士を辞めてよかった理由についてまとめ

介護士を辞めてよかった理由についてまとめ
  • 辞める前に、職場に改善を求める・他の人に相談する・転職先を決めておくことが大事
  • 人間関係や給料の低さが転職理由なら介護業界内の転職も検討すべき
  • 介護職以外のおすすめの転職先は、保育士・営業職・事務職・看護師・接客業など

今回は介護士を辞めてよかった理由について、ストレスへの対処法や退職・転職時のポイントなどを含めて紹介しました。

介護職は、やりがいのある仕事ですが、体力的にしんどくストレスを感じやすいことも確かです。

辞めたいと思う方や迷う方も多いと思いますが、この記事を参考にして転職について改めて考えて、自分が進むべき方向を見つけていただければ幸いです。

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